ノンフィクションはこれを読め!

おすすめ本レビュー

CATEGORY

3,647記事

一級の事故事例集『大惨事と情報隠蔽』 書影

事件・事故 / ビジネス

一級の事故事例集『大惨事と情報隠蔽』

情報隠蔽。誰もが、「情報隠蔽=悪」であり、起きてはならないと認識している。情報隠蔽が悪いのは、なにも不正につながるからだけでない。必要な情報が共有されずに恐るべき大参事を招いてしまうからである。 本書は多くの歴史的大惨事を引き起こした主な原因が情報隠蔽でだったという新しい視点を提示する一冊だ。原発事故、大規模リコール問題、金融危機に至るまで情報隠蔽が問題を深

『大学病院の奈落』「新聞協会賞」受賞記者がスクープの裏側を詳細に描く 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『大学病院の奈落』「新聞協会賞」受賞記者がスクープの裏側を詳細に描く

2015年9月、読売新聞東京本社は同年度の新聞協会賞を受賞した。受賞理由は「群馬大学病院での腹腔鏡手術をめぐる一連の特報」である。その特報取材班のリーダーだったのが本書の著者である高梨ゆき子記者だ。 その特報とは、10年から14年にかけて群馬大学病院第二外科で行われた腹腔鏡手術後に、8人もの患者が相次いで亡くなっていた事実をスクープしたものだった。 執刀した

社会分断による英国の『チャヴ 弱者を敵視する社会』は日本の近未来かもしれない 書影

社会 / おすすめ本レビュー

社会分断による英国の『チャヴ 弱者を敵視する社会』は日本の近未来かもしれない

『チャヴ』、聞き慣れない言葉である。もとはロマ族の「子供」を指す言葉「チャヴィ」から来た、英国において用いられる「粗野な下流階級」を指す蔑称である。いくつかの英語辞典を調べてみると、「生意気で粗野な態度によって類型化される若年下流階級(オクスフォード英語辞典)」、「教養の欠如や下流階級であることを、その衣服や話し方、行動があらわすような人を示す蔑称。通常は若

『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か

本書、表紙が素敵なのだ。 裸の成人女性からうまい具合に乳首を隠したイラスト、線画の描写ゆえ生々しさはなく90年代に流行ったオシャレ系マンガの表紙のようである。 とは言えハダカはハダカ、サラリーマンばかりの通勤電車で読むのは平気だった私もさすがに目の前に小学生男子が立っている中では本書の続きを読むのをためらった。 こんな風に感じるのは何も私だけではないだろう。

『デザイナー・ベビー ゲノム編集によって迫られる選択』 デザイナー・ベビーの誕生は避けられない? 書影

サイエンス / 医学・心理学

『デザイナー・ベビー ゲノム編集によって迫られる選択』 デザイナー・ベビーの誕生は避けられない?

ヒトが生殖以外の方法で新たなヒトの命を生み出す、改変するというアイディアは、数千年にわたって人類の想像を掻き立て続けてきた。科学者による理想の人間の創造を目指した『 フランケンシュタイン 』や遺伝子操作による優生学的な階級社会を舞台とした映画『 ガタカ 』など、このテーマを扱った作品は数え切れない。これらのフィクションが描き出すディストピアとクローン羊ドリー

『予期せぬ瞬間 医療の不完全さは乗り越えられるか』 医者と医療にまつわる不完全と不可解と不確実 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『予期せぬ瞬間 医療の不完全さは乗り越えられるか』 医者と医療にまつわる不完全と不可解と不確実

医者はどうしてミスから逃れられないのか。医療には未知や不確実なことがどれほどあって、医者や患者はそれらにどう対処したらよいのか。本書は、そんな問題をテーマとした、アトゥール・ガワンデのデビュー作である。 ガワンデは、現役の外科医であると同時に、雑誌『ニューヨーカー』にも寄稿する文筆家である。その最新作 『死すべき定め――死にゆく人に何ができるか』 が大ヒット

優しいペン 『わけあり記者』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

優しいペン 『わけあり記者』

弱者の気持ちを知っている人が、公器としてのペンを持っている社会は安心だ。本書の著者は、中日新聞の記者である。過労からうつ病になり、復職後に両親の介護をかかえ、パーキンソン病の進行を薬でおさえながら勤務を続ける「わけあり記者」だ。本書では、「ここまで書いてしまって良いのか」と思うほど克明に、事の次第を綴っている。心を動かされない人は、まずいないだろう。 熟達し

『ブラック・フラッグス 「イスラム国」台頭の軌跡』ザルカウィと群像 書影

人物 / 事件・事故

『ブラック・フラッグス 「イスラム国」台頭の軌跡』ザルカウィと群像

アフマド・ファディル・アル=ハライレー。それが本書の主人公の名前である。だが本名よりもこちらの名前のほうで世間には知られている。その名はアブー・ムサブ・アッ=ザルカウィ。イラクのアル=カーイダ(AQI)の創設者である。イラク戦争のさなか、米軍の占領政策の弱点を巧みにつき、イラク全土で武装反乱の炎を燃え広がらせたテロリストである。 本家のアル=カーイダとは違い

ドキュメンタリ映画『おクジラさま~ふたつの正義の物語』を更に詳しく 書影

社会 / おすすめ本レビュー

ドキュメンタリ映画『おクジラさま~ふたつの正義の物語』を更に詳しく

2017年8月28日、反捕鯨団体のシー・シェパードは今年の捕鯨シーズンは 日本の南極調査捕鯨船の妨害を行わないと発表 した。日本の監視技術に太刀打ちできないのが中止の理由だという。まるで本書の発売と映画の封切りを見計らったような時期の発表だ。だがこの問題は解決したわけではない。 本書は9月9日から全国で順次公開されるドキュメンタリ映画 『おクジラさま~ふたつ

『大学病院の奈落』変われない病院の体質が、惨劇を生み出した 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『大学病院の奈落』変われない病院の体質が、惨劇を生み出した

森友学園と加計学園をめぐる問題に揺れた今年の通常国会で、ある重要法案が可決・成立したことはあまり知られていない。特定機能病院の安全管理を強化する改正医療法である。大学病院のような高度医療を担う病院は、医療安全対策も高水準でなければならないという方針が、法律として明文化されたのだ。 改正のきっかけとなったのは、読売新聞のスクープ記事だった。 <腹腔鏡手術後8人

とてつもなく変態で、ありえないほど文章がうまい──『動物になって生きてみた』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

とてつもなく変態で、ありえないほど文章がうまい──『動物になって生きてみた』

どうやったら、我々人間は動物の感覚にもっと近づくことができるのだろう。たとえばアナクマのように巣穴で眠り、森を徘徊して獲物を物色する。たとえばカワウソのように水辺に住んで魚やザリガニを食べて生き、ツバメのように空を飛び、糞を撒き散らす。そうやって動物たちと同じように生きたら、彼らがみている世界を追体験できるのではないだろうか? そんな、言っていることはわから

明治神宮と『変形菌』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

明治神宮と『変形菌』

変形菌、それは粘菌のことだ。粘菌、それは南方熊楠が愛し、昭和天皇が新種をいくつも発見され、2度もイグ・ノーベル賞に貢献した生物だ。「梅雨時のじめっとした林、あるいは真夏の暑い公園で、粘り気があって色あざやかなアメーバ状のものが倒木や切り株に広がっている」、そのアメーバ状のものこそ、そいつだ。植物でも動物でもキノコでもない単細胞生物。なのに、色も形も、多様で興

みんな大好き大興奮!(のはず)『マンボウのひみつ』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

みんな大好き大興奮!(のはず)『マンボウのひみつ』

生きものによって人に好かれるのとそうでないのがある。それは、その生きもの固有の性質による場合もあれば、社会的なファクターによるものもある。たとえばアイアイを考えてみればよくわかる。 アイアイはその原産地・マダガスカルでは悪魔の使いとされており、忌み嫌われている。どれほど嫌われているかというと、一旦目撃すると、そのアイアイを殺さないと不幸になる、と言われていた

『芸術・無意識・脳』人の心は、どこまで解明されてきたのか 書影

サイエンス / アート・スポーツ

『芸術・無意識・脳』人の心は、どこまで解明されてきたのか

我々はなぜ芸術に心惹かれるのだろうか。人間の心が脳の活動から生まれているのは間違いないが、芸術作品を鑑賞する時、我々の脳の中では何が起きているのだろうか。 本書の表紙にもなっているクリムト(1862-1918年)の『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I』の背景に溶け込んでいる人物の輪郭が分かるのはなぜか。ココシュ(1886-1980年)やシーレ(1890-

『科学捜査ケースファイル 難事件はいかにして解決されたか』凶悪犯罪と法科学の歴史200年 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『科学捜査ケースファイル 難事件はいかにして解決されたか』凶悪犯罪と法科学の歴史200年

科学捜査は、多くのミステリードラマや推理小説の題材として扱われてきた。代表的なのは、アメリカ発のテレビドラマ『CSI:科学捜査班』や『BONES─骨は語る─』シリーズだ。日本でも『科捜研の女』が安定した人気を誇っている。推理小説は枚挙に暇がないが、アーサー・コナン・ドイルが1887年に発表した探偵シャーロック・ホームズ初登場作『緋色の研究』で、ホームズが行う

『健康格差 不平等な世界への挑戦』 Fair society, healthy lives. 書影

医学・心理学 / 社会

『健康格差 不平等な世界への挑戦』 Fair society, healthy lives.

スコットランドのグラスゴーの話。その市のなかの、たった数キロしか離れていないふたつの地区は、驚くべき対照を見せている。一方のレンジーは高級住宅街であるのに対して、他方のカルトンは指折りの貧困地区。ただし、両地区の違いはそれだけではない。1998年から2002年の数字で、レンジーの男性の平均寿命は82歳であったのに対して、カルトンのそれは54歳であった。その差

『無冠、されど至強』影のナンバーワンと呼ばれたサッカー集団 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『無冠、されど至強』影のナンバーワンと呼ばれたサッカー集団

著者は『オシムの言葉』をはじめとしてサッカーを題材にしたノンフィクションを手がけてきた。サッカーを描きながらも大半の作品に通底するのは、政治や組織に翻弄された個人がその矛盾に対峙する側面を切り取る姿勢だ。 大文字の歴史で語られることは少ないが、戦後サッカー史で在日朝鮮人のチームは「影の最強チーム」と称された。 例えば社会人などで結成された「在日朝鮮蹴球団」は

『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』 進化認知学、そして「唯一無二の人間」という見方からの脱却 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』 進化認知学、そして「唯一無二の人間」という見方からの脱却

「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」。ずいぶん挑戦的な問いかけであるが、本書の内容もそれに負けず劣らず挑戦的である。 フランス・ドゥ・ヴァールは、ベストセラー 『チンパンジーの政治学 』といった著書もある、世界的に著名な霊長類学者である。そんな彼が本書で試みていることはおもにふたつある。ひとつは、彼の提唱する「進化認知学」というアプローチを明らかにするこ

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』 書影

民俗・風俗 / 日本史

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』

今年のフジロックで小沢健二とコーネリアスを観てきた。コーネリアスが今年発売したアルバム『 Mellow Waves 』が素晴らしくよい作品だったので、コーネリアスを最後まで観たかったのだけど、最後まで見ていると入場規制で小沢健二が観れないと思い、泣く泣く途中で切り上げ小沢健二をみにいった。その後、予想通り入場規制がかかったので、はやめに移動して正解だった。

『科学が教える、子育て成功への道』21世紀の成績表 書影

サイエンス / 教養・雑学

『科学が教える、子育て成功への道』21世紀の成績表

もし、子育ての成功を定義できるのであれば、成功への道があるのならば、それを知りたいと思う人はたくさんいるはずだ。そして本書は、子育てにおいて、科学でわかっていることは何か、何を成功として定義して、その成功のために何をすればいいのか、を学習科学・発達心理学の知見を見事に体系化した本である。 「子育て」と「成功」という2つの言葉は相性が微妙で共鳴しづらいが、学習

あなたは他者からどう見られているのか──『なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

あなたは他者からどう見られているのか──『なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学』

他人の心は、わからないものだ。 たとえ笑顔で話しかけてきても、こちらのことを殺したいほど憎んでいる可能性はいつだって存在する。自分以外のすべての人間に憎悪されている可能性について想像し始めるとめげてしまうが、実際のところそんなことはありえないわけで、だいたいの場合においてニコニコ顔は敵意のなさ、好意の証であるとみていいだろうと、普通はそう判断して会話をするこ

『時代劇の「嘘」と「演出」』クリエイターと 歴史家、「時代」をめぐるせめぎ合い 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『時代劇の「嘘」と「演出」』クリエイターと 歴史家、「時代」をめぐるせめぎ合い

「なんておもしろいの!」 この本を読んでいると、ページをめくるたびにこの一言が口をついて出る。 戦国時代を専門とする著名な学者・小和田哲男氏が時代考証にあたった大河ドラマ『江〜姫たちの戦国』で、こんなことがあったそうだ。浅井長政の小谷城が織田信長に攻め落とされる場面。 最近の研究では、小谷城は実際には燃えていなかったことが判明している。小和田は炎上シーンは描

『コックリさんの父 中岡俊哉のオカルト人生』清く、正しく、疑わしく 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『コックリさんの父 中岡俊哉のオカルト人生』清く、正しく、疑わしく

何かの分野を一筋に研究した人物の評伝には名作が多い。中でもとりわけ面白いのが、厳格でアカデミックな世界をいかに破天荒に生きたかというタイプのものだ。生きている世界と生き方とのコントラストが、読者を惹きつけ魅了するわけである。そういった意味で、本書もコントラストの妙が効いているタイプの一冊ではあるのだが、世界と生き方の関係がそれらのものとは反転している。 超常

親バカ(?)池谷裕二パパの神経科学的な育児日記 『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

親バカ(?)池谷裕二パパの神経科学的な育児日記 『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』

多くはないけれど、著者とタイトルを見ただけで絶対おもしろいだろうと思える本がある。この本がまさにそれだ。脳科学研究の第一人者であり、これまでに『海馬』や『単純な脳、複雑な「私」』といったヒット作をたくさんものにしている池谷裕二さんが、自分の育児について愛情たっぷりに書くんだから、おもしろくないはずがない。 もうひとつ、個人的にそそられる理由がある。1年少し前

『金融に未来はあるか』金融危機の必読書 書影

社会 / 世界史

『金融に未来はあるか』金融危機の必読書

今年これまでで、もっとも面白かった本である。書評を書くと決めた本を読むときには、引用したいページに付箋を張りつけるのだが、今回は付箋を張りすぎて、読み終わった後にさらに厳選して別の付箋を張りつけるはめになったほどだ。今年の金融読み物ナンバーワンだろう。 リーマン・ブラザーズ破綻に端を発した世界金融危機。これまで幾多もの書籍が出版されているが、そんな中でも必読

『戦場を歩いてきた カラー写真で読み解く戦場のリアル』ジャーナリストが見つめた戦地の日常 書影

社会 / 事件・事故

『戦場を歩いてきた カラー写真で読み解く戦場のリアル』ジャーナリストが見つめた戦地の日常

本書は日テレの番組、 NEWS24の「戦場を歩いてきた」 というコーナーを書籍化した物である。戦場ジャーナリストである佐藤和孝が戦場で撮り溜めてきた写真を通して、戦地に生きる人々の日常の姿を伝えるという趣旨の下に作成されたコーナーである。戦争と言う非日常の中にも日常がり、人々はそこでメシを食い、笑い、結婚もし、生きていく。しかし、尺の限られたニュース番組では

『9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために』21世紀のユーザーズ・マニュアル 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために』21世紀のユーザーズ・マニュアル

本書を一言で表現するなら、「21世紀のユーザーズ・マニュアル」である。 本書の内容紹介に、「ビジネスの「ゲームのルール」の激変ぶりに、イノベーションの恐るべきペースの速さに、むち打ち症(whiplash)にならずついていくために不可欠な、『9の原理(ナイン・プリンシプルズ)』」と書かれているように、我々は、今、世界を動かすオペレーティングシステム(OS)が一

『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』良き敗者の魂 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』良き敗者の魂

「二課の花はサンズイ」と言われる。警視庁捜査二課は、汚職や詐欺、横領、背任、選挙違反などを摘発する部署だ。「サンズイ」は汚職の「汚」のサンズイに由来する隠語で、ゴンベン(詐欺)やギョウヨコ(業務上横領)などに比べ事件の格が一段上とされる。二課の刑事にとって、汚職事件の摘発は、命がけで成し遂げたい悲願である。 『石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの』は、警視庁

『大阪ソースダイバー』にソース文化の真髄を学べ! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『大阪ソースダイバー』にソース文化の真髄を学べ!

あまり知られていないかもしれないが、大阪人はソース好きだ。東京では中濃ソースが一般的らしいが、大阪の家庭ではとんかつソースとウスターソースが常備されているのが普通である。 天ぷらにだってウスターソースをかける。少し古い、たぶん10年ほど前の データ だが、野菜と魚の天ぷらソースで食べる人は、関東では1%以下であるのに対して、近畿では 45 %もいる。アジとか

インドア派にこそ読んでほしい『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

インドア派にこそ読んでほしい『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる』

帰省シーズン真っただ中。慌ただしい日常からしばし遠ざかり、インドア派としてはサイダーでも飲みつつ家でごろごろ。するつもりが、今年はわりと緑豊かな場所まで出かけることにした。まちがいなく本書を読んだせいである。読んでいて、田舎に帰ってきたのに部屋に引きこもっていることが、急にもったいなく思えてしまったのだ。 森や海など自然豊かな環境に行くと、気分が上向き、体調

「深海」好きなあなたへ 『特別展「深海2017」公式図録』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

「深海」好きなあなたへ 『特別展「深海2017」公式図録』

ダイオウイカ以来の深海ブームは、この夏もまだまだ熱く続行中だ。新たな南極の深海調査の結果が続々と出てきているのだ。あの震災時に三陸沖の海の下で何か起こったかも、だ。国立科学博物館での展示、NHKスペシャル「ディープ オーシャン」の放送……最新の深海情報をまとめた一冊を紹介しておこう。 深い海の中は、その特異な環境があるからこそ、見たことのないような形や色の生

巨象をあやつるSNS番長 『モディが変えるインド』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

巨象をあやつるSNS番長 『モディが変えるインド』

2017年8月15日、インドは独立70周年を迎える。本書は、普通に暮らす日本人に「インドの今」を知ってもらうために書かれた本だ。東アジア情勢が風雲急を告げるなか、「そういえば今、南アジアはどうなっているのだろう」と思い、私はこの本を手に取った。皆様も独立70周年の機会に、インドという大国に思いをはせてみてはいかがだろう。新たな視界が開けてくるかもしれない。

『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』地域型武装組織から国際テロ組織への変貌 書影

教養・雑学 / 事件・事故

『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』地域型武装組織から国際テロ組織への変貌

2014年、ナイジェリアで学校の寄宿舎が武装した男たちに襲われ、200人以上の少女が誘拐された事件を覚えている人も多いであろう。事件後、インターネットでイスラーム過激派組織「ボコ・ハラム」が犯行声明を出し、その動画の一部は日本のメディアでも取り上げられた。組織のリーダーを名のるアブバカル・シュカウという男が誘拐した少女たちを奴隷として売り飛ばすと宣言。 20

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』コンサルティングの終焉 書影

アート・スポーツ / ビジネス

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』コンサルティングの終焉

筋が通った正論に対して、直観が納得しないときがある。 本書タイトルでいう美意識は、デザインや広告などクリエイティブに関する領域かと思われがちだが、ポイントはそこではない。 近年、英国ロイヤルカレッジオブアート(RCA)など世界有数の美術系大学は、フォードやビザ、製薬会社グラクソ・スミスクラインといったグローバル企業の幹部に対して美術プログラムを提供している。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』人生を評価する自分なりのモノサシ 書影

アート・スポーツ / ビジネス

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』人生を評価する自分なりのモノサシ

今、第二次大戦後に世界が築き上げてきたありとあらゆる既成概念が崩壊し、これまでのルールが全く通用しなくなる中、それに代わる新しい秩序やルールが立ち上がって来ているかと言えば、それもない。 今後とも新しい秩序の姿は見えないようだという不透明で垂れ込めた感覚こそが、今の時代を覆う漠然とした不安の正体であり、その裏返しが、AIのシンギュラリティがもたらすユートピア

『水を石油に変える人 山本五十六、不覚の一瞬』稀代の詐欺師、暗躍の戦争裏史 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『水を石油に変える人 山本五十六、不覚の一瞬』稀代の詐欺師、暗躍の戦争裏史

昭和14年1月の深夜、霞が関の海軍省の地下の一角では、なにやら怪しげな実験が進行していた。「水からガソリン」をつくるというこの実証実験は、山本五十六海軍次官や「特攻の生みの親」ともいわれる大西瀧治郎大佐などの立会いのもと、三日三晩行われ、最終日に成功を収めた。 実験を行っていたのは「街の科学者」として名を馳せていた本多維富という初老の男だ。彼は稀代の詐欺師で

『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』20世紀の食を発展させたのは「ミリ飯」の技術開発だった 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』20世紀の食を発展させたのは「ミリ飯」の技術開発だった

ミリ飯。小さなご飯という意味ではない。ミリタリーすなわち軍隊で支給される携行食のことである。海軍や空軍はそれぞれ艦内や基地に厨房があるため、いつも温かい食事が摂れる。しかし、野戦を主とする陸軍は兵士が自分の食料を携行する必要がある。 そのため、食料はできるだかぎり小さく軽く、しかも日持ちする必要がある。陸戦が主力だった戦国時代には干飯や焼味噌などを陣中食とし

肥満に至る道はひとつではない──『人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

肥満に至る道はひとつではない──『人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学』

現在の人はかつてないほど太っている。体長を身長の二乗で割って算出されるボディマス指数での評価では、世界人口の5人に1人が肥満あるいは過剰体重となってしまうほどだ。 1900年以前には肥満者は存在はしていたものの、多くはなかった。1700年代、1800年代のヨーロッパでは肥満者は珍奇なものであり、見世物にする人もいたぐらいだ。受け入れられ方も現在とは大きく異な

『芸術・無意識・脳』 科学と芸術の対話が人間の本質を明らかにする 書影

サイエンス / 医学・心理学

『芸術・無意識・脳』 科学と芸術の対話が人間の本質を明らかにする

1900年前後のウィーンにはあらゆる分野の才能を引き寄せる力があった。哲学ではクルト・ゲーデルやルートヴィヒ・ヴィドゲンシュタイン、音楽ではグスタフ・マーラーやベートーヴェン。その他の芸術や自然科学分野でも、挙げきれないほど多くの偉人たちがこの街に集まっていた。特筆すべきは、その天才たちが個々の分野毎に活動していたのではなく、科学者・作家・芸術家の垣根を越え

『歴史の証人 ホテル・リッツ 生と死、そして裏切り』権力の交点となったホテルでの魅惑的な群像劇」 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『歴史の証人 ホテル・リッツ 生と死、そして裏切り』権力の交点となったホテルでの魅惑的な群像劇」

パリの中心部、ヴァンドーム広場に面して、そのホテルは存在する。 ホテル・リッツ(Hôtel Ritz)。フランスの実業家セザール・リッツと名料理人オーギュスト・エスコフィエの協力のもと、1898年に開業したこのホテルは、その贅沢さ、壮麗さから、パリの富裕層だけでなく、世界各国の名士を顧客に迎え入れ、大きく栄えた。 だが、第二次世界大戦さなかの1940年6月1