
『第二の地球を探せ!』 数十光年の空を超えて
本書は、「第二の地球」を探し、宇宙に生命を求める研究の最前線が紹介されている本である。 ほんの20年ほど前には、木星のような大きな惑星ですら太陽系外では発見されていなかった。太陽以外の恒星のまわりを周回する惑星が初めて実際に観測されたのは1995年。ガリレオ・ガリレイによる天体の観測から400年後の2009年には、太陽系の外の惑星が満ち欠けしていることを示す
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本書は、「第二の地球」を探し、宇宙に生命を求める研究の最前線が紹介されている本である。 ほんの20年ほど前には、木星のような大きな惑星ですら太陽系外では発見されていなかった。太陽以外の恒星のまわりを周回する惑星が初めて実際に観測されたのは1995年。ガリレオ・ガリレイによる天体の観測から400年後の2009年には、太陽系の外の惑星が満ち欠けしていることを示す

1993年、僕たちふたりはチューリッヒの高速道路のすぐ脇に住む自転車乗り兼デザイナーでした。ある日、キッチンの窓から外を眺めていて、あの汚れた、10万マイル走るトラックのターポリン(防水シート)であつらえたメッセンジャー・バッグがあったらいい感じだろうとひらめきました。そのバッグは一点もので、リサイクル素材のみで作られており、丈夫で防水仕様。それは実現しまし

俺は、逆転したいだろうか? 『逆転!』という題名、「弱者の兵法」と書かれたオビを見て思った。自己申告で、どちらかと言えば弱者。勝ちたいかと言われれば、そりゃ勝ちたい。くらいか。原書の題名は、"David and Goliath"だ。ゴリアテに勝ったダビデのように、弱者が強敵や逆境に勝てる秘密は何か。 『氷川清話』 に出てくる横井小楠の話のように、失敗を都合の

私は、少なくとも半分は間違えた。正確に何個かは、数えないこととしたい。 まちがえたのは、本書で紹介されている自分でも試せそうな実験が「どんな結果になるか」だ。たとえばこんなのである。 ロウソクを使った問題です。 ロウソクに火をつけてビンをかぶせると、火は消えてしまいます。 では、ここからが問題です。 高さの違う2本のロウソクを並べて、火をつけます。 ここにビ

本書は「主観的な感覚や意識はどこから生じてくるのか?」という問いに関する最新の研究成果が紹介された一冊だ。意識の研究ほど、広く根源的なテーマはない。私が死んだら、私の意識はどうなるのだろうか?犬には意識があるだろうか?コンピューターが人間と同じような意識を持つことはあり得るだろうか? 「コッホ博士、私にはサルに意識があるとはどうしても思えません!」 そこで私

東京大学総合図書館にある、96冊の『君拾帖』。普段は地下書庫に仕舞われており「貴重書閲覧室」でしか見られないこのシリーズを、画文家のモリナガ・ヨウさんが写真とイラスト・文章で紹介したのが本書だ。「君拾」(実際は「君」の漢字に手偏がついている)なんて人生で初めて聞く単語であったが、集めて拾うという意味だということで、「君拾帖」とは、要はスクラップブックというこ

本書は、サルによる実験を通じて「愛情」の研究を行ったハリー・ハーロウ教授の伝記である。 著者は、「霊長類を動物実験として用いることについての倫理問題」を論じた連載でピュリッツアー賞を受賞し、当初はハーロウ教授が行った実験について批判的であった人だ。しかし、その後、「育児放棄」の破壊的な影響について連載した際に考え直す。 結局のところ、これはハリー・ハーロウの

本書は読者に多くの視点を与えてくれる本だ。 歩くこと、織ること、観察すること、歌うこと、物語ること、描くこと、書くこと。これらに共通しているのは何か? それは、こうしたすべてが何らかのラインに沿って進行するということである。 “ライン”には色々な意味がある。時間的なライン(物語・生命)があり、空間的なライン(線・境界)があり、両方が混ざり合ったライン(軌跡)

下のビデオは、本書でも紹介されている御茶ノ水女子大学の郡宏さんの実験である。 複数の振り子時計を並べると、“振り子”同士が申し合わせたかの様に歩調を合わせるようになる。「ホイヘンスの原理」だ。1665年の冬、ホイヘンスが体調が悪く自宅に引きこもっていた時に発見されたというのが心強い。振り子はいいなあ仲間がいてなんて思っていたら、あらびっくり、という話か。 他

あなたは、 ジャミラ を知っていますか? 人間の心を失いかけた可哀想なウルトラ怪獣。 あの頃、どれほど多くの少年がTシャツをかぶり「じゃーみーらーだーぞー。じゃーみーらー」と言ったことか。みんなやったさ僕もやった。そして樫原さんは、ジャミラの模型をつくった。 僕は二十歳になるかならないかという年頃で、大学生だった。 時は1980年代、「ガレージキット」が世の

世界三大瀑布の1つ、イグアス滝。それをブラジル側から擁するパラナ州の州都、標高900mの高原に位置する人口180万人の都市 クリチバ は、都市計画の成功例として世界的に有名な街だ。先導した市長の レルネル は1971年の就任当時33歳、市のマスタープランのコンペで最優秀賞をとった建築家であった。クリチバは、「醜くて、おどおどして、魅力がなく、そして貧しかった

文を書いている人なら、おそらく、自分の書いたものを、花切れのついた本として出版したいと思っている人は多いにちがいない。 花切れって、なに? 以前、HONZで(私が知らない)「花切れ」を語った時のメンバーの目の輝きといったら、そりゃもう、プリキュアもびっくりであった。そして今回本書を読んで、遅ればせながら私も「書物」、モノとしての本の世界に俄然興味がわいてきた

本書は、中国とインドに出現しつつある巨大な消費者層についての本だ。個人的には「消費者」という単語に「働く人」の対極のような印象を持っていたが、今回改めて、夕飯の買出しに来た人は働いていないのか、などと考えていたら怪しくなった。「消費」という響きが私に与える楽しさ、これはいったい何だろう?「消費」を自己表現と考えれば、時には「生産」で発揮できない本人の意思だと

物覚えが悪くなったのはいつ頃からだっただろうか、今となっては思い出せない。小学校の時から忘れ物は多かった人間だが、明らかに、最近、一皮むけたのだ。特に固有名詞だ。正解の直前までわかるのに「あれ」としか言えないもどかしさ。最近、物忘れがひどいんだよ…と友人に言ったら、「俺、今日、カタカナの“メ”が思い出せなかった。」と言われた。お互い、年である。“メ”がだめだ
とびきり居心地よい場所(The Great Good Place)。家、仕事場に次ぐ、ふらりと立ち寄ることが出来る第3の場所(The Third Place)。本書が取り上げるのは、そのような場所だ。 著者のレイ・オルデンバーグは1932年生まれ、西フロリダ大学社会学部の名誉教授である。本書の刊行は、初版が1989年、第2版が1996年と、少し前のことだ。し

「次の所長候補」の選考において、MITメディアラボは、 伊藤さん に辿り着くまでに300人の面接を行ったそうだ。アメリカ人の学者や研究者から検討を始め、MITは最終的に「ドバイに住んでいる、大学を出ていない日本人」を選んだ。 本書は、伊藤さんの就任後にメディアラボで始まった授業「 カンバセーション・シリーズ 」から、4回の対談を本にしたものだ。英語の題名は"

思い返せば、自然の音を一番聴いていたのは、たぶん小学生の時だった。だからだろうか、本書を読むと懐かしい気持ちになる。そして旅に出たい気持ちになる。 目で観るのが風景ならば、耳で聴くのは「 サウンドスケープ (音風景)」だ。サウンドスケープは「ある瞬間にわたしたちの耳に届くすべての音」という意味で、1960年代後半にカナダの作曲家マリー・シェーファーが作った言

今年の5月14日、女優のアンジェリーナ・ジョリーが、乳がん予防のために乳房を2つとも切除したことをニューヨークタイムズに告白した。なぜ、まだ健康なうちから、切除という決断をするに至ったのか。 手術は、遺伝子検査の結果に基づく決定であった。そして、この乳がん遺伝子「BRCA1」は、米国のベンチャー企業ミリアド社が特許による独占権を主張している遺伝子である。 本
本書は、ジョン・F・ケネディ大統領の会話記録を歴史家のテッド・ウィドマーが編集した本だ。 大統領執務室や閣議室での会話が録音されていた、と初めて明らかにされたのは、大統領が暗殺された10年後の1973年であった。それまでは録音システムの存在そのものが極秘扱いにされ、知らされていたのはごく一部の人間であった。側近のスピーチライターだったテッド・ソレンソンは「唖

本書は、「ベイズ統計」の歴史について述べた本だ。「ベイズの法則」は、迷惑メールの振り分けや商品のおすすめ表示などの様々な分野に応用されている手法である。本書はそれを、このように説明する。 いわく、「何かに関する最初の考えを、新たに得られた客観的情報に基づいて更新すると、それまでとは異なった、より質の高い意見が得られる」 この定理を支持する人からすれば、これは

部分と全体の相似が特徴的な ロマネスコ 。「フラクタル」と呼ばれるこのような繰り返し形状は、シダや雲、海岸線、北斎の浮世絵、銀河の密度、さらには金融市場の価格変動等にも見られる。これらを対象とする数学を見出したのが、著者のベノワ・マンデルブロだ。「フラクタル次元」という「ラフさ」を表す数値は、次元であるが、整数ではない値になり得る。例えば、下記の繰り返し手順

本書において、著者は、日常生活の様々な場面においてウェブへのアクセスが発生する現在の状況を「現実空間の多孔化」と呼び、そのような状況が、社会にどのような影響を及ぼしているかを考察する。 本書は、当初は AR(Augumented Reality) 等の「現実世界とネットの情報を紐づける技術」について社会学的に考察することを想定していた。しかし、その後、東日本

本書は、ビルマ(ミャンマー)と、隣接する中国・インドの都市を歩き、リアルな現場を伝えると同時に、その都市に関連する歴史を振り返った本だ。著者はケンブリッジ大で歴史の博士号を取得し、国連や国際機関で勤務した後、現在はビルマで歴史的建造物の保存に取り組んでいる。テインセイン大統領の諮問評議員や、ミャンマー平和センターの特別顧問を務めるなど、現在進行中の自由化改革

本書は『rockin'on』『CUT』などを創刊してきた音楽評論家・編集者 渋谷陽一さんによる、スタジオジブリ プロデューサーの鈴木敏夫さんへのインタビュー集だ。もともとは、『CUT』誌に掲載されたインタビューをまとめた本になるはずだったが、ジブリの最初の頃の話を付け足したいという渋谷さんの提案で、半分以上のページがオリジナルのインタビューになっている。 「

マンハッタンの地上9mにある、全長1.5マイルの高架鉄道跡。解体の危機にあった「ハイライン」を保持すべく活動を開始したのは、2人のゲイの青年だった。最後の列車が高架を通ってから19年後の、1999年のことだ。2人は、別々にハイラインに興味を持った。新聞記事を読んで興味を持ったロバート、雑誌の取材でウェスト・チェルシーを歩いていて高架の存在に気づいたジョッシュ

本書は、2010年から2013年にかけて、小学館『本の窓』に連載された17回の対談をまとめたものである。大きく5つの章に分類されており、それぞれ、「「のど元過ぎれば…」で、また戦争するのか?」、「「知らぬが仏」では、すまされない」、「アメリカよりアジアを向いた脱官僚の国へ」、「人間力をとりもどすために」、「人は「資源」ではない。型破りのススメ」と題されている

この本を読み始めた日は、朝早く出社する日だった。日頃と違って、すいている車両。ちょうど1つ空いていた席に座り、本を開いた。今日はラッキーだ。著者は、ウィーン大学の日本学研究所で睡眠の研究をした後、ケンブリッジ大学東アジア研究所の先生になった人だ。居眠りは、日本特有のものだという。 ふと見ると、対面の席に座っている7人のうち5人が寝ている。朝早いこともあるが、

ファイナンスに関してはビジネススクールでいろいろ聞いたはずなのだけれど、私にとって「お金」は今でもお茶やお菓子を買うためのもので、世の中に存在している不思議な存在のままだ。まあ、生きていければ良い。しかし、本書を読んで改めてわかったのは、お金の話が予想以上におもしろい、ということだった。歴史オンチの私は、円とウォンと元と米ドルが、国際通貨だったメキシコ・ドル

「大彗星」とは、昨年の9月12日に発見された「 アイソン彗星 」のことだ。今年の11月下旬に太陽に大接近し、最大でマイナス13等級という満月並みの明るさになると予想されている。これほど明るくなる彗星は数十年に一度しかないらしく、著者の一人は「この彗星を凌ぐ大彗星は、私が生きている間には、二度と現れないだろう」と予想する。私より年下の人だ。「神様がくれた最高の

会社の近くの本屋さんで、この本が「演劇」の棚に置かれていたのを見つけた。「 第三舞台 」の、鴻上尚史さんの本だ。手にとったのは、とある事情で、コミュニケーション能力にちょっと自信を無くしていたからだ。 おお。あの、第三舞台の鴻上さんが、ずっと実践してきたことが書いてあるのか。 そうなのか。サッカーや野球みたいに、練習すればするだけ上達するのか。僕にも、「僕に

「オープンテクノロジー」と言ったらやはり、 Linux に代表されるオープンソース・ソフトウェアが思い浮かぶ方が多いのではないだろうか。Google、Facebook、Twitter等の大規模サーバーからAndroidスマートフォンまで様々なレベルのシステムで採用され、本書においても誕生の経緯が描かれるLinuxは、「オープンであること」を条件にしてプログラ

シンディー・ローパーは、家族や、一緒にプレイするミュージシャンが、みんな魔法を持っていると言う。 そんな本人の魔法は、日本に渡って来て中学生の私にかかった。というか、みんなかかった。ヒットチャート1位だ。1980年代を代表するミュージシャンだ。夜中のMTVを見たり、ラジオを聞いたり、テープにとったりした。 本書の原題は "A Memoir"、シンプルに、「自

アマンリゾートに行ったことがある人も、きっと多いのではないか。私にとっては、いつか訪れてみたい場所の一つだ。1988年にタイのプーケット島にオープンした「アマンプリ」に始まり、インドネシアのバリ、スリランカ、フィリピン、ブータン等に展開されているラグジュアリーリゾートホテルは、今や押しも押されぬブランドとなった。本書は、そんなアマンリゾートと創業者のエイドリ

切断手術を受けた後、失ったはずの腕を鮮明に感じ続ける人がいる。幻の腕が痛むこともある。 特定の数字に、特定の色がついて見える人がいる。例えば、「7」には赤い色がついている。 本書は、名著『脳の中の幽霊』から14年、あのラマチャンドラン博士の新刊である。カリフォルニア大学サンディエゴ校の脳認知センター長であり、上記の「幻肢」や「共感覚」のような脳疾患を研究し、

「正直シグナル」なんて、どこかの歌の題名のようだ。自分がどれくらい正直なのかをアピールする方法かと思ったが、違うらしい。まあ、そういう人は正直ではない。実際の意味は、全く逆だ。どんなに隠そうとしても無意識に表に出てしまう言語以外の表現を、「正直シグナル」というらしいのだ。もともとは、進化生物学の分野で使用されている用語とのことだ。本書の研究は、それを人間にあ

物事は、なぜ立ち直るのか。 ハイチ地震の発生後、数千人規模の「ミッション4636」を数日で立ち上げた若い学生達は何をしたか。ホロコーストで残酷な光景を目にした孤児たちは、なぜ、その後の人生を幸せにコントロールできたのか。アルカイダや米軍が研究する「ネットウォー」とは何か。それは、どのように「結核菌」に似ているのか。都市を活性化させているものは何か。人が人を信

私たちはどう付き合ってゆけばいいのか? オビに書かれた言葉と、毛沢東が掲げられている天安門広場の写真。これらが、本の内容を端的に表している。 本書は、2012年の新書大賞に輝いた『ふしぎなキリスト教』で大いに議論を巻き起こした橋爪さん・大澤さんコンビに大学時代からの友人の宮台さんが加わり、中国に関して対談した本だ。橋爪教授は中国研究のスペシャリストであり、ま

本書の著者の岡ノ谷先生は、鳥の研究から始まり、現在は感情や心の研究を行っている東大の先生だ。また、「岡ノ谷情動情報プロジェクト」の研究総括であり、理化学研究所のチームリーダーでもある。そして、HONZ的には、あの『ハダカデバネズミ』や、ジュウシマツの歌についての『さえずり言語起源論』の著者である。であるからして、読む前から既におもしろいことが確定しているのだ

本書は、室町時代後期より400年に渡り神道界に大きな影響を及ぼした “神使い” 吉田家の歴史を描いたものだ。吉田家は、亀卜を行う神職の家系卜部(うらべ)氏の系統で、『徒然草』の吉田兼好もこの一族になる。吉田神道は、京都の神主であった吉田兼倶(かねとも)によって構想された。「唯一神道」「卜部神道」とも言われる。 1468年、応仁の乱の戦火で吉田神社が焼け落ちた

ヒッグス粒子は、 『サイエンス』誌のブレークスルー・オブ・ザ・イヤーに選ばれる等 、昨年大いに話題となった、質量の起源となる素粒子だ。 ロマンだ。「宇宙が今の姿になるために、なくてはならない。」素敵に言えるだろうか。サイエンティストは、ロマンティストである。 ヒッグス粒子は、現在の素粒子論の「標準模型」において唯一発見されていない素粒子であったが、遂に昨年7