ノンフィクションはこれを読め!

成毛 眞

HONZ代表

元マイクロソフト社長。インスパイア取締役ファウンダー。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。産経新聞、週刊新潮、日経ビジネスなどに書評寄稿多数。代表的著書に『面白い本』『大人げない大人になれ』。雅号は「半覚斎」

(2024年当時)

成毛 眞の記事

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583記事

『透明標本』 書影

おすすめ本レビュー

『透明標本』

本書は丸善日本橋店で買った。3階のレジ前に現物の透明標本が展示されていて、その脇に本書があったわけだ。その透明標本は手のひらに乗るほどの小さいものなのだがスゴい。骨格や体組織が青、赤、紫などの蛍光色に染め分けられているのだ。これは百聞は一見にしかずの見本である。残念ながらボクには文章で説明できるような力はない。 奥付によれば著者の職業は「透明標本作家」だ。さ

『イカロス飛行隊』 書影

おすすめ本レビュー

『イカロス飛行隊』

待望の下田信夫-Nobさんの新刊が出た。本文というか本体イラストページは相変わらず白黒だ。じつに悲しい。おそらく全てのイラストはカラーで描かれているはずだ。大判フルカラーで見てみたい。カラーイラストが載っているのは表紙と裏表紙、目次前の数ページだけだ。 その目次前の数ページに面白い飛行機が載っている。「バトル・オブ・ブリテン」の時に英国はドイツ爆撃機を防ぐた

大作家”ろくでなし”列伝 書影

おすすめ本レビュー

大作家”ろくでなし”列伝

福田和也が雑誌『ダ・ヴィンチ』に連載していた「ろくでなしの歌」を収録したものだ。昨日のブログで紹介した『アスペルガー症候群』では、取っつきにくいがオタク的な才能があるという、いわば理系な変人が紹介されているのだが、この本は「ろくでなし」の小説家ばかりを取り扱っている。彼らは普通に考えると変質者だ。知り合いにも隣人にもなりたくない。 たとえば永井荷風について最

『アスペルガー症候群』 書影

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『アスペルガー症候群』

以前、ある有名大学で自分のビジネス体験について講演した。具体的なエピソードのひとつとして、ビル・ゲイツがアスペルガー症候群である可能性があり、それゆえの常人ならざる仕事ぶりを紹介した。授業後のアンケートを読んでみたところ、ある学生が「自分の上司だった人の病気をあからさまにすることに気分が悪くなった」というのがあった。 なるほど、世の中には若くても狭量な人もい

『小林かいちの魅力』 書影

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『小林かいちの魅力』

京都旅行中に発見した本だ。副題にあるように「小林かいち」は京都においてアール・デコ様式のデザイン画を描いていた画家だ。生まれは明治29年、昭和43年に72歳で亡くなっている。亡くなる直前まで着物の図案家として染物屋に勤務していたらしい。その「かいち」が本書のテーマであるアール・デコ調のデザインをしていたのは27歳から45歳までのことであるらしい。 本書の構成

『今日の総理』 書影

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『今日の総理』

土曜日の午後6時台はTBSの「報道特集」が企画でコケると視る番組がなくなる。「人生の楽園」にまではまだ早いし、釣りにロマンを感じるたちではない。そこでNHKの「週刊こどもニュース」を視てしまうことがある。とりわけ池上彰が担当していた当初はよく視ていた。 ボクは池上彰のファンだ。小難しい言葉でしか説明できない解説者や、小難しい言葉を使わなければならないことにつ

『終身刑の死角』 書影

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『終身刑の死角』

昨年5月15日に「量刑制度を考える超党派の会」が発足している。会長は加藤紘一、森喜朗が最高顧問。副会長には鳩山由紀夫や亀井静香、古賀誠、中川秀直、浜四津敏子が就任している。本書はその動きに対して阻止せんとして、本ブログでも紹介した『日本の殺人』の著者で、法社会学者の河合幹雄が書き下ろしたものだ。ちなみに著者のお父上は河合隼雄だ。 http://d.haten

『たまたま』 書影

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『たまたま』

非常に面白い科学本なのだが、非常に読みにくい。原因の1つは著者がいわゆる「田舎者」のアメリカ人であり、つまり巨大市場アメリカの読者のみを対象として、低俗な修辞を連ねていることにある。イギリス人の著者であれば、科学書のマーケットは全世界に求めるしかないので、当然だれにでも理解できるような記述になる。ボクがイギリス人の科学書を高く評価している理由だ。 脂肪が多い

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おすすめ本レビュー

これから読む本

ふと思いついたのだが、いま目の前にある新刊本を紹介してみる。これから読もうと思っている本だ。 『中華人民共和国の軍事力』 『暴走族だった僕が大統領シェフになるまで』 『通商国家カルタゴ』 『七秒しか記憶がもたない男』 『放射線医療』 『CO2と温暖化の正体』 『気候と人間の歴史・入門』 『イカロス飛行隊』 『世紀の新薬発見 その光と影の物語』 『ビヨンド・エ

『菜根譚』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』 書影

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『菜根譚』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』

○『菜根譚』洪自誠 味わうほどに深みがわかる「生き方」本の決定版 ○洪自誠 生没年は不明。明の万暦年間(1573~1619年)の人といわれる。儒仏道の三教に精通した博学高識の士で、晩年は閑居し、世俗を超越した心境をもって隠君子として生きたといわれる。つねに困苦に耐えて人格を磨き、『菜根譚』を記した。 ○あらゆる世代の共感を呼ぶ随筆集 『菜根譚』は、中国明代末

『一般論』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』 書影

おすすめ本レビュー

『一般論』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』

○『雇用・利子および貨幣の一般理論』ケインズ 20世紀初頭の世界恐慌に解決策を示した、近代経済学の出発点 ○ジョン・メイナード・ケインズ 1883~1946年。イギリス、ケンブリッジ生まれの経済学者。ケンブリッジ大学で教授を務めたほか、大蔵省、イングランド銀行などで活躍しながら研究を重ねた。『貨幣論』『平和の経済的帰結』など、著書も多い。20 世紀最大の経済

『同和と銀行』 書影

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『同和と銀行』

バブル期の大阪裏面史を描いているのだから、タイトルも表紙もおどろおどろしい。主人公は巨漢の元暴力団構成員である。当然のことながら、許永中や尾上縫、田中森一など「いつもの」バブル紳士達は登場するのだが、本書はそれだけで終わらない。むしろダークサイドを利用していた銀行、自治体、政治家、芸能人などが実名と写真付きで引きずりだされているのだ。 主人公の小西邦彦は部落

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ロンドン・エコノミスト 9月19-25日号

先ほど届いたロンドンエコノミストはいつもになく妙な特集だ。それはともかく、慌てて日本の民主党についての一般記事を読んでみた。 「慌てて」というのは、ボクは組閣以来の鳩山内閣のすべてに本当にワクワクしているのだ。生まれてから初めて、大臣になって浮かれているバカの集合ではなく、チームで運営されている内閣を見たのだ。おそらく手錬の外資系ビジネスマンなどは皮膚感覚で

『法の精神』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』 書影

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『法の精神』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』

○『法の精神』モンテスキュー 体制批判の書が世界の政治システムを変えた ○シャルル・ド・モンテスキュー 1689~1755年。フランス生まれ。啓蒙思想家、歴史家。膨大な数の資料に基づいて1748年、20年をかけたライフワーク『法の精神』を刊行、その思想はのちに「アメリカ合衆国憲法」や「フランス人権宣言」にも影響を与えることになった。 ○体制批判が大ベストセラ

『資本論』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』 書影

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『資本論』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』

○『資本論』マルクス 資本主義の矛盾点、「労働と賃金」について考え直す ○カール・マルクス 1818 ~ 1883 年。プロイセン領ライン州トリール生まれ。ボン大学、ベルリン大学で法学、哲学、歴史学を学ぶ。科学的社会主義、マルクス主義を構築し、のちの経済や社会、思想に大きな影響を与えることになった。『共産党宣言』『経済学批判』など、著書多数。 ○哲学書でもあ

『イルカ』 書影

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『イルカ』

15年ほど前の出来事以来、ボクは鯨やイルカを絶対に食べない。スキューバダイビングをしようと乗り合い船で伊豆下田沖にある神子元島に向かっているとき、イルカの大群に遭遇したのだ。ダイバー全員で海に飛び込んだ。タンクをつけている余裕はないので、素潜りスタイルだ。他のメンバーは大群のバンドウイルカがいるサイドから海に入ったのだが、ボクはあわてていて反対の舷から飛び込

『森にすむヤマネの話』 書影

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『森にすむヤマネの話』

ヤマネとは齧歯目ヤマネに属する1属1種の小動物だ。体重は鶏卵の半分くらいしかなく、ネズミとは違い尻尾には毛が生えていて、背中には黒の一本縞があるのが特徴だそうだ。天然記念物だ。本書はそのヤマネを撮りつづけて30年になる自然写真家のエッセイである。 本書をもってヤマネの生態を知るというものではない。むしろヤマネを撮り続ける著者の目から見た日本の山の物語だ。第1

『通勤電車でよむ詩集』 書影

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『通勤電車でよむ詩集』

高校の現代国語の授業で西脇順三郎という詩人を知った。「天気」という詩が教科書に載っていたのだ。いまにいたるまでの大きな影響を受けた。教室の片隅でそのとき一瞬にしてボクの心はギリシアの白き坂道の家の前に移動したのだ。詩はこうだ。 (覆された宝石)のやうな朝 何人か戸口にてささやく それは神の生誕の日。 2003年にこの詩が載っている『Ambarvalia あん

『ものつくり敗戦』 書影

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『ものつくり敗戦』

表紙が悪い。使っている写真は沈没した戦艦「伊勢」だそうだ。敗戦だから戦艦沈没だという脈絡が判らないし、歯車と組み合わせたデザインも最悪だ。タイトルも悪い。そもそもボクは「ものつくり」という言葉が嫌いだ。「ものつくり」とは工芸的・職人的な匂いがする言葉であり、これを無条件に現代工業に対して適用しようとする感覚が判らない。と、いうことで3月に発売された本書を、最

「週刊現代 9月19・26日号」掲載 『夏への扉 [新装版]』 書影

おすすめ本レビュー

「週刊現代 9月19・26日号」掲載 『夏への扉 [新装版]』

本書が発表されたのは、ソ連が人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功した1957年だ。この年、レーザーが発明され、IBMは科学技術用のフォートランを発売した。アメリカで日本からの輸入車第1号であるクラウンが発売された年でもある。 全世界が第2次世界大戦のダメージから回復しただけでなく、はからずも戦争によって進歩した科学技術の果実を受けとりはじめたのだ。人

『水道が語る古代ローマ繁栄史』 書影

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『水道が語る古代ローマ繁栄史』

鹿島出版会は鹿島建設の関係会社だが、じつは非常に興味深い本を出版していることで好事家には知られていると思う。あえて好事家と書いたのは、書店では建築関係のコーナーに置かれていることが多いために、建築関係者以外の目に留まりにくいのだ。土木建築コーナーまでパトロールしにいく本好きはかなりの数寄者であろう。 本書以外にもこの6月に『水の匠・水の司』「米将軍徳川吉宗の

『声に出して笑える日本語』 書影

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『声に出して笑える日本語』

いうまでもなく、斉藤孝の『声に出して読みたい日本語』のもじりだ。だから、必ずしも「声に出して笑える日本語」が収録されているわけではない。むしろ、現代日本語論のようなものに仕上がっている。「のようなもの」としたのは、やはり大笑いできるところもあるからだ。ビミョーだ。 王監督がハンク・アーロンを抜く756号ホームランを打ったときの解説者が「これは立派なカネジトウ

『日本の珍地名』 書影

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『日本の珍地名』

帯が本書のすべてをあらわしている。「平成の大合併で誕生した全国津々浦々の〈トンデモ地名〉を番付形式で一挙紹介」している。 2001年に「さいたま市」が誕生したときには笑ってしまった。「埼玉県」の中でも「さいたま市」の人たちはよほど漢字に不自由なのだろうと日本中で揶揄されたはずだ。なにしろ埼玉県さいたま市なのだ。わざわざ県庁所在地をひらがなにする理由がまったく

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『The Economist September 5th-11th』

http://www.economist.com/printedition/ いま、届いたエコノミストの最新刊の表紙がスゴイ。冨嶽三十六景にマンガ調のふき出しがあり、富士山が「ドッカーン」と噴火している。タイトルは「The vote that changed Japan」で久しぶりの日本特集だ。巻頭コラムでは「鳩山次期総理は官僚機構をどのようにやる気を引き出

『英国男子制服コレクション』 書影

おすすめ本レビュー

『英国男子制服コレクション』

あらかじめお断りしておくが、ボクにはその趣味はまったくない。昨日、本屋で買うときにレジで変な目で見られないかドキドキした。男子の制服フェチのおじさんなんて、目もあてられない。 とはいえこの写真本、チョーきれいだ。登場する男の子たちと男たちが、チョーかっこいいのだ。もちろん制服はチョーおしゃれだ。ページをめくりながらチョーチョーいっているおじさんは、やはりやば

『実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則35』 書影

おすすめ本レビュー

『実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則35』

9月3日に紹介した『僕は人生を巻き戻す』の書評を読んだ知り合いからメールをいただいた。この障害を克服するために何か良い本はないかというのである。幸いなことにボクはこの障害に悩んでいない。そこで他の知り合いに聞いてみたところ、本書を推薦してくれた。 著者はこの障害に悩んでいた一般人であり、精神科医などの専門家ではない。しかし『僕は人生を巻き戻す』においても、本

プレジデント9月14日号掲載 『消えた宿泊名簿』 書影

おすすめ本レビュー

プレジデント9月14日号掲載 『消えた宿泊名簿』

大人になってゆったりと夏休みを過ごすようになり、クラシックホテルを利用することが多くなった。箱根富士屋ホテル、軽井沢万平ホテル、日光金谷ホテル、伊豆川奈ホテルなどがそれだ。落ち着いた建物や心地よいサービスを楽しみに行くだけではない。過去にここで時間を過ごしたであろう人々とその時代を想像して楽しむことができるのだ。 そのようなクラシックホテルのサンルームやティ

『僕は人生を巻き戻す』 書影

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『僕は人生を巻き戻す』

今年のベスト3に入る翻訳ノンフィクションであり、精神スペクトラム障害に関する啓蒙書だ。じつは冷静に読むことができず、途中で何度も目を拭ってしまった。主人公のエド・ザインは重度の強迫性障害患者だ。現在は二人の女の子を持つ40歳代の男性である。 エドは11歳のときに母親をガンで喪う。軍人だった厳格な父親は、そのときのエドの様子を誤解して激しく殴りつける。エドは心

『文藝春秋 SPECIAL 2009年 10月号』掲載 「私の好きな歴史・時代小説」 書影

おすすめ本レビュー

『文藝春秋 SPECIAL 2009年 10月号』掲載 「私の好きな歴史・時代小説」

日頃もっぱら手に取るのは科学読み物などのノンフィクションである。純文学も推理小説も子供の頃に読んだだけで、大人になってからは書店でも専門コーナーから足が遠のいた。純文学を読むには感性が鈍磨してしまったし、推理小説を読むにはトリックの伏線すら気づかなくなってしまった。 いっぽうで歴史小説は蓄積した知識や経験の量に比例した楽しみ方ができるし、新たな薀蓄も得ること

『偽装農家』 書影

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『偽装農家』

飛鳥新社「Family bool series」の7冊目である。100ページに満たない薄い本だ。『文藝春秋』などの総合雑誌に掲載されている記事よりもかなり長く、単行本や新書よりもかなり短い。活字だけで714円だから、安いのか高いのかはなんとも評価しにくい。じつはすでに出版されている『食卓からマグロが消える日』『エネルギー革命メタンハイドレート』『グーグルが本

『イージス艦はなぜ最強の盾といわれるのか』『戦艦大和砲声の謎』 書影

おすすめ本レビュー

『イージス艦はなぜ最強の盾といわれるのか』『戦艦大和砲声の謎』

最近サイエンス・アイ新書が面白い。月に最低1冊は買ってしまう。7月に『暮らしを支える「ねじ」のひみつ』を紹介したが、8月は本書だ。6月には『ヘリコプターの最新知識』を買っている。 この新書の特徴は写真がふんだんに使われているということだ。つまり大量の著作権処理を商業的に行っているということであり、これがwikiなどのネット百科への対抗手段にもなっているようだ

『芸術新潮 9月号』 エジプト美術世界一周 書影

おすすめ本レビュー

『芸術新潮 9月号』 エジプト美術世界一周

久しぶりに「芸術新潮」を買った。ここ1年の特集は「手塚治虫」「運慶」「阿修羅」「トーヴェ・ヤンソン」=ムーミンの作家「トミ・ウンゲラー」=絵本作家とかだったから、ぜんぜん興味を持てなかった。今月号は東京都美術館で開催中の「トリノ・エジプト展」にちなんで「エジプト美術」特集だ。エジプト美術を所蔵する世界のミュージアムを旅するという企画になっている。 カイロ・エ

『傷はぜったい消毒するな』 書影

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『傷はぜったい消毒するな』

傷を乾かすのではなく、湿潤状態にして治療するほうが効果的であるということは、本書を読む前から知っていた。バンドエイドの新製品キズパワーパッドの宣伝文句にあったからだ。すでにゴルフのキャディバックにも何枚か入れてある。幸いまだ使う機会はないのだが、経験者によると今までのものとは劇的に違うらしい。 本書はその理論を編み出し、実践を行っている医師による最新刊だ。め

『皮膚は考える』 書影

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『皮膚は考える』

2005年初版の本なので当ブログでは取り上げなかったのだが、『傷はぜったい消毒するな』でも紹介されているので取り上げてみることにした。科学書好きは必ずチェックする岩波科学ライブラリの1冊だ。ともかくエッセンスをいくつか紹介してみよう。 嘘発見器の原理にもなっている皮膚の表面電位は表皮細胞が起こしている。意外にもこのメカニズムは21世紀近くまでわからなかった。

『振仮名の歴史』 書影

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『振仮名の歴史』

タイトルのまま、振り仮名(ふりがな)の歴史についての本だ。サザンオールスターの歌詞やコミックスなどに使われる振り仮名の説明のあと、平安時代から室町時代、江戸時代、明治期の3時代に分けて振り仮名の歴史を俯瞰する。 本書の結論としては振り仮名は未来に伝えていく必要があるということになる。100%同意するものだ。 本書でははっきりと明言してはいないのだが、現代日本

『「伝わる英語」習得術』 書影

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『「伝わる英語」習得術』

きたやまおさむ(38)、小柴昌俊(28)、養老孟司(56)、日野原重明(32)、海堂尊(28)、隈研吾(39)の各氏に英語の秘訣を聞いた本だ。カッコ内の数字はもちろん年齢ではない。インタビューの再現に費やしたページ数だ。 やはり養老孟司氏がもっともインタビュー慣れしているのか、他の先生の倍のページ数を稼いでいる。インタビュアーに答えるというよりも、強引にお得

『庭煙鉄道趣味 庭蒸気が走る毎日』 書影

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『庭煙鉄道趣味 庭蒸気が走る毎日』

森博嗣の「本業」である模型の本だ。ご本人のサイトによれば「10年ほどまえ、5インチ鉄道模型のエンドレスの線路がとうしても欲しいと思った森先生、敷地を手に入れるためには資金が必要である。『夜でもできるバイト』はないかと考え、小説の執筆を思いつかれたのだ。」とある。つまり、小説は資金を得るための手段でしかないというわけだ。 とはいえ、一般的には『スカイクロラ』の

『摩訶不思議図鑑 動くおもちゃ・オートマタ 西田明夫の世界』 書影

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『摩訶不思議図鑑 動くおもちゃ・オートマタ 西田明夫の世界』

模型関係の本が続くようにみえるが、本書で紹介されている「モノ」は模型というよりはオモチャ系美術品といっても良いかもしれない。本書は今年2月に亡くなった西田明夫の作品集であり、その考え方や作り方の解説と、実例集を兼ね備えた本である。 オートマタとは「からくりおもちゃ」のことだ。西田明夫はそのからくりおもちゃの現代作家であった。いまだに生前のままに残されているブ