
『宇宙から見た日本』
初版は2006年12月なのだが、先週末に吉祥寺の書店で見つけた本は2008年6月で第6刷だった。100ページ弱の衛星写真集なのだが売れているらしい。掲載されている写真は1990年代にLandsat/TMやTerra/ASTERの衛星画像データをコンピュータで処理して作られたものだ。コンピュータ処理といっても、各種センサーのデータを可視光化し、それをもとに鳥瞰
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初版は2006年12月なのだが、先週末に吉祥寺の書店で見つけた本は2008年6月で第6刷だった。100ページ弱の衛星写真集なのだが売れているらしい。掲載されている写真は1990年代にLandsat/TMやTerra/ASTERの衛星画像データをコンピュータで処理して作られたものだ。コンピュータ処理といっても、各種センサーのデータを可視光化し、それをもとに鳥瞰

世界同時不況のなか、中国が一人勝ちの様相を見せ始めた。上海総合指数は昨年10月に大底を打ち、最近では人民元を組み込んだSDR構想を持ち出すなど、強気そのものだ。悪い冗談だと思っていた「21世紀は中国の世紀」が現実性を帯びてきた。このあたりで中国について改めて知識を深めておきたい。 数多くの中国関連本がある中で、ゴールデンウィークに読むには『大地の咆哮』がぴっ

今月号のトップ記事は「量子もつれが相対論を脅かす」だが、これはもうボクにはとても難しい記事だった。ポピュラーサイエンス的に面白かったのは地球工学の記事「地球に日よけ」だ。温暖化対策として地球規模の日よけを作るという思考実験だ。 1番目のアイディアは成層圏に硫黄を撒くというものだ。航空機や気球で硫黄を撒くと硫酸塩の粒子ができて、これが太陽光を跳ね返すというのだ

あまり文学好きではないボクが、本書を買ったのは「あとがき」が気に入ったからだ。水村美苗の『日本語が亡びるとき』をとことん批判しているのだ。まったく同感だ。この「あとがき」を読むまでは、文学者という人びとは水村のように現実離れした仙人のようなものだと思っていた。この人が書いた文学案内ならば読めそうだと思った。 水村は『日本語が亡びるとき』のなかで、英語が世界語


200あまりの時代小説に使われている武士言葉を集めた本だ。帯から拾いあげると「これはしたり」「このところ手元不如意でな」「慮外なことを」などなど、いわゆる時代劇でお侍が使う言葉の解説書だ。タイトルどおりにはあまり使う気にはならない武士言葉であるが、著者にあっては大儀である。 構えて言うが本書で扱うのは武士言葉であり、町人が使う言葉はあまり取り上げられてはいな


じつは昨日紹介した『Globes』という本は、この『原色ガチャガチャ生き物図鑑』が面白かったので同じ著者の2冊目の本として買ったものだった。元ネタだった『原色ガチャガチャ生き物図鑑』はあまりにマニアックな感じがしたので、このブログでは紹介しなかったのだが、著者自身のブログからトラックバックされたのであえて紹介しておこう。 本書はガシャポンで出てくる各種の動物


昭和11年生まれの医師が書いた本である。江戸川柳を数100本紹介しながら、句の意味を考えるという趣向だ。帯には「江戸川柳の謎解きで、頭の体操!!」と元気が良い。「まえがき」でもさかんにセロトニンやドーパミンなどの脳内物質の名前を掲げたりして、本書が脳に良いと売り込み文句が並ぶ。この時代の知識人は本を単に楽しんで読むことができないのであろうか。実用性がないと後

ボクはほぼ毎晩安い赤ワインを飲む。安い赤ワインである理由は室温のままで、ポンと栓を抜いてゴクゴク飲めるほとんど唯一のアルコールだからだ。不精者の飲み物なのだ。ビールや白ワインは冷蔵庫で冷しておかなければならないし、焼酎やウイスキーは氷やお湯で割ったりする必要がある。日本酒だと熱燗が良い時期もあろう。高い赤ワインもダメだ。ブーケを出すためにあらかじめ抜栓してお

英語を学ぶためというよりも、カタカナ英語周辺の知っておきたい常識や薀蓄を教えてくれる本だ。まずはスパムメールの「スパム」だ。この言葉がハムの缶詰の商標であることは知っていた。さらに「モンティ・パイソン」というイギリスの古いテレビ番組の中で、そのスパムが最低の食べ物として扱われていたことも知っていた。しかし、なぜその番組でスパムと叫んでいたのがバイキングだった

昨日久しぶりに日本橋丸善に寄ってみた。この書店の3階は科学書と芸術書が肩を寄せ合うように棚が設定されていて、ボクにとっては理想空間だ。『ハダカデバネズミ』が相変わらず売れてるななどと科学書コーナーを見終わってから、芸術書の売れ筋コーナーで『これで読める茶席に禅語』を発見した。このような本はネット書店ではなかなか見つけることができない。 本書を必要とする人の数

手に入れた全ての本を読みとおすことはない。読み通すのは2割くらいであり、6割は資料または老後の楽しみとして書庫送りになる本だ。残りの2割は時間や書庫スペースの無駄かもしれないと思いながらダンボール箱で眠ってもらう本だ。本書は序章を読んだだけでその2割に入ってしまいそうな本だ。 本書は序章でまず、今回の経済的大地震の震源地は日本だというのだ。元をたどれば日本の

いまでは多くの人が6500万年前に巨大隕石が地球に衝突したことを知っている。その時に絶滅したのが恐竜だったことから、子供ですら興味を持つからだ。科学的にはつっこみどころ満載の映画「ディープインパクト」と「アルマケドン」はともに1998年に公開された。その影響もあるのだろう、巨大隕石衝突がもたらす災厄の詳細まで人々は共有することになった。 この6500万年前の

ボクはけっして「鉄ちゃん」ではない。「鉄道マニア」をバカにしているのではない。筋金入りの鉄ちゃんは想像を絶する知識と情熱を持っている人が多く、とても足元どころか爪先にも及ばないという意味だ。そのボクでも1時間以上かけて見入ったのがこの本である。 この本は3月に第1巻が刊行され、11月に第10巻が出て完結するらしい。目玉は「配線路線図」だ。東京から横浜までのJ

世の中にはびこるデマ、ウソ、エセ科学、妄信などを批判した本である。「9.11は米国政府が仕組んだ陰謀だ」や「HIVウイルスはアフリカ人を根絶やしにするためにCIAの研究所で開発された」などのデマを信じるべきではないと警告する。 当然にして小説『ダ・ヴィンチ・コード』についても手厳しく批判している。たしかに『ダ・ヴィンチ・コード』を小説ではなく歴史的事実として

原題は『Life、Energy and the Unity of Nature』である。直訳すると「生命とエネルギーと自然の統一性」だ。邦訳タイトルは明らかにまちがいだ。この間違ったタイトルのおかげで、例のアロメトリーの話かと取り合わなかった人がいるのではないか。1992年出版の名著で『ゾウの時間 ネズミの時間』という本がある。この本はそのアロメトリーをまと

英単語を覚えるための本を、もう1冊ご紹介しておこう。2007年に増補版がでているが、旧版でも充分役に立った。読み物としての辞書といったところだ、眺めているだけでかなりの数の単語を覚えることができると思う。この類の本は人によって好みが分かれるかもしれない。ボクにとってはこの本は2200円の価値があった。

外資系に20年近く勤務したため、英会話の秘訣を聞かれることが多い。リスニングやスピーキングなどは後回しでよい。まずは日常会話に必要な英単語を覚えることが先決だと答えている。日本の英語教育はいわゆる文学部系の文献を読むことに力点がおかれるため、CNNのニュース番組を理解したり、ウォールストリートジャーナルを読んだり、日常会話に必要な単語などはほとんど教えていな
2002年から2009年まで月刊『文藝春秋』のコラム、「今月買った本」に年数回の割合で原稿を載せてもらった。このコラムはその月に買った本を十冊リストにして紹介し、そのうちの数冊の書評めいたものを書くというものだ。それでは、以下本文である。体裁は横書き用にしている。 人はウソをつくときには早口多弁になるという。淑女は齢を重ねると身に付ける宝石が増えるらしい。こ

1000円の新書版の本だが、これはお買い得だ。美しい宇宙のカラー写真が100点ほど掲載されている。宇宙誕生、銀河系、太陽系、地球、銀河系の天体、地球外生命の6章で構成され、説明・写真ともに過不足ない。 株価バブル後最安値とか、呆れるばかりの馬鹿政治家たちとか、完成しない船舶プラモデルとか、最近は足元ばかりを見ている気がする。子供のころは宇宙の果てのさらにその



まずは、表紙を良くご覧いただきたい。本書で紹介されているさまざまな銃の中でも傑作が写真で紹介されている。この銃の名前は「サイドワインダー」。発射方式は電動ストリングリリース式。全長470mm、全高250mm、装弾数は200発だ。なんと適合装弾は16番なのだ。この16番の銃弾は一般的に入手しやすい銃弾であり内径38mm、切幅1.1mm、厚み1.1mmだ。 つま

文字どおり幕末から明治にかけての肖像写真集である。天皇家、皇族、公家、志士、軍人、経済人などあらゆる分野から200人、450点の写真を収録している。装丁は良いのだが、本文デザインがダメすぎる。写真のレイアウトにインパクトも工夫もないし、文字が小さすぎるので、主要な読者層であろう中高年にはじつに読みにくい。各ページにインデックス風の飾りがあるのだが全く意味をな

和算とは江戸時代に日本人が独自に生み出した数学のことだ。この和算は寺子屋とは別の塾で教えられていたらしい。以前、紹介した『幕末下級武士のリストラ戦記』の主人公も7才から寺子屋に、8才からは算術塾にも通い始めている。寺子屋を描いた絵にソロバンをはじく子供がでてくるのだから、算術塾では足し算引き算ではなく、いわゆる数学を教えていたことが予想できる。 現代の学校で

さすがに読了までの時間がかかった。元裁判官である著者が「法律のみを基準とし公正を旨として」本書をまとめたと記しているように、大量の判決文が生のまま引用されている。これがじつに読みにくいのだ。法律文は正確性を期すためなのであろうか、文章中の漢字比率が異常に高い。さらに文そのものが長いので理解しにくい。本書で引用されている「永山基準」の最初の文は600字あまり、

帯には「京大で受けたい授業No.1の名物教授が教える、14冊の革命的な書物」とある。たしかに、本書は授業そのものだ。14コマの授業を受けているような気になる。紹介されているほとんどの本は誰でも素性は知っているが、じっさいはあまり読まれていない本だ。 ダーウィンの『種の起源』ファーブルの『昆虫記』はいうにおよばず、カーソンの『沈黙の春』まで押さえてある。1冊の

書評を書くにあたり、この本だけは担当編集者に電話をし、出版意図を確認した。なにしろ著者は二人の人間を殺め、現在も無期懲役刑で服役中なのだ。著者が隠しているかもしれない、なんらかの目的に利用されてはならないと考えたのだ。 編集者がいうには著者は担当者を指名して、刑務所の中から原稿を送りつけてきたという。出版を決意したのは、面会などを通じて著者の更正が見てとれ、


中国叩きの本は数があまりに多いため、読む気にならなかった。本書は例外である。本屋で品定めをしたのだが、最後のページでの著者の主張が気に入ったのだ。いわく「日本を敵国と仮想している中国に食糧調達の多くを依存している現状を正すべきであろう。(中略)たとえばアメリカの穀物を買うことは、一時のような異常な価格高騰さえなければ、「防衛」上の戦略として一定の意義がある。


優れた評伝である。歌麿の生涯と作品の見方を上質な推理小説を読むがごとく学ぶことができる。じつは歌麿の全盛期は風紀に煩かった寛政の改革と重なる。本書のテーマは幕府による度重なる狂歌や浮世絵に対する出版禁止こそが、皮肉にも歌麿を当代一の浮世絵師にまで押し上げたことを検証することだ。 2007年、ボストン美術館は秘蔵していた6500点の浮世絵を公開した。浮世絵は植

これからお城を建てようと考えている人にとって、これほど役に立つであろう書籍も珍しい。まあ、そんな人はめったにいないだろうな。本書は5章立て、フルカラー250ページで城のつくり方を、いちから教えてくれる。第1章は縄張りの章だ。城を置く場所の決め方、曲輪とその入り口である虎口の開きかたなどの基本を、こまごましく説明してくれる。 第2章はいよいよ普請の章だ。まずは

コメントにも記したのだが、これからハードSFを読んでみようと思われる方にはこの2冊がお勧めだ。『竜の卵』の著者は物理学者でもある。地球の生命体は炭素を核としているが、理論的には元素周期表で炭素の真下にあたるシリコンを核としても生命体は形成される可能性がある。ボクも宇宙のどこかにはそのような生命体がいると思っている。 驚いたことに『竜の卵』の著者は、中性子を核

ともかく読みにくい本である。おそらくドイツ語の原著も読みにくいのだろうが、翻訳の出来についても疑いがある。イギリス人などがいったん英語版に翻案し、それを日本語に翻訳したものを読んでみたいものだ。しかし、内容は驚くべき視点で構成されており、戦慄を覚える。 ある国や地域で人口が爆発的に増加することによって、外向きの人口移動の圧力が発生し、地域の不安定化や戦争の原

時間がかかった科学物のあとで、気軽に読める感触があったので本書を手にとってみた。著者は日本テレビの夕方ニュース番組に出演中の田宮榮一コメンテーターだ。ご本人は警視庁の警ら部長やヤマト運輸の代表取締役専務なども勤めているのだが、その長いキャリアのなかで1年半ほど在任した捜査一課長時代の思い出を語っているのが本書だ。 昭和57年から58年にかけての話だから、全編

少なくともタイトルを見る限り、中東で読むにはふさわしくない本かもしれない。内容は文字通り原子爆弾の作り方を解説した本だ。中高生でも理解できるように書かれているのだが、物理学マニアや兵器マニアでも知らなかったことが多数記載されている。原子爆弾だけでなく、原子炉の違いについても理解を深めることができるであろう。 本書はじつに丁寧に書かれており、原子の構造や放射能