
『十字軍物語』新潮社「波」10月号掲載
新潮社の月刊誌「波」に掲載された原稿だ。「波」は128ページに本の話題が満載されている雑誌で定価は100円。3年間で2500円。驚いたことに送料込である。A5判なので持ち歩きにも便利。つい申し込んでも損はないと思う。 http://www.shinchosha.co.jp/nami/ --------------------------------- ヨーロ
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新潮社の月刊誌「波」に掲載された原稿だ。「波」は128ページに本の話題が満載されている雑誌で定価は100円。3年間で2500円。驚いたことに送料込である。A5判なので持ち歩きにも便利。つい申し込んでも損はないと思う。 http://www.shinchosha.co.jp/nami/ --------------------------------- ヨーロ
採点:★★★☆☆ 「表」の中国に興味のある人におススメ。どぎついアングラ話ではないから余計に恐い・・・ 経済でも政治でもとにかく中国の動きが目立ち始めた。日本の2000年の歴史を考えると江戸時代以降の中国との関わりの薄さの方が異常だったのかも。この近くの超大国は無視できない。経済危機以降の中国の「今」を地下から眺める一冊。 ■あらすじ 様々な視点から中国レポ

白水社からいきなりヴェネチア関連書籍の2連発である。来年のカーニバルに行ってみようとホテルを予約したばかりだ。まさに「渡りに船」ならぬ、「ヴェネチア旅行にゴンドラ」だ。ちなみに来年のカーニバルは2月25日から3月8日。最高潮の最終週土曜日は3月5日である。 『ヴェネチア・ミステリーガイド』は旅行ガイドブック仕立てだから、4泊5日の5章構成である。1日目はドゥ
採点:★★★☆☆ 「イランってアラブの中でも大国だよな」と思っている人におススメ。 同じく新潮新書の イスラエル(拙ブログ) と併せて読めば、中東情勢の概観が理解しやすくなる。ブッシュJrに北朝鮮とひとくくりにaxis of evilと呼ばれた国の現状について解説した一冊。相変わらずAmazonの写真すらない。。。 ■あらすじ 毎日新聞テヘラン支局長として4

本年これまで読んだ本のなかでもっとも面白い本だ。スピードあふれる科学読み物にして、稀代の植物学者の伝記である。読み終わってみると、たった14ページのプロローグだけでも、付箋を6枚も張っていた。2ページごとに、引用したくなる文章が書かれている本などめったにない。 1998年ウガンダで「黒さび病」という小麦の伝染病が発見された。壊死率は80%。病原菌はやがて紅海
採点:★★★☆☆ 「イスラエルとアメリカって何で仲いいの?」という人におススメ。イスラエルを概観するのに適した一冊 イスラエル関連本は山ほどあるが、古代の人々の名前や地名がそもそも覚えにくくて中々頭に入ってこなかった。本書は過去の歴史は概観にとどめ、アメリカ(のロビー)との関係を中心に現在にスポットを当てており、同じく新潮新書の イランはこれからどうなるのか
採点:★★★★★ 2010年科学読み物で現在のところNo.1の面白さ!生物多様性に興味があるひとには特におススメ 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催を目前に控えて、文藝春秋が立て続けに良書を翻訳出版している。 地球最後の日のための種子 と併せて読めば、「多様性」の「重要性」が理解できる。本書にある図版は原著にはないものらしく、文藝春秋エライ

ほぼ半月ぶりの書評だ。しかも新刊ではない。本書は2009年6月の発行なのだ。先日、ツイッター上で古本屋での掘り出しモノ探しの話題があり、気になって探し出した本だ。これが大当たりだった。 著者は高崎市に住む、還暦を超えた予備校講師。月々40万円のローン返済がある。そのうえで少子化の影響で勤めている予備校から減給を申し渡された。もはや、自己破産をする前にせいぜい
採点:★★★★☆ 「官僚」の生態に興味がある人におススメ 日垣隆さんがツイッターで薦めていたので購入。著者である寺脇研氏は「ミスター文部省」「ゆとり教育の海の親」等とも呼ばれ、あまり良い評判を聞いたことがなかったが、そのようなレッテル張りには意味が無いとつくづく思った。本書では「官僚」がどのように考え、どのように行動する人たちなのかが丁寧に描かれている。 ■
採点:★★★★★ 「食べる人」つまり、全ての人におススメ。科学的な面はもちろん、1人の男の冒険譚としても面白い。 ■あらすじ プロローグは1998年ウガンダで発生したUg98の発見からスタートする。Ug98は小麦を襲う伝染病であり、防御遺伝子を具えているはずの小麦の標本をも圧倒し、その壊死率は80%にも達していた。 農家は「最大収穫量」を目指して、最も収穫量
採点:★★★★★ 国際機関、国際NGOに興味がある人は必読。「ボランティア」に胡散臭さを感じる人にもおススメ。 日テレの24時間テレビに関して、ネット上では様々な議論がされていた。擁護派からは、「やらない善意よりやる偽善」という言葉が出ていたが、「やる偽善」が常にその受け手にとってよい結果をもたらすとは限らない。現場、最前線で「貢献」を背負ってきた著者の言葉

本書についてはある週刊誌の書評で取り上げる約束をしてしまった。原稿の〆切は明日である。掲載誌の発売は3週間後になる。それまでとても待てないので、一言だけいっておきたい。「いますぐ買って読むべし」。本年、最高の科学読み物にして伝記になると思う。それでも疑うのであれば、本屋で14ページ足らずのプロローグを立ち読みするべきだ。書評用に付箋を張るくせがあるのだが、プ

ここ20年間、モロッコ、ネパール、ケニヤなど開発途上国の観光地を中心に家族旅行してきた。逆にイタリア以外のヨーロッパを観光したことはない。ヨーロッパ旅行は老後にとっておこうと思ったのだ。とりわけヴェルサイユ宮殿などは最期の際で良いと思っていた。 ヴェルサイユ宮殿がつまらないとか、楽な旅行だからというわけではない。先進国の観光地は200年後に行っても、いまとさ

『日本人へ』を読む必要があって駅前の書店にいったら、面白そうな新書がちらちら出ていた。 『日本人へ』 塩野七生が文藝春秋に連載しているエッセイである。『リーダー篇』128頁の「気が重い!」で考え込んでしまった。「(『ローマ人の物語』が完結するという)先が見えたとたんに襲ってきた恐怖」があったという。さらに、イチローも同じことを語っていたと塩野はいう。自分で何
採点:★★★★☆ サブプライムの裏側でどんな人がどんなこと考えてどんなことやってたか興味ある人におススメ。 サブプライムローン、リーマンショックに関する書籍はその内部関係者のものも含めて沢山出ているが、本書はウォールストリートを出し抜いた人達の話。アメリカではかなりのヒットになっているようだが(米アマゾンでも480件のコメントがついている)、邦訳はまだ出てな

本書の骨子は、ネット時代には新しい経営学や組織論が有効であり、そのためには生物学の知識が役に立つというものだ。しかも、この場合の生物学とは、個体の研究ではなく、群れとしての生態を観察することだというのだ。 例をあげてみよう。5つの選択肢をもつ超カルト・クイズを考えてみる。回答者は5つのうち、どれか1つだけは不正解であることを知っていることにする。個人が正解す
採点:★★★★☆ 「私は有機野菜食べてるから長生きできる!」って思ってる人にはおススメ。 副題が示すとおり、食に関する「気分のエコ」が間違っているだけでなく、いかに害を及ぼすかをデータを基に明らかにしていく。巷に溢れる「地産地消」「有機農業」などのキーワードを軸に、これまでとこれからの農業・食料について概観する一冊。 ■あらすじ 「気分のエコ」に対抗するため

『偉人リンカーンは奴隷好き』 高山正之の「変見自在」シリーズ第5弾である。面と向かって知り合いに「厭味」をいう人に、本物の悪人はいないと思う。「罵る」と「厭味」は異なるのである。著者は産経新聞出身の名物コラムニストであり、毎度「厭味」を言われるのは朝日新聞と船橋洋一だ。「厭味」なのだから、真に受けて著者に対しても、登場人物に対しても、怒ったりしてはいけない。
採点:★★★☆☆ 日本の金融工学「史」に興味がある人におススメ。理系研究と世の中の繋がりも考えさせる 日本の金融工学における「元」横綱である著者による、日本における金融工学の担い手とその役割を振り返りながら、サブプライムローンに端を発する今回の金融危機の原因を探る一冊。本書を読んでも金融工学が具体的にどのような理論の元に成り立っているかは分からないが、数式が
採点:★★★★★ 誰にでもおススメ。どんな人でも何かを感じるはず。 日本は「太平洋戦争」「大東亜戦争」を戦っていたそのとき、大西洋でも、ライン川でも戦争だった。日本にいては第二次大戦中のヨーロッパの状況につい詳しくしる機会はあまりないが、本書にはそのときの現状が生々しく再現されている。パンのことが頭から離れなくなるほどの極限状態に追い込まれたユダヤ人の少年、

http://www.wowow.co.jp/drama/bob/ http://www.wowow.co.jp/drama/pacific/ テレビドラマ「バンド・オブ・ブラザース」と「ザ・パシフィック」がWOWOWで放送中だ。両ドラマともにスティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスが発案・製作総指揮をとっている。 前者は第二次世界大戦・ヨーロッパでドイツ
採点:★★★★☆ 組織論や集合知に興味がある人におススメ。自然の偉大さに圧倒されます。 一匹一匹では何も考えずにただ餌を運んでいるだけのように見える蟻が、何故道を間違えずに巣に辿りつけるのか?何故あんなに複雑な巣を作れるのか?個体としてみるとなんてことない生物が集合としては非常に優秀なシステムとして働く。そのシステムは人間の世界に応用可能であり、既に実践は進

1789年7月14日のバスチーユ監獄襲撃からフランス革命が始まった。この2年前からフランスの気候は不順で、穀物の収穫量は平年の3分の2になり、小麦価格は2倍に高騰していたのである。 5年後の1794年も天候は最悪であり、フランスでは大規模な食糧暴動が発生した。この年7月にジャコバン党のロベスピエールは刑場の露と消え、革命は転換点を迎えたのだ。 フランス革命は

ひとことで括ると「人種と遺伝子」の本である。人種差別を助長するとして、アメリカの出版社であれば発売を躊躇するであろう。『黒人はなぜ足が速いのか-「走る遺伝子」の謎』というタイトルは刺激的だ。対称的能力である「知能の遺伝子」の議論に直結しかねないからだ。 ともあれ、本書でも取り上げられているスポーツ遺伝子のひとつ「ACTN3」については、日本でも2万円弱で検査
採点:★★★★☆ ユニクロ、柳井さんに興味がある人にはおススメ。他のユニクロ本より全然いいです。 本書にも紹介され通り、ユニクロ関連本はここ数年で数十冊は出ているが、新聞・雑誌記事の切り貼りだったり、単に決算数字並べて「やっぱり凄いよね。お終い」みたいな本が多かった。もちろん、柳井さん著の2冊 一勝九敗 と 成功は一日で捨て去れ は面白かったが、外部視点でこ

岩波書店から2008年に出版された前作『ハダカデバネズミ』も、めっぽう面白かった。全身無毛で出っ歯なネズミの生態と、その研究者を描いた本だった。なんと、ハダカデバネズミには女王様と兵隊とふとん係がいるのだ。そして鳴き声で自分の階級を伝えているのだという。 もちろん著者はハダカデバネズミを愛玩用に飼っているわけではない。理化学研究所で言語の起源を探るために飼育

夏休み用の本の紹介、第2陣である。まだ2-3週間ほども暑いそうだから Clic&Read で良い夏休みをどうぞ。 『群れのルール』 本書はすでに読了した。非常に面白かった。本年の経営学読み物ナンバーワンの第1候補である。生物学のパートも経営のケーススタディのパートも内容豊富で、じっくりと書きこまれている。土方奈美の翻訳も素晴らしい。ある月刊誌の書評でとりあげ
採点:★★★★☆ 死刑、裁判員制度に興味のある人におススメ。読んだあと「うーん」と唸ってしまう本 かなり衝撃的だった前作 人を殺すとはどういうことか に続く、天才殺人者である著者による、殺人者がどのような人間か、死刑判決を出すとはどういうことかについて述べた本。 ■あらすじ 著者は、少年時代には突出したIQで「神童」と言われ、月に100~200冊を読みこなす
採点:★★★★☆ 自分と重なる部分が多少あり客観的には読めなかった。旧帝大の理系学部にいた人にはおススメ ソ連のスプートニク打ち上げ成功に世界が慄いていた時代に東大理1に入学した「ベストアンドブライテスト」達の物語。本書の登場人物たちとはレベルが違うかもしれないが、田舎の公立高校から京大工学部に入り、社長になるつもりで入った会社を1年未満で辞め、コンサルタン
採点:★★★★★ ぶっちぎりで面白い!!著者も言ってるけど、全ての産業人必読の書。皆におススメ あちこちのブログで話題になっていながら、Amazonではしばらく在庫切れだったのでやっと読了。著者の言うSY(数字読めない)、GM(現場を見ない)、KY(空気しか読めない)にならないためには、自らの目で見て、自らの頭で考えるしかない。本書を読んだらきっと、統計局の

1958年の東大工学部出身者の悲喜交々を赤裸々に書いている本である。登場人物は実在していたどころか、ほとんどすべてが実名で登場する。この物語には一遍のファンタジーもなければ、夢想もない。しかし、筆の運びは滑らかであり、上手な小説仕立てである。つまりこれは「私小説」なのだ。その意味において村上春樹の対称たる小説といえるのかもしれない。 「プロローグ」と「エピロ


最近は書評を書くのが面倒になり、すっかりブログもご無沙汰である。ボクは1年に1-2カ月はとんでもない怠け者になるようだ。某社社長をやっているときにも、スキューバダイビング三昧のあげく、一か月以上出社しなかったことがあるほどだ。 とはいえ、夏休み用の本を仕入れたので、とりあえずその一部を紹介しておこう。そのうちにヤル気になったらブログで取り上げることもあるかも
採点:★★★★☆ 「人間」に興味ある人におススメ。論理展開が難解な部分も多いので、興味あることのつまみ喰いでも楽しめる。 ここのところ生物の「進化」にはまって様々な本に手を出しているが、本書を読んでから他の本を読むと様々な事象を理解しやすくなるかも。この手の本は最近面白いものがどんどんでている。例えば、加速する肥満( 書評 )や 強い者は生き残れない や広い
採点:★★★★★ 一流の軍人を知る一冊。ビジネスはもちろん生きるための知恵を手に入れたい人におススメ。 成毛さんの実践多読術( 書評 )で紹介してあったが、残念ながら絶版。久しぶりにアマゾンマーケットプレイスで購入したが、中古でもボロボロでもよいから手に入れることをおススメ。 一昔前のマイクロソフトの面接では「富士山を動かすのにいくらかかる?」というフェルミ
採点:★★★★☆ 相変わらずの大前節。ビジネス書最近読んでないなーと思う人にもおススメ。 いろんな雑誌の連載をまとめた本なので、一つの大きなテーマに基づくストーリーとはなっていないが、どのトピックから飛ばして読んでも面白い。通勤などの空いた時間にぴったり。 しかし、この人は相変わらずネタが豊富だなー。高橋俊介さんや内田和成さんとお話したときも思ったけど、どん
採点:★★★☆☆ 官僚的組織に興味のある人にはおススメ。JALへ就職しようとしている就活生は必読 2010年学卒の就職希望ランキングでJALはなんと未だに16位( ソース )。世界の任天堂(70位)よりも全然上位にランクインしている。エントリーシート出す前に是非この本を読んで欲しいものだ。JALの誕生から悲惨な事故、組織の官僚化による内ゲバ、そして倒産までを
採点:★★★★☆ 分かり易い!!年金って何?もらえるの?得なの?どう改善すればいいの?と思っている人にはおススメ 現在の年金がどのような思想の基で設計・運営されているか、どのような問題点があるか、どのように改善すればよいかにQ&A方式で簡潔にまとめてある良書。このように複雑なシステムになってしまった原因である、作り手=官僚の理論も解説されている。しかし、何故
採点:★★★☆☆ 最近めっきり運動しなくなった人におススメ。加速する肥満( 書評はこちら )と併せて読むと尚よし 運動といえるのはせいぜい通勤中に駅まで歩くだけ。という人も多いのではないか。 狩猟採集から農耕へと我々の食料獲得方法は大きく変わったが、ここまで身体を動かさなくても生きていけるようになったのは、日本では、ここ30年程度に過ぎないだろう。つまり、我
