ノンフィクションはこれを読め!

堀川 大樹の記事

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『バッタを倒しにアフリカへ』ストイックすぎる狂気の博士エッセイ 書影

サイエンス / 生物・自然

『バッタを倒しにアフリカへ』ストイックすぎる狂気の博士エッセイ

書店内でいやでも目を引く、虫取り網をかまえこちらを凝視する全身緑色のバッタ男の表紙。キワモノ臭全開の本書だが、この著者はれっきとした博士、それも、世界の第一線で活躍する「バッタ博士」である。本書はバッタ博士こと前野ウルド浩太郎博士が人生を賭けてバッタの本場アフリカに乗り込み、そこで繰り広げた死闘を余すことなく綴った渾身の一冊だ。 「死闘」と書くと「また大袈裟

『ヒトの遺伝子改変はどこまで許されるのか ゲノム編集の光と影』イノベーションに突きつけられた、大きな課題 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『ヒトの遺伝子改変はどこまで許されるのか ゲノム編集の光と影』イノベーションに突きつけられた、大きな課題

生殖医療技術と遺伝子改変技術の目覚しい進展により、人類はすでに、自分たちの遺伝子を改変する時代に入っている。 本書の「遺伝子改変は"どこまで"許されるのか」というタイトルは、いま議論すべき喫緊の課題である。本書では、生命倫理学の専門家である著者が、生殖医療技術と遺伝子改変技術の過去と現在を紹介しつつ、この課題の落としどころを冷静に探ってゆく。 ゲノム編集技術

『衛生害虫ゴキブリの研究』年季入りの本格的ハードコア・ゴキブリ書 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『衛生害虫ゴキブリの研究』年季入りの本格的ハードコア・ゴキブリ書

「黒塗りの家庭内ランナー」としてお馴染みの生きもの、ゴキブリ。 たったの一匹が加工食品に混入しただけで、ひとつの企業を存続の危機に追いやるほど、この生物は忌み嫌われている。だがはたして、この同居人の実際の姿を知る日本人は、いったいどれくらいいるだろうか。 何のてらいもないタイトルの通り、本書は、屋内で遭遇する衛生害虫ゴキブリの研究書である。著者は、民間の研究

『ゲノム編集の衝撃 「神の領域」に迫るテクノロジー』来るべき未来に備えて正しい理解を 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ゲノム編集の衝撃 「神の領域」に迫るテクノロジー』来るべき未来に備えて正しい理解を

「今、もっともエキサイティングなバイオテクノロジーは何か」。この質問に対し、多くの生命科学者は次のように答えるだろう。「それはゲノム編集だ」、と。本書は、ゲノム編集がどのような技術で、この技術がいかに未来を変えうるかについて解説した良書である。 ゲノム編集とは、遺伝子の本体であるDNAの狙った位置を切り貼りするなどして「編集」し、その生物のすべての遺伝情報、

松尾芭蕉マニアもいる?!等身大の北朝鮮がみえてくる『実録・北の三叉路』 書影

社会 / 民俗・風俗

松尾芭蕉マニアもいる?!等身大の北朝鮮がみえてくる『実録・北の三叉路』

本書は北朝鮮系の人々を描いたノンフィクションである。北朝鮮、といっても、日頃の報道番組が扱うような、政治的な話にフォーカスしたものではない。スポットライトが当てられているのは、北朝鮮に暮らしていたり、北朝鮮にルーツをもつ、いたって普通の人たちだ。ふだん知られることのない彼らの日常が、本書では実にいきいきと語られている。 ベールに包まれている北朝鮮系の人々にア

我々は特別な存在か。宇宙的バランス感覚を養う一冊『生命の星の条件を探る』 書影

サイエンス / 生物・自然

我々は特別な存在か。宇宙的バランス感覚を養う一冊『生命の星の条件を探る』

生命の星、地球。都会のようなコンクリートジャングルにおいても雑草が茂り、アリたちが闊歩する。足下をふと見れば道路の片隅にコケが生育していて、そのコケの中にはクマムシがいる。朝晩の電車に乗り込めば、無数のホモ・サピエンスと接触する。生物はそこに居て当然。そんな風に私たちは感じてしまう。だが、地球以外の天体に由来する生命体は、現在までまだ見つかっていない。はたし

昆虫研究者に囲われた、セクシーすぎる愛人たちの図鑑『きらめく甲虫』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

昆虫研究者に囲われた、セクシーすぎる愛人たちの図鑑『きらめく甲虫』

皆様、大変お待たせしました。クマムシ博士のデビュー書評@HONZです。これまでにもHONZでは自称・虫マニアたちが、変わった本を見つけてはしゃぎ回っておりましたが、ついに真打ち登場です。あのクマムシ博士も嫉妬した、甲虫版グラビア写真の奥深き世界をどうぞご堪能ください。(HONZ編集部) 「これまでの昆虫図鑑の概念を覆した」。本書のことを、こう紹介しても過言で