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堀内 勉

邦銀、外資系証券を経て大手不動産会社でCFOを務めた後、一旦は引退して自由気ままな人生を歩み始めたものの、結局、現在はリゾート開発会社会長、アートマネジメント会社社長、大学教授、学校・財団法人・NPOの理事などで超多忙な生活に逆戻り。そうした中でも、ライフワークである資本主義とソーシャルファイナンスの研究は継続中。趣味は料理、ワイン、アート鑑賞、工芸品収集と読書で、読書のジャンルは経済から哲学・思想、歴史、科学、芸術、料理まで、知的興味をそそるものであれば何でも。

(2024年当時)

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『地方創生大全』唯一最大の課題は、稼ぐことと向き合うこと 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『地方創生大全』唯一最大の課題は、稼ぐことと向き合うこと

著者の木下斉氏は、全国各地でまち会社への投資や設立支援を行っている「まちビジネス事業家」である。 高校時代から早稲田商店街の活性化事業に参画し、在学中に全国商店街の共同出資会社である株式会社商店街ネットワークを設立し、現在は全国のまち会社による事業連携・政策立案組織である一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスの代表理事を務めている。また同時に、内閣

『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である

去る12月2日に日本財団で行われた「Bコーポレーションを知る会」に出席してきた。 Bコーポレーションという言葉 は聞き慣れないかも知れないが、アメリカの非営利団体B Labが運営する、社会的責任や持続可能性などを評価する認証制度で、「TransFair」がフェアトレード・コーヒーを認証するのと同じように、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を

『ブロックチェーン・レボリューション』この技術が世界を変える、あなたがそれを望むなら 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ブロックチェーン・レボリューション』この技術が世界を変える、あなたがそれを望むなら

本書は2016年5月に発売され、全米でベストセラーになった"Blockchain Revolution: How the Technology Behind Bitcoin Is Changing Money, Business, and the World"の邦訳である。本書の表書きを見ると、次のように書かれている。 「インターネットに比肩する発明によって

『毎日こなべ』食材の味を吟味しながら、少しずつ頂く 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『毎日こなべ』食材の味を吟味しながら、少しずつ頂く

麻木久仁子さんがHONZでグラフィック社の『 一汁一菜でよいという提案 』(土井善晴著)の書評を書き、自身でもfacebook に「本日の一汁一菜」の写真をアップしているのを見て、これ美味しそうだな・・・HONZでこういうのもありなんだな・・・と思っていたら、ちょうどダイヤモンド社から『まいにち小鍋』(小田真規子著)が出版された。 ダイヤモンド社が料理本を出

『宇沢弘文 傑作論文全ファイル』経済学は人を幸せにしているのか? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『宇沢弘文 傑作論文全ファイル』経済学は人を幸せにしているのか?

本書は、故宇沢弘文先生の研究生活の後半40年にわたる代表的な論文をひとつの形にまとめたものである。宇沢先生のノートパソコンに入っていた2千以上もの論稿を、コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授、京都大学の松下和夫名誉教授、国連大学の竹本和彦所長、帝京大学の小島寛之教授など、多くの関係者の協力を得て編集したという。 「知の巨人」宇沢先生の業績と、今日のグ

『バブル 日本迷走の原点』社会全体としての歴史の記憶と知恵の蓄積が必要だ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『バブル 日本迷走の原点』社会全体としての歴史の記憶と知恵の蓄積が必要だ

「バブルとは何か?」ーーこれに答えようとするだけで本が何冊も書けてしまう壮大な問いである。 本書の中でも、「バブルとは…」という記述が何箇所か出てくる。 まず、 ”バブル経済とは好景気のことではない。特定の資産価格(株式や不動産)が実態から掛け離れて上昇することで、持続的な市場経済の運営が不可能になってしまう現象のことである。” と経済学的に説明したもの。

あなたの「ふつう」をあつらえる 『未来食堂ができるまで』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

あなたの「ふつう」をあつらえる 『未来食堂ができるまで』

この夏に軽井沢で長野県産ワインをプロモーションするためのレストランをオープンしたのだが、当初の予想通りと言うか、とにかく全く儲からない。 クラウドファンディングで沢山の方々から開業資金のご支援を頂いて 、それが大きな助けになっているのだが、それでも内装・設備など開業コストの負担が重過ぎて、とても投下資金が回収できる感じはない。 レストラン経営が儲からないとは

『Dining Out in Boston(洋書)』レストラン、その知られざる役割について 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『Dining Out in Boston(洋書)』レストラン、その知られざる役割について

レストランというのは、単に外で美味しい物を食べる場所だとだけ理解している人がいるかも知れないが、この本を読むとそれはレストランの役割のほんの一部に過ぎないことに気付かされる。レストランというのは、地域の食文化を形作り、それを人々のアイデンティティにまで昇華させていく強い力を持っているのである。 自分が料理好きだということと、その昔、ボストンに住んでいたことか

『都市と地方をかきまぜる 』 都市住民を閉じ込める、二つの「見えない檻」 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『都市と地方をかきまぜる 』 都市住民を閉じ込める、二つの「見えない檻」

「 食べる通信 」という情報誌をご存知だろうか? これは、農業や漁業など食の作り手の情報が書かれた冊子と、彼らが収穫した野菜や魚が定期的にセットで届く、生産者と消費者をつなぐ新しいタイプの「食べ物付き情報誌」である。それに加えて、ここには生産者と消費者が直接つながる様々な仕掛けも設けられている。 この情報誌を始めたのが、本書の著者で、岩手県花巻市のNPO法人

『生と死のケルト美学』アイルランド人に学ぶ、アートシンキングという思考法 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『生と死のケルト美学』アイルランド人に学ぶ、アートシンキングという思考法

「ケルト」という言葉は、紀元前600年頃に古代ギリシア人が、西方ヨーロッパに住む異文化集団を「ケルトイ」 (よそ者)と呼んだことに由来する。只、ケルトという言葉は知っていても、その内容を聞かれて正確に答えられる人は少ないのではないだろうか? 現在、ケルトという言葉は、インド・ヨーロッパ語族の語派のひとつであるケルト語派(アイルランド語、ウェールズ語、ブルトン

『住友銀行秘史』戦後最大の経済事件、イトマン事件を告発したのは私です 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『住友銀行秘史』戦後最大の経済事件、イトマン事件を告発したのは私です

本書『住友銀行秘史』は、日本における「戦後最大の経済事件」と言われたイトマン事件を、銀行側からの証言で綴った貴重な資料である。当時、自分は住友銀行東京本店の隣に位置する銀行で残業しながらヒーヒー言っていたが、まさか隣でこんな壮絶な出来事が繰り広げられていたとは…。自分はつくづく子供だったと思う。 バブルを経験していない若い人には理解できないかも知れないが、1

『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか? 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか?

哲学の本を一冊ずつ読んでも、それが大きな哲学・思想の枠組みの中でどの部分に当たるのかが分からなければ、文字を目で追っているだけになってしまうし、哲学についての解説書を読んでも大抵の場合、21世紀に入ってからの最新の動向は書いていないし、おまけに議論と実社会での出来事との関連性が希薄なので、意識が朦朧としてきてしまう。そのような読者に福音をもたらしたのが本書で

『Interpreting Our World: 100 Discoveries That Revolutionized Geography(洋書)』地理学が人類にとって如何に重要であるか 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『Interpreting Our World: 100 Discoveries That Revolutionized Geography(洋書)』地理学が人類にとって如何に重要であるか

"Interpreting Our World: 100 Discoveries That Revolutionized Geography"は、「地理学」(geography )を変えた100の発見や発明や事柄を取り上げた、百科事典のような読み物である。 英語の本だし価格も1万円近くするので万人向けではないが、専門書にしては以外に平易な言葉で書かれているの

『ジビエ教本 野生鳥獣の狩猟から精肉加工までの解説と調理技法』自分で獲って、自分で捌く 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ジビエ教本 野生鳥獣の狩猟から精肉加工までの解説と調理技法』自分で獲って、自分で捌く

ジビエレストラン「 LA CHASSE(ラシャッス) 」がどこにあるか直ぐに分かる人はかなりの通である。住所は港区六本木三丁目で、泉ガーデンの首都高環状線を挟んで向い側の、先日オープンしたばかりの六本木グランドタワー(六本木三丁目東地区計画)の直ぐそば、六本木通りから少し入った寄席坂の上の方にある。この都会の喧騒の中にポツリと佇む隠れ家レストランをわざわざ訪

『フィンランド人が教えるほんとうのシンプル』比べず、執着せず、自分らしく 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『フィンランド人が教えるほんとうのシンプル』比べず、執着せず、自分らしく

パスコの食パン「超熟」のTVコマーシャルを覚えているだろうか。女優の小林聡美が湖畔で小さなサンドイッチ屋さんを開いていて、そばで遊んでいる子供たちにサンドイッチを作ってあげるという、どこか現実離れしていながら、それでいて懐かしさを感じさせるようなコマーシャルである。 これは、2006年に公開された、群ようこ原作、小林聡美主演の映画『 かもめ食堂 』の設定を再

『武器としての人口減社会』本当に女性が活躍できる社会になれるのか? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『武器としての人口減社会』本当に女性が活躍できる社会になれるのか?

著者の村上由美子氏は、上智、スタンフォード、ハーバードで学び、国連、ゴールドマンサックスなどに勤務した後、2013年からOECD(経済協力開発機構)東京センター長を務めている。しかも、内外を飛び回りながら、国際結婚して三人のお子さんを子育て中というスーパーウーマンである。 本書の紹介に当たって最初に村上氏の経歴を取り上げたのは、後述するように、こうした村上氏

『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』「知識」から「実践と存在意義」への大変革 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』「知識」から「実践と存在意義」への大変革

ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の日本リサーチセンターは、江川雅子前所長(現一橋大学大学院教授)の時代には丸の内にあったのだが、アカデミズムにおける場所の重要性という観点から、佐藤信雄現所長や竹内弘高教授の意向もあり、数年前に今の六本木ヒルズ49階のアカデミーヒルズ内に移転した。 当時、私はアカデミーヒルズの担当役員だったことから、ここに勤めていた山

『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』これは格差拡大が生み出す、人類社会の未来の姿なのか? 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』これは格差拡大が生み出す、人類社会の未来の姿なのか?

とてもおかしな連想かも知れないが、本書を読んで映画「ロード・オブ・ザ・リング」を思い出した。実際に見た方も多いと思うが、この映画は闇の冥王サウロンが自らの残忍さ、邪悪さ、そして生きるもの全てを支配したいという欲望を注ぎ込んだ、世界を滅ぼす魔力を秘めたひとつの指輪を巡る壮大なドラマである。 邪悪なものだと知りながらも、一度サウロンの指輪を手にすると、その怪しげ

『インティマシーあるいはインテグリティー』ビジネスにも役立つ、超実践的な文化論 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『インティマシーあるいはインテグリティー』ビジネスにも役立つ、超実践的な文化論

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 堀内 勉は外資系証券を経て大手不動産会社でCFOも務めた人物。自ら資本主義の教養学公開講座を主催するほど経済・ファイナンス分野に明るい一方で、科学や芸術分野にも精通し、読書のストライクゾーンは幅広い。今後の彼の活躍にどうぞご期待ください!(HONZ編集部) 去る7月21日、来日したトーマス・カスリス教授の東大駒場キ