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アーヤ藍

小さい頃から現代美術、演劇、映画にはよく触れてきたが、共通して、人間の心理や社会構造を炙り出しているような作品を好む。基本的には飽き性で雑食。約3年間、社会問題をテーマとした映画(主にドキュメンタリー)の配給宣伝を行なっていた際に、HONZに参戦。2018年春よりフリーランスとなり、冒険中。

(2024年当時)

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26記事

『父ではありませんが 第三者として考える』「ではない当事者」の視点が気づかせてくれるもの 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『父ではありませんが 第三者として考える』「ではない当事者」の視点が気づかせてくれるもの

小さい頃は、将来当たり前に結婚して、当たり前に子どもを産んで、当たり前に家族と幸せに生きていくものだと思っていた。でも、生まれ育った家族が「解散」したのをきっかけに外の世界を見渡してみたら、実はそうした「当たり前」のほうがマイノリティなのかもしれないと気づいた。じゃあ本当に私が選びたい道って……? 無意識に頭のなかに染み込んでいた像を取り払って考え直すうち、

"子どものため"だけじゃない『学校の枠をはずした』「異才発掘プロジェクト」の実験 書影

社会 / おすすめ本レビュー

"子どものため"だけじゃない『学校の枠をはずした』「異才発掘プロジェクト」の実験

昨年、私は東京を離れ、某南の島に拠点を移した。周囲に、自生の葉物や果物を見分けて収穫する人や、自分で魚や猪を獲る人、潮の満ち引きや風の流れを読める人がぐんと増えたなかで、痛感しているのが「ああ、私何もできない」ということだ。頭でっかちで、「生きる力」「生きた知恵」が悲しいほどない…。 そんな反省の日々を送っていたなかで出会った本書『学校の枠をはずした』は、子

「買う」が当たり前になっているあなたへ贈る『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

「買う」が当たり前になっているあなたへ贈る『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』

コロナ禍でステイ・ホーム時間が増えるなか、断捨離をしたという人は少なくないと思います。最初の緊急事態宣言から1年が経ちましたが、あらためて家を見回してみてください。物を減らして増えたはずのスペースに、また新しい物が増えていませんか? 私たちの日常は「買う」ことの連続です。「買えなくなるかもしれない」と思えば、買い溜めをし、外出しての買い物が難しくなれば、イン

あの劇場で見た映画が忘れられない…だから『そして映画館はつづく』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

あの劇場で見た映画が忘れられない…だから『そして映画館はつづく』

当たり前にあると思っていたものが、実は”当たり前”ではなく“有り難い”ものだったと、コロナ禍を経て、誰しも何か感じているものがあるのではないだろうか。 2020年4月初旬、コロナの影響で休業が相次ぐ全国のミニシアターを応援するためのクラウドファンディング「 ミニシアター・エイド基金 」が始まると、開始からわずか3日間で当初の目標額の1億円を突破。そこから約1

『ぼくは挑戦人』世界で活躍するジャグラー 在日コリアン3世のあゆみ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『ぼくは挑戦人』世界で活躍するジャグラー 在日コリアン3世のあゆみ

しかし入学以降、自分は周りとはどうやら違うらしいということに気づき始める。 例えば、授業で「好きな食べ物を書きましょう」と言われた時。クラスメイトたちはオムライスやハンバーグ、ウィンナーなどと書くなか、著者が挙げたのは、キムチやピビンバ、テンジャンチゲなどコリアン料理ばかり。韓流ブームの兆しすらまだなかった当時、クラスメイトたちからすれば、未知の料理ばかりだ

大人でも知らない、子どもでも分かる『捨てられる食べものたち』のこと 書影

社会 / おすすめ本レビュー

大人でも知らない、子どもでも分かる『捨てられる食べものたち』のこと

まもなく梅雨もあけ、夏本番。気温が上がると、食品の足もはやくなります。「あ〜これもうだめだわ」ポイっ。「うーん、これも危ないからやめておこうかな」ポイっ。そうやって食品とサヨナラする機会も増えるかもしれません。 世界では毎年、 生産される食料の3分の1にあたる、約13億トンの食料が捨てられている と言います。これは、東京都民1300万人が1年間で食べている量

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医学・心理学 / おすすめ本レビュー

病から医者という「ひと」を見る『患者になった名医たちの選択』

コロナ禍で、改めて社会からの注目と敬意を集めている医療現場。近年は、テレビドラマでも毎クール必ずといっていいほど医療現場を舞台にした作品が放送されている。 人の命に密接に関わる医療の世界と医師という存在に対して、私たちはどこか、特別な感情を抱きやすい。だが、医師たちも同じ人間。彼らにも病は等しく降りかかる。 本書『患者になった名医たちの選択』は、病にかかり「

天邪鬼な人にもオススメできる、酔いどれ栗下直也が説く『得する、徳』 書影

教養・雑学 / 社会

天邪鬼な人にもオススメできる、酔いどれ栗下直也が説く『得する、徳』

年末、HONZメンバーの栗下直也から急なメッセージが飛んできた。 「新しい本を書きまして… ちなみに、酒の話は一切出てきません」 え、栗下さんから酒をとったら…(以下略)という気持ちに若干なりつつ、届いた包みを開けてみると出てきたタイトルが『得する、徳。』。 意外すぎるテーマに驚いた一方で、ちょっと啓発本っぽいタイトルに、天邪鬼な私は、少しあとずさってしまっ

見えなくても、聞こえなくても、映画を一緒に楽しむ『夢のユニバーサルシアター』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

見えなくても、聞こえなくても、映画を一緒に楽しむ『夢のユニバーサルシアター』

「見えない」のは、何か力を失った状態ではなく、「視覚に頼らない」という力をもつことでもあるのだと、ここ数年、いろんなご縁のなかで感じている。 その”ご縁”のひとつが、東京都北区田端にある、20席ほどの小さな映画館、そして日本初の「ユニバーサルシアター」でもある Cinema Chupki Tabata(シネマ・チュプキ・タバタ) だ。 「ユニバーサルシアター

数百分の1の時間で追体験すべき『ストーカーとの七〇〇日戦争』 書影

社会 / 事件・事故

数百分の1の時間で追体験すべき『ストーカーとの七〇〇日戦争』

「なんとかしてこの体験を書かねば、吐き出さなければ、今後自分は文章を書いていくことができなくなってしまう。」 本書『ストーカーとの七〇〇日戦争』あとがきで、著者の内澤旬子氏が綴っている言葉。 本書はすでに発売直後に 東えりか と 栗下直也 がHONZで紹介している。それでも、著者の命を削るような文章に駆り立てられるものがあり、私もここで書かずにはいられなくな

人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号 書影

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人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号

数年前まで、都市づくり・まちづくりに関わるThink&Doタンクに勤める友人とルームシェアをして暮らしていた。特定の地域を舞台に、ローカルからどうその地域の課題を解消し、そのまちを面白くするか…を彼女が考えている一方で、当時の私は、ドキュメンタリー映画の配給を通じて、戦争や移民、環境破壊など、国境をこえた世界規模の問題について考える日々だった。 ミクロから見

「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」の発明家が綴る『無駄なことを続けるために -ほどほどに暮らせる稼ぎ方-』 書影

アート・スポーツ / 人物

「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」の発明家が綴る『無駄なことを続けるために -ほどほどに暮らせる稼ぎ方-』

「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」「インスタ映え台無しマシーン」「全ての者が裸に見えてしまうメガネ」「土下座しても悔しくならない無駄装置」「一人でもコックリさんが出来る装置」など、200以上の「無駄なもの」をつくり、 YouTubeで6万人以上 、 Twitterで5万人 近いフォロワーを誇る、発明家の藤原麻里菜さん。 本書『無駄なことを続けるために

"本の虫"の首相が牽引する『沸騰インド 超大国をめざす巨象と日本』 書影

社会 / 世界史

"本の虫"の首相が牽引する『沸騰インド 超大国をめざす巨象と日本』

「この銃はドイツ製だと思う」 「あの場面で出てきた髭を伸ばした人たちはおそらくIS関係だろう」 シリアの内戦下に生きる若者を追った ドキュメンタリー映画『それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさと』 の配給をしたときのこと、ある朝日新聞記者にトークイベントで協力してもらった。彼は同社の中東特派員として計5年間、中東・アフリカ圏の紛争取材等にあたっ

『バーフバリ 王の凱旋』勝手に絶叫上映 in HONZ 書影

TV・動画 / HONZ活動記

『バーフバリ 王の凱旋』勝手に絶叫上映 in HONZ

詳細は面倒くさいので省きますが、HONZの一部でインド映画「バーフバリ」が流行っており、勝手に上映会を催すことになりました。 …という、なんとも荒っぽい投稿を足立真穂が飛ばしてきたのが1ヶ月前。映画配給会社に以前勤めていた人間として、参加しないわけにはいかない!と思い参加表明したのはいいものの、我らが編集長・内藤順から、「映画といえばということで、アーヤ、活

『カミングアウト』伝えられない想い。伝える希望。 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『カミングアウト』伝えられない想い。伝える希望。

「LGBT」と称されることも多いセクシュアルマイノリティ(性的少数者)。人口の3〜7%にあたると言われ、40人クラスであれば1〜3人は存在する割合だ。近年、メディアでとりあげられる機会も増え、認知度は高まりつつあるが、2015年に行われた全国調査では「自分の周りに同性愛者がいるか否か」という質問に対し、「いない」と回答した人が54.2%、「いないと思う」が3

衰退は楽しんだもの勝ち!『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

衰退は楽しんだもの勝ち!『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』

衰退はかなしいことではない…(略)…ポジティブに受け入れ、楽しむべきものなのだ。 消滅自治体、縮退都市、限界集落…。成長を追い求め続ける経済・社会の限界については、日本国内だけでなく、世界で問題視されている。本書『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』は、そうした「限界」や「衰退」に日本より早く直面し、その状況をポジティブに変換して、新た

きっと本屋を開きたくなる 本ブームの謎に迫った『本の未来を探す旅 ソウル』 書影

教養・雑学 / 人物

きっと本屋を開きたくなる 本ブームの謎に迫った『本の未来を探す旅 ソウル』

韓国の首都ソウルでは、いま空前の本ブームが起きている。「独立書店」と呼ばれる個人開業の書店が週に1軒は生まれ、「独立出版物」と呼ばれる個人出版の本も、1日1冊のペースで出版されている。 一体なぜこんなムーブメントが起きているのか。学歴社会、就職難と非正規雇用、晩婚化と高齢化など、様々な共通した社会問題を抱える日本と韓国だからこそ、学べることがあるのではないか

ダマされても憎めない『ananの嘘』 書影

教養・雑学 / 社会

ダマされても憎めない『ananの嘘』

雑誌はその時代のトレンド、社会の流れを掴むもの。だから1冊の雑誌の来歴をたどれば、自ずと、時代ごとの社会の変遷を読み取ることができる…。 そんな普段とは異なる「雑誌の楽しみ方」をみせてくれるのが本書『ananの嘘』。創刊から45年を迎えた雑誌『anan』(以下、アンアン)の2000号に及ぶ誌面を、『負け犬の遠吠え』他の著者である酒井順子氏が分析した一冊である

レイプはなぜ続くのか『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』 書影

社会 / 事件・事故

レイプはなぜ続くのか『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』

19.3%、実に5人に1人。 これだけの割合のアメリカ人女性が、年齢を問わず、これまでにレイプ被害を受けたことがあると、米国連邦機関・疾病予防管理センターによる2014年9月の報告書で明らかになった。これほどにも「ありふれた犯罪」である一方、被害者の64%〜96%は警察に被害を届け出ず、アメリカ国内でもっとも報告率の低い重大犯罪でもある。また、訴追されるのは

欲しかった言葉ときっと出会える『翻訳できない 世界のことば』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

欲しかった言葉ときっと出会える『翻訳できない 世界のことば』

心に湧いてくる感情にぴったり合う言葉が見つけられない…。 言葉で表現しようとすると、ひどくまどろっこしくなってしまう…。 誰しもそんな経験を一度はしたことがあるのではないだろうか。 私たちは言葉があることで、思考することができ、他者と”目に見えないもの”を共有することができる。一方で、言葉によって私たちの思考は規定され、その範疇をはみだす部分については、表現

伝えることで、世界は変わるのか『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

伝えることで、世界は変わるのか『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』

「伝えることで、世界は変わるのか」 社会問題をテーマにしたドキュメンタリー映画の配給を生業にしていると、よくこの問いに直面する。映画は、問題について人に“伝える”ことはできるが、温室効果ガスを減らせるわけでも、戦争を止められるわけでも、貧困家庭を支えられるわけでもなく、直接的な“治療薬”にはならない。 この葛藤は、映画に限らず、写真や本でも、同じように“伝え

ブータンや北欧も越える?! 災害をものともしない『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

ブータンや北欧も越える?! 災害をものともしない『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』

先月2月20日、南太平洋に浮かぶ島嶼国フィジーに、史上最大規模のサイクロンが上陸し、大きな被害をもたらした。それから間もない、復興に向けて大変な時期に、SNSに現れたフィジーの人たちの写真がこちら。 溢れんばかりの満面の笑み。見ているこちらのほうが元気をもらえそうだ。 世界各国で様々な天災・人災が起きているが、その直後で、これだけ明るい現地の人の表情を見たの

ちいさい箱に詰まった大きな世界『おべんとうと日本人』 書影

教養・雑学 / 社会

ちいさい箱に詰まった大きな世界『おべんとうと日本人』

「おべんとう」と聞いて、あなたはどんなおべんとうを思い浮かべるだろう。手作り弁当、コンビニ弁当、駅弁、行楽弁当…。「おべんとう」と一口に言っても、その幅は広く、さらに「おべんとう」の “向こう側”に想いを馳せると、そこには果てしない世界が広がっている。 本書は、お弁当箱に詰め込まれた色とりどりのおかずを1つ1つ食べていくかのように、「おべんとう」に紐づく多種

『独裁国家に行ってきた』204カ国を旅した筆者が語る 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『独裁国家に行ってきた』204カ国を旅した筆者が語る

204カ国。本書の著者が訪れたことのある国の数だ。限りある人生のなかでは、訪れることのできない国、自分自身の目・耳で感じることのできない世界が山ほどあるのだろう。いや、たとえ同じ国を訪れようとも、タイミングや、そこでの人との出会いが異なれば、見える世界や抱く印象は異なってくる。だからこそ、他者の旅行記は、自分が知らない世界、味わったことのない経験に触れられる

『ありのままの私』何が息苦しさを生み出すのか? 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『ありのままの私』何が息苦しさを生み出すのか?

2014年の流行語に「ありのままで」が選ばれたことは記憶にあたらしい。それは現代社会が「ありのままでは生きづらい」ことの裏返しとも言えるだろう。本書は、東京大学東洋文化研究所の教授が、“男性装”をやめ、“女性装”を始めたことで、50代になってようやく「ありのままの自分」を見つけた、その過程と考察がまとめられている一冊である。 いわゆる“トランスジェンダー”(

『テロルと映画』映画はテロリズムとどう共存してきたのか 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『テロルと映画』映画はテロリズムとどう共存してきたのか

HONZが送り出す期待の新メンバー登場! アーヤ藍は、ドキュメンタリーを中心に、社会問題をテーマとした映画の配給宣伝に携わっている人物。先日彼女が紹介した『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』をはじめ、 HONZで取り上げられる書籍とシンクロするようなテーマの映画 も数多く配給している。今後の彼女の活躍にどうぞご期待ください。(HON