
『中南米野球はなぜ強いのか』中南米諸国の取材を通して浮かび上がる、日本野球の欠点
待ちに待ったプロ野球が今年も開幕した。生まれて初めてプロ野球選手を間近で見たときの興奮はいまでもおぼえている。季節は春。小学生だったぼくは、新大分球場の外野の芝生席で、ある選手の一挙手一投足に目を奪われていた。目の前のフェンスには、その選手のウインドブレーカーがかけられていた。 やがて彼がこちらにやってきた。すごいオーラだ。「いい汗かいちょるね!」と横にいた
(2024年当時)
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待ちに待ったプロ野球が今年も開幕した。生まれて初めてプロ野球選手を間近で見たときの興奮はいまでもおぼえている。季節は春。小学生だったぼくは、新大分球場の外野の芝生席で、ある選手の一挙手一投足に目を奪われていた。目の前のフェンスには、その選手のウインドブレーカーがかけられていた。 やがて彼がこちらにやってきた。すごいオーラだ。「いい汗かいちょるね!」と横にいた

本書を読み終えたとき、自分を取り巻く世界が、ただただ愛おしく思えてならなかった。読後の深い余韻に浸りながら、ふとカレンダーに目がいった。 もしかしたらこの時点でもう、年間ベスト級の作品に出合ってしまったかもしれない。そう感じたのだ。 植本一子は、荒木経惟に才能を見出され、写真家としてのキャリアをスタートさせた。荒木が「私写真」という独自の世界を築いたように、

子どもの頃、ラジオパーソナリティーの軽快なトークに夢中になった。なにより憧れたのが、ゲストを気安く呼び捨てにするところだ。不思議なもので、それだけで親密度が増す。アイドルとまるで友だちのように語らうパーソナリティーを心底羨ましく思ったものである。もっともそれも演出の一環であったと後に知ることになるのだが。考えてみれば当たり前だ。アイドル全員と友だちのパーソナ

人生も半ばを過ぎてようやくわかったことがある。それは「逢いたい」だの「好き」だのといったホステスの甘い言葉は、真に受けてはいけないということだ。 「は? その歳でようやく? バカじゃないの」という冷ややかな声が聞こえてきそうだ。いかにも。バカなおじさんであることは自覚している。 だが、経験者だからこそ、放っておけないということもあるのである。ましてやその人物

本は迷わず買うほうだが、それでも店頭だとパラパラとページをめくってみたり、少しだけ前書きや後書きを読んでみたりする。そんな中、表紙を見ただけで脊髄反射的にジャケ買い購入してしまうのが、類書がないと思われる本だ。この手の本は例外なく新しい知見を与えてくれる。だから見つけた瞬間、即購入しなければならない。 本書も、そんな即買い物件だった。人類学や歴史学、社会学、

ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが共演した名作『ギルバート・グレイプ』(1993年)で印象に残るのは、なんといっても給水塔だ。 生まれ育ったアイオワの田舎町からいちども出たことがないギルバート(ジョニー・デップ)には、知的ハンディキャップをもつ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)がいる。アーニーは高いところが大好きで、ちょっとでも目を離すとすぐに

「ねぇ、ブラジャーの寿命ってなんで13ヶ月なの?」 その時、子どもが夢中になって読んでいたのが、『寿命図鑑』 絵・やまぐちかおり 編著・いろは出版(いろは出版)である。 この『寿命図鑑』は、人間や動物、建築物、機械、天体など13カテゴリー、324アイテムの寿命とそれにまつわるエピソードをまとめた図鑑だ。 ユニークで楽しめるのはもちろんのこと、そこはかとない無

入試の季節が巡ってくるたびに高校時代を思い出す。もう少し努力していれば違う未来があり得たかもしれないあの時代。 もしタイムマシンであの頃に戻れたら、今より30キロ以上もスリムな自分に、成毛眞の『AI時代の人生戦略』でも渡して、「未来の合言葉はSTEAMだぜっ!」と全力でアドバイスを送ってやるのに……。女の子のことばかり考えているうちに(「つきあっているうちに

ラジオ局のプログラムには音楽番組が欠かせない。「電リク」という言葉を最近は知らない人も増えたが、電話でリクエストを受け付ける番組が各局で当たり前のようにオンエアされていた時代があったし、ヒットチャートを紹介する番組はいまも健在だ。 僕自身もそういった音楽番組の制作に携わったことがある。あれはたぶん2000年前後くらいだったと思うが、ちょっとした異変を感じるよ

日本は他国に比べ生産性が低いそうだ。最近は書店でも生産性の向上を唱える本をよくみかける。確かにわずかな努力で最大の成果を生み出せればこんなにいいことはない。生産性の向上、大賛成である。寝ながらにしてレビューが書ければ最高である。 ちょっと変わった味わいの短編の名手として知られるロアルド・ダールに、「偉大なる自動文章製造機」(『あなたに似た人Ⅱ』所収)という作

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 首藤 淳哉はラジオ局で朝の番組を担当する、敏腕プロデューサーだ。ラジオ業界きっての読書家で、 「嫁に隠れて本を買う」と題したブログ は業界の内外を問わずファンが多い。一週間前に面接したばかりなのに、既にレビューを2本も送ってくるアウトプットの速さは、マスコミ人として培われたフットワークの賜物なのか? それとも…。今