
可笑しな、お菓子な、『おかしなパン』
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない!」 マリー・アントワネットが言ったとされる、この言葉は誰もが一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。私はケーキを買ってきた翌日の朝に、この発言とともにケーキの写真をSNSに投稿している。ケーキを1個だけで買うのが恥ずかしく、見栄で2個買ってしまい、翌朝の朝食がケーキになるというパターンだ。 と雑談はさておき、
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「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない!」 マリー・アントワネットが言ったとされる、この言葉は誰もが一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。私はケーキを買ってきた翌日の朝に、この発言とともにケーキの写真をSNSに投稿している。ケーキを1個だけで買うのが恥ずかしく、見栄で2個買ってしまい、翌朝の朝食がケーキになるというパターンだ。 と雑談はさておき、

本書は「人と機械がアポロ計画においてどう役割分担をしたのか(そもそも人に役割はあるのか)」という観点から、計算機開発を中心に、人間と機械の協働を分析した一冊になる。アポロ計画に関する本は歴史を辿る物からマネジメントを分析する物まで山ほど存在するだけに、今更新しいものが読めるのかなあ? と疑問に思っていたのだが、これが滅茶苦茶おもしろい! アポロ計画の技術者は

「ねぇ、ブラジャーの寿命ってなんで13ヶ月なの?」 その時、子どもが夢中になって読んでいたのが、『寿命図鑑』 絵・やまぐちかおり 編著・いろは出版(いろは出版)である。 この『寿命図鑑』は、人間や動物、建築物、機械、天体など13カテゴリー、324アイテムの寿命とそれにまつわるエピソードをまとめた図鑑だ。 ユニークで楽しめるのはもちろんのこと、そこはかとない無

サンタクロースが、昨日午後、ディジョン大聖堂の鉄格子に吊るされたあと、大聖堂前の広場において人々の見守るなか火刑に処された。この派手な処刑は、教区若者組に所属する多数の子供たちの門前でおこなわれたのである。この刑の執行は、サンタクロースを教会の横領者にして異端者として<有罪>の判決を下した聖職者の同意のもとに決定された。 サンタクロースはキリストの降誕祭を異

2007年8月24日、名古屋市内に在住の31歳の女性会社員、磯谷利恵さんが帰宅途中に男三人に拉致されて殺害され、岐阜県の山中に捨てられるという事件が起きた。犯人の一人が直後に警察に電話をかけて自首し、女性の遺体が発見されたことで事件が発覚した。 後に「名古屋闇サイト殺人事件」と名付けられたこの事件の犯人たちは、犯罪を行う仲間を募集するインターネットサイト「闇

陰惨としか言いようのないような児童虐待事件が報道されるのをみるとき、なんとひどい親がいるものかと怒り呆れる。実の父に、母に、あるいは実父母のパートナーに、殴られ、閉じ込められ、飢えさせられ、亡くなる子どもたち。性的虐待に心身ともに深く深く傷つけられた子どもたち。なんとかならないものなのかと誰しもが思うだろう。 中には周囲の人々が子どもの危険を察知していたとい

1993年、埼玉県大里郡で起きた「埼玉県愛犬家殺人事件」。若い人は記憶がないかも知れないが、ペットショップを営む関根元と風間博子の夫妻(姓が異なるのは偽装離婚済み)が判明しているだけで客など4人を殺した事件は当時、世間を震撼させた。この事件を下敷きに、鬼才・園子温が映画『冷たい熱帯魚』を制作しているが実際の事件の残忍さはかなり抑えられている。 80年代後半の

タイトルや副題を見ると、やや小難しそうな雰囲気だ。有斐閣の本ということで堅めな教科書のような内容を想像していた。しかしひとたびページをめくると、こんな一文が目に飛び込んでくる。 質的調査の教科書を書いてください、という依頼を受けたとき、最初に頭に浮かんだのは、マニュアルのような教科書よりも、読み物として読んで面白い本を作りたい、ということでした。 「分析や解

久し振りに本を読んで感動した。 本を読む理由というのは人によって、また場合によってまちまちだと思うが、自分の場合は知識欲に駆られて読むことが多い。自分が知らなかったことが分かること、世界の広さと深さを知ることがたまらなく楽しいのだ。 だから、小説は殆ど読まない。本当か本当でないか分からないような文章に興味がないから。学生時代から、先生に指定された課題図書を読

このタイトルだけに色物系かと思われるかもしれないが、奥深いメッセージが込められた、笑いあり涙ありの痛快エッセイである。 冒頭、このような一節から始まる。 いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて20余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。

入試の季節が巡ってくるたびに高校時代を思い出す。もう少し努力していれば違う未来があり得たかもしれないあの時代。 もしタイムマシンであの頃に戻れたら、今より30キロ以上もスリムな自分に、成毛眞の『AI時代の人生戦略』でも渡して、「未来の合言葉はSTEAMだぜっ!」と全力でアドバイスを送ってやるのに……。女の子のことばかり考えているうちに(「つきあっているうちに

ラジオ局のプログラムには音楽番組が欠かせない。「電リク」という言葉を最近は知らない人も増えたが、電話でリクエストを受け付ける番組が各局で当たり前のようにオンエアされていた時代があったし、ヒットチャートを紹介する番組はいまも健在だ。 僕自身もそういった音楽番組の制作に携わったことがある。あれはたぶん2000年前後くらいだったと思うが、ちょっとした異変を感じるよ

天才とは何だろう? 一般的には「とくに創造的活動において発揮される、すぐれた知的才能」と定義されている。『優生学』を打ち立てたフランシス・ゴルトンのように「世界中がその功績に対して大きな恩義を感じるような人物」としたほうがより実際的かもしれない。 ダーウィンのいとこであったゴルトンは「天才とは遺伝の産物」と考えていたが、はたしてそうだろうか。いみじくもそのゴ

地球上で、家を建てるのが大変な場所はどこだろう? ジャングル? 砂漠? ツンドラ? 南極や北極? 極地観測のために建てられた南極基地の建築物を、写真と丹念な解説で見せてくれるこの一冊。昭和基地をはじめとする、極限環境での建築の数々は、こんな技術や人に支えられていた! こんなにすごいことをしていたなんて、知らなかった。 この本の感想はこの一言に尽きるかもしれな

日米戦争(太平洋戦争)とは何だったのか?なぜ今日に至っても歴史的評価が定まらないのか?そもそも日本は何のためにアメリカと戦争したのだろうか? 著者が指摘しているように、過去の出来事を知っている我々は、歴史に対して神の立場に立っている。全ての結末を知っている現在から、過去の人々の判断や行動を後講釈で説明しても意味がない。 「ルーズベルト大統領は真珠湾攻撃を知っ

自然科学分野で多くのノーベル賞受賞者を輩出し、 公立中学校に通う生徒の7割以上が学習塾に通う 日本を、著者は教育劣位社会と呼ぶ。それは、日本のGDPに占める公財政教育支出の割合がOECD諸国の中で最低水準にあり(一般政府総支出に対する割合でも同様)、国民の世論も限りある財源を教育に配分すべきだとは考えていないからだ。 本書は、教育学と経済学の狭間に埋もれてし

私たち当事者は、人として破綻しているわけではなく、ただ「見えない病気になっているだけ」なのです。私は、当事者がこれほどまで無理解な状況におかれている現状に強い憤りを覚えます。 自分のことを言われているような気がして胸がチクチクする。いや、まさに自分のことだ。正直に書いておくが、統合失調症をもっと理解しようと思う自分 vs ちょっと遠慮したいと思う自分のせめぎ

昔から、休み明けは学校に行きたくないもの、と相場は決まっていた。大人だって、きっと大して変わらないだろう。読みさしの本があれば最後まで読みたいし、クライマックスのゲームはさっさとクリアしてしまいたいものだ。でも「不登校」ときくと、途端にドキドキしてしまう。それが、悪いことだと教えこまされてきたからだ。 ここ数年、不登校は増加傾向にあると報道されている。議論百

記憶がえてして頼りないものであることは、いまではよく知られている。その象徴的かつ重大な例としてすぐに思い浮かぶのは、記憶違いにもとづく冤罪事件だろう。国際的な非営利団体の報告によると、2015年にDNA鑑定によって受刑者の無実が証明された事件は325件あった。そしてそのうち、じつに235件もの事件で目撃者の誤認が関わっていたというのである。 記憶違いの問題は

すべての人間が一カ所に集まってジャンプしたり 、 光速に近いボールを投げたらどうなるか? といった現実的にはありえない質問に対して、ユーモアたっぷりのイラストと科学的に正確な解説を添え、愉快に物理や数学のおもしろさを体験させてくれた前作『ホワット・イフ』。 その著者ランドール・マンローによる最新作が、本書『ホワット・イズ・ディス?』である。こちらもまた、一冊

著者は京舞井上流のお家元、五世 井上八千代さんだ。一昨年、歌舞伎俳優の十五代目 片岡仁左衛門さんらとともに、58歳の若さで人間国宝に認定された。 井上流とは上方舞の一流派なのだが、京都五花街の筆頭、祇園甲部の「御留流」である。祇園甲部では他流派の舞踊は許されず、また祇園甲部より外では井上流の教授は行われない。女性のみで男子禁制である。 花柳流が全国2万名を超

近年イーロン・マスク率いるスペースX社を筆頭に、民間企業による宇宙開発が加速している背景がある。本書は「宇宙倫理学」と書名に(聞き慣れない言葉だ)入っているように、そうやって人間が宇宙に出ていく際に不可避的に発生する倫理/哲学的な問いかけについての一冊だ。 そうした説明だけをきいてなるほど! 宇宙での倫理を問うのねわかるわかる! とはならないだろうから(僕も

テクノロジーが進化し、世界中の人たちは密接につながりだした。人類には、太古からのナレッジだって十分に溜まっている。それでも世界情勢は安定せず、中東をめぐる問題は予断を許さない状況が続いている。 とりわけ深刻なのが、大量の難民が雪崩をうったようにヨーロッパへ流入し、深刻な社会問題を引き起こす可能性が高いということだ。驚くべきことに、このヨーロッパへ流入した難民

著者の木下斉氏は、全国各地でまち会社への投資や設立支援を行っている「まちビジネス事業家」である。 高校時代から早稲田商店街の活性化事業に参画し、在学中に全国商店街の共同出資会社である株式会社商店街ネットワークを設立し、現在は全国のまち会社による事業連携・政策立案組織である一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスの代表理事を務めている。また同時に、内閣

学生時代からメキシコの貧困層の生活改善運動を研究しストリートチルドレンを見守り続けてきた、フリージャーナリスト工藤律子は2014年に気になるニュースを目にする。近年、中米からアメリカに不法入国する少年たちが増加しているという内容だった。記事によると、単独で国境を越えようとして米・国境警備隊に拘束された未成年5万2000人のうち、75%以上がホンジュラス、グア

安倍晋三首相が28日に米・ハワイの真珠湾を訪問した。当初は、今回が現職首相として初の真珠湾訪問とされていたが、吉田茂、鳩山一郎、岸信介も首相在職時に訪れていたとの報道も出てきた。突如、過去に3首相の訪問が浮上してきたわけだが、真珠湾上空で男女の情事を撮った男は日本どころか世界でも一人であろう。 村西とおる。もはや過去の人かもしれない。十数年前に息子が超有名難

日本は他国に比べ生産性が低いそうだ。最近は書店でも生産性の向上を唱える本をよくみかける。確かにわずかな努力で最大の成果を生み出せればこんなにいいことはない。生産性の向上、大賛成である。寝ながらにしてレビューが書ければ最高である。 ちょっと変わった味わいの短編の名手として知られるロアルド・ダールに、「偉大なる自動文章製造機」(『あなたに似た人Ⅱ』所収)という作

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 首藤 淳哉はラジオ局で朝の番組を担当する、敏腕プロデューサーだ。ラジオ業界きっての読書家で、 「嫁に隠れて本を買う」と題したブログ は業界の内外を問わずファンが多い。一週間前に面接したばかりなのに、既にレビューを2本も送ってくるアウトプットの速さは、マスコミ人として培われたフットワークの賜物なのか? それとも…。今

「結局私たちは、どんなまちに住むのが幸せなのか」 センシャス・シティである。これが、本書の結論だ。 センシャスは日本語にすると「官能」、センシャス・シティは「官能都市」、艶やかな響きである。官能という言葉から、反射的にポルノチックなニュアンスが思い浮かんでしまう。しかし、官能の本来持つ意味を調べると、「感覚器官の動き」である。まず、センシャス・シティが夜遊び

超ひも理論である。HONZ代表の成毛眞とともに挑んだが、まったく歯が立たなかった難攻不落の理論である。まぁ、ひょっとしたら、挑んだ相手というか、説明してくれた人が悪かったのかもしれない。我々を十分に納得させてくれんかったのだから。その敗北記は、東洋経済オンラインの『天才物理学者・浪速阪教授に聞く、その1、その2』に詳しい。 その浪速阪教授こそ、小説『超ひも理

過激な発言や過去のスキャンダルのために共和党候補にすらなれないと思われていたドナルド・トランプが、世界最強国家アメリカの次期大統領となることが決まった。リーマン・ショックに端を発する不況が、世界を不安で包み込もうとしていた中、若く聡明なマイノリティのバラク・オバマに希望を託した人々が、8年後の今は、対極とも思える人物をリーダーに選んだのである(その選挙制度の

中米から米国へ不法入国する若者が急増している。それも、メキシコよりさらに南の中米諸国から。2014年夏、そんなニュースが著者の目に留まった。 2013年10月から2014年6月中旬までの間、単独で国境を超えようとして米・国境警備隊に拘束された未成年者の数は約52,000人に上る。そのうち75%が、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスの中米3ヵ国の出身だっ

去る12月2日に日本財団で行われた「Bコーポレーションを知る会」に出席してきた。 Bコーポレーションという言葉 は聞き慣れないかも知れないが、アメリカの非営利団体B Labが運営する、社会的責任や持続可能性などを評価する認証制度で、「TransFair」がフェアトレード・コーヒーを認証するのと同じように、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を

2015年、地方寺院の困窮を詳細に調査した『寺院消滅』(日経BP)が大いに話題となった。その著者の次のテーマは「多死(大量死)時代の到来と葬送の変化」。社会の高齢化に伴い、今後25年ほど死亡者の数は増え続けると予想されている。 現在でも都会の火葬場は満杯の状態が続いている。待機期間は1週間から10日にもなり、遺体を保存するホテルのような施設もでき始めている。

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 小松 聰子は精密機械メーカーに勤務するワーキングママだ。先日 『ブルマの謎』の客員レビュー を寄稿してもらったところ大きな反響を呼び、即、正規メンバー入りが決まった。愛称はもちろんブルマー小松。そんな彼女が仕上げてきた次なる原稿のテーマは「うんこ」。「ブルマー」から「うんこ」へ、この流れで本当に大丈夫なのか!? そ

大病というのは人生の意味を明確にするはずだったが、私にわかったのは自分が死ぬということだけだった。でも、そのことは以前から知っていたのだ。 誰もがうらやむような経歴を持つ若き脳神経外科医が、不治の肺がんとの診断をうけた。それまでに学んできた哲学と医学を最大限に活かし、自らの人生と病いを深く洞察し、奇跡など決して信じることなく、行く末にある死を冷徹に見つめ、生

本書は2016年5月に発売され、全米でベストセラーになった"Blockchain Revolution: How the Technology Behind Bitcoin Is Changing Money, Business, and the World"の邦訳である。本書の表書きを見ると、次のように書かれている。 「インターネットに比肩する発明によって

ハーバード大学やプリンストン大学をはじめ、全米200以上の大学で採用さている教科書『 Evolution: Making Sense of Life 』の邦訳3分冊の第1巻である。「教科書」といっても、本書は議論の余地のない事実が淡々と積み上げられた退屈なものではない。原著者は『 ウイルス・プラネット 』等で知られる大人気サイエンスライターのカール・ジンマー

コンピューターが人々の生活に浸透されたのをきっかけに、世界中のデザイナー達はその化学反応から起こりうる未来を予測してきた。本書はそこから生み出されたデザインの数々を紹介し纏められたものである。 それは「人間と非人間」をつなぐ新しい領域のデザインかもしれない。 本書に登場するのは、グラフィックデザイナー、MoMAキュレーター、書体デザイナー、インタラクションデ

麻木久仁子さんがHONZでグラフィック社の『 一汁一菜でよいという提案 』(土井善晴著)の書評を書き、自身でもfacebook に「本日の一汁一菜」の写真をアップしているのを見て、これ美味しそうだな・・・HONZでこういうのもありなんだな・・・と思っていたら、ちょうどダイヤモンド社から『まいにち小鍋』(小田真規子著)が出版された。 ダイヤモンド社が料理本を出