What's the problem 『経済古典は役に立つ』 竹中平蔵
採点:★★★★☆ 「経済学史」はもちろん、「経済学的考え方」に興味のある人におすすめ。 経済古典について、その古典が対象とした問題(とその問題を生み出した次代背景)と著者の経歴、思想の起点が簡潔にまとめられており、経済学に馴染みの無い人でも十分楽しめる。 政権交代の経済学 (拙ブログの書評) と併せて読めば、経済関連ニュースでよく聞く言葉の意味がざっくり理解
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採点:★★★★☆ 「経済学史」はもちろん、「経済学的考え方」に興味のある人におすすめ。 経済古典について、その古典が対象とした問題(とその問題を生み出した次代背景)と著者の経歴、思想の起点が簡潔にまとめられており、経済学に馴染みの無い人でも十分楽しめる。 政権交代の経済学 (拙ブログの書評) と併せて読めば、経済関連ニュースでよく聞く言葉の意味がざっくり理解

おそろしく読み応えのある「解説」が付属している本である。なんと村上春樹がたっぷり6ページの解説を書いているのだ。村上は本書だけでなく、先行したテレビ番組も見てから、この解説を書くという念の入れようである。それもそのはず、村上は1987年に本書『ヘンテコピープルUSA』の著者ルイ・セローの父親であるポール・セローの著作を翻訳しているのだ。しかし、大作家の村上が

765ページ、寄稿者は118人、定価2980円である。寄稿者1人当たりのページ数は6.5、価格は25円だ。あきらかに「お、ねだん以上」だが、10冊ほど買わないと椅子としては使えない。 論点1の堺屋太一「移民の受け入れこそ、需要を創り知日派を創る」という論文だ。個人的には反対。縮小均衡しても日本文化を残すべきだと思う。とはいえ、この論文をトップに持ってくるセン

採点:★★★☆☆ 「脳」に限らず、科学と世の中の関わりに興味のある人におススメ 大ヒットゲームソフト 脳トレ (正式には、東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング)の生みの親である川島隆太氏が自らがどのように「脳科学」の分野を切り開いてきたか、脳トレブームによってどのような影響が生じたか、産学連携はどのようにあ
採点:★★★★★ 星新一好きはもちろん、アイデア発想法、「新ジャンル」の創造に興味がある人にもおススメ。最高峰の伝記 学生の頃は熱心に読んでいた星新一が星製薬の御曹司であったことすら全く知らなかったが、その人生は想像を超えてドラマに富んでいる。上下巻に分けても各々が400ページを超える分量だが、全く飽きることなく読了した。 ■感想 本書を読むと星新一と話をし

本書のタイトルに使われている「文化誌」という言葉を勝手に解釈してみると、ある事柄についてのトリビアを、愛を持って書物のレベルにまでしたというほどのことであろうか。本書の著者はフランス人の化学者なのだが、その並々ならぬ柑橘類への愛をこの一冊に結実させている。もちろん柑橘類とはオレンジやレモンのことだ。本書によれば、世界の柑橘生産量は年間1億トン。数千種が確認さ

「NODE」は アート雑誌である。この雑誌の「ビジネスに効く、非ビジネス本」という書評欄を担当している。 著者のオリヴァー・サックスは現役の脳神経科医であり、アカデミー賞ノミネート映画「レナードの朝」の原作者だ。レナードの朝では治療不能な難病「嗜眠性脳炎」の患者とその主治医が主人公だった。嗜眠性脳炎とは30年以上も眠り続けるという不思議な病気だ。映画になるま
採点:★★★★☆ 特許、知財に興味がある人はもちろん、「イノベーション」に関心がある人にもおススメ。 しかし、「そもそも特許って必要?」「特許によるインセンティブがイノベーションを促進してるって本当?」という問いはあまりなされていなかったのではないだろうか。本書はその問いに経済学的視点から考える一冊。 「事実に基づいて論理的に考える」トレーニングにもってこい

「秋の夜長に買いためている本」など書籍リストのエントリは、実際に買った本の20%程度を紹介したものである。ここでは期待できそうな一般向けの読み物だけを選んでいる。マニアや研究者向け、MOOKや、読んでみなければわからない新人や、自費出版系は普通は紹介しない。ボクがどんな本を買っているかに興味がある方もいるようだから、今回はその中から何点か紹介してみよう。 『
採点:★★★★☆ 「つながり」好きな人も「つながり観察」が好きな人にもおススメ。研究者の考え方、生き方にも触れることができる ネットワーク・サイエンスの分野で面白い本がぽろぽろとでてきた。 群れのルール ( 拙ブログ )は見聞きしたことの無い事例に驚きっぱなしだったが、本書は副題に「入門」とあるようにネットワークサイエンスが如何に発展してきたか、その中で一研

中国が劉暁波のノーベル平和賞受賞に対して、ノルウェー政府に圧力をかけている。当然予想されたことであり、ノルウェーにとっては覚悟の授賞決定だったはずだ。この件では中国の横紙破りぶりだけが報道されるのだが、ノルウェーの意図や覚悟についての報道はほとんどない。じつに不思議である。そもそもノルウェーの実態について良く知らない。そこで本書を買ってみた。 ところで、本書

秋の夜長用第2部である。しかしよく考えてみると、秋の夜こそは飲みに出かけることが多い。本を片手に吉祥寺のハモニカ横丁とか井之頭公園脇あたりでダラダラしていることが多い。大好きな季節になってきてうれしい。札幌出身なのだが、冬はキライなのだ。 ところで、今日は『無菌室ふたりぼっち』の発売日だ。書評が早すぎたのであらためてリンクを張っておくことにする。 http:

いよいよ読書の秋である。秋の夜長をじっくり楽しむためには、事前に本を仕入れておかなければならない。目の前に山と積んで、こいつらはさぞかし面白かろうとニヤニヤしながら酒を飲むのも楽しみのひとつであるからだ。 『ナポレオンの妹』 美しい装丁の本だ。韓紅(からくれない)を背景に、主人公であるポーリーヌの大理石像が配置されている。ボルゲーゼ美術館に「勝利のヴィーナス

本書はまだ店頭では販売されていない。著者本人から刷り上がったばかり本を直接いただいたのだ。著者は「週刊朝日」の現役編集者だ。ホリエモンとボクの連載も担当している。昨日3人での打ち合わせの最後に本書を取り出したのである。そして「じつはボク2年前に白血病で骨髄移植を受けたんですよ。この本はその記録です」と言ったのだ。2人は驚愕して思わず顔を見合わせた。 本書によ
採点:★★★★☆ 「起業」「ベンチャー」に興味のある人はもちろん、大企業で働くビジネスマンにもおススメ。 人気メルマガisologueの磯崎氏による、「起業」に必要なファイナンス知識の全体図。私のように理系でちゃんと会計を学んでいない人にも非常に分かり易い。著者は必要のない細部を省いて全体像を伝えるのが非常に上手い!メルマガもおススメ。 ■あらすじ そもそも
採点:★★★★★ 「科学的にものごとを考える」ことに興味のある全ての人におススメ。なぜ「うつ」のCMが多いのかよく分かります 本書は2009年7月に幻冬舎ルネサンスより出版されたものの文庫版(一部加筆アリ)であるが、文庫化されるまでその存在を知らなかった。1人の医者が世の中で起こっていることに対する素朴な疑問を様々なしがらみを越えて、科学的な視点から解き明か

新潮社の月刊誌「波」に掲載された原稿だ。「波」は128ページに本の話題が満載されている雑誌で定価は100円。3年間で2500円。驚いたことに送料込である。A5判なので持ち歩きにも便利。つい申し込んでも損はないと思う。 http://www.shinchosha.co.jp/nami/ --------------------------------- ヨーロ
採点:★★★☆☆ 「表」の中国に興味のある人におススメ。どぎついアングラ話ではないから余計に恐い・・・ 経済でも政治でもとにかく中国の動きが目立ち始めた。日本の2000年の歴史を考えると江戸時代以降の中国との関わりの薄さの方が異常だったのかも。この近くの超大国は無視できない。経済危機以降の中国の「今」を地下から眺める一冊。 ■あらすじ 様々な視点から中国レポ

白水社からいきなりヴェネチア関連書籍の2連発である。来年のカーニバルに行ってみようとホテルを予約したばかりだ。まさに「渡りに船」ならぬ、「ヴェネチア旅行にゴンドラ」だ。ちなみに来年のカーニバルは2月25日から3月8日。最高潮の最終週土曜日は3月5日である。 『ヴェネチア・ミステリーガイド』は旅行ガイドブック仕立てだから、4泊5日の5章構成である。1日目はドゥ
採点:★★★☆☆ 「イランってアラブの中でも大国だよな」と思っている人におススメ。 同じく新潮新書の イスラエル(拙ブログ) と併せて読めば、中東情勢の概観が理解しやすくなる。ブッシュJrに北朝鮮とひとくくりにaxis of evilと呼ばれた国の現状について解説した一冊。相変わらずAmazonの写真すらない。。。 ■あらすじ 毎日新聞テヘラン支局長として4

本年これまで読んだ本のなかでもっとも面白い本だ。スピードあふれる科学読み物にして、稀代の植物学者の伝記である。読み終わってみると、たった14ページのプロローグだけでも、付箋を6枚も張っていた。2ページごとに、引用したくなる文章が書かれている本などめったにない。 1998年ウガンダで「黒さび病」という小麦の伝染病が発見された。壊死率は80%。病原菌はやがて紅海
採点:★★★☆☆ 「イスラエルとアメリカって何で仲いいの?」という人におススメ。イスラエルを概観するのに適した一冊 イスラエル関連本は山ほどあるが、古代の人々の名前や地名がそもそも覚えにくくて中々頭に入ってこなかった。本書は過去の歴史は概観にとどめ、アメリカ(のロビー)との関係を中心に現在にスポットを当てており、同じく新潮新書の イランはこれからどうなるのか
採点:★★★★★ 2010年科学読み物で現在のところNo.1の面白さ!生物多様性に興味があるひとには特におススメ 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催を目前に控えて、文藝春秋が立て続けに良書を翻訳出版している。 地球最後の日のための種子 と併せて読めば、「多様性」の「重要性」が理解できる。本書にある図版は原著にはないものらしく、文藝春秋エライ

ほぼ半月ぶりの書評だ。しかも新刊ではない。本書は2009年6月の発行なのだ。先日、ツイッター上で古本屋での掘り出しモノ探しの話題があり、気になって探し出した本だ。これが大当たりだった。 著者は高崎市に住む、還暦を超えた予備校講師。月々40万円のローン返済がある。そのうえで少子化の影響で勤めている予備校から減給を申し渡された。もはや、自己破産をする前にせいぜい
採点:★★★★☆ 「官僚」の生態に興味がある人におススメ 日垣隆さんがツイッターで薦めていたので購入。著者である寺脇研氏は「ミスター文部省」「ゆとり教育の海の親」等とも呼ばれ、あまり良い評判を聞いたことがなかったが、そのようなレッテル張りには意味が無いとつくづく思った。本書では「官僚」がどのように考え、どのように行動する人たちなのかが丁寧に描かれている。 ■
採点:★★★★★ 「食べる人」つまり、全ての人におススメ。科学的な面はもちろん、1人の男の冒険譚としても面白い。 ■あらすじ プロローグは1998年ウガンダで発生したUg98の発見からスタートする。Ug98は小麦を襲う伝染病であり、防御遺伝子を具えているはずの小麦の標本をも圧倒し、その壊死率は80%にも達していた。 農家は「最大収穫量」を目指して、最も収穫量
採点:★★★★★ 国際機関、国際NGOに興味がある人は必読。「ボランティア」に胡散臭さを感じる人にもおススメ。 日テレの24時間テレビに関して、ネット上では様々な議論がされていた。擁護派からは、「やらない善意よりやる偽善」という言葉が出ていたが、「やる偽善」が常にその受け手にとってよい結果をもたらすとは限らない。現場、最前線で「貢献」を背負ってきた著者の言葉

本書についてはある週刊誌の書評で取り上げる約束をしてしまった。原稿の〆切は明日である。掲載誌の発売は3週間後になる。それまでとても待てないので、一言だけいっておきたい。「いますぐ買って読むべし」。本年、最高の科学読み物にして伝記になると思う。それでも疑うのであれば、本屋で14ページ足らずのプロローグを立ち読みするべきだ。書評用に付箋を張るくせがあるのだが、プ

ここ20年間、モロッコ、ネパール、ケニヤなど開発途上国の観光地を中心に家族旅行してきた。逆にイタリア以外のヨーロッパを観光したことはない。ヨーロッパ旅行は老後にとっておこうと思ったのだ。とりわけヴェルサイユ宮殿などは最期の際で良いと思っていた。 ヴェルサイユ宮殿がつまらないとか、楽な旅行だからというわけではない。先進国の観光地は200年後に行っても、いまとさ

『日本人へ』を読む必要があって駅前の書店にいったら、面白そうな新書がちらちら出ていた。 『日本人へ』 塩野七生が文藝春秋に連載しているエッセイである。『リーダー篇』128頁の「気が重い!」で考え込んでしまった。「(『ローマ人の物語』が完結するという)先が見えたとたんに襲ってきた恐怖」があったという。さらに、イチローも同じことを語っていたと塩野はいう。自分で何
採点:★★★★☆ サブプライムの裏側でどんな人がどんなこと考えてどんなことやってたか興味ある人におススメ。 サブプライムローン、リーマンショックに関する書籍はその内部関係者のものも含めて沢山出ているが、本書はウォールストリートを出し抜いた人達の話。アメリカではかなりのヒットになっているようだが(米アマゾンでも480件のコメントがついている)、邦訳はまだ出てな

本書の骨子は、ネット時代には新しい経営学や組織論が有効であり、そのためには生物学の知識が役に立つというものだ。しかも、この場合の生物学とは、個体の研究ではなく、群れとしての生態を観察することだというのだ。 例をあげてみよう。5つの選択肢をもつ超カルト・クイズを考えてみる。回答者は5つのうち、どれか1つだけは不正解であることを知っていることにする。個人が正解す
採点:★★★★☆ 「私は有機野菜食べてるから長生きできる!」って思ってる人にはおススメ。 副題が示すとおり、食に関する「気分のエコ」が間違っているだけでなく、いかに害を及ぼすかをデータを基に明らかにしていく。巷に溢れる「地産地消」「有機農業」などのキーワードを軸に、これまでとこれからの農業・食料について概観する一冊。 ■あらすじ 「気分のエコ」に対抗するため

『偉人リンカーンは奴隷好き』 高山正之の「変見自在」シリーズ第5弾である。面と向かって知り合いに「厭味」をいう人に、本物の悪人はいないと思う。「罵る」と「厭味」は異なるのである。著者は産経新聞出身の名物コラムニストであり、毎度「厭味」を言われるのは朝日新聞と船橋洋一だ。「厭味」なのだから、真に受けて著者に対しても、登場人物に対しても、怒ったりしてはいけない。
採点:★★★☆☆ 日本の金融工学「史」に興味がある人におススメ。理系研究と世の中の繋がりも考えさせる 日本の金融工学における「元」横綱である著者による、日本における金融工学の担い手とその役割を振り返りながら、サブプライムローンに端を発する今回の金融危機の原因を探る一冊。本書を読んでも金融工学が具体的にどのような理論の元に成り立っているかは分からないが、数式が
採点:★★★★★ 誰にでもおススメ。どんな人でも何かを感じるはず。 日本は「太平洋戦争」「大東亜戦争」を戦っていたそのとき、大西洋でも、ライン川でも戦争だった。日本にいては第二次大戦中のヨーロッパの状況につい詳しくしる機会はあまりないが、本書にはそのときの現状が生々しく再現されている。パンのことが頭から離れなくなるほどの極限状態に追い込まれたユダヤ人の少年、

http://www.wowow.co.jp/drama/bob/ http://www.wowow.co.jp/drama/pacific/ テレビドラマ「バンド・オブ・ブラザース」と「ザ・パシフィック」がWOWOWで放送中だ。両ドラマともにスティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスが発案・製作総指揮をとっている。 前者は第二次世界大戦・ヨーロッパでドイツ
採点:★★★★☆ 組織論や集合知に興味がある人におススメ。自然の偉大さに圧倒されます。 一匹一匹では何も考えずにただ餌を運んでいるだけのように見える蟻が、何故道を間違えずに巣に辿りつけるのか?何故あんなに複雑な巣を作れるのか?個体としてみるとなんてことない生物が集合としては非常に優秀なシステムとして働く。そのシステムは人間の世界に応用可能であり、既に実践は進