
『なかのとおるの 生命科学者の伝記を読む』で散財する
いやはや正月早々大変な目にあってしまった。お屠蘇気分でほいほいやっつけてみようと本書を読み始めたのだが、意外にも内容がこってりと濃く、たっぷり時間をかけて楽しむことになった。つまり、しばらくかかりっきりになったのである。それどころかあまりの面白さに、本書が取り上げている書籍を14冊も買ってしまったのだ。大散財である。そのほとんどが絶版なので、とりあえず買うこ
466記事

いやはや正月早々大変な目にあってしまった。お屠蘇気分でほいほいやっつけてみようと本書を読み始めたのだが、意外にも内容がこってりと濃く、たっぷり時間をかけて楽しむことになった。つまり、しばらくかかりっきりになったのである。それどころかあまりの面白さに、本書が取り上げている書籍を14冊も買ってしまったのだ。大散財である。そのほとんどが絶版なので、とりあえず買うこ

偶然にも、編集長土屋敦の 前回の投稿 と強く関連しているようだ。ついこの間まで、見て見ぬふりされていた東南アジアのビルマ(ミャンマー)に急に注目が集まっているのだ。本読みは、『 困っている人 』の作者大野更沙さんが ビルマ女子 だったことを思い出すかもしれない。 注目が集まる理由はビルマ軍事政権の民政化、約5300万人の安価で優秀な労働力や豊富な天然ガスやレ

フランク・キャプラが大陸横断鉄道で両親と共にロサンゼルス駅に到着したのは6歳の時だった。両親は、足下の地にキスをした。フランク少年はひどい旅に疲れ果て、迎えに来た兄に「アメリカなんか大嫌いだ!」と毒づいた。時は1903年、ロスアンゼルスは人口10万人、T型フォード車が登場する5年前であり、ライト兄弟が飛行実験に成功した年であり、エジソンが活動写真を発明した1

今年も残すところ2ヶ月少々になったが、本書は今年のベストワン候補である。格闘技好きの私は、購入から読了までろくに眠ることができず、読了後も数日間は気が付くとこの本のことを考えていた。こんな本があるから読書はやめられない。もし大富豪だったら本書を大量に買い込んで街中で配って歩いたかもしれないほどだ。 さて、日本プロレス界の父とも言われる力道山の名前は昭和のヒー

本書は、1997年に刊行された本が文庫になったものだ。当時も話題になったらしいけれど、読んでいなかった。 プーラン・デヴィがビーマイ村の虐殺事件を起こしたのは1981年、今となっては30年前の話だ。場所はチャンバル渓谷付近、インドの北東部ウッタル・プラデシュ州にあり、古くから盗賊が拠点にしてきた辺境の農村地帯である。そんな、遠くの場所の、ちょっと昔の話だが、
世界一大きな問題のシンプルな解き方――私が貧困解決の現場で学んだこと 1日の稼ぎが1ドル未満の人たちのうち8億人は、その稼ぎのほとんどを1エーカー(1辺約64メートルの正方形)の農場から得ている。その農場も4つか5つの小さな区画に分散している。その小さな農場から家族(約10人)を養わなければいけない。比較までに、農地面積が少ないといわれている日本の農家ですら
百年の孤独を歩く --- ガルシア=マルケスとわたしの四半世紀 河出書房新社 2011/4/9 かなりさみしい題名だが、 ヒロシ の新作ではない。孤独じゃないし歩いてもない、伝説の小説の舞台を巡り、コロンビアを疾走するエッセイである。 それでもって本書は、その『百年の孤独』をベースにしたコロンビア紀行の本だ。ものすごくテイストが違うけれど、敢えて喩えれば「伊
映画になりそうな本だ。 私だったら、オープニングは、ミドリさんが病院に入ってきて「女の水戸黄門だ」と言われているシーンにする。その後、時代を遡り、女子高生が自転車でカラクリ屋敷の前を通る場面に切りかえる。 高校生の頃、作者の鈴木さんは、電信柱が屋根から突き出している不思議な家を見つけた。そして大学進学と引越しが決まった時、思いきってその家を訪問した。出てきた
歴史はあまり詳しくない。高校の頃、授業中は寝ているか、図書室でアルバムを見ていた。おばちゃんがいつもピーナッツをくれた。もしくは部室でトランプなどをしていた。冬になり“近現代”まで来た頃には仲間も増えた。先生には当然見つかった。確か 『To-y』 を読んでいた時だったか、体育の先生が巡回にきて、気付かずにいた私から本をとり上げ、数ページ読み、「接吻ですか」と
フリーライターを目指す人はもちろん、「自分は本当は何をやりたいのか?」と迷っている人にもおススメ 就職活動すらしないまま大学卒業を迎えた北尾トロこと伊藤秀樹と、大学を卒業した後にやっと就職活動を始めた増田剛己こと下関マグロの2人の物語。 金も、やりたいこともない。もちろんキャリアプランなんてものはない2人だが、何だか羨ましい生き方の様にも思えてくる。 「サラ

史上最多の米機密文書がウィキリークスと欧米マスメディア連合によって2010年末に一斉公表された。世界180ヶ国にある約280の大使館・領事館で書かれた合計25万通に及ぶアメリカ国務省の内部文書だ。質の高い文書の中には、ウォッカに煽られたディナーや、独裁者の会合、サウジアラビアのセックス・パーティーの描写まであり、世界を震撼させた。チュニジアの米大使の文書(同

★★★★☆ フランス革命前後の貴族生活に興味がある人はもちろん、逆境にも負けない強い女性の人生に触れたい人にもオススメ 表紙の絵は本書の主人公であるルイーズ・ヴィジェ・ルブランの自画像である。この絵を見ての通り、ルイーズはパステル画家の父ルイ・ヴィジェから絵の才能を受け継いだだけでなく、結髪師の母ジャンヌ・メサンから美貌も受け継いだ。マリーアントワネットの宮

日本の大企業の大半は数名の偉人によって起業されている。三菱の岩崎弥太郎、三井の益田孝、金融界の安田善次郎、そして日本資本主義の父と言われる渋沢栄一などである。例えば渋沢栄一が関係した主な会社は、みずほ銀行、東京ガス、東京海上、JR東日本、日本郵船、帝国ホテル、アサヒビール、日経新聞など誰もが知っている日本の大企業だ。ちなみに渋沢の活動は実業界にとどまらない。

現代は老いも若きも日記が大好きである。市井の人間が、ブログなどで、日記をつづり、頼まれもしないのに家族写真まで公開したりする。「誰がそんなもん、読むんだ」という指摘もあるだろうが、私は嫌いじゃない。どこの誰とも知らぬ人の日記を夜な夜な読んでいた時期もある。暇人を自称する私の密かな楽しみだったのだ。 ただ、密かな楽しみは時として奪われた。ひとたび、過剰なねたみ

★★★★★ フェイスブックユーザーや起業家だけでなく、ウェブを使う人皆におススメ 「中国、インド、フェイスブック」 日本ではあまり浸透していないが、ユーザー数が5億人を越えた頃からフェイスブックは「国」と比べられる存在にまで成長している。昨年の8月にはYahoo!やGoogle(Youtube等も含む関連サイトの合計)の滞在時間を追い抜き( ソース )、最近
採点:★★★★★ 仕事に対する新たな考え方・視点を得たい人、愉快な文章でにやにやしたい人、趣味をみつけたい人におススメ 森博嗣氏のブログがまとめられた本書は新刊ではない(1巻は2006年3月発行)が、とにかくめちゃくちゃ面白く、また、その内容が全く古くなっていないのでご紹介。 昨年末に日垣隆氏の 『こう考えれば、うまくいく。』 で本書の存在を知り1巻を購入し
採点:★★★☆☆ 「脳」に限らず、科学と世の中の関わりに興味のある人におススメ 大ヒットゲームソフト 脳トレ (正式には、東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング)の生みの親である川島隆太氏が自らがどのように「脳科学」の分野を切り開いてきたか、脳トレブームによってどのような影響が生じたか、産学連携はどのようにあ
採点:★★★★★ 星新一好きはもちろん、アイデア発想法、「新ジャンル」の創造に興味がある人にもおススメ。最高峰の伝記 学生の頃は熱心に読んでいた星新一が星製薬の御曹司であったことすら全く知らなかったが、その人生は想像を超えてドラマに富んでいる。上下巻に分けても各々が400ページを超える分量だが、全く飽きることなく読了した。 ■感想 本書を読むと星新一と話をし
採点:★★★★☆ 自分と重なる部分が多少あり客観的には読めなかった。旧帝大の理系学部にいた人にはおススメ ソ連のスプートニク打ち上げ成功に世界が慄いていた時代に東大理1に入学した「ベストアンドブライテスト」達の物語。本書の登場人物たちとはレベルが違うかもしれないが、田舎の公立高校から京大工学部に入り、社長になるつもりで入った会社を1年未満で辞め、コンサルタン
採点:★★★★☆ エキサイティング!シティオブゴッドやスカーフェイスが好きに人にはおススメ。 フィリピンの刑務所の中には幾つものギャング組織があり、金と権力さえあればドラッグでも売春婦でも何でも手に入る、ってだけでも驚きだが、そのギャングのトップに立った日本人がいるっていうんだから更に驚く。 旅行代理店のトップセールスマンだった大沢努が、フィリピンの闇組織(
採点:★★★☆☆ インド、仏教に興味がある人にはおススメ。題材は最高なのだが、書き手が素人っぽい。。。 佐々井秀嶺という日本生まれのインド人についての話( 佐々井氏のWikipedia )。フジテレビのドキュメンタリーの取材を基に、ディレクター自らが本書を作成しているため、著者は仏教の専門家でもないし、文章のプロでもない。よって、本書の見所は佐々井氏へのイン
採点:★★★★☆ みんなにお薦め 「ご冗談でしょう、ファインマンさん」に次ぐ、面白科学者自伝。こういう本を大学入る前に読んでれば、もっと違った研究生活が送れたんだろうなぁ DNAの複製技術「PCR」を彼女とのドライブ中に思いついちゃった生化学者(自称オネスト・サイエンティスト)の自伝本。この本のタイトルの通り「奇想天外」な人間である。サーフィンをして、女好き

本書の前半は現フランス大統領、ニコラ・サルコジを主役にした、ロマンスと陰謀が渦巻くドタバタ喜劇だ。1996年、サルコジはW不倫の果てに前妻と離婚した。新しい妻、セシリアは内務相となったサルコジの仕事に口を挟むどころか、省内に執務室を構え、人事にまで介入し始める。国庫から直接引き落とされるクレジットカードまで作っていたという。 ところが、その妻とは不倫を理由に