ノンフィクションはこれを読め!

山本 尚毅

1983年石川県生まれ。北海道大学農学部農業経済学科卒。2021年より北陸先端科学技術大学院大学にて人類学を専攻。SIer→社会起業→予備校→シンクタンク(現在)、少々支離滅裂なキャリアを歩む。好きな本屋はフリッツ・アートセンター(前橋)とREBEL BOOKS(高崎)。好きなジャンルは文化人類学、雪に関連する本全般。

(2024年当時)

山本 尚毅の記事

AUTHOR

139記事

『廃墟遺産』あったかもしれない風景に想いを馳せて読む 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

『廃墟遺産』あったかもしれない風景に想いを馳せて読む

巨大な廃墟はスキャンダラスでセクシーな匂いを発している。だからか、縁もゆかりがなくとも、大きいという理由だけで、建造された経緯を調べ、廃墟となった理由を粗探したくなる。 当初はどの計画においても、卓越したリーダーの大きな計画と巻き込まれた沢山の関係者の想いがあったのだろう。しかし、当初の計画から予測できなかった出来事やトラブルにより実現しなかったがために、そ

『消えゆく「限界大学」 私立大学定員割れの構造』差し迫る「2018年問題」、直前対策は? 書影

教養・雑学 / 社会

『消えゆく「限界大学」 私立大学定員割れの構造』差し迫る「2018年問題」、直前対策は?

2020年、東京オリンピックの開催の裏側で、大学入試センター試験の改革が着々と進んでいる。次の中学3年生が高校3年生になるタイミングであるから、もう間近である。高校も大学も塾も、その準備に追われてとても大変になることは想像に難くないが、その手前にも、大きな問題が来ることは随分前から囁かれていた。2018年問題である。 1992年に200万人を超えた18歳人口

『選択しないという選択 ビッグデータで変わる「自由」のかたち』とはいえ選択は終わらない 書影

医学・心理学 / 社会

『選択しないという選択 ビッグデータで変わる「自由」のかたち』とはいえ選択は終わらない

選択できるということは途方もない利益をもたらす。そして、選択できることは好ましいことと考えられている。一方で、同時に多大な負担を強いる。人間の時間と集中力は限られており、ときに不合理な選択や行動をしでかす。すべての選択について都度立ち止まって学習することは難しく、それが楽しいとも限らない。 だから、人類は歴史を通じて様々な工夫をしてきた。ナッジ(Nudge)

『火あぶりにされたサンタクロース』12月25日の知的興奮 書影

社会 / 事件・事故

『火あぶりにされたサンタクロース』12月25日の知的興奮

サンタクロースが、昨日午後、ディジョン大聖堂の鉄格子に吊るされたあと、大聖堂前の広場において人々の見守るなか火刑に処された。この派手な処刑は、教区若者組に所属する多数の子供たちの門前でおこなわれたのである。この刑の執行は、サンタクロースを教会の横領者にして異端者として<有罪>の判決を下した聖職者の同意のもとに決定された。 サンタクロースはキリストの降誕祭を異

『本当に住んで幸せな街』官能的な街をはかる 書影

教養・雑学 / 社会

『本当に住んで幸せな街』官能的な街をはかる

「結局私たちは、どんなまちに住むのが幸せなのか」 センシャス・シティである。これが、本書の結論だ。 センシャスは日本語にすると「官能」、センシャス・シティは「官能都市」、艶やかな響きである。官能という言葉から、反射的にポルノチックなニュアンスが思い浮かんでしまう。しかし、官能の本来持つ意味を調べると、「感覚器官の動き」である。まず、センシャス・シティが夜遊び

『英語の帝国』普及の決め手は親の不安と期待 書影

教養・雑学 / 世界史

『英語の帝国』普及の決め手は親の不安と期待

英語教育の早期化が加速している。次期学習指導要領からは、小学校5年生から英語は正式科目となり、小学校3年生から英語に親しむ授業がはじまる。そして、歩調を合わせるように、親の英語熱が加速している。 小学校の英語必修化について、2006年には52%の親が反対だったが、2013年には賛成が59%というアンケート結果が出ている。また、大学入試でも「読む・書く・聞く・

『「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済』したたかさとなまぬるさの間の生き方 書影

社会 / 民俗・風俗

『「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済』したたかさとなまぬるさの間の生き方

「いま、ここ」に真剣に生きる。 そのような当たり前の事実をアドラー心理学やマインドフルネスで説かれる。わかっちゃいるけど、実践できないのは、ついつい過去を悔やんだり、不確実な未来に思い悩むからである。一方で、リスクを出来るだけ最小化するために予測可能性を高め、テクノロジーが予見する世界像を理解・共有しながら、未来の解像度を高めようとする。そうして、現在と未来

『クラフツマン 作ることは考えることである』仕事への誇りを取り戻すための葛藤 書影

教養・雑学 / 社会

『クラフツマン 作ることは考えることである』仕事への誇りを取り戻すための葛藤

よい仕事とは何か、長らく考えられてきた問いである。本書ではクラフツマンとその精神性の歴史的背景を理解し、今の時代と文脈でどう再解釈できるかの議論を通じて、問いと対峙していく。シンプルな問いほど答えを出すのは難しい。本書も答えよりも、問いのまわりをクラフツマンの仕事と共に逡巡し続け、新たな問いを読者に投げかける。 近代の仕事は『絶望的に真面目』なのである。それ

『箸はすごい』身近すぎて知られていない二本の魅力 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『箸はすごい』身近すぎて知られていない二本の魅力

14億人もの人が箸をつかっている。しかも、ほぼ毎日である。一度ではない、2、3回は使う。ここまで頻繁に利用する道具はそう多くはない。 だいたい物心がつく前後から箸に慣れ親しみはじめるが、主に教わるのは正しい箸の持ち方としつけである。矯正用の箸を使って、持ち方を叩き込まれる。「指し箸」「迷い箸」「刺し箸」などやってはいけないマナーを厳しく教えこまれる。 そうし

やりたいからやる『これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得』 書影

教養・雑学 / 人物

やりたいからやる『これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得』

本書は16人の在野研究者の生き様 を紹介するというシンプルな構成だ。謎の同人ウェブメディア「En-Soph(エン–ソフ)」での連載シリーズ「在野研究のススメ」を、再構成しまとめたもので、すべての章は読み切りだ。 論文の数や掲載誌のインパクトを追求する一般的な研究者とは異なり、我が道、我が学問を行く在野研究者たち。制度や固定観念に囚われることのない、彼らの研究

『学びとは何か』乳幼児の言語発達から超一流の学びまで 書影

サイエンス / 医学・心理学

『学びとは何か』乳幼児の言語発達から超一流の学びまで

記憶と知識の違いは何か、そもそも幼児はどのようにして言葉を学びはじめるのか、覚えても使えない知識と新しいことを生み出すことができる知識は何が違うのか、凡人と一流、そして超一流の学び方の違いは何か。「学び」についての疑問は、人生のどの局面においても好奇心をそそられる。 しかし、何を「学び」と定義するかはひとりひとり違う考えを持っており、「よい学び」という価値判

『中谷宇吉郎 雪を作る話』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 生物・自然

『中谷宇吉郎 雪を作る話』新刊超速レビュー

世界初の人工雪の製作に成功し、低温科学の分野で大きな業績を残した中谷宇吉郎は、物理学者寺田寅彦の弟子であり、研究でも随筆においても強く影響を受けた。本書は著者の科学エッセイ14篇を収録しており、どの文章にも詩的な表現とユーモアがふんだんに散りばめられ、純粋な科学のおもしろさがじわじわと伝わってくる。 冷えきったガラス板を天にかざし、降り落ちる雪を受け取っては

『スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること』起こりそう、起こってもおかしくない、起こりうる 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること』起こりそう、起こってもおかしくない、起こりうる

本書は摑みどころがない。何が新しいか、面白いのかと問われたときに、答えに窮する漠然とした本だ。スペキュラティヴという言葉にヒントがあるだろうかと辞書を引けば、思索的、思弁的、投機的といった意味がある。しかし、どの言葉を当てはめてもしっくりとは来ない。しかし、それでも不思議と紹介したくなる魅力を持っている。スペキュラティヴ・デザインという聞き慣れない言葉の捉え

『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと』ミレニアム世代の寄付と仕事の関係 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと』ミレニアム世代の寄付と仕事の関係

効果的な利他主義者は その問いを突き詰めて考え、仕事を選択する。寄付先の選択も同様で、たくさんのいいことができる寄付先を選ぶ。例えば、 ・ 犬が好きなので、地元の動物シェルターに寄付している ・ 日本人なので、なによりも日本の恵まれない人たちに寄付をする ・ 妻が乳がんで亡くなったので、乳がん研究に寄付している ということについて、彼らはどのように考えるだろ

『雇用身分社会』歴史とデータで掴む雇用の現在地 書影

教養・雑学 / 社会

『雇用身分社会』歴史とデータで掴む雇用の現在地

1970年代の日本では、中間層の膨張が誇張され、「一億総中流」という言葉がよく使われた。しかし、90年代初めのバブル崩壊後の長期不況の中で、年収300万円未満の所得階層が大幅に増加し、全体の過半数に達した。その一方で、300万円以上の所得階層が大幅に減少して、日本は「中流社会」から「格差社会」に移行したと言われるようになった。その格差社会への移行の本質は、雇

『代替医療の光と闇』繰り返される悲劇に巻き込まれないために 書影

サイエンス / 医学・心理学

『代替医療の光と闇』繰り返される悲劇に巻き込まれないために

電車の中吊り、雑誌や新聞の紙面、テレビCM、Web、一日の生活でサプリメントの広告を目にしないことのほうが難しい。それもそのはず、市場規模は世界で1000億ドル(国内の2014年度コンビニ市場が約10兆円)を越え、2020年には2000億ドルに近づくと予測されている。れっきとした成長産業だ。 いったいサプリ産業はどのような手立てをつかって、現在の地位を築いて

当事者対抗主義という病『法廷に立つ科学』 書影

サイエンス / 社会

当事者対抗主義という病『法廷に立つ科学』

科学者も法律家も仮説からスタートする。しかし、法廷と科学の世界はそれぞれがまったく異なった伝統を代表していて、科学による真実の追求と、正義に仕える法制度のあいだに衝突が起こるのはもはや避けられない、永遠の命題である。法律家と科学者はお互いのことを「誤りはそれが真理を含めば含むほど危険である」とかつて表現されたような、古くからいわれる知の罠の餌食として見ている

『食の未来のためのフィールドノート』食のサードウェーブ? 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『食の未来のためのフィールドノート』食のサードウェーブ?

ラムチョップが一瞬にしてなくなった夏の夜のことだった。著者はその年、ロックフェラー一家から寄贈されたニューヨーク郊外の土地で、豊かな土壌を持つ場所で運営される実験農場に直結する、誰もがうらやむ環境で、レストランをオープンさせた。その4年前にニューヨーク市内で開業したレストランは「ファーム・トゥ・テーブル」の代表格として大繁盛し、オバマ大統領もお忍びで通う。

『レリギオ:〈宗教〉の起源と変容』儀式と信仰、どちらからはじまった? 書影

教養・雑学 / 世界史

『レリギオ:〈宗教〉の起源と変容』儀式と信仰、どちらからはじまった?

2011年3月以降、 絆やつながり が大切だと、耳にタコができるほど聞いてきた。煩わしいと思う人もいるし、いやそれこそ美しいと考える人もいる。どちらの気持ちも幾分か持つグレーな人が大半だと思うのだが、さて昔の人は「つながり」をどう考えていたのだろうか? Religio(レリギオ)はReligion(宗教)の語源になったラテン語であり、 「つながり」を意味する

『教師はサービス業です』身も蓋もない苦情の防具に 書影

教養・雑学 / 社会

『教師はサービス業です』身も蓋もない苦情の防具に

教師は聖職。サービス業と書籍名で断言されて、気持ちのいい教師はいない。一方、苦情に関する調査で、教師の半数が「苦情が増加している」と答えた。特に50代以上が高い割合を占めており、ベテラン教師ほど苦情に悩まされているのが実態だ。多くは地域の住民や保護者から寄せられ、彼らと適切にコミュニケーションすることは円滑な学校運営に欠かせないため、誠心誠意の対応が求められ

『ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!』

その根底にあるのは、「分かりそうで、分からないもの」、という独自のコンテンツの定義かもしれない。なぜ「分かりそうで、分からないもの」に人は惹かれるのだろうか。それを語りだすときに、生物の「進化」や「順応」にまで話は飛び、分からないものを分かろうとする機能は生存競争の中で人間が獲得した特性ではないかと仮説立てる。理解の限度を超えたものは関係がなくなるが、微妙な

『臓器移植の人類学』生死の境界線は変わっていくか 書影

医学・心理学 / 社会

『臓器移植の人類学』生死の境界線は変わっていくか

私たちの価値観はマクロな世論や制度設計、人々の具体的な実践や意識から影響を受け、知ってか知らずでか変化している。ひときわ新しい技術の導入は、私たちの価値観に不可逆な影響を与える。2つの異なる身体間での臓器の取引を可能にした臓器移植医療もその一つである。 著者は臓器移植医療における一番の当事者であるドナーとその家族、レシピエントから生の声を得ると同時に、歴史、

『世界はシステムで動く』方向性のない不可解な時代を生きるために 書影

生物・自然 / 社会

『世界はシステムで動く』方向性のない不可解な時代を生きるために

第二次世界大戦後のイタリアで、フィアットを再建し、オリベッティ社の会長にをつとめたアウレリオ・ベッチェイは、人類と地球が置かれた危機的状況を憂い、ローマクラブを1970年に設立した。ローマクラブから調査の委託を受けたマサチューセッツ工科大(MIT)は研究成果を『成長の限界』というレポートにまとめ、1972年に発表した。その翌年に本の一部が現実化するかのように

突き放した視点で見る宗教、発想が変わる『教養としての宗教入門』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

突き放した視点で見る宗教、発想が変わる『教養としての宗教入門』

フランスの風刺週刊紙「シャルリ・エブド」 の襲撃事件、1年あまりで国家に近い体制を築いた「イスラム国」、そして日本人2人が人質となった事件、2つの旬なイシューは国際政治や経済の問題であると同時に、宗教から見つめることができる。そのための浅く広い基礎知識と斬新な見方が本書にあると言っても過言ではない。 一神教と多神教、世界の主な宗教の解説はざっくりと本書でもチ

『えんぴつの約束』感動の中にある戦略 書影

人物 / 社会

『えんぴつの約束』感動の中にある戦略

発展途上国に学校を創る、というありきたりの青春話である。日本でも現役の医大生が、150万円で学校を建てられるというポスターを見て、その偶然の出会いから学校を建てたストーリーが話題になった。チャリティーイベントを開き、寄付を集め、カンボジアに学校を建てた。そして、それは向井理が主演した『 僕たちは世界を変えることはできない 』という映画にもなった。 本書の主人

『つながるカレー』赤字でいいじゃない!何より楽しむこと 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『つながるカレー』赤字でいいじゃない!何より楽しむこと

カレーをつくって、旅をするひとたちがいる。 チームは3名。誰も料理のプロはいない、素人のカレー好きである。それぞれに本業がある。 だから、活動するのは3人全員が出そろうときだけである。道具一式を車に積む移動販売を彷彿とさせるキャラバン形式、いまのところ月に1度のペースのようだ。 訪れた先では、シンプルな使命がある。それは 「ひとと出会い まちでカレーをつくる

『革命キューバの民族誌』理想と現実の狭間から見える新しい生き方 書影

社会 / 民俗・風俗

『革命キューバの民族誌』理想と現実の狭間から見える新しい生き方

キューバを賞賛し理想的な未来を託す人たちは高度で無料な医療や教育、英雄チェ・ゲバラやフィデル・カストロを語る。一方で、キューバに怪訝な印象を持ったり、近代化の遅れを叱責する人たちは、旧ソ連及び社会主義陣営解体後の悲惨な経済状況、サトウキビの生産に頼った産業、左翼の理想郷として語る。中立的なところでは、オリンピックでメダル常連の野球、大リーグにも選手を数多く排

『反骨の公務員、町をみがく』故きを温ね新しきを知る 書影

人物 / 社会

『反骨の公務員、町をみがく』故きを温ね新しきを知る

どの分野にも領域にも、先人の積み重ねた努力や科学的な発見がある。決して華やかではない公務員の仕事にも、いぶし銀のように輝くストーリーが存在する。愛媛県内子町にも過疎化や高齢化が盛んに叫ばれる前から、現場で熱く奮闘し、冷静な目で地元の未来を考えてきた1人の公務員、岡田文淑がいた。 1940年生まれ、内子町にある子どもに恵まれなかった一家に養子として出された。高

自分が旅立つ前に残しておくべきものは?『死者を弔うということ』 書影

教養・雑学 / 社会

自分が旅立つ前に残しておくべきものは?『死者を弔うということ』

医師や救命士をはじめとした世界中の医療関係者による甚大な努力にもかかわらず、人類の死亡率は100%に留まっている 誰にとっても死は他人ごとでもあるかのように振り払いたくなるが、避けられない死。本書は、人が意識を失った後のできごと、「弔い方」を世界各地で探求した旅日誌である。 自分の葬儀を自分で計画することも突飛な時代ではなくなった。過去にはウィンストン・チャ

『排泄物と文明』うんちのうんちく 書影

サイエンス / 生物・自然

『排泄物と文明』うんちのうんちく

訳者がこんなに「ウンコ」を連発したのは小学生のとき以来かもしれない ウンコが溢れているのは本書の中だけではない、世界中で溢れはじめている。約70億の人類は約4億トン近いウンコを、家畜(ニワトリ約190億、ブタ約10億、ウシ約14億、ヒツジとヤギ約18億)は控えめに見積もって、141億3645万トンの畜糞を算出する。畜糞だけで、地球上すべての人に一日1ℓ以上を

『サイレント・ニーズ』新しい見方というシンプルな武器 書影

社会 / ビジネス

『サイレント・ニーズ』新しい見方というシンプルな武器

2008年7月、iPhoneが発売された。その時から凋落の一途を辿っていったのが、Nokiaの携帯電話事業である。2007年に最高益を達成した後は、「第3・4世代(3・4G)移動通信システムvsスマホ」におけるイノベーター・アップルの前にひれ伏すこととなる。そして、2012年には14年間に渡った販売数トップの座をサムスンに明け渡し、 昨日 、携帯電話事業をマ

著者インタビュー『「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう 』税所篤快 書影

人物 / 著者インタビュー

著者インタビュー『「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう 』税所篤快

グーグルやビル・ゲイツなどから支援を受ける カーンアカデミー 、就職ランキング全米No.1の Teach For America など、EdxTechを中心に教育の未来形を指し示す本の出版が相次いでいる。その中で「 ドラゴン桜 e-Education 」を展開する大学生の若き起業家・ 税所篤快 が2冊目の本を出した。いわゆる社会起業と呼ばれる領域でも、税所氏

分子生物学者たちの壮絶な争い『ドキュメント遺伝子工学』 書影

サイエンス / 医学・心理学

分子生物学者たちの壮絶な争い『ドキュメント遺伝子工学』

1970年代後半、遺伝子工学という1つの巨大産業が生まれた。 本書はその誕生の場面を切り取った、良質なサイエンスドキュメント。そして、1つの産業をリードするベンチャーの誕生から成功を駆け抜けるストーリーでもある。 サイエンスとビジネス、叡智と欲望が交差する間で、2つの大学と資本金たった1,000ドルのベンチャーが、インスリンという1つの物質の生産を賭け、競い

もの悲しい人間の虚飾『プライドの社会学』 書影

医学・心理学 / 社会

もの悲しい人間の虚飾『プライドの社会学』

プライドが邪魔をすることもあれば、プライドがなくて動き出せないこともある。 プライドが逆境を支えるときもあれば、人を狂わせることもある。 自分がつくったプライドの檻の中から、いつの間にか抜け出せなくなることもある。 それでも、人間はプライドを持たざるを得ない存在である。 それが本書の出発点である。 人間は理想の自分を思い描く。それと同時に、理想の自己で現実の

『日本プロ野球改造論』業界再編のケーススタディ 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『日本プロ野球改造論』業界再編のケーススタディ

日本のプロ野球を題材にした現在進行形の秀逸なビジネス・ケーススタディだ。身近なプロ野球を題材に小難しくなく、まとめられており、目からウロコがぽろぽろと出てくる。 「日本プロ野球は、日本産業の縮図である」とサブタイトルで銘打っており、ビジネスとして頭打ちになっている日本のプロ野球を改革するだけでなく、そこから日本の産業再生の道まで見出そうとする、かなり大胆な狙

人生は短いと言われるけれど『すべては「先送り」でうまくいく』 書影

医学・心理学 / ビジネス

人生は短いと言われるけれど『すべては「先送り」でうまくいく』

直感に反するタイトル、「先送り」という言葉に、よい印象はない。 TVでは、「いつやるか?今でしょ!」と連呼され、受験生でもないのに、その瞬間だけ、心が掻き立てられる。だけども、3秒後にはまるで、聞いていなかったかのように、コタツを出ることなく、TVの前に居座り続け、時間を貪り、ふと時計を見ると、罪悪感に襲われる。今年の流行語大賞で、アベノミクスとの一騎打ちと

『科学史人物事典』喜怒哀楽のエピソードを入り口に 書影

サイエンス / 人物

『科学史人物事典』喜怒哀楽のエピソードを入り口に

18番目に登場するアイザック・ニュートンは「なぜ、あなたはそれほどの先見性があるのですか?」と尋ねられた際の答えである。この一言に本書を読むべき理由が、凝縮されている。 とは言っても、登場する150人の科学者の小難しい業績が並んでいる事典ではない。イメージからは想像しがたいエピソードをフックに、科学者の人柄や恋愛関係、どういった経緯から社会から賞賛される研究

2035年、新ビジネスが生まれる場所『余剰ゴルフ場』 書影

生物・自然 / アート・スポーツ

2035年、新ビジネスが生まれる場所『余剰ゴルフ場』

ゴルフ場と持続可能性、この意外な組み合わせにそそられて、本書を手にすることになった。アリにも、野球にも、これっぽっちも興味を示さない成毛眞が、3月の朝会で、がっつり食いついた。 そして、本を読み漁っているHONZメンバーの、誰も聞いたことがないビジネスモデルを話し始めたのだ。その折に、ゴルフ場の墓地への転用という、これまたそそられる組み合わせが話題にあがった

『直径2センチの激闘』町工場の努力が結晶化されたコマの戦い 書影

教養・雑学 / ビジネス

『直径2センチの激闘』町工場の努力が結晶化されたコマの戦い

これは、町工場のおじさんたちの青春物語のほんのはじまりの一部である。 製造業の経営者集団「心技隊」の隊長・緑川賢司は神奈川圏内最大の工業技術・製品に関する見本市「テクニカルショウヨコハマ」で、とりわけ目立つアイディアを考えていた。そして、静岡で開催された製造業仲間11人の飲み会で、由紀精密の小さなコマを目にした。閃いた緑川は、コマ大会を帰りの新幹線の中で軽く

中学レベルの数学で理解する『学んでみると生態学はおもしろい』 書影

サイエンス / 生物・自然

中学レベルの数学で理解する『学んでみると生態学はおもしろい』

本書はHONZで紹介され、ついついポチってしまったマニアックなサイエンス本が家に積まれている被害者におすすめの一冊、生物と環境の関係性をマクロで捉えており、全体感をつかめる。意外な事実や新発見が登場する本ではないが、生物進化、生物地理学、個体群生態学、群集生態学、生物多様性、行動生物学などを章ごとに体系的に理解できる。 また、HONZで御馴染みの 新刊 が待