
おすすめ本レビュー
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年末年始は巣ごもりだ
単行本だけで読みかけの本がこれだけある。読みかけとは本文を少なくとも10ページは読んでいるということだ。この2倍以上の本に目を通したのだが、12月の予選を通過したのはこの12冊である。発注中の科学読み物などが追加されるので、年末年始は大変なことになりそうだ。 さすが年末だ。そこへファイナル・ファンタジー13とゼルダの伝説の新作が届いたのである。FF13につい

『外国人が見た近世日本』
5人の江戸学者たちの論文集である。それぞれの学者はこの分野の出版活動では有名である。ボク自身が最近読んだ本をあげて紹介すると。『天下人の一級資料』の山本博文、『首都江戸の誕生』の大石学、『殿様の通信簿』の磯田道史、『幕末日本の情報活動』の岩下哲典の4人を江戸東京博物館館長の竹内誠がたばねている。 竹内による序論によると、2005年に竹内の呼びかけで「日本人再


『気候と人間の歴史・入門』
専門家からは批判があろうが、著者はアナール派というよりも、ブローデル派とでもいうべき歴史学者だ。気候がどのように歴史に影響を与えたかというアプローチであり、それはフェーブルとは異質で、まさにブローデル的である。 ともあれ、本書は「11世紀以降」の「ヨーロッパ史」に気候が与えた影響、または気候変動が作りだしたヨーロッパ人の活動史についての入門書だ。けっして「地

『みんなが知りたいペンギンの秘密』
タイトルで買った本だ。この新書の「みんなが知りたいシリーズ」の一冊なのだが、「ええーっ!みんな、そんなにペンギンのことを知りたいのか」「もしかすると、オレだけがペンギンにさほど興味を持ってなかったのか」「ところでみんなって一体誰なんだ」など、ペンギンについてではなくタイトルのほうに気がそそられてしまう。 読みすすめると、たしかにペンギンは可愛い。シュレーター

NODE No.9 書評 『すずしろ日記』
『北斎漫画』が好きだ。何千人もでてくる人物はそれぞれに可笑しみがあり、当時の風俗を知る画像情報でもある。 『洛中洛外図屏風』も好きだ。金箔を使った狩野派による屏風絵だ。もちろん、諸国の大名などが京を知るための画像情報が本分である。 ところで本書の著者である山口晃によれば「イギリスが狩野派を讃えるのをあてこすって、フランスが「北斎がすごい」と持ち上げた」のだと


『大名行列を解剖する』
読みながら「ふーん」「へーっ」「はぁー」「ほーっ」と感嘆詞が止まらない。帯には「大名行列はなぜ長い? 派遣・アルバイト・格差社会・・・」などとあるから、面白江戸読み物だと思うとさにあらずだ。 著者の主要著書は『近世武家社会の形成と構造』などであるから、けっして歴史読み物作家ではなく、立派な史学の先生なのだ。「あとがき」でも大名行列に注目している理由として「近

『日本人とナノエレクトロニクス』
非常に要領よくナノエレクトロニクスの進展とそれに関わる日本人研究者について書かれた本である。テーマの選択も妥当であり、この分野の啓もう書としてはもっとも優れた本であろう。6つの主要技術についてそれぞれ1章をつかって説明したあとに、これからのナノエレクトロニクスについて語るという構成だ。 第1章は集積回路についてだ。キャパシタとMOSFETなどを使って視覚的に

『CTは魔法のナイフ』
東芝の現役エンジニアが書いた本である。専門は工業用CTだ。CTの工学的な入門書というようなものはなく、CTで人体以外のものを見たら意外と面白かったという感動を伝えたかったらしい。 前半ではレーシングカーのエンジン、メロン、牛、マンモス、異物発見、文化財などを、それぞれの依頼人の要望に合わせて切ってみせる。メロンの味は糖分だけで決まらず、意外にもCTで判るとい

週刊朝日12月11日号 「ビジネス成毛塾」 『キリマンジャロの雪が消えていく』
本書のタイトルは『キリマンジャロの雪が消えていく』と抒情的だし、副題も「アフリカ環境報告」で、地球温暖化を恨むばかりの、ありふれた書籍の一冊であるように見える。 しかし、本書において温暖化問題は議論の一部でしかない。人口爆発とその影響、天然資源とガバナンス、先進国の援助とその光と影など、多様な観点からアフリカの現在が描き出されている。 これからは本書を読んで

『ルワンダ中央銀行総裁日記』
kiokadaさんからいただいたコメントに対するレスポンスである。本書は20才の時に読んだ。読了後、日銀に入りたいと熱望した、外務省でももちろん良いと思った。しかし、学力が全くついていかなかった。本当に悲しかったのは覚えているが、結局すぐ忘れて別の本を読んでいたのだろう。もちろんお会いしたことはないが、服部正也さんはいまでもボクのヒーローである。 1965年

『強い者は生き残れない』週刊朝日1月22日号「ビジネス成毛塾」元原稿
著者は数理生態学を専門とする進化理論の研究者である。5年ほどまえに『素数ゼミの謎』という本で科学好きの間で話題になった学者だ。 アメリカには13年や17年という長周期で大発生するセミがいる。その周期がなぜ素数なのかという理由を進化の観点からつきとめたのだ。 本書はいよいよ著者の本職である生物の進化について、一般人にも分かりやすく書き下ろした本だ。著者によれば

『嵐山吉兆 男子の台所』
帯は小山薫堂氏だ。「すべてを手に入れた男こそ、読むべし!これから夢に向かう男も読むべし!料理の腕があがる分だけ。人生はもっと豊かになる。」本書はミシュラン3ツ星シェフによる料理指南書だ。 紹介されているレシピは「鶏のむね肉の炭火焼」「大根のステーキ」「目玉焼き」「オムライス」など材料も手ごろで挑戦できそうなものもあるが、「特上サーロインステーキのたれ焼き」「

『ホリエモンが目覚めた“頭を使う”ゴルフ』
まだ発売されていない本の書評だ。じつは本書の監修をしている伊藤正治はボクの元コーチである。自宅から一番近い打ちっぱなし練習場、武蔵グランドゴルフで開業している独立レッスンプロだ。一昨年、レッスンを受け始めたのだが、2ヶ月後に腰痛で入院してレッスンは中断した。入院したのはボクではなくプロのほうだ。 しばらくしてホリエモンとゴルフをしているときにゴルフ本を出すこ


『New York September 11』
先週、ロンドンのシティを歩いていたら、いきなり9・11が激しくフラッシュバックした。9・11の夜は赤坂のイギリスパブのようなところで友人たちと飲んでいたからかもしれない。 第1報は当時財務省から経産省へ出向していた岸本周平(現民主党衆議院議員)の携帯に入った。WTCの飛行機が激突したという。彼は慌てて役所に帰っていった。次々と役人たちの携帯が鳴る。このときば

『大人げない大人になれ!』
新刊自著の紹介-自信作です-いくつかの章を丸ごと抜き書きしてみます ■失敗しないためのただ一つの方法 挫折や失敗を知らない人はダメだと言われることがあるが、私はそんなことはまったく信じていない。私自身これまでに挫折をしたことはないし、これからもしたくはない。それでも自分がダメだとは決して思わないのだ。 マイクロソフトで部長をやっていたとき、ある人から「君は失


週刊朝日11月13日号「ビジネス成毛塾」 『世紀の新薬発見』
『世紀の新薬発見 その光と影の物語』は二つのまったく異なる自伝をまとめた本だ。ひとつは結核の特効薬ストレプトマイシン発見の物語。もうひとつはナチによるホロコーストの幼児生存者の物語だ。今回はその前半を取り上げてみたい。 ストレプトマイシンが発見されるまで肺結核は死の病であった。1950年までは日本においえる死亡原因の一位である。 数億人もの人類を救うことにな

『芸術新潮』2009年11月号「冷泉家のひみつ」
今月号はお買い得だ。これで1400円は安い。素晴らしい写真と文章による冷泉家と家宝についての特集だ。現在、東京都美術館で開催されている「冷泉家 王朝の和歌守展」とリンクした特集なのだが、東京在住の人にとってもこの号を読むだけで満足してしまいそうだ。 ともかく美しい。定家の「拾遺愚草」も美しいが、俊成の「日野切千載集」には圧倒される。まさに「仮名のきわみ」だ。



大作家”ろくでなし”列伝
福田和也が雑誌『ダ・ヴィンチ』に連載していた「ろくでなしの歌」を収録したものだ。昨日のブログで紹介した『アスペルガー症候群』では、取っつきにくいがオタク的な才能があるという、いわば理系な変人が紹介されているのだが、この本は「ろくでなし」の小説家ばかりを取り扱っている。彼らは普通に考えると変質者だ。知り合いにも隣人にもなりたくない。 たとえば永井荷風について最

『アスペルガー症候群』
以前、ある有名大学で自分のビジネス体験について講演した。具体的なエピソードのひとつとして、ビル・ゲイツがアスペルガー症候群である可能性があり、それゆえの常人ならざる仕事ぶりを紹介した。授業後のアンケートを読んでみたところ、ある学生が「自分の上司だった人の病気をあからさまにすることに気分が悪くなった」というのがあった。 なるほど、世の中には若くても狭量な人もい
『大人げない大人になれ!』の前触れ
書評といってもまだ書店では売っていない本である。ダイヤモンド社から11月に出版される本だ。著者はボク自身である。やっとゲラまで漕ぎつけた。このために本ブログの書評が滞っていた。明日からブログはまた通常運転です。

『小林かいちの魅力』
京都旅行中に発見した本だ。副題にあるように「小林かいち」は京都においてアール・デコ様式のデザイン画を描いていた画家だ。生まれは明治29年、昭和43年に72歳で亡くなっている。亡くなる直前まで着物の図案家として染物屋に勤務していたらしい。その「かいち」が本書のテーマであるアール・デコ調のデザインをしていたのは27歳から45歳までのことであるらしい。 本書の構成




『菜根譚』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』
○『菜根譚』洪自誠 味わうほどに深みがわかる「生き方」本の決定版 ○洪自誠 生没年は不明。明の万暦年間(1573~1619年)の人といわれる。儒仏道の三教に精通した博学高識の士で、晩年は閑居し、世俗を超越した心境をもって隠君子として生きたといわれる。つねに困苦に耐えて人格を磨き、『菜根譚』を記した。 ○あらゆる世代の共感を呼ぶ随筆集 『菜根譚』は、中国明代末

『一般論』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』
○『雇用・利子および貨幣の一般理論』ケインズ 20世紀初頭の世界恐慌に解決策を示した、近代経済学の出発点 ○ジョン・メイナード・ケインズ 1883~1946年。イギリス、ケンブリッジ生まれの経済学者。ケンブリッジ大学で教授を務めたほか、大蔵省、イングランド銀行などで活躍しながら研究を重ねた。『貨幣論』『平和の経済的帰結』など、著書も多い。20 世紀最大の経済

ロンドン・エコノミスト 9月19-25日号
先ほど届いたロンドンエコノミストはいつもになく妙な特集だ。それはともかく、慌てて日本の民主党についての一般記事を読んでみた。 「慌てて」というのは、ボクは組閣以来の鳩山内閣のすべてに本当にワクワクしているのだ。生まれてから初めて、大臣になって浮かれているバカの集合ではなく、チームで運営されている内閣を見たのだ。おそらく手錬の外資系ビジネスマンなどは皮膚感覚で

『法の精神』 『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』
○『法の精神』モンテスキュー 体制批判の書が世界の政治システムを変えた ○シャルル・ド・モンテスキュー 1689~1755年。フランス生まれ。啓蒙思想家、歴史家。膨大な数の資料に基づいて1748年、20年をかけたライフワーク『法の精神』を刊行、その思想はのちに「アメリカ合衆国憲法」や「フランス人権宣言」にも影響を与えることになった。 ○体制批判が大ベストセラ

『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』 宣伝書評
長い書名の本の監修を引き受けた。『図解仕事力が身につく 必読の「古典」50冊』だ。B5版95ページ2色刷り本体1080円である。本書の作りは右ページに本文、左ページは図解だ。シルバーウィーク中に何点かの本文を掲載してみることにする。