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養老孟司のデジタル昆虫図鑑
昆虫はあまり好きではない。とりわけ、ムカデのように足が無数にあるものは身の毛がよだつ。しかし、蛇はまったく問題ない。人が属する哺乳類は4本足だから、それ以上か以下の足の数をもつ生物のどちらかを嫌うという話を聞いたことがある。自分は4本以上の足を持つ生物は大嫌いなのだ。 にもかかわらず、知り合いの編集者がこの本を送ってくれた。いい迷惑である。けれど、意外にも虫

『先賢諸聖のことば』
テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」で書や掛け軸を中心に鑑定している田中大の本だ。帯にはハンカチを口にあてるおなじみの本人の顔写真や、目立つように番組名を赤い書体で印刷していてあざとい。しかしその帯を取ってしまうと美しい装丁の本である。 本書は75点の掛け軸や書などの墨蹟を紹介している。見開き右ページには墨蹟のカラー写真とその読み方および解釈、左ページには言
![『米欧回覧実記』慶應義塾大学出版会 [2] 書影](/assets/recovered-covers/277fe06149d1a6af59ca57b72793d40bca13759efab1541b9f1c25d6d43a4b59.jpg)
『米欧回覧実記』慶應義塾大学出版会 [2]
久米は教育をもっとも重要な視察目的の一つとして考えていたようだ。普通教育から障害児教育まで熱心に書き込んでいるからだ。アメリカ全体の教育予算、学童数、教員数などはもちろん、各地で教育税、学校数、建物の広さ、教員の給与から用務員の数まで調べている。教員の給与については女性教員の初任給から昇給制度まで報告している。視覚障害者の地理の学習法まで調べているのには驚か
![『米欧回覧実記』慶應義塾大学出版会 [1] 書影](/assets/media/4a8b0420199ad5a54ea8c1de141239c52c527865b8de9755f1a60967b6420584.jpg)
『米欧回覧実記』慶應義塾大学出版会 [1]
これほど面白い本にはめったにお目にかかれない。明治4年に1年9ヶ月をかけて世界を歴訪した岩倉使節団の旅行記である。著者は久米邦武。天保10年生まれ、昭和6年没の元佐賀藩士である。後に帝国大学教授になる。 この旅行記を書いたときは久米は32歳だ。全権大使の岩倉具視は47歳、副使の木戸孝允が39歳、同じく副使の42歳、同行した工部大輔の伊藤博文はなんと31歳であ

『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』
本書の副題は「絶滅も進化も酸素濃度が決めた」である。こちらを書名にしたほうが売れ行きが良かったと思う。 本書によれば、化石記録に動物が出現しはじめたカンブリア紀大爆発、9割の生物が死滅したペルム紀の大絶滅、ジュラ紀の恐竜跋扈、という地球規模の生物圏大変動はすべて酸素濃度の変化によって引き起こされたものらしい。 恐竜とおなじ呼吸システム、すなわち気嚢をもつ鳥類