
言語の力は7%か?『言語の社会心理学』
タイトル『言語の社会心理学』だけでは、抽象的で伝わらないし、内容の推測も難しい。しかし、装丁と帯をよく見てみると、本書のことを伝えようとする気迫が伝わってくる。 副題は「伝えたいことは伝わるのか」 帯には、「ことばは「文字どおり」には伝わらない」 背表紙からは、「伝えたいのに伝わらない」 裏返すと、「伝えたいことを伝えるために」 ここまで何度も伝えられれば、
(2024年当時)
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タイトル『言語の社会心理学』だけでは、抽象的で伝わらないし、内容の推測も難しい。しかし、装丁と帯をよく見てみると、本書のことを伝えようとする気迫が伝わってくる。 副題は「伝えたいことは伝わるのか」 帯には、「ことばは「文字どおり」には伝わらない」 背表紙からは、「伝えたいのに伝わらない」 裏返すと、「伝えたいことを伝えるために」 ここまで何度も伝えられれば、

タイトルは重いが、装丁は緩い。裏面は、牛乳1ℓの紙パックのイラスト。どんなに考えても、それに意味を見出せない。本の中身も外見の期待を裏切らない。 2009年にウェブメディアの連載企画として、スタートしたものの、連載とギリギリ言える回数の2回で終わってしまった。ユルい。その後、著者とその周囲の共有の友人が亡くなったことをきっかけに連載が再スタート。この本に至る

『これからの正義の話をしよう』の著者マイケル・サンデルは前書きで、冗談かと思えるような一文を記している。正月早々、「スシ」はそこまでアメリカの日常に浸透しているのか!と笑い話のネタを仕入れることができた。それと同時に、「一足す一は?」「二(ni)」や、隣の韓国に倣って「キムチ(kimuchi)」など、イの母音で終える言葉で、カメラマンは意識的に被写体に笑顔の

私たちの意思は自分たちの気がつかないところで、周りの環境に大きく影響されている。例えば、本書でも幾度か登場する、選挙の場面ではどうだろうか。 投票所がどこにあるか、そんな些細なことにも大いに影響されている。アリゾナ州での学校補助金の増額への賛成票は、投票所が学校の場合、そうでない場合よりも有意に多かった。これは先行する刺激(この場合は学校)に判断や選択が影響
著者 : 入山 章栄 出版社 : 英治出版 発行日 : 2012/11/13 世界のビジネススクールの最前線で活躍する「経営学者」が取り組む研究をわかりやすく紹介した本だ。下世話な話で恐縮だが、居酒屋で繰り広げられる自社の経営談義に、鋭くもの申すための知恵の実になる。 早速、1つの研究を紹介しよう。 「ソーシャル」。 ソーシャルゲーム、 ソーシャル・キャピタ
著者 : 中田 信哉 出版社 : 日本経済新聞出版社; 第2版 発行日 : 2012/10/26 ロジスティクスというのはまだまだ聞き慣れない言葉、なんとなく意味がわかっているという人が大半だろう、私もその一人。仕事で「ロジの確保、よろしく」と言われたのが最初のロジスティクスとの出会い。もちろん意味はわからなかった。 本書はロジスティクスの語源から物流との違

世界を前に前に推し進めようと理想を掲げ、社会を煽動し、時代を先導しようと自ら行動する活動家、そんな印象をジェレミー・リフキン氏の これまでの著作 を眺めていると感じる。そして、今回はその集大成とも言えそうな『第三次産業革命』と銘打った書籍を出版、日本でもつい3ヶ月前に出版されました。 書評はこちらから 。 第三次産業革命は世界中に散在する課題を解決するために

HONZのレビューの書き手は日付の下一桁で決まっていて、さながらプロ野球の先発ローテーションのようだ。先発1番手は投稿回数73の鉄腕内藤順、2番手は豪腕ならぬ豪筆村上浩、3番手の神様仏様土屋様は昨日HONZ史上最高のアクセス数を記録、サーバーをダウンさせた。 強力3本柱の後、4の付く日はそれなりにプレッシャーがかかる。だとしても、怖じ気づいてもボールを投げな

タイトルから誤解を招きそうなので、予め断っておくが、自己啓発書ではない。自動車王ヘンリー・フォードが発明王トーマス・エジソンから直接聞いた話をまとめた言行録である。今回新訳として出版された本書の原著は80年以上前に出版され、日本では昭和初期に一度翻訳されている。 二人はそれぞれ49歳、33歳のとき上司部下の関係で初めて出会い、その後、親しい友人として、お互い

自分の体験を手がかりに、雑食的に本を貪り読むと、自分の体験と本の登場人物が積んだ経験の境界線がわからなくなる。この本は読み終わった瞬間にその錯覚に囚われ、この本を読んだ前の世界に戻れなくなってしまった。 バックパッカー、古くは沢木耕太郎や藤原新也が有名だ。旅先でも彼らの本が伝説のバイブルとなり、バックパッカーの間で古本が交換され流通している。90年代は電波少

都市の暮らし方の新しい常識を構想している研究会がある。その名は「 HOUSE VISION 」、長野オリンピック開会式のプログラム、愛地球博の公式ポスターなど日本の文化に根ざした仕事を行ってきたデザイナー原研哉が発案した。HOUSE VISIONは多様な技術産業の交差点に「家」がある考え、「家」から新しい日本の産業ビジョンを構想する壮大なプロジェクトである。

アメリカ最高のNPOがとうとうベールを脱いだ。 創業者ダレル・ハモンドは8人兄弟の下から2番目に生まれた。父親は生後1年9ヶ月でトラックの積荷を降ろしてくると出かけたきり失踪、帰ってくることはなかった。母親はいくつもの職を掛け持ちをして子どもたちを養おうとしたが、8人もの子供は負荷が大きすぎ、役所のソーシャルワーカーによって8人の子どもたちはムースハートとい

本書の中身のすべてが肯んじられるものではないが、一読する価値は多いにある。 このまま気候変動の危機が続き、大量破壊兵器が拡散すれば、人類が完全に絶滅する可能性がある,という測り知れない地球と人類への危機感からスタートとしている。描かれている危機感もビジョンも日常生活から想像するには巨大すぎて、圧倒される。 そもそも何度目の革命だ、突っ込みを入れたくなる方もい

30年以上前の大阪の料亭、「君」はパナソニック創業者松下幸之助、一喝したのは立花大亀、名経営者に遅れること5年、商人の街である堺に生まれた。大徳寺の住職として1899年から2005年まで3つの世紀にまたがって生きた、数少ない人物である。大徳寺は一休さんのモデル一休宗純が応仁の乱の後、寺の再興のため住職を務めたことでも有名で、利休の自刃する原因となった事件が起

前日の書評がドイツ一色、そしてEURO2012でもオランダを破り、連勝中で絶好調のドイツ。験を担いで、僕もドイツからスタートしたい。世界最大の物流会社DHLを傘下に収めるドイツポストが来る2050年に向けて5つのシナリオを考えている。 シナリオ1: 暴走する経済‐迫り来る崩壊(1:37-) シナリオ2: 巨大都市における超効率化(2:10-) シナリオ3:

HONZで紹介される本の登場人物は規定の概念を越え、既得権益を破壊するルールブレイカーが多いが、本書はルールメーカー側の話、グローバルでのルールの創られかた、創りかたのお話だ。タイトルと装丁はどう考えてもビジネス書なのだが、ビジネスがはじまる少し手前の国際的なルール交渉の世界が舞台である。著者はその舞台で活躍する官僚である。趣味はCSR。20代の頃は米国国務

話は飛んで東日本大震災。多賀城市と石巻市、著者が現地に足を運んだ復興の現場風景。石巻市の取り組みはメディアにも頻繁に取り上げられてきた。しかし、被害状況の差はあれど同じく被災した多賀城市の現状は語れることは多くはない。二つの都市の違いは端的に言ってしまうと、商店街の有無である。多賀城市は仙台市のベッドタウンであり,Wikipediaに「”市の中心部が存在しな

商店街といえば、どこのエリアでもまず第一に「シャッター街」と呼称されるようになった空き店舗の問題が浮かび上がってくる。もちろん、その光景は目に焼きつきつつも、すでにシャッターすら珍しく、商売を諦めた店舗が多く、玄関や車庫に様変わりしていた。 理解不能な現象が起こっていたので、早速、本書「口辞苑」を引いてみると…「しもうた屋」というキーワードが見つかった。「し

品川駅構内の書店で購入したのだが、店員に冷ややかな視線を浴びせられるのでは…とドキドキしたが、同時に購入した『 帝国ホテルの流儀 』で印象も薄まったのだろう。まだ、20代、何を気にしているのだ、突っ込まれそうだが、やっぱり湿度の高い電車で横の席に座った男性が臭くて耐えられないことは多くの人の悩みであり、その発信源にいつの日か自分もなるのだろうと心配してしまう

避けて通れない人生の通過点、育ててくれた祖父母や両親の介護もいつの日かやってくるのだろう、個人的には実家は地方にあり、両親、祖母も健康だと思っているため、本書を読むまで完全に介護の世界は他人事だった。友人の何人かは介護施設で働いているが、これまで興味を持てず詳しく話を聞くこともなかった。完全にこの分野に無知だった自分を恥じるとともに、人生の諸先輩方が通ってき

検索エンジンを普及させ、Webの世界を便利に快適にし、よりつながる生活を提供してきたグーグル、その会長のエリック・シュミットはかく語りき。 続いてこちらにも目を通してほしい、サイバーエージェント社長の 藤田氏のブログ より携帯中毒だった堀江氏(ホリエモン)入所前の一言。 情報化社会の曲がり角、通信スピードの向上とエリアの拡大を要求し続けてきたユーザーは便利さ

現代の子ども達、いや幼児はiPadやiPhoneを言語を活用する前から器用に利用している。Appleがつくり込んだ直感的に理解できるユーザーインターフェースの賜物だ。そんなデジタルネイティブ幼児たちが小学生になり、思春期を迎え、高校生となったときに、コンピュータの向こう側の世界で子どもが何を行い、誰とコミュニケーションを取っているのか、それは親の想像を遥かに

本書の現場タイのお隣ミャンマーから更新。インターネットは劇的に遅いが、そんなことも気にしてられないくらい熱気に溢れるミャンマーでは、中国はパイプラインを、韓国は1年で在留者が500人から2500人に増え、ベトナム・ホーチミンはミャンマー最大都市ヤンゴンと姉妹都市提携を行い、70もの企業が訪緬。アジア各国はミャンマー投資に余念がない。詳しいミャンマーの状況は

2年前、与党の議員が911陰謀論を公言し、ニューヨーク・タイムズから厳しく批判された。外交感覚が疑われると同時に、なぜそのような公の場で発言するほど、胡散臭い陰謀説を信じてしまうのか?国会議員でなくとも、秘密結社のうわさ話を聞くと、裏取りの探求への道へ誘われ、いつの間にか頭が混乱して、何が真実かわからなくなることがあるはずだ。 本書では具体的な3つの事例(ユ

高村による 『偶然の科学』 の書評はこのフレーズで終わっている。未来を予測することは難しいことはわかっていても、予測した未来が外れて痛い目にあうことがわかっていても、いつの時代でも、世界中の誰もが大好きな話題の一つだ。HONZの朝会後のお茶会でもそんな話題が中心である。だからこそ「偶然に心構えをする前」に未来は予測できないということを理解しなければいけない。

デザイン、幾何学、生物学に共通する内容をグラフィックデザインを学ぶ生徒に教えるために作られた本である。著者は教育の過程でデザイナーが幾何学的構図を理解していないがため、優れたコンセプトが台無しになる過程をたくさん目にしてきた。 幾何学的構図を理解するとはどういうことだろうか?本書で行われている解析を真似して試してみた。事例はtwitter。 twitterは

本を読んでいて気持ちが悪くなったのは、久しぶりだ。東日本震災では直後に強盗や暴動を起こさない日本人の行儀の良さが世界のメディアに取り上げられ、評価された。しかし、その裏側では隙を狙ったブローカーたちが獲物を狙っていたのだ。3月中旬、とあるリフォーム会社が求人広告を出していた、それは東北で震災被害を受けた住宅へのリフォーム営業の求人であった。家はリフォームする

本日、2月14日、バレンタインデー。この日にちなんだ女性のしたたかな作戦は多くのドラマや実際の体験談で語りつがれている。一方で男性は数多くのドッキリの被害にあってきたに違いない。勝手な妄想だがバレンタインデーはエイプリルフールに負けず劣らずドッキリが仕掛けられてきたはずだ。 話は変わって第二次世界大戦中のドイツ、そこで起こったとんでもない事件。ヒットラーの右

画期的なフレームワークを軸にビジネスモデルを生み出すために創られた本書、1年半前越しで日本語版が出版された。オープンイノベーションだったり、本好きにはおなじみのロングテール、フリーミアムなど、ちょっと昔に話題になったビジネスモデルをイラストとフレームワークをうまく使って描かれている。動画を見てもらえば、よくわかる。 (フレームワークをダウンロードしたい方は

都内及び首都圏で引っ越しを検討しているなら、住宅情報紙を読むよりも、まずは本書を読むといいんじゃないか!? 20代か30代の女性に聞いたところ、今郊外に住んでいる人が10年後にもあんまり郊外に住みたいと考えていないようだ。傾向として、地方に住みたいという割合が多い。郊外では若者の定住意識が弱い。多額のローンを組んで、念願のマイホームを建てたお父さんとしては、

心からイギリスに行きたいと思わせてくれたのは、なんともつまらないが電波少年だった。猿岩石のゴールの瞬間を見て、感動した。旅のゴールとしてのイギリスになんだか魅力を感じた。旅のおとも『 深夜特急 』もそうだった。そして、実際、旅をするようになって、イギリスを訪れた仲間に聞くイギリス評は「飯がまずい」「物価が高い」「天気が悪い」の悪口ばかり。たまに聞く良い話はお

偶然にも、編集長土屋敦の 前回の投稿 と強く関連しているようだ。ついこの間まで、見て見ぬふりされていた東南アジアのビルマ(ミャンマー)に急に注目が集まっているのだ。本読みは、『 困っている人 』の作者大野更沙さんが ビルマ女子 だったことを思い出すかもしれない。 注目が集まる理由はビルマ軍事政権の民政化、約5300万人の安価で優秀な労働力や豊富な天然ガスやレ

パスカル、ニーチェ、ガルフレイズ、モリス…名前を耳にしたことがある思想家・活動家を暇と退屈の間を走り抜ける中で出会いを演出してくれる本書。哲学書だからといって身構え、準備し過ぎることはない。その道のりは含蓄溢れ、順序よく進んでいけばすんなりゴールにたどり着ける。今年読んだ本の中で、一番印象に残った一冊である。 「人が旅するのは到着するためではなく、旅行するた

「幸せなら手をたたこう」という歌があった。故坂本九が偶然耳にし、1964年にレコード化したものだ。2011年現在、なかなか自信を持って、手をたたきにくい時代になった。その反動なのか、「幸せ」や「幸福」が頻繁にニュースの話題に取り上げられている。金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれたGNH(国民総

「より少ないボタンを持つ洗濯機により多くの金を払う」複雑さを避けるために簡単さを選ぶ、そういった選択は取られるのだろうか?否、そんな理想的なことは起こりそうにない。人々は複雑さを取り除きたいと考えている一方で、商品購入時には機能の一つも失いたくない。高機能の製品に高い値段がついていることに納得し、機能を削いだ製品は低価格であるべきだと考えてしまう。そうして、

オリンパス、大王製紙、島田紳助。 今年も残り2カ月を切ったが、東日本大震災以外にもショッキングなニュースが例年以上に多い。しかし、いきなりそんな前段を覆すようだが、そのどのニュースよりも強いショックを受けた本がこれ。事件が起こった当時、僕は大学生として、その現場である札幌に住んでいたにも関わらず、この本を読むまで知らなかった。先日の朝会で東えりかに聞いたのだ
著者 : 榎本 博明 出版社 : 日本経済新聞出版社 発行日 : 2011/10/12 前々回に「 夫婦ゲンカ 」についての本を取り上げたが、今回は上下関係。やっぱり人間に興味がある。上から目線についての本だが、最近の大学生の動向が描写されており、そちらのほうが興味深い。つい5年前まで大学生だったぼくですら目から鱗、信じられない現象が大学で起こっていることを
著者 : J-SRI研究会 出版社 : 日本経済新聞出版社 発行日 : 2011/9/23 タイトルがストレートすぎると、つい腰が引けてしまうのは僕だけだろうか?しかし、勇気を持って本書を手に取ってみた。少なからず大学時代に農業に関わっていた身として、本書に登場する稲作革命について読むまで知らなかったことを恥ずべきだった。表紙の左と右の稲の大きさの違いを見て
著者 : タラ・パーカー=ポープ、古草秀子 出版社 : NHK出版 発行日 : 2011/9/23 この本のタイトルを見たとき、「あっ、自分もそうだ~」とタイトルに共感して、衝動買いしてしまった。僕はタイトルと同じように黙るほうである。そして、女性はけんかの際に沈黙を保たないほうがよい。研究成果によれば、けんかの際に感情を口に出さない女性は、思ったことをいつ
爆発まじかのチョコレート・ドーナッツが原書の装丁だ。意志と行動の矛盾を表現しているのだろう。 なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史 太るとわかっていても、食べてしまう甘味。(アメリカの4700万人が メタボ症候群) 体に悪いとはわかっていてはやめられないタバコ。(2030年に800万人が毎年煙草が原因で死ぬ予想がある)ついつい仕事の時間