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久保 洋介

1985年、大阪生まれ。幼少時代を大阪・長崎・ニューヨークで過ごす。京都大学法学部在学時には、日本文化を紹介するイベントを企画し、「京都大学総長賞」「京都学生人間力大賞」を受賞。現在は総合商社にてエネルギー担当。好きなジャンルは、評伝、世界史、サイエンス。

(2024年当時)

久保 洋介の記事

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128記事

失敗の本質ーエネルギー版『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 書影

社会 / 日本史

失敗の本質ーエネルギー版『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』

国際政治経済のゲームのルールが変わりつつある。シェール革命により自国でエネルギーをまかなえるようになったアメリカは、中東の石油に依存する必要がなくなり、不安定化する中東情勢に介入しなくなった。 かつての世界の警察官が興味を失い、ますます混迷を極める現在の中東。一方で、資源の乏しい日本は そんな不安定な地域に エネルギーの大部分を依存しつづけている。アメリカに

『GDP』20世紀でもっとも偉大な発明の歴史 書影

世界史 / ビジネス

『GDP』20世紀でもっとも偉大な発明の歴史

「GDPは20世紀でもっとも偉大な発明のひとつ」 アメリカ商務省がここまで賛辞を贈るのは異例だ。しかしそれもその筈、GDP(国内総生産)以上に国の経済規模を測れる指標は存在せず、マクロ経済政策はGDPに依拠しながら策定せざるをえない。GDPは、アメリカ商務省だけでなく各国政府にとって経済政策を考える上で必要不可欠な経済指標である。一方で、これほど各国経済に多

『ザ・カジノ・シティ』ラスベガスの風雲児 書影

人物 / 民俗・風俗

『ザ・カジノ・シティ』ラスベガスの風雲児

世界有数のエンターテイメントの街、ラスベガス。100年前にはたった数十人しか住民のいない小さな町だったが、今では毎年4,000万人以上もの観光客数が訪れ、沖縄の約6倍もの集客力を誇る世界有数の観光リゾートだ。しかも温暖な気候・海・歴史など豊富な観光資源に恵まれた沖縄とは違い、あたり一面砂漠しかない枯れ地に位置するラスベガスは、カジノとエンターテイメントだけで

神の眼をもつ男の半生『わたしの土地から大地へ』 書影

アート・スポーツ / 人物

神の眼をもつ男の半生『わたしの土地から大地へ』

「神の眼」を持つといわれ、今世紀最も偉大な写真家と称される男がいる、セバスチャン・サルガドだ。ブラジル金鉱で働く男たち、爆発しつづけるクウェートの油田を消火する消防士、悲壮感漂うルワンダの難民たち、数百万羽ものペンギンたちの群れなど、その圧倒的なインパクトで人々の魂を揺さぶり、観るものを非日常へとつれ去ってしまう彼の写真。セバスチャン・サルガドの場合、写真と

『日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る』中の人が語る新規プロジェクトの実録 書影

社会 / ビジネス

『日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る』中の人が語る新規プロジェクトの実録

次々と効果的な殺虫剤を開発し、農業化学分野では一目おかれる成果を出していた、とある30代後半の会社員。ある日、自宅でぼんやりテレビを見ながら酒を飲みつつ 考えていた。 自分が本当にやりたいことは、なんだったのだろうか ビジネスマンなら誰でも一度は思いなやむ悩みであろう。そしてこの日の悩み事が、その後、彼が所属する住友化学という大企業を突き動かしていくこととな

『石油と日本』石油を持たない国の試行錯誤 書影

日本史 / ビジネス

『石油と日本』石油を持たない国の試行錯誤

そんな中、明治から現在までの日本の油田開発と資源外交に焦点をあてる本書は希有な一冊といえよう。これまで歴史に埋もれてきた数多くの物語を紡ぎだす良書である。しかも、歴史の表舞台に登場するプレイヤーの動向を紹介するだけでなく、そんな彼らを支えた人、場合によっては彼らにすら認知されていない現場の人たちにまでスポットライトをあて、日本のこれまでの資源外交と油田開発の

『東京都セレブ区福祉部』普段見えない世界 書影

教養・雑学 / 社会

『東京都セレブ区福祉部』普段見えない世界

「ハチ公」「センター街」「109」「スクランブル交差点」といったランドマークが多く、ファッション誌のストリートスナップや情報番組の街頭インタビューの名所である若者の街、渋谷。 衣類・書籍・楽器の販売額が都内でダントツの一位でもあり、 街全体が流行を発信する国内でもユニークなエリアだ。 そんな「若者の街」渋谷は、本書のタイトル通り「セレブ区」としても有名。区内

『6度目の大絶滅』が今まさに進行中 書影

サイエンス / 生物・自然

『6度目の大絶滅』が今まさに進行中

ニューヨークの観光名所アメリカ自然史博物館の一角に、生物誕生後の35億年の間に起きた5度の大絶滅を紹介する展示物がある。その展示物の銘版には、過去5度の絶滅は、隕石衝突含む地球規模の気候変動によっておきたものと解説され、そしてそれに続いて驚くべき一文が続く。「現在、6度目の大絶滅が進行中であり、今回の原因はひとえに人類が生態系の景観を変えたことにある」と。

『石油の帝国』国際政治経済を動かす黒幕 書影

社会 / ビジネス

『石油の帝国』国際政治経済を動かす黒幕

世界上位30カ国にひけをとらない財務力をもち、世界200カ国以上でエネルギービジネスを展開する石油最大手エクソンモービル(年間の売上高はタイやシンガポールのGDP以上!)。その強靭な財務力と圧倒的な技術力を駆使し、アメリカの一企業にもかかわらず、独自の外交・政治活動を展開するほどの巨大企業だ。本書は、このアメリカ最大最強企業が世界中で繰り広げる資源獲得競争の

『深海8000mに挑んだ町工場』町工場の快進撃! 書影

サイエンス / 教養・雑学

『深海8000mに挑んだ町工場』町工場の快進撃!

「下町の工場が海底探査ロボットを開発して、世間をアッと言わせたい。」 2013年末、東京下町の町工場が「江戸っ子1号」という深海探査機を開発し、世界初の深度8000mでの三次元ハイビジョン映像に成功した。これまで、大企業の下請けというイメージの強かった町工場だったが、自ら開発力をもつことで息を吹き返しつつあることを世に証明している。今回の成功は2009年に東

『世界一の紙芝居屋 ヤッサンの教え』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『世界一の紙芝居屋 ヤッサンの教え』新刊超速レビュー

紙芝居が、KAMISHIBAIとして、最近、海外で評価されつつある。紙芝居はアニメやマンガとの類似性も多く、日本独自のメディアアートである紙芝居に注目が集まっているそうだ。日本初のマンガ博物館、京都国際マンガミュージアムでは、紙芝居をアニメやマンガの源流と位置づけ、同館内に常設の紙芝居小屋を開設している。そこでは毎日紙芝居一座による口演会が行われ、ミュージア

『10万人を超す命を救った沖縄県知事・島田叡』沖縄版、杉原千畝 書影

教養・雑学 / 人物

『10万人を超す命を救った沖縄県知事・島田叡』沖縄版、杉原千畝

胸が熱くなる一冊だ。戦前最後の沖縄県知事、島田叡。戦況が悪化する最中に沖縄県知事に就任し、沖縄戦にて戦争被害を最小限に食い止めるべく県政の陣頭指揮にあたった人物である。これまで日の目を浴びることなく歴史に埋もれていたことが信じられないほど、偉大な人物だ。 当時だれも就きたがらない火中の栗である沖縄県知事の役割を彼が引き受けたのが1945年1月末。そう、アメリ

『泡沫候補 彼らはなぜ立候補するのか』現代のドン・キホーテたち 書影

人物 / 社会

『泡沫候補 彼らはなぜ立候補するのか』現代のドン・キホーテたち

マック赤坂、羽柴誠三秀吉、外山恒一など、いわゆる泡沫候補と呼ばれるような人たちは、300万円もの供託金を支払って、敗北がほぼ確実な選挙に何回も立候補する。当選する見込みがほとんどないにもかかわらず、なぜ彼らは立候補するのか?その派手なパフォーマンスに何の意味があるのか? 本書は、多くの人々が疑問に思いながらも、これまで見過ごしていた現代日本選挙の謎に迫る一冊

『「科学者の楽園」をつくった男』いま話題の理研の歴史 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『「科学者の楽園」をつくった男』いま話題の理研の歴史

現在のドタバタ劇をみるに信じられないことかもしれないが、理化学研究所は、1917年の創立以来、「日本の科学界を牽引したのは理研」といわれるほど、数々の著名な日本人研究者を輩出している日本屈指の研究所である。 これまで、世界初のビタミン発見者といわれる 鈴木梅太郎 をはじめ、 寺田寅彦 、 長岡半太郎 、 仁科芳雄 、 湯川秀樹 、 朝永振一郎 などというそう

『テキヤはどこからやってくるのか?』知的好奇心を満たしてくれる一冊 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『テキヤはどこからやってくるのか?』知的好奇心を満たしてくれる一冊

浮かれた雰囲気の場所にはかならずといっていいほど露店が立ち並んでおり、焼きそばを焼くソースの匂いや派手な色彩の店構えがその場の雰囲気を盛りあげている。特に縁日や祭りにとって露店は欠かせない存在であり、露店の賑やかな存在が私たちにハレの気分を味あわせてくれている。 東京下町では、これら伝統的な露天商のことを「テキヤさん」と親しみを込めて呼んでいるが、一般的には

『リーマンショック・コンフィデンシャル』金融危機時の人間ドラマ 書影

人物 / 事件・事故

『リーマンショック・コンフィデンシャル』金融危機時の人間ドラマ

これまでさまざまな学者や評論家がリーマンショックについて解説しており、「住宅ローン基準の緩和に伴うサブプライムローンが、、、」といった抽象論は耳にたこができるほど聞かされている人は少なくないだろう。 私自身そんな大勢の一人で、今更リーマンショックの顛末にあまり興味はなく、本書を手にとったのは、「フィナンシャル・タイムズ」「エコノミスト」両紙の2009年ベスト

『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』上級ミステリー本 書影

教養・雑学 / 人物

『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』上級ミステリー本

本書は、国民的大ベストセラー辞典の「生みの親」に光をあて、これまで注目されてこなかった国語辞典の誕生秘話を解き明かす一冊だ。 合わせて累計4000万部に迫る驚異的な発行部数を記録する『新明解国語辞典』と『三省堂国語辞典』。辞書として最も有名な『広辞苑』の発行部数が1200万部であるから、これら二冊はそれ以上ないしは同等の部数を誇っていることになる。驚くのは、

『747 ジャンボをつくった男』プレミアムレビュー 書影

教養・雑学 / 人物

『747 ジャンボをつくった男』プレミアムレビュー

「男の子の理想の人生」――本書の読後感はこの一言に尽きる。 国家、産業、技術、芸術――なんでもいい。あるものの勃興期に生まれ合わせ、その盛り上がりと共に人生をおくるというのは素晴らしい、得難い幸運である。 本書のタイトルとこの解説文に惹かれて、本書の購入を決意。早速、家に帰って本書のページをめくってみると、期待通り読んでいてワクワクする夢のような人生が描かれ

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人物 / ビジネス

『イーロン・マスクの野望』桁外れの野心家

我々が人類史上類をみない大変革の時に居合わせていることを気付かせてくれ、単調な毎日を過ごしがちな私たちをワクワクさせてくれる、そんな一冊だ。 日本ではまだ認知度が低いかもしれないが、今、世界中から「未来を変える天才経営者」として注目されている起業家がいる。1971年に南アフリカで産まれ、31歳の時アメリカで億万長者の仲間入りし、現在地球規模の壮大な挑戦をする

『北からの世界史』北方世界に歴史があったんだ 書影

生物・自然 / 世界史

『北からの世界史』北方世界に歴史があったんだ

まるで歴史ドキュメンタリー番組を観ていたかのような読後感を味わえる一冊だ。 本書は、歴史上、ロシア・カナダ・アメリカなど極寒の世界に人々が「何」を求めて遠征していき、「何」を売り買いすることで世界経済と繋がっていったのかをおう歴史書である。歴史書といってももちろん学校で習うような事実の羅列とは全く違う。本書を読んでいると、学校で暗記した地域や年代別の世界史が

『スリランカの赤い雨』地球外生命の発見??? 書影

サイエンス / 事件・事故

『スリランカの赤い雨』地球外生命の発見???

わくわくサイエンス本だ。 2012年11月13日早朝、インド沖合のスリランカに突如として「赤い雨」が降り注いだ。砂漠の微粒子を含む「黄色い雨」や火山灰・石炭を含む「黒い雨」はよく確認されているが、「赤い雨」というのは神話などで紹介されているものの事例が少なく、本格的な科学的研究はあまり進んでいない未知の現象である。本書は久しぶりに確認された謎の「赤い雨」の正

『産後クライシス』夫への愛情なんかもうないよねー 書影

教養・雑学 / 社会

『産後クライシス』夫への愛情なんかもうないよねー

子どもが産まれたあと妻の態度が激変した ー そんな経験ある世の男性(夫)は多いのではないか。とある民間研究機関の調査によると、妊娠した段階では7割が相手に愛情を抱いているが、子どもが2歳になる頃には、女性の夫への愛情はなんと半数以下の3割にまで低下するという(男性も低下するが、女性の下げ幅の方が圧倒的)。「え、そんなに俺たち愛されてなかったの?」「やっぱりそ

『宇宙へ行きたくて液体燃料ロケットをDIYしてみた』大人たちの壮大な実験物語 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙へ行きたくて液体燃料ロケットをDIYしてみた』大人たちの壮大な実験物語

「おおー!」「うわっっ」 インジャクターの少し先で、轟音をあげて炎が上がった。火炎放射器のようにオレンジ色の炎が4mほど前方に伸びる。時間にして数秒。 「燃えた‥‥‥」 インジェクターから噴出されたエタノールと液体酸素はみごとに混合し、乗用車のプラグが放つ火花を大きな火炎にした。 歓声があがった。 野田が笑い出す。止まらない。自然にみんなで拍手をしていた。

『そして日本経済が世界の希望になる』新刊超速レビュー 書影

社会 / ビジネス

『そして日本経済が世界の希望になる』新刊超速レビュー

相変わらずのクルーグマン節炸裂の一冊だ。 クルーグマンと言えば、歯に衣着せぬ発言で知られるノーベル経済学者。時の権力者や著名経済学者をバッサリ切り捨てる容赦ない批判姿勢は、いつも賛否両論を呼んでおり、ファンもアンチも多い経済学者である。本書でも切れ味は抜群であり、米ハーバード大学のカーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ両教授をばっさり切り捨てている。 インタ

『命がけで南極に住んでみた』科学者たちの楽園、南極大陸 書影

サイエンス / 生物・自然

『命がけで南極に住んでみた』科学者たちの楽園、南極大陸

地球最後のフロンティアを綴る最高のサイエンス・ルポだ。 本書を書店で見かけたとき、「南極はそんなに興味ないし」と平積みされている本の前を一旦通り過ぎたが、著者名が目に入った瞬間に引き返した。ゲイブリエル・ウォーカーといえば、サイモン・シンが絶賛し日本では毎日出版文化賞受賞した『スノーボールアース』の著者である。帯には「人を拒み続ける醜寒の大陸に長期滞在」とい

『世界でいちばん貧しくて美しいオーケストラ』奇跡の教育モデル 書影

アート・スポーツ / 人物

『世界でいちばん貧しくて美しいオーケストラ』奇跡の教育モデル

南米ベネズエラといえば、反米主義のウゴ・チャベス元大統領、石油、野球などが思いつく程度で、あまり日本人には馴染みのない国だろう。もしかするとミスユニバースを何人も輩出する美女大国として知っている人の方が多いかもしれない。 そんなベネズエラでは、ここ数年『エル・システマ』という音楽育成プログラム発祥地として世界中の注目を浴びている。注目を浴びるきっかけとなった

『医師は最善を尽くしているか』何が改善に繋がるのか 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『医師は最善を尽くしているか』何が改善に繋がるのか

アフガニスタン・イラク戦争。治安は未だ改善せず相変わらず散々たる状況であるが、医療の面では歴史的とも言える偉業が成し遂げられている。戦闘で負傷した兵士の死亡率が、これまでの実例と比べて大幅に改善しているのだ。第二次世界大戦が30%、朝鮮戦争は25%、ベトナム戦争は24%、湾岸戦争は24%の兵士が死亡しているなか、今回はたったの10%である。 朝鮮戦争以降、半

『太陽 大異変』地球への影響 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『太陽 大異変』地球への影響

1989年3月13日、カナダのケベック州で大停電が起こった。変電所や発電所が突如破壊され、9時間も停電続いたのだ。被害に遭ったのは、およそ600万人、経済的な損害は100億円を超えた。そして不気味にも同時に全米一帯を覆い尽くすようにオーロラが発生したのである。 当時、冷戦の真っ只中であったため、多くの人々は核攻撃が始まったと心配したそうだ。しかし、この大停電

『ローカル線で地域を元気にする方法』偉大なるマーケティング本 書影

教養・雑学 / 人物

『ローカル線で地域を元気にする方法』偉大なるマーケティング本

いすみ鉄道。この名前を聞いて、ピンときた人はよほどマニアックな人だろう。地方第三セクター立て直し事例として話題のローカル鉄道でありながら、まだ一部の専門雑誌などで紹介されるだけで、大手メディアはあまり取りあげきれていない。この鉄道の再生物語から、地方や中小企業が学べることは多く、注目に値するのでそろそろ取りあげられそうだ。 本書の著者は、千葉県を走るローカル

『マヨラナ』天才が描く天才の物語 書影

サイエンス / 人物

『マヨラナ』天才が描く天才の物語

1938年、一人の天才物理学者が謎の失踪を遂げた。まだ31歳の若さながらすでに国際的に名の知れた優秀な核物理学者が、イタリア・シチリア島のパレルモからナポリ行きの船に乗り、それっきり消息を絶ったのだ。遺書らしきものは残されていたが、遺体は収容されなかったうえに、以後数十年にわたってあちこちから目撃証言が出続けており、その消息は未だ謎である。もし本当に生きてい

『新・ローマ帝国衰亡史』新しい仮説の立て方 書影

教養・雑学 / 世界史

『新・ローマ帝国衰亡史』新しい仮説の立て方

仮説力を磨きたい人にはおススメの本。 いわゆる一流の人間とは、真理に近い仮説を立て、それをいち早く検証・実践した人間と言われている。確かにこのことは学問・政治・ビジネスなどあらゆる分野において普遍的であり、仮説力ある人が世の中をリードしていると言っても過言ではない、と言うと少し言い過ぎか。いずれにせよ、一朝一夕に仮説力を磨くのは難しく、よほどの才能がない限り

『そのとき、本が生まれた』本の都、ヴェネツィア 書影

教養・雑学 / 人物

『そのとき、本が生まれた』本の都、ヴェネツィア

アルド・マヌーツィオ。出版界が生んだ天才で、革命家、そして本の歴史を変えた男である。彼の存在なくして、出版界は今日ほど大きな発展を遂げることはなかっただろう。 いつも鞄に本を一冊忍ばせている人は多いはず。私もそんな一人で、電車やトイレの中など少しでも時間が出来れば、鞄から文庫本を取り出す。私にとってはとても日常的な動作であるが、こんなことができるのも500年

『インターネットを探して』現代社会最重要インフラを巡る旅 書影

教養・雑学 / 社会

『インターネットを探して』現代社会最重要インフラを巡る旅

インターネット。とても身近な単語だが漠然としており、具体的に何を指しているのかはよく分からない。テクノロジー雑誌『Wired』の記者である著者でさえも、とある事件が起こる前まではその単語が何を差すのかを正確に把握できていなかったほどである。 「お宅のインターネットが接続できなくなったのは、リスが裏庭にあるケーブルをかじってしまったからです」、修理員にそう告げ

『古代道路の謎』新刊超速レビュー 書影

日本史 / 新刊超速レビュー

『古代道路の謎』新刊超速レビュー

1995年、東京都国分寺市で長さ340mの幅12mの道路が発掘された。造られた時代は約1300年前の飛鳥時代。そして驚くべきことに、この巨大道路は寸分の狂いもなく一直線に造られていたのである。 その後の調査の結果、現在では、7世紀ごろには日本中を張り巡らす巨大道路網が建設されていたことが判明している。東北から九州までの長さ約6300kmもの距離を、最大幅30

『海はどうしてできたのか』海が消滅して人類滅亡!? 書影

サイエンス / 生物・自然

『海はどうしてできたのか』海が消滅して人類滅亡!?

本書によると、将来地球上から海が消え、人類が絶滅してしまう可能性があるそうだ。 地球の内部では、ウラン・トリウム・カリウムなどの放射性元素が崩壊を繰り返し、熱を放出し続けている。それによって地球は内部から温められ、地球が凍りつかない仕組みになっているのだ。しかし、地球誕生からおよそ約46億年経った今、地球内部にあるウランの量は半減しており地球を暖める熱源は徐

『新幹線をつくる』世界に誇るメイド・イン・ジャパンの舞台裏 書影

教養・雑学 / 人物

『新幹線をつくる』世界に誇るメイド・イン・ジャパンの舞台裏

正確性、安全性、快適さ、速さ、そして美しさ。日本のモノ作りが大切にするコンセプトである。そんなコンセプトを一つの乗り物というカタチにしたとき、世界に誇る日本の新幹線が出来上がる。正確無比に、安全に、故障することなく、しかも驚くべき速さで走り続けている新幹線。まさしく、わが国が世界に誇るべき「メイド・イン・ジャパン」の技術力の結集である。本書はそんな「メイド・

『古代ローマ帝国 1万5000キロの旅』2000年前の世界旅行 書影

教養・雑学 / 世界史

『古代ローマ帝国 1万5000キロの旅』2000年前の世界旅行

旅行好きにはたまらない本だ。本書を通して南北はスコットランドからエジプトまで、東西はポルトガルからアルメニアまでの広大な土地を旅した気分になれる。それも時代は今から遡ること2000年、古代ローマ帝国時代である。 ああ、こういう本に巡りあえるから読書はやめられない。読了後は数ヶ月に亘る世界旅行をして帰ってきたような気分なのに掛かった費用は書籍代たった3,200

『勇気ある決断』大胆な投資を決断するリーダーたち 書影

人物 / 世界史

『勇気ある決断』大胆な投資を決断するリーダーたち

フェリックス・ロハティン。投資銀行家で、1970年代後半のニューヨーク市財政破綻の危機を救ったことで有名な人物である。幼少時にナチスから逃れてアメリカに移民、その後、ウォールストリートの投資銀行家としての名声を勝ち取り、ニューヨーク市の財政援助公社総裁としてニューヨークを財政危機から救い出した。後々、幼少時に住んでいたフランスで米国大使を務め、故郷に錦を飾る

『なぜゴルフ場は18ホールなのか』どうでもいい数の裏にある人間ドラマ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『なぜゴルフ場は18ホールなのか』どうでもいい数の裏にある人間ドラマ

年末年始はつい軽めの本を好んで読んでしまう。どうやらHONZ代表の成毛も同じ症状のようなので、世の中にはきっと同じ症状の本読みがたくさんいるのだろう。そんな人にオススメなのが本書である。タイトルでもある「なぜゴルフ場は18ホールなのか」など、世の中に溢れる数のいわれを解き明かす良書に仕上がっている。1項目1トリビアでそれぞれ2〜5ページなので通勤時間に読むの