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青木薫のサイエンス通信

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41記事

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サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

山本義隆著『ボーアとアインシュタインに量子を読む』を読む

山本義隆さんといえば、毎日出版文化賞と大仏次郎賞をダブル受賞した『磁力と重力の発見』をはじめ、『十六世紀文化革命』や『世界の見方の転換』など、浩瀚な科学史の著作がまず頭に浮かぶ。だから、このたびの『ボーアとアインシュタインに量子を読む』も、量子物理学の歴史の本なのだろうと予想して手に取った。 ところがページを開くなり、その予想はハズレたことを知った。山本さん

『励起 仁科芳雄と日本の現代物理学』を読む 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『励起 仁科芳雄と日本の現代物理学』を読む

みなさんは、仁科芳雄という人物をご存知だろうか? 物理学をある程度学んだ者なら必ず知っているし、物理学でなくても、理系の研究者なら、ほぼ間違いなく知っているだろう。わたしも一応は知っていた。「仁科記念賞」という、原子物理学とその応用に関する栄誉ある賞があるし、教科書には「クライン=仁科の式」というものが載っている。仁科は理研(理化学研究所)の人であることや、

『かがくを料理する』:「サイエンス×工作×料理」のおいしい世界! 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『かがくを料理する』:「サイエンス×工作×料理」のおいしい世界!

先般、東京出張の折に、はじめて HONZの朝会というもの に参加しました。HONZのメンバーが原則(少なくとも今回は)ひとり一冊、今読んでいる本、あるいはこれから読もうと思っている本を持ち寄り、その本に対する期待やおもわく(?w)について語る会です。 で、そのときHONZレビュアーの首藤淳哉さんが、『かがくを料理する』という本を持っていらしたのです。 いえね

『遺伝と平等 人生の成り行きは変えられる』刊行記念 翻訳者:青木薫さんに聞く! 書影

サイエンス / 社会

『遺伝と平等 人生の成り行きは変えられる』刊行記念 翻訳者:青木薫さんに聞く!

青森から、HONZメンバーの青木薫さんが上京されると聞き及んだ。骨太な新刊『遺伝と平等』の翻訳について、日本の代表的な書店のひとつ、紀伊國屋書店新宿本店にて語り尽くすという(青木薫の推薦本フェアは3階人文書コーナーレジ前で開催中 期間はお店に確認してください)。何を隠そう、聞き手は私、HONZ副代表の東えりかである。『フェルマーの最終定理』を始めとるするサイ

『巨大おけを絶やすな!  日本の食文化を未来へつなぐ』を読む:サイエンス&テクノロジーの面で考えさせられる好著 書影

サイエンス / 教養・雑学

『巨大おけを絶やすな! 日本の食文化を未来へつなぐ』を読む:サイエンス&テクノロジーの面で考えさせられる好著

たまたま知り合いのSNSを通じて、木製の桶に関する本が出ることを知りましたのです。わたしは木材加工の技術史や、微生物による発酵の科学にもちょっと興味があったもので、さっそく読んでみました。結果、最後のほうは思いもよらず感動してうるうるしてしまいました。 とはいえ、最初からそれほど期待していたわけではありません。タイトルだけ見たときには、ぼんやりと二つぐらいの

ウォルター・アイザックソン著『コード・ブレーカー』を読む 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

ウォルター・アイザックソン著『コード・ブレーカー』を読む

ウォルター・アイザックソンが、クリスパー・キャス9のジェニファー・ダウドナを主人公に据えて、『コード・ブレーカー』(原題はThe Code Breaker) という新作を出したと聞いて、わたしは「ん?」と思った。アイザックソンがこれまで評伝の対象としたのは、アインシュタイン、スティーブ・ジョブズ、レオナルド・ダ・ヴィンチなど、誰がどう見ても文句なしに突出した

ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を! 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を!

英語圏ではすでにして評価の高い、ジューディア・パールの大著『因果推論の科学--「なぜ?」の問いにどう答えるか』(原題はThe Book of Why)が、ついに翻訳刊行された。実は私は原書を読みかけて挫折していたのだが、このたび邦訳が出たのを機に、ついに読み通すことができた。そして、本書を読み通したことで得たものは大きい。 ジューディア・パールは、人工知能へ

ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓

「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌食になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取った本でした。序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう

『怪虫ざんまい 昆虫学者は今日も挙動不審』を読む 書影

生物・自然 / 青木薫のサイエンス通信

『怪虫ざんまい 昆虫学者は今日も挙動不審』を読む

タイトルを見ただけで楽しくなっちゃうし(うんうん、そりゃあ昆虫学者は挙動不審にもなるよねw)、装丁に描かれた昆虫たちがまた、妙におかしい!(人間もかなりおかしいけどね!!) 著者のコマツ博士は、信州のとある大学(←と、本文に書いてあるw)で博士号を取得後、いくつかの施設で昆虫研究者として働き、最後は某(上野の)国立科学博物館で研究員(無給)として働いたのち、

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第4回:「この種」から何を学ぶか 書影

生物・自然 / 青木薫のサイエンス通信

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第4回:「この種」から何を学ぶか

山梨県西湖でクニマスが生きていることがわかった。でも、わーい、よかったよかった、チャンチャン、では話は終わりません。さあ、ここから先、どうすればいいのか。どうしたいのか。あなたならどうする? 少し話を戻しますと、絶滅魚クニマスの発見にからんでDNA解析が大きな役割を果たすだろうということは、わたしでも想像がつきました。実際、DNA解析の威力はすごい! ですが

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第3回:絶滅魚クニマスの発見に至る道 書影

生物・自然 / 青木薫のサイエンス通信

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第3回:絶滅魚クニマスの発見に至る道

というわけで、田沢湖で生まれたクニマスは絶滅しました。あれれ、ほんとに絶滅しちゃったの? 絶滅した魚が「発見」されるってどういうこと? と思いますよね。 じつは、クニマスは、絶滅前にほかの湖に移植されていたのです。この場合の移植とは、水産上有用な魚を、他の場所に生きたまま放つことです。移植の例としてよく知られているのが、ヒメマスですよね。ヒメマスは現在、東日

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第2回:クニマス絶滅の背景 書影

生物・自然 / 青木薫のサイエンス通信

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第2回:クニマス絶滅の背景

田沢湖の起源については、辰子(たっこ)の物語が伝わっています。 むかしむかし、今日でいうところの秋田県仙北市田沢湖岡崎神成沢のあたりに、辰子という、ひなには稀な美少女があったそうな。秋田美人ですな。佐々木希のような顔を思い浮かべればいいでしょうか。辰子は、その美しさを永遠にとどめたいと強く願った結果として、あろうことか、見るも恐ろしい蛇に姿を変え、山津波を起

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第1回:クニマスという魚 書影

生物・自然 / 青木薫のサイエンス通信

『絶滅魚クニマスの発見』を読む 第1回:クニマスという魚

久しぶりの青木薫サイエンス通信は、読了後の興奮冷めやらぬ超大作となりました。4回のシリーズでお送りします。 『絶滅魚クニマスの発見 私たちは「この種」から何を学ぶか』というタイトルを見て、わたしの最初の反応は、「クニマスっていったら、さかなクンだよねっ!」というものでした。そんな軽~い興味関心で手に取った本でしたが、実際に読み始めるとすぐに、もうそんなことは

『コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち』を読む 書影

社会 / 青木薫のサイエンス通信

『コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち』を読む

わたしはサイモン・シンの『暗号解読』を訳した関係で、暗号まわりのことは多少知っているつもりでした。第二次世界大戦期についていえば、ナチスドイツの暗号であるエニグマはもちろんのこと、解読不能な天然の暗号として使われたナヴァホ語、そしてナヴァホ族の兵士である「ウィンドトーカー」たちのことも。ウィンドトーカーの存在も戦後しばらくは知られていませんでしたが、たしか1

『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション! 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション!

本書のプロローグは、「青森のりんごの形が良いのは、季節ごとに、こまめに手当てをするからだ」という、青森在住のわたしにとっては、不意を突かれる一文ではじまります。 なぜ、アルツハイマーの本で、青森のりんごなのか? その理由はすぐにわかりました。青森には、家族性アルツハイマーの大きな一族があるというのです。長身で美男美女の多いその一族は、おそらくは結婚相手に困る

『サーストン万華鏡』を読む ウィリアム・サーストンの世界 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『サーストン万華鏡』を読む ウィリアム・サーストンの世界

みなさま、ウィリアム・サーストンという数学者をご存知でしょうか? サーストンはご存知なくても、「100年の難問」と言われたポアンカレ予想と、それを肯定的に解決したロシアの数学者ペレルマンのことは聞いたことがあるかもしれません。実は、ペレルマンが解決したのは、サーストンが1980年に提唱した「幾何化予想」だったのです。ポアンカレ予想は、幾何化予想の小さな一部な

サミュエル・バトラー『エレホン』を読む 反ダイバーシティと反シンギュラリティの世界 書影

サイエンス / 小説

サミュエル・バトラー『エレホン』を読む 反ダイバーシティと反シンギュラリティの世界

このところ、昔の本をいくつか読みました。300年前に書かれたモンテスキューの『 ペルシア人の手紙』 。100年前に書かれたバージニア・ウルフの『 ダロウェイ夫人』 。そしてこのたび読んだのが、150年前に書かれたサミュエル・バトラーの『エレホン』です。共通点は、いずれも初訳ではなく新訳だということ。現代の読者のために、われわれに伝わりやすい言葉でよみがえった

『「役に立たない」科学が役に立つ』 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『「役に立たない」科学が役に立つ』

このたび東京大学出版会から刊行された、エイブラハム・フレクスナーとロベルト・ダイクラーフ著『「役に立たない」科学が役に立つ』を読み、期待していた以上に深く考えさせられ、また心を動かされました。 著者の二人は、プリンストン高等研究所を可能にした初代所長(フレクスナー)と、現所長(ダイクラーフ)です。 初代所長であるフレクスナーは、なにしろアインシュタインやフォ

『タングステンおじさん』化学にのめり込んだ、少年時代のオリバー・サックス 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『タングステンおじさん』化学にのめり込んだ、少年時代のオリバー・サックス

稀代の書き手であったオリバー・サックスが亡くなって1年(8月30日が命日)。『タングステンおじさん』は、2001年に単行本として刊行され、このたび文庫化された作品ですが、私は単行本を読んでいなかったので、この文庫版を手に取りました。だって、なんて魅力的なタイトルなのでしょう!(うかつにも読んでなかったわたし...) すこし回想めきますが、私がオリバー・サック

『ネアンデルタール人は私たちと交配した』鏡に映ったもう一つの私たち 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『ネアンデルタール人は私たちと交配した』鏡に映ったもう一つの私たち

「青木薫のサイエンス通信」久々の番外編です。今回取り上げたのは、人類のルーツの謎を古代ゲノム解読で突き止めた『ネアンデルタール人は私たちと交配した』。この偉業のインパクトは、「何がわれわれを、われわれにしているのか」という問いに答える、大きな可能性が切り開かれたことにあるのだという。尚、著者のスヴァンテ・ペーボ博士は、7月5日(日) NHKスペシャル「生命大

エイズ治療研究の最前線--『完治』への道 書影

医学・心理学 / 青木薫のサイエンス通信

エイズ治療研究の最前線--『完治』への道

「青木薫のサイエンス通信」番外編の更新です。今回取り上げたのは、 仲野徹とのクロスレビュー になる『完治 - HIVに勝利した二人のベルリン患者の物語』。なぜHIVを克服するのが難しいのか?そこを深く理解することで、患者を「完治」へと導いた主治医の「着眼」が見えてきます。 (※本稿は、青木さんご自身のFacebookに書かれていた感想を、そのまま掲載させてい

『捏造の科学者 STAP細胞事件』知ることからしか始まらない! 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『捏造の科学者 STAP細胞事件』知ることからしか始まらない!

「青木薫のサイエンス通信」久々の番外編です。今回取り上げたのは、毎日新聞の科学記者・須田桃子さんによる『捏造の科学者 STAP細胞事件』。論文に欠陥が発覚した後、一部の科学者たちの反応に、青木さんは違和感を感じたという。科学史にも残るであろうこの事件、はたして問題の本質はどこにあったのか?(※本稿は、青木さんご自身のFacebookに書かれていた感想を、その

『エピジェネティクス』を理解するために パート3 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『エピジェネティクス』を理解するために パート3

全3回に渡った「青木薫のサイエンス通信」番外編。最終回にしてついに『エピジェネティクス』の紹介に入ります。様々なサイエンス・ノンフィクションの名著を翻訳されてきた青木薫さんは、『エピジェネティクス』をどのように読んだのか? 過去記事はこちら → 第1回 、 第2回 で、本の中身です。もちろんエピジェネティクスについて書かれているわけですが、私はあえて、これを

『エピジェネティクス』を理解するために パート2 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『エピジェネティクス』を理解するために パート2

昨日に引き続き、「青木薫のサイエンス通信」番外編をお送りいたします。第2回は、エピジェネティクスを紹介する仲野徹のスタンスについて。サイエンスにも、身につけなければならない「構え」というものがあるのです。第1回は こちら 私が仲野さんの『エピジェネティクス』を読み始めてすぐにわかったのは、仲野さんという人は、巨人の肩の上に立って、立ちションをするような人では

『エピジェネティクス』を理解するために パート1 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『エピジェネティクス』を理解するために パート1

今月の「青木薫のサイエンス通信」は番外編でお送りいたします。仲野徹の『エピジェネティクス』を読んだ青木さん、自身のFacebookに書かれていた感想があまりにも面白かったため、そのまま掲載してみます。全3回に渡る連載の第1回目は、エピジェネティクス関連の書籍について。 仲野徹さんが、岩波新書の一冊として『エピジェネティクス』という本を出されたので、その紹介を

「上書き保存」で、記憶を編集する 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

「上書き保存」で、記憶を編集する

『ニューヨーカー』誌の2014年5月19日号に「パーシャル・リコール(partial recall)」というタイトルの記事が載っていました。ピンと来た人もいるかもしれませんが、これは映画『 トータル・リコール 』に引っかけているんです。この映画、いろいろ話題になったので、ご覧になった方も多いかもしれませんね。『トータル・リコール』は、人間の記憶をまるごと入れ

完全食品ソイレントが突きつけるもの 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

完全食品ソイレントが突きつけるもの

『ニューヨーカー』の2014年5月12日号に、「ソイレント」という液状食品に関する記事が掲載されました。軽~く興味を引かれて読み始めたところ、ちょっと意外なぐらいに、われわれの「食」について考えさせる内容になっていたので、ご紹介してみます。 液状の食べ物というのは、昨今、それほど珍しいわけではありません。減量したい人のダイエット食品にも、ドロドロした飲むタイ

新説!ストーンヘンジ――ランドスケープ考古学 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

新説!ストーンヘンジ――ランドスケープ考古学

みなさんはトマス・ハーディの『 テス 』を読まれたことがありますか? わたしは一応読んでいるのですが、もうずいぶん昔のことで、自分がそのときいったいどんな感想を持ったのかも、ほとんど思い出すことができません。しかし、この作品中にストーンヘンジが出てきたときに、一瞬、かすかな違和感を覚えたことはなんとなく記憶しています。 もちろん、イングランド南部を舞台とする

ITERとバベルの塔 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

ITERとバベルの塔

ITER(読みは「イーター」)をご存知ですか? 日本語だと「国際熱核融合実験炉」と言われるプロジェクトのことです。ITERは、かつてはこの日本語に対応する英語の頭文字だと説明されていましたが、今では公式にも、ラテン語で「道」とか「道のり」とか「旅」という意味をもつ言葉だと言われるようになっています。 今日、原子力発電に使われている原子核反応は、重い原子核が分

無能な研究者のずさんな仕事……なのか? 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

無能な研究者のずさんな仕事……なのか?

除草剤アトラジンをめぐる長年の論争がひとつの山場を迎えているようで、『ニューヨーカー』の2月10日号にホットなレポートが載っていました。アトラジンは日本でも使われている除草剤でもあり、今後の成り行きが注目されます。 が、今回の記事はアトラジンの性質というよりもむしろ、医薬品や農薬などの安全性を調べている科学者が、その製品を製造販売している企業にとって好ましく

植物に知能はあるか ―― そもそも知能ってなに? 書影

生物・自然 / 青木薫のサイエンス通信

植物に知能はあるか ―― そもそも知能ってなに?

『ニューヨーカー』誌の2013年12月23日&30日合併号に、マイケル・ポーランが「植物に知能はあるか」というテーマで力作レポートを寄せていました。ポーランは、カリフォルニア大学バークレー校でジャーナリズムのジェームズ・ナイト教授職にあり、本を書けば毎度ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト入りを果たすという売れっ子ノンフィクション作家でもあります。それ

バイオエレクトロニクス――現実化する攻殻機動隊ワールド 書影

サイエンス / 医学・心理学

バイオエレクトロニクス――現実化する攻殻機動隊ワールド

みなさま、正月三が日も終わろうとしておりますけれど、今年もサイエンス通信をどうぞよろしくお願い申し上げます。 できるだけ幅広い分野から話題を選びたいと思っているのですが、あらためてそういう目で眺めてみると、『ニューヨーカー』のサイエンス記事って、バイオ&メディカルな話題が強いですねぇ。数学や物理学の記事は、それに比べるとガクンと少なくなります。まあ、それも当

ミート・パラドックス――肉食の心理学 書影

サイエンス / 医学・心理学

ミート・パラドックス――肉食の心理学

信頼できる筋によれば、現在HONZ内部で、なんと、昆虫食プロジェクトが進行中とのことです! このところ何かと話題の昆虫食に、新機軸を打ち出そうという意欲的なプロジェクトだとか。 昆虫食は、深い問題にわたしたちをいざないます。わたしたちは何を食べ、何を食べないのか--。 食をめぐる状況には、実にたくさんの要素が複雑に絡み合っていて、考えれば考えるほど、問題は果

フェアプレーってなんだろう――スポーツ科学の現在 書影

サイエンス / アート・スポーツ

フェアプレーってなんだろう――スポーツ科学の現在

『ニューヨーカー』誌の9月9日号に、エリート・アスリート、つまりは並の人ではなく、人間の能力の極限に挑戦する運動選手を通して見るスポーツ科学の現在、といったなかなか興味深い記事が載っていました。その分野の関連書籍をいくつかまとめて紹介しながら、「フェアプレーって何だろう?」といったことまでも考えさせる内容でした。 ところで、『ニューヨーカー』に掲載されたスポ

混迷するライム病論争 書影

サイエンス / 医学・心理学

混迷するライム病論争

近年、日本でもマダニ媒介感染症が急速に認知されるようになってきました。たとえば、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年にウィルスが特定された病気ですが、今年1月に、日本国内で初めて患者が確認された後、これまでに患者三十九人見つかり、そのうち十六人が死亡しています。現在、マダニがこのウイルス(SFTSウイルス)を持っているかどうかが実地調査されてお

アルツハイマー先制治療――あなたならどうする。 書影

サイエンス / 医学・心理学

アルツハイマー先制治療――あなたならどうする。

『ニューヨーカー』誌で、メディカル&生物学分野のスタッフライターを務めている、ハーバード大学医学部教授のジェローム・グループマンが、アルツハイマー治療の最前線について読みごたえのあるレポートを書いていましたので、ざっくりかいつまんでご紹介いたします。 アルツハイマー病をめぐる状況を考える上で押さえておくべきは、今後、アルツハイマーの人たちのケアが、大きな社会

ヤマネコとイエネコのあいだ――ネコ・ゲノム計画 書影

サイエンス / 生物・自然

ヤマネコとイエネコのあいだ――ネコ・ゲノム計画

みなさま、ご存知でしょうか? 猫を愛する人間の中には、心中、ワイルドな猫(ヤマネコやネコ科大型獣)に憧れている者がいるということを。 そういう人たちは、ワイルドライフのドキュメンタリー番組で、草食動物がネコ科大型獣に追いかけられている映像を見て、手に汗を握ってネコ科大型獣を応援してしまうのです。何を隠そう、実はわたしがそれなのです。 ある有名人が(誰だったか

モナリザの微笑のヒミツ 書影

サイエンス / 世界史

モナリザの微笑のヒミツ

「ニューヨーカー」誌の3月18日号に、厨房の文化史といえそうな記事がありました。古代ギリシャの饗宴やローマの宴会から、現代アメリカの主婦たちの料理観を変えたという、いわゆる「フープロでガー」革命(フードプロセッサでblitz everything!)に至るまで、厨房の技術と文化は、なんと長い道のりを歩んできたのだろう……と、感慨にふけりながら引き込まれるよう

科学者は自らの学説に殉じるべきか 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

科学者は自らの学説に殉じるべきか

来年はガリレオ・ガリレイの生誕450周年ということで、それに合わせていくつもの研究書が出版されているようです。そういう研究書の多くは、新たに公開されたバチカンの異端審問関連資料を使ったもの。 とはいえ、その資料から明らかになったのは、まあ、あの時代、あの状況で、ガリレオにああいう態度(ポリティカルにあまり賢明とは言えない態度)を取られたら、ローマ・カトリック

人工言語とジョン・キハーダ 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

人工言語とジョン・キハーダ

青木薫さんによる連載の第二弾です。 読んでいただければわかると思いますが、執筆時期は今年始め。実は青木さんのFacebookにアップされたものです。とはいっても、このエントリー、ちょっと興奮してしまうほど、ものすごく面白いです。 今回まではFacebook上で公開された記事ですが、次回からはいよいよ、HONZが初出の書き下ろし連載となります。ということで、ど