
『ハチはなぜ大量死したのか』
ブログ更新が遅れたのは、この本に手間取っていたからだ。読みにくかったわけではない。唖然とするほど内容が膨大で、理解しながら読むためには時間がかかったのだ。アメリカで蜂が大量に失踪していることを知ったのは一昨年の2月のことだった。テクノバーンの記事で読んだのだ。本書はその蜂の大量失踪の謎を追った本である。 2007年春までに北半球から1/4の蜂が消えた。アメリ
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ブログ更新が遅れたのは、この本に手間取っていたからだ。読みにくかったわけではない。唖然とするほど内容が膨大で、理解しながら読むためには時間がかかったのだ。アメリカで蜂が大量に失踪していることを知ったのは一昨年の2月のことだった。テクノバーンの記事で読んだのだ。本書はその蜂の大量失踪の謎を追った本である。 2007年春までに北半球から1/4の蜂が消えた。アメリ

いま読み終えた。じっくり読んだ。なんともいえない切ない気分である。日本はこの本の著者や佐藤優など、見えない公務員の努力によって支えられきたことだけは間違いない。本当にありがたいことだ。ちなみに佐藤優はいまだに刑事被告人だし、本書の編集者に聞いたところ、著者は一人の飲んだくれの警官退職者だという。 本書は日本において異例な防諜活動の赤裸々な記録だ。すなわちスパ

1984年に『元禄御畳奉行日記』という本が出版され話題となった。著者は後に『縛られた巨人』で南方熊楠を世に知らしめた神坂次郎だ。この『元禄御畳奉行日記』は尾張藩のある侍があまりに詳細で、赤裸々に身の回りを書いた日記を紹介した本なのだが、とんでもなく面白いものだった。この本を読んでから、少なくとも江戸後期は近世というより近代だという感覚を持ったものだ。近代とし

科学の入門書にして思考実験の教科書でもある、ロングセラー本だ。原書は1993年に書かれている。日本での翻訳本の出版は1999年だ。原書が書かれてからすでに15年以上にいなるのだが、陳腐化していない。 それもそのはずで「もしも月がなかったら」「もしブラックホールが地球を通り抜けたら」「もし可視光線以外の電磁波が見えたら」などのありえない地球の姿を仮定し、科学的




年が明けて間もないのに、驚くべき本が出てきた。というよりも驚くべき書き手が出てきたというべきであろうか。著者は2件の確信的殺人を犯した無期懲役囚である。もちろん服役中だ。 裁判では著者の性格鑑定が行われているのだが、その報告書において鑑定人は「当職は、30年の職歴の中でこのような奇跡的な知能レベルに遭遇するのは初めてであり、他の症例を調査しても前例がないこと


両方ともに新書である。前者は2008年9月刊、後者は2008年12月刊だ。じつは両者、桶狭間の戦い以上に熱い戦いを出版物で展開中なのだ。前者の著者である橋場氏は本人のブログによれば40+α歳、後者の藤本氏は1948年生まれの60歳だ。桶狭間のときの信長は26歳、義元は42歳だった。年齢差も信長と義元に近い。 藤本氏は現在主力となっている「正面攻撃説」の提唱者

上等な科学の講義である。100枚ほどの目を惹く図像をつかい、その図像を読み解きながら、歴史的な背景を探るものだ。 デカルトといえば高校の教科書で読んだだけだから、「我思う、ゆえに我あり」であり『方法論序説』であり、すわなち哲学者なのだが、晩年に書かれた『人間論』には眼球を動かす筋肉や松果体などの細密な図像が使われていることを知り驚いた。じつは『宇宙論』にも『


12月25日付けの『いま恐竜が生きていたら』の書評にあわせて紹介しようと思っていたのが本書である。若い人は著者の景山民夫を知らないかもしれないが、一時は売れっ子の放送作家だった人だ。より知的なテリー伊藤という感じだった。1998年に不可解な死をとげる。生前新興宗教に激しくのめりこみ、マスコミはいまも彼の存在を拒絶しつづけている。このブログでも紹介するべきか否

写真集である。しかも版形は小さく95ページで1600円もする。ページあたり単価が高すぎる。元日でなければ紹介しない本かもしれない。お屠蘇気分で眺めるとじつにおめでたい空の写真で満載なのだ。 まずは「飛行機雲」という写真がすごい。普通の白い雲の中を1機の飛行機が飛んでいる。その飛行機のあとにはオレンジ色と赤の2色の飛行機雲がきっぱりと引かれている。著者は高校教


「自称」FBIの囮捜査で罪を着せられ、カリフォルニアの重罪刑務所をふりだしに11年投獄されていたヤクザの組長の本である。アメリカの司法は日本の常識では推し量れないところがあるが、それを主張しているのはヤクザなのだから、あえて「自称」と紹介した。著者はプロのノンフィクション作家であり、筑摩書店の本である。本書の印税が主人公のヤクザの手に渡らないことを信じて紹介

A5版フルカラー191ページの本である。まさに「いま恐竜が生きていたら」というシミュレーションを合成写真でしてみせる本だ。 まずは草食恐竜の紹介だ。最初はウロポセイドンと象の群れである。人間が象の脚の間を通り抜けれるように、象が恐竜の脚の間を通り抜けれるほどの大きさだ。ピラミッドを背景にした砂漠ではラクダとオウラノサウルスが並んで暑さに耐えている。可愛い。空

本書をきちんと紹介できるだけの知識を持ち合わせていないが、現代アメリカを批判するためには読まなければならない本であることはわかる。アメリカのキリスト教原理主義の奇妙さとその戦慄するべき影響については、なかば面白おかしく書いた本が多数出版されているが、そのほかの主要な思想について網羅的・体系的に紹介しているのは本書だけだ。 ネオコン、リバタリアン、ファンダメン



エクソシストとは悪魔祓い師のことだ。そのエクソシストが現代イタリアに350人もいるらしい。この信じられない事実をロスアンジェルス・タイムズの記者が丹念に取材したのが本書である。 本書によればエクソシストたちは10年ほど前からその数を10倍にも増やしているらしい。ローマのエクソシスト長と呼ばれる人物が10年ほど前に国際エクソシスト協会を発足させたことに端を発し

「プレイボーイ日本版」が2009年1月号(2008年11月発売通算408号)で終刊となった。月刊「論座」は10月号で休刊。講談社の月刊「現代」も12月発売号で休刊。「ラピタ」も1月号で休刊。「広告批評」は来年4月号で休刊予定。週刊誌では「読売ウィークリー」も12月1日発売号で休刊となっている。 この中でなんとなく「プレイボーイ日本版」の終刊号だけ買った。本棚



たまに朝鮮日報オンラインの日本語版を覗く。そこで『Romeo and Juliet』を知った。朝鮮日報のロンドン特派員が昨今イギリスで流行るものとして紹介していたのだ。じつはこの本、イギリス人女性が書いたマンガである。驚くことに舞台は現代の東京。ヤクザのモンタギュ一家とキャピュレット一家が抗争している設定だ。名前は原作の英語名のままなのだが、登場人物の顔はす

このブログにおけるサイエンス・ノンフィクション部門で本年ナンバーワンの本である。しかも著者は日本人なのだ。日本人がこのような本格的なサイエンス本を書けるとは思ってもいなかった。英訳されれば外国でも間違いなく売れる本だ。スムーズな章立て、快適なスピード感、語り口のうまさ、膨大で正確な知識、非センセーショナリズム、過不足のない図版、丁寧な注釈と索引、どれをとって

クエッション・マークで終わる題名はいかにも安っぽいが、原題は『ハイジャッキング・アメリカ』である。あらかじめ断っておくが、読みにくい本だ。大量の情報が複雑なロジックで提供されていいるからだ。原書はフランス語だっただけのことはある。 第二章では一行目から読者に対し「自分がアメリカの新保守主義の高官かシンクタンクの一員であると想像してほしい。」という。そのつもり

典型的な外国発ノンフィクションの大書であり。イギリス人作家らしい網羅性と複雑な構造をもっていて、あまり読みやすい本ではない。全ページを読み通すことは難しい分量だ。アマゾンレビュアーの1人が言っているとおり、字も小さく頭が痛くなりそうだ。 タイトルはタイタニック号遭難に纏わる陰謀もののようにみえるが、読み終えるとその説こそが正しいという確信に変わる。そもそも、


チョコレートの原料となるカカオの学名はテオプロマ・カカオ、すなわち「神々の食べ物」である。その「神々の食べ物」の世界生産の35%以上を占めるコートジボワールには多数の児童奴隷が存在する。 チョコレートを食べることでダイエットしている人びとがいる日本の反対側には、そのチョコレートを見たことも食べたこともない子どもたちが原料のカカオ豆を収穫するために強制労働させ

33歳の現役猟師による猟とその生活を語った本である。京都にある大学の築80年の寮に住んでいたというのだから、京大の出身であろう。現在は運送会社でアルバイトをしながら猟師として暮らしているらしい。「まえがき」の1行目を引用する。 『僕が猟師になりたいと漠然と思っていた頃、「実際に猟師になれるんだ」と思わせてくれるような本があれば、どれほどありがたかったか。』

漢字表記をすると『裸出歯鼠』である。出っ歯で鼠顔な変態オヤジの小説ではない。岩波科学ライブラリーの最新刊なのだ。この岩波科学ライブラリーは本書で151冊目なのだが、総じて価格が高い。本書も118ページで1500円もする。本当に読みたい人は図書館に今すぐゴー、という狙いがありありだ。 ところがこのシリーズには面白そうな本がいっぱいあるのだ。例を挙げてみよう。

ここ数年、日本では所得格差が拡大したという認識が広まりつつある。いわゆる「下流社会」の存在も実感できるようになった。しかし、日本の下流社会層は決して本物の貧困層ではない。 本書の舞台であるバングラデシュの最貧困層の所得は、一日二円五十銭という驚くべきものだ。これではいくら物価が安いといっても、子供を学校に通わせるどころか、安全な飲み水も手に入らないという。


11月6日付けのクリスチャントゥデイを読んで驚いた。米国福音同盟の副会長がオバマの当選を受けて「福音主義者として私たちは私たちと同意をしない人々と協力していく方法を学んだ」と表明したとのことだ。本当にアメリカは変われるのかもしれない。本書はその福音主義について詳しい。 本書によれば2004年12月のニューズウィークの調査で55%のアメリカ人が「聖書にあるすべ


[rakuten:book:13061689:detail] 半分眠りながらテレビを見ていると、その存在感ゆえに気付け薬代わりになる女性が二人いる。横綱審議委員会の内舘牧子氏と同志社大学の浜矩子氏だ。二人とも風貌と語り口に凄みがある。 内舘牧子氏をグーグルで検索すると、「内舘牧子 妖怪」、「内舘牧子 ヨーダ」、「内舘牧子 顔」などが検索語候補として表示される

本書の著者は「文芸評論のかたわら歯科医」もしている。本書の著者紹介やウィキペディアなどでは「歯科医のかたわら文芸評論」をしているとなっているが、まだ四〇才台半ばで二〇冊以上の立派な著作があるのだから、順番が逆だ。歯科医は副業といってもよい。 しかし、この職業紹介の順番はいかにも歯科医のほうが評論家よりも立派な職業だといわんばかりである。実際には全国に十万人近

17世紀から18世紀にかけてイタリアのクレモナでアントニオ・ストラティヴァリウスによって作られた5挺のヴァイオリンと1挺のヴィオラの物語だ。600挺ほど現存している「ストラティヴァリウス」は現在でも最高の価格が付くヴァイオリンである。1994年に日本音楽財団が購入した「パガニーニ・カルテット」といわれる2挺のヴァイオリンと1挺のビオラ、1挺のチェロのセットの