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484記事

『Mine! 私たちを支配する「所有」のルール』現代社会の所有概念とは? 書影

社会 / ビジネス

『Mine! 私たちを支配する「所有」のルール』現代社会の所有概念とは?

「私のもの!」という感情が私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか。本書を読むと、何気なく過ごしていた日常が全く異なって見える。「座席のリクライニングはどこまで自由に倒せるのか?」「ディズニーランドでお金を支払って最前列でショーを観れるのは、平等なのか?」意識せずにはいられなくなる。 「所有を設計する」とは耳慣れない言葉であるが、社会には「所有」を生かした工

『トヨタ 中国の怪物』トヨタの中国進出と創業家世襲に秘められた歴史 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『トヨタ 中国の怪物』トヨタの中国進出と創業家世襲に秘められた歴史

一見関係のないものを掛け合わせると、思いもよらない新しいものが生まれることがある。本書は「中国現代史」と「トヨタ創業家の歴史」を組み合わせることで、これまでにない角度からトヨタの核心部分を描くことに成功している。 異質なものを掛け合わせるには触媒が必要だが、本書では、ひとりの男性がその役割を務める。男の名は、服部悦雄。”低迷していたトヨタの中国市場を大転換さ

『劇的再建』新しい「希望の物語」を提示する一冊 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『劇的再建』新しい「希望の物語」を提示する一冊

熱量の高い一冊だ。読みながらなんども胸が熱くなった。だがこの熱は、著者が抱く強い危機感から発せられたものでもある。 著者は大阪市の中小企業支援拠点「大阪産業創造館」に創業メンバーとして参画しつつ、ビジネス情報誌「Bplatz」初代編集長として多くの経営者を取材してきた経歴を持つ。なぜ、資源もない島国の日本が経済大国になれたのか。この事実がかねてより著者には謎

『あのとき売った本、売れた本』永遠に読んでいたい「本屋の裏話」 書影

教養・雑学 / ビジネス

『あのとき売った本、売れた本』永遠に読んでいたい「本屋の裏話」

人生でもっとも長いおつきあいの書店は、紀伊國屋書店新宿本店である。かれこれ35年。つきあいが長くなれば倦怠期だってありそうなものだが、半日滞在しようが、週に何度も通おうが、いまだに飽きることがない。行くたびに発見や刺激があるのだ。こんな素晴らしい場所、他にあるだろうか。 本書は新宿本店で25年間にわたり文学書売り場に立ち続けた名物書店員の回想録である。とにか

『最後の海賊』その先に待つのは破滅か、栄光か 書影

人物 / ビジネス

『最後の海賊』その先に待つのは破滅か、栄光か

楽天グループが危機に瀕しているという声をよく聞く。 2023年1月~6月期の連結決算は、最終損益が1399億円の赤字。好調な事業もグループ内にはあるものの、営業赤字が1850億円にのぼったモバイル事業が大きく足を引っ張っているとされる。加えて来年以降は、基地局整備などに充てるために発行した社債も大量の償還を迎える。償還に向け、グループ会社の上場や一部資産の売

ポートフォリオはあなた次第『じぶん時間を生きる』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

ポートフォリオはあなた次第『じぶん時間を生きる』

書店で本を選ぶとき、まずオビに目がいくという人も多いだろう。本書を手にしたとき、私の目に最初に飛び込んできたのは「資本主義から自由になる生き方考」というフレーズだった。同じような内容の本を、これまで山ほど読んできた。棚に戻そうとした次の刹那、ひっかかる言葉が目に飛び込んできた。 「効率化するほど時間に追われるのはなぜ?」 その時私は、これと同じ問題意識を抱え

明日はわが身『職場問題グレーゾーンのトリセツ』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

明日はわが身『職場問題グレーゾーンのトリセツ』

世の中の変化に法律が追いついてない。多くの職場で「業務指導しただけでパワハラ?」「テレワーク中の怪我は労災?」「会社支給のスマホを壊したら弁償?」「そもそも副業ってどうなの?」など、働く側も雇う側も戸惑ってばかりだ。こういった事案を“職場問題グレーゾーン”と定義し、その疑問に実務経験豊富な社会保険労務士が丁寧に答えていくのが本書だ。 「もうすぐ育休復帰する後

『ニッポン美食立国論』食の「ヘンタイ」を発掘せよ!ネット時代の「美食」ツーリズム 書影

社会 / ビジネス

『ニッポン美食立国論』食の「ヘンタイ」を発掘せよ!ネット時代の「美食」ツーリズム

もはや新型コロナは過ぎ去ったかのように、人は旅を楽しんでいる。異国への興味はどの国の人も等しく持っているらしく日本の観光地は外国人で溢れている。 とくに日本の「食」は世界中の憧れだと言われている。インバウンドや富裕層を対象に美食を核に据えた観光立国論を語るのが本書である。 いまや世界のどんな辺鄙な場所のレストランであろうとも、魅力があればその情報はネットで拡

『AIの倫理リスクをどうとらえるか 実装のための考え方』訳者あとがき 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『AIの倫理リスクをどうとらえるか 実装のための考え方』訳者あとがき

本書は2022年7月に出版された、 Ethical Machines: Your Concise Guide to Totally Unbiased, Transparent, and Respectful AI (倫理的なマシン:完全にバイアスがなく、透明性の高い、人を尊重するAIを実現するための簡潔なガイド)の邦訳である。副題が示す通り、AIすなわち人工

『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』 書影

世界史 / ビジネス

『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』

本書は、軍事・経済・生活に欠かせない戦略物資、半導体をめぐる国家や企業の攻防をいきいきと描いたノンフィクションだ。半導体業界の興亡を、個人や企業のミクロなエピソードで紡ぎ、マクロな経済史・産業史へと昇華させる。『石油の世紀』でピューリッツァー賞を受賞したダニエル・ヤーギンをして、「21世紀を理解する上で読むべき一冊」と言わしめた。 著者であるクリス・ミラーは

『アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち』誰の心の中にも、フロンティアがある 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち』誰の心の中にも、フロンティアがある

2023年3月、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地としてエスコンフィールド北海道が開業したことは多くの人に知られているところだろう。 本拠地が借家であることの限界を感じていた日本ハムファイターズは、数年前に札幌ドームを出ることを決め、札幌市と北広島市の誘致合戦が繰り広げられた結果、北広島市に新しいスタジアムを建設することが決定した。本書はその開業に

『欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア』あなたが何かを欲しいと思う気持ちは、本当にあなた自身の欲望なのか? 書影

社会 / ビジネス

『欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア』あなたが何かを欲しいと思う気持ちは、本当にあなた自身の欲望なのか?

タイトルも装幀も、いかにも自己啓発本といった趣向だが、読み始めるとまるで見当違いだったと気付かされる。本書の書き出しを引用しよう。 この本は人がなぜそれを欲するかについて書いたものだ。あなたが欲しいと思うものを、あなたはなぜ欲しいのか。 人間は欲望で動いている。年収1000万になりたい。タワーマンションで快適な暮らしをしたい。早めに結婚して平和な家庭をつくり

Be water , My friend ! 『本屋で待つ』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

Be water , My friend ! 『本屋で待つ』

この数か月私は、本はどうあるべきか。本屋はどうあるべきか、ばかり考えている。取次に25年もいて、そんな問いに意味がないことはわかっているのに、である。なぜなら、足元の売上減は顕著で、それに加えて光熱費・人件費・決済手数料の増大はあまりにも急激だからだ。本屋の明日に、これまでとはレベルの違う暗い影を落としている。 新しい仕組みへの置き換えが必要なのは誰の目にも

『巨大おけを絶やすな!日本の食文化を未来につなぐ』最後の桶屋に弟子入りし大桶作りを習う波乱万丈の奮闘記 書影

民俗・風俗 / ビジネス

『巨大おけを絶やすな!日本の食文化を未来につなぐ』最後の桶屋に弟子入りし大桶作りを習う波乱万丈の奮闘記

日本酒、味噌、醤油。木の大桶で仕込む日本古来の伝統食材だ。 ここ数年、こだわりの食品を好む消費者が増え、ステンレスやホーローなど近代設備で作られた量産品ではなく、“本物”の味が求められているという。 それなのにその大もとになる木桶をつくる職人や工場がなくなっている。著者は食品管理の仕事をしていた20年前にその声を聞いていた。 高さ約2メートル、直径約2メート

『THE WORLD FOR SALE 世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡』国際政治経済を動かす商社 書影

世界史 / ビジネス

『THE WORLD FOR SALE 世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡』国際政治経済を動かす商社

2021年に原著が発行されて以降、フィナンシャルタイムズ紙や英エコノミスト誌のブックオブザイヤーなど、数々の経済書賞を総ナメにしてきた一冊が翻訳され、遂に日本語でも読めるようなった。 私たちの生活を支えるエネルギーの物流面でなにが起きているのか。メディアではなかなか取り上げられず、業界人ですら知らないことの多いエネルギー物流マーケットの深層が本書では語られる

『中国ビジネス法大全』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『中国ビジネス法大全』

「中国は日本の隣にある現実の並行世界、つまりリアルなパラレルワールドだ」・・・これが本書に通底する重要なメッセージです。 中国の法体系は、日本を含む西側諸国のそれとは成り立ちからして全く異なります。憲法を始めとする法律はもちろんのこと、そこには独特な行政法規や商慣行が存在し、しかもその運用を含めて、日々目まぐるしく変化しています。 既にGDPで日本の3倍以上

『情報セキュリティの敗北史 脆弱性はどこから来たのか』 訳者あとがき 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『情報セキュリティの敗北史 脆弱性はどこから来たのか』 訳者あとがき

本書は2021年9月に出版された、 A Vulnerable System: The History of Information Security in the Computer Age (脆弱なシステム――コンピュータ時代の情報セキュリティ史)の邦訳である。著者のアンドリュー・J・スチュアートは投資銀行で情報セキュリティの専門家として働く一方、ロンドン大

『ベンチャーキャピタル全史』「スタートアップ創出元年」をかけ声倒れにしないために 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ベンチャーキャピタル全史』「スタートアップ創出元年」をかけ声倒れにしないために

新型コロナの流行で多くの日本人がファイザーかモデルナのワクチンを接種したと思う。老舗のファイザーに比べて、モデルナは2010年にマサチューセッツ州ケンブリッジで創業されたばかりの新興企業である。これをファイナンス面のみならず開発面からもバックアップしたのが、同じケンブリッジのフラッグシップ・パイオニアリングというベンチャーキャピタルだということは、意外に知ら

ドットtoドット 『踏み出す一歩は小さくていい』 書影

人物 / ビジネス

ドットtoドット 『踏み出す一歩は小さくていい』

もしあなたが子育て中なら、「大学を出て、企業に就職して、定年まで勤めあげる」人生をわが子に教え込まないほうが良いだろう。素直で親孝行な子であるほど、将来、親の期待を裏切って罪の意識に苛まれる可能性が高いからだ。時代は音を立てて変わっていて、もはや「過去の方程式」は通用しないのである。 本書の著者はリーマンショックの影響を受けた就職活動で、60社から不採用をも

『決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL 死闘の8カ月』コーポレートガバナンスとは何か 書影

社会 / ビジネス

『決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL 死闘の8カ月』コーポレートガバナンスとは何か

ある事柄について語ろうとする時、いわく言いがたい居心地の悪さを感じることがある。たとえば「民主主義」がそうだ。「民主主義は大切だと思うか」と問われれば、迷わず「大切」と答えるが、そう即答しながらも、どこか口先だけでものを言っているような違和感が拭えない。まるでサイズのあわない借り物の服を着ているような収まりの悪さを感じてしまうのだ。 よく言われるようにそれは

知識が好奇心の源『子どもは40000回質問する』 書影

教養・雑学 / ビジネス

知識が好奇心の源『子どもは40000回質問する』

知識が好奇心を育むのだ。好奇心を持続させるために、ノンフィクションを読み続ける。あらためて学ぶことの楽しさを実感したのは、本書『子どもは40000回質問する』を読んだからだ。 本書によると、好奇心は、少し知っていることが肝心だと言う。全く知らないのでは手が伸びない。反対に知りすぎていても好奇心は育たない。その塩梅が大事で、だからこそ広く浅く興味を持つことは、

エネルギー問題から読み解く『新しい世界の資源地図』 書影

世界史 / ビジネス

エネルギー問題から読み解く『新しい世界の資源地図』

2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにし、世界に激震が走った。そしてその傍ら、エネルギー市場も世界的なショックの渦中にある。 戦時においての戦略物資、石油・天然ガスの重要性に私たちは改めて直面している。第二次世界大戦から80年がたつが、エネルギーを巡る地政学のダイナミズムという本質は、21世紀も変わっていない。 そんな絶妙なタイミングで「ピ

感動!夢ってかなうものなんや『さばの缶詰、宇宙へいく』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

感動!夢ってかなうものなんや『さばの缶詰、宇宙へいく』

それやったら、ここで作ったさば缶を宇宙に飛ばせるんちゃう? 宇宙食、つくれるんちゃう? 小浜水産高校、失礼ながら地方の底辺職業高校だった、の生徒がつぶやいたひと言だ。それが17年間の歳月を経て実現した。こう書いているだけで、本の内容を思い出しながら涙がにじんできてしまう。 主人公は、福井県立小浜水産高校「浜水」-後に高校再編に伴って若狭高校海洋科学科になる-

エネルギー問題の道標『エネルギーをめぐる旅』 書影

教養・雑学 / 世界史

エネルギー問題の道標『エネルギーをめぐる旅』

帯には赤字で「驚嘆必至の教養書」「エネルギーがわかると世界がわかる」、これは面白そうだ。しかもAmazon Audibleで聴けるとあって、移動中や家でくつろいでいる時に読みすすめられるのもうれしい。 著者はJX石油開発でオイル事業に長年携わってきた古館恒介さん。帯文にもあるとおり、エネルギーを軸にこれからの世界を理解するための必読の書だ。 正直、日本人でエ

『Invent & Wander ジェフ・ベゾス Collected Writings』はるか彼方を見据える力 ベゾスの思考の本質に迫る 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『Invent & Wander ジェフ・ベゾス Collected Writings』はるか彼方を見据える力 ベゾスの思考の本質に迫る

本書は、ジェフ・ベゾス自らの言葉による初めての本として発売された。 ベゾスといえば、米アマゾンの創業者であり、世界一の資産家としても有名だ(『フォーブス』「世界長者番付」2021年版)。最近は、自身が保有する宇宙開発企業ブルーオリジンの初の有人飛行に参加したことでも話題となった。 本書は、パート1に、1997年のアマゾンのNASDAQ(米店頭株式市場)上場以

批判、嘲笑、挫折。底をつく資金 『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』 書影

人物 / ビジネス

批判、嘲笑、挫折。底をつく資金 『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』

よくできた物語は、幸せな家庭の食卓のようなものだ。誰かの意図によらず会話が転がって、やがては笑顔でつつまれる。破格の大事業を成し遂げた人の生涯も同じように、自力だけでなく何かに導かれるものなのかもしれない。世にも稀なる遊園地、ディズニーランドについて書かれたこの本を読んで私はそう感じた。 スティーブジョブズの本を読んだときにも、同じようなことを感じた記憶があ

『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』金融庁の異色幹部 多くの経済事件に対峙 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』金融庁の異色幹部 多くの経済事件に対峙

20世紀末の日本の金融界の大混乱は、メガバンクの誕生を経て収まったかに見え、そうした視点での金融関連本は一旦下火になった感があった。しかし近年は、2016年刊行の『住友銀行秘史』がベストセラーとなり、同書の著者・國重惇史氏のバンカーとしての告白『堕ちたバンカー』、金融庁の佐々木清隆氏の半生を描いた本書など、金融界で活躍した個人に焦点を当てた本が売れている。

『Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings』イノベーターを次々と生み出すアメリカの底力 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings』イノベーターを次々と生み出すアメリカの底力

今年の夏にGAFAの時価総額が日本企業全体を上回り、大きな話題になった。そのGAFAの経営者の中でも、アマゾンの創業者で世界一の資産家(2021年フォーブス誌ランキング)であるジェフ・ベゾスの独創性と経営力は群を抜いている。 何はともあれ、そんなジェフ・ベゾスの本だから読んでおかなければと思い、本書をめくり始めたのだが、あまりの面白さに止まらなくなってしまっ

インディーゲームを売り、作り続けていくための現場の知見と悩みが詰まった最良のガイドブック──『インディーゲーム・サバイバルガイド』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

インディーゲームを売り、作り続けていくための現場の知見と悩みが詰まった最良のガイドブック──『インディーゲーム・サバイバルガイド』

この数年、UnityやUnrealEngineのようなゲーム開発エンジンが発展し、インディーゲームの販売に力を入れるSwitchが台頭したことで個人開発のような小規模ゲームが比較的手軽に販売できるようになった。また、ダウンロード販売が当たり前になり、スマホのスペックが上がったことなど複数の要因が重なり少人数で制作されるインディーゲームが盛り上がってきている。

『ダンカンの企画書』テレビ黄金時代の番組企画と令和のコンテンツとの共通点 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ダンカンの企画書』テレビ黄金時代の番組企画と令和のコンテンツとの共通点

リサーチを重ね、丁寧に作成した企画書が通らない。書店に駆け込みノウハウ本をめくってみたものの、思いをうまく形にできない。企画をいかに立てればよいのか。実物の企画書満載の本書は頭を悩ますビジネスパーソンにとって「異色の教科書」になる可能性を秘めている。 著者はタレントとして広く知られているが、放送作家としても「天才・たけしの元気が出るテレビ‼」「風雲!たけし城

脱・脱成長 『世界を変える5つのテクノロジー』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

脱・脱成長 『世界を変える5つのテクノロジー』

良い本を読んだ。得した気分だ。本書は、食糧問題、教育格差、医療介護、気候変動など、現代の諸問題に対して、正しい形でファイティングポーズがとれるようになる本だ。未曽有のコロナ禍による疲労。その蓄積により、私たちは闘う気持ちが削がれつつある。でもここで「脱成長」に逃げ込むのは「他国から取り残される未来」を選ぶのと同義である。 本書が目指すのは、テクノロジーを加速

『六方よし経営』「三方よし」を拡張する作り手・地球・未来への配慮 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『六方よし経営』「三方よし」を拡張する作り手・地球・未来への配慮

本書は東京から長野に移住した経営エッセイストで、「地方移住×起業×事業承継」を支援する巴創業塾の藻谷ゆかり氏による、「六方よし経営」の勧めである。 「六方よし」とは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人の「三方よし」に、「作り手よし、地球よし、未来よし」を加えた新たな経営理念である。これは、元国連職員の田瀬和夫氏により、SDGs時代の理念として

スマホ以来の衝撃 『ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

スマホ以来の衝撃 『ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦』

これからは音声がくる!という話をよく耳にする。ただその全体像を理解できている人が、一体どれだけいるだろう。少し前にクラブハウスが流行し「音声」に関する関心が一気に高まった。それ自体は一旦沈静化した感があるが、音声配信のプラットフォームの多くはCH流行後も再生回数を大きく伸ばしているという。 本書は、現在凄まじい勢いで再生回数を伸ばしている声のブログサービス「

ハチドリのように。誰にでも 『9割の社会問題はビジネスで解決できる』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

ハチドリのように。誰にでも 『9割の社会問題はビジネスで解決できる』

若者の3年内離職率が過去10年で最高、というニュースがあった。記事によると、若い世代で成長性の高い分野をめざす動きが活発だという。私は非常に明るい変化だと感じたが、周囲には否定的に受け取る人がいた。いわく「とりあえず就職してその中で頑張る」という生き方が通用しなくなって、可哀想だというのである。 あなたはどう思うだろうか。経済の動きにあわせて動く数値なので、

『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』捨てる学びで、古いパターンを捨てる 書影

医学・心理学 / ビジネス

『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』捨てる学びで、古いパターンを捨てる

コロナ禍が契機となり、自宅からでも学ぶことができるオンライン動画学習やコーチングサービスが活況に沸いている。学びたいけれど、時間がない、高額で払えない、仲間がいない、という悩みが解消され、学び直す人が増えているようだ。 新しい知識や技術を手に入れ満足はしたし、アウトプットや小さな実践・副業もした。だけれど、仕事が忙しくなって、元の木阿弥になってしまった。もし

『勝てる民泊 ウィズコロナの一軒家宿』箱根の小さな民泊施設がコロナ禍でも好調の理由 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『勝てる民泊 ウィズコロナの一軒家宿』箱根の小さな民泊施設がコロナ禍でも好調の理由

「民泊」という言葉にどんなイメージがあるだろうか。住宅街に見知らぬ外国人が押し寄せ住民との間でゴミや騒音のトラブルが発生、とネガティブな印象を持つ人もいるかもしれない。実は本書の著者もその一人だった。英語の「バケーションレンタル」に比べると、「民泊」にはどことなく貧乏くさい響きもあって大嫌いだったという。 そんな著者自身が民泊を始めることになったのだから人生

『予測不能の時代』体の動きで心を変える、心の動きで組織を変える 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『予測不能の時代』体の動きで心を変える、心の動きで組織を変える

未来は予測不能だ。そんなことは誰でもわかっているし、今ほどこの言葉が実感を伴うときもないだろう。しかし、である。世の中の仕組みの多くは「予測可能」を前提に成り立っているのが実態だ。 例えばルール。過去の経験に基づき作られたルールは、状況が予測不能に変化すると、まったく役に立たなくなる。それどころか、ルールの持つ硬直性が、新たな状況への適応を阻む結果にもつなが

『保身 積水ハウス、クーデターの深層』変われないこの国を描く骨太の経済ルポ 書影

事件・事故 / ビジネス

『保身 積水ハウス、クーデターの深層』変われないこの国を描く骨太の経済ルポ

読み終えた途端、深いため息が出た。かつて「全員悪人」というキャッチコピーの映画があったが、さしずめ本書は「登場人物、全員小物」といったところだ。だが、小物ばかり出てくるのにページをめくる手が止まらない。それはこの小物が私の中にも棲んでいるからかもしれない。この本にはまぎれもなく私たちの姿が描かれている。 そのクーデターが起きたのは、2018年1月24日のこと

『ソニー 半導体の奇跡 お荷物集団の逆転劇』経営と現場との板挟み 苦闘する管理職の視点 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ソニー 半導体の奇跡 お荷物集団の逆転劇』経営と現場との板挟み 苦闘する管理職の視点

日本の電機メーカーが半導体事業で世界を席巻した1980年代、蚊帳の外だったのがソニー(現ソニーグループ)だ。同社の半導体部門は、社内でも十数年前まで「お荷物」扱いだった。 それが今では、全社利益の約4分の1を稼ぎ出し、スマートフォンなどに使われる画像センサーでは世界シェアの約5割を握る。日本企業の半導体部門は事業縮小と撤退を重ね、世界の最前線から脱落したが、

国際政治経済を動かすコモディティ商社『The World For Sale』 書影

世界史 / ビジネス

国際政治経済を動かすコモディティ商社『The World For Sale』

日本語翻訳版が待ち遠しい一冊だ。 ESG意識の高まりから、CO2を排出する従来型エネルギーへの風当たりはつよく、石油や石炭といったエネルギー資源は苦境にたたされている。そんな悪環境下でも最高益をたたき出しているエネルギー関連企業群がいる。今はやりの再エネ企業ではない。コモディティ商社という業種だ。 ウォールマートやアマゾンが消費材を人びとに届けると同じように