
『不運の方程式』 週刊朝日 7月6日号「ビジネス成毛塾」
不用意につけられた日本語タイトルのおかげで内容を誤解したひとが多いのではないか。原書のタイトルを直訳すると『覆面科学者』であり、ティム・ハーフォードの『覆面経済学者』のパロディだと思われる。ちなみに『覆面経済学者』の日本語タイトルは『まっとうな経済学』である。副題は『あなたの「ついていない」を科学する』とあるのだが、これがさらなる誤解を招く。 本書は純粋な科
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不用意につけられた日本語タイトルのおかげで内容を誤解したひとが多いのではないか。原書のタイトルを直訳すると『覆面科学者』であり、ティム・ハーフォードの『覆面経済学者』のパロディだと思われる。ちなみに『覆面経済学者』の日本語タイトルは『まっとうな経済学』である。副題は『あなたの「ついていない」を科学する』とあるのだが、これがさらなる誤解を招く。 本書は純粋な科

森博嗣のシリーズ・エッセイである。前々作は『自由をつくる 自在に生きる』、前作は『創るセンス 工作の思考』だ。 この3連作はそれぞれ「自由論」「工作論」「小説論」と著者が呼んでいたものを、出版社が売れそうなタイトルに変更して出版したものだという。 これから小説家になりたい人にとっては真の必読書かもしれない。「激変する出版環境のもとで」「創作というビジネスを」
採点:★★★★☆ 健康、ダイエットに関心のある人にはおススメ。人間にとっての「食事」の意味を考える 「太る」「食べ過ぎる」ことが如何に体に悪いかを様々なデータをこれでもかと畳み掛ける。本書を読めば自身の食生活を見直そうと考えない人は極少数だろう。しかし、実際に食生活を変える人もまた極少数だろう。 自然選択説という言葉がある。 Wikipediaによる説明は以

毎月最低1冊はサイエンス・アイ新書を買ってしまう。今月はこの本だ。ボーイング777という最新機種を取り上げたことを別にすると、過去になんども登場した企画である。しかし、つい買ってしまったのは「成田/パリ線を完全ドキュメント」という副題がついていたからだ。もし、これが成田/ニューヨークだったら買わなかったかもしれない。JALのジャンボジェットのイメージだ。 内


寄稿させていただいているから言うのではないが「週刊現代」の書評欄が充実している。今週号のブックレビューは3本。『グーグル秘録』ケン・オーレッタ、『お父さんとオジさん』伊集院静、『鈴蘭』東直己。著者インタビューは『母』の姜尚中。「わが人生最高の10冊」は三浦雄一郎。リレー読書日記は野村進だ。野村進は『グーグル秘録』『アップル、グーグル、マイクロソフト』『クラウ
採点:★★★★★ 小説に限らず何かを「作り」たい人にはおススメ。 名古屋大学工学部の助教授だった著者が如何にベストセラー作家になったか。そして、小説家になるためには何が必要かについての本。 成毛眞さんのブログ にもあるが、他の2冊もめちゃくちゃ面白い。 著者の意見は世間一般から聞こえてくるものとは大きく異なる。”異端”と呼ばれることも多いようだが、著者からは
採点:★★★☆☆ 人間の「思考」、つまり、人間に興味がある人におススメ。 こちらも 新書がベスト で見つけた一冊。ひょんなことからコンピューター将棋に興味を持った物理化学者と羽生世代の次を担う永世竜王(当時は竜王)を両者の視点から振り返る一冊。ロボットについて考えることで、人間理解が進む好例。 ロボットとは何か と合わせて読むともっと楽しめる。 1997年5
採点:★★★★☆ 中国を「大ぐくり」で知りたい人におススメ。トリビアも山盛りでつい人に話したくなる 中国を「貝の文化」と「羊の文化」の2つの面から大きく論じている。随所で日本との中国と日本の比較がなされており、日本についての新たな一面も見えてくる。 トリビアもたくさん。有形の財物に関わる漢字(例えば、財、賭、賞、貢)に「貝」が含まれているのは、存在が認められ
採点:★★★☆☆ 「日本人は・・・だから」とつい言っちゃう人にはおススメ。「日本辺境論」が好きな人は楽しめる 著者の本を読むのは、世に名作と言われている作品をばったばったとぶった切る「こころは本当に名作か」以来の2冊目。本書でもその攻撃スタイルは変わらない。「日本は特殊だ」と述べる様々な「日本人論」の矛盾、不整合性をこれでもかと突きまくる。日本の中でどのよう
採点:★★★★★ 文章を書く人、つまり全ての人におススメ!!本書を読めば、何かを必ず書きたくなる。 仕事をしていると、文章を書く機会は非常に多い。請求書から報告書まで様々な文章の形式があるだろうが、業務時に作成する文章の目的は意味を伝えることである。どのような文章なら意味が正確に伝わるか、また、伝わらないかについてじっくりと考える一冊。 本書は日本語で作文す
採点:★★★★☆ 読書習慣の無い人(週に1冊以下しか読まない人)には特におススメ。成毛眞氏の「本は10冊同時に読め」と並ぶ面白さ 成毛眞氏、松岡正剛氏及び著者のブログは本購入の参考にしょっちゅう利用している。著者のブログは「宣伝トークの多さ」が気になる場合も多いが、本書にその気配は無い。「読書の効用」とその「効用を得る方法」が丁寧に解説されている。この本が売
採点:★★★☆☆ 行動経済学の分かり易い、かつ役立つ実例が沢山。直感に頼らず行動したい人におススメ。 様々な類似本を産み出した「予想通りに非合理」の続編。まだ邦訳は出ていないので、原著にチャレンジ。日本語の本の5倍以上時間がかかった・・・。それでも取り上げてある事例が面白いので何とか読了。 副題にもある通り、本書は「仕事での非合理性」と「私生活での非合理」2
採点:★★★★☆ エキサイティング!シティオブゴッドやスカーフェイスが好きに人にはおススメ。 フィリピンの刑務所の中には幾つものギャング組織があり、金と権力さえあればドラッグでも売春婦でも何でも手に入る、ってだけでも驚きだが、そのギャングのトップに立った日本人がいるっていうんだから更に驚く。 旅行代理店のトップセールスマンだった大沢努が、フィリピンの闇組織(


採点:★★★★☆ 床屋政談好きにはたまらない一冊。パレート最適、乗数効果ってなんだっけという人にもおススメ。 本書のタイトルと表紙はミスリーディングである。サッチャーが表紙でこのタイトルだと、イギリスでのサッチャー政権の政策分析かと思ってしまった。内容は全然違って、経済学でコンセンサスが得られている内容から政策(後半は民主党のものに焦点を当てている)の妥当性
採点:★★★☆☆ インド、仏教に興味がある人にはおススメ。題材は最高なのだが、書き手が素人っぽい。。。 佐々井秀嶺という日本生まれのインド人についての話( 佐々井氏のWikipedia )。フジテレビのドキュメンタリーの取材を基に、ディレクター自らが本書を作成しているため、著者は仏教の専門家でもないし、文章のプロでもない。よって、本書の見所は佐々井氏へのイン
採点:★★★☆☆ 「天才」「一流」に興味のある人はおススメ 世の中の飛びぬけた成績を残す人、例えばタイガー・ウッズ、には特別な「才能」があるのか?そのような成績を残すには何をすればよいのか?について考察した本。 マイケル・ジョーダンのクラッチシュートやタイガー・ウッズのここぞというときのショットを見るとついつい「生まれ持ったものが違う」と考えてしまうが、著者

今年4月、中国はミサイル駆逐艦や潜水艦など10隻で編成される東海艦隊を沖ノ鳥島周辺に派遣した。鳩山首相の安全保障に関する無知・無策ぶりと、小沢幹事長の中国への朝貢外交的な傾斜ぶりを嘲笑ってのことであろう。 この島は中国軍が洋上演習中に誤爆でもしてしまおうものなら、島である法的地位を失うかもしれないほど小さく、はかないのだ。 ところで、日本の国土面積は37万平
採点:★★★☆☆ 「研究」「人間とは」に興味がある人におススメ。さくっと読めます 「生きている天才ランキング」日本人TOP(2007年 SYNECTICS社調べ)の著者による、「ロボットをつくるとはどういうことか」についての解説書。その回答は明快、副題(人の心を映す鏡)にもあるように「人間とは何か」を考えることであると著者は述べている。 良い回答は良い疑問が
採点:★★★★★ 広告、Web、に興味・関係ある人には特におススメ 本書はグーグル礼賛本でも、批判本でもない。本書はグーグルの誕生・急成長・戸惑いの歴史を軸に、今までとこれからのメディア、広告、Webについて膨大な取材を基に分析された本である。膨大な取材がどんなものかは、巻末の参考文献と著者あとがきで分かる。CEOであるエリックシュミットへの取材だけでも15

クリストとジャンヌ=クロードの作品のなかで、1985年の「包まれたポン・ヌフ」と1995年の「包まれたライヒスターク」だけは観てみたかった。 2005年、ニューヨークのセントラルパークで、彼らが7500本あまりのオレンジ色のゲートを建てた映像は観ているのだが、この2つの作品のように歴史的建造物をすっぽり包むというような強いインパクトは感じなかった。 新しい橋

著者は大正14年生まれの85歳だ。25年前から仏教史を研究し始めたという。この時すでに60歳だ。しかもテーマはお寺だ。さぞかし辛気臭い本かと思ってしまう。ところが、本書『お坊さんが隠すお寺の話』は、失礼ながらご老人が書いたとはにわかに信じられないほど新鮮なのだ。 地方の末寺は崩壊の危機にあるというのだが、これは仏教界の自業自得だと言い切る。たしかに、近くの斎
採点:★★★☆☆ 科学をかじったことある人、科学に興味のある人にはおススメ 何で13?科学では13以外の謎はないのかい!!って突っ込みたくなるけど、これは邦題をつけた人のセンスが悪い。13には全く意味はなく、原題は「Things That Don't Make Sense」。この本は現代の科学でmake senseしないことについてとりあげる。 推理小説に
採点:★★★★☆ サラリーマンにはお薦め。床屋政談にも使えるネタがいっぱい。 俺は負けず嫌いだ。小さい頃からそうだ。自分でゲームのルールを創るのが好きだった。もちろん、自分が勝てるルールを。自分が負けるゲームは絶対にやらなかった村上世彰氏の気持ちがちょっとだけ分かる。 本書はどのような「競争」が良い結果をもたらすのか?どのような「競争」であれば、人々は、特に

WOWOWのドラマW「マークスの山」がはじまった。原作は1993年に書き下ろしハードカバー版を読んだ。2003年に文庫版として大きく書き直されているのだが、これは読んでいない。高村薫作品は壮大にして、おどろおどろしく、緻密にして、リアリティを追及するという印象だ。映像化にあたっては難しい作家ではないかと思う。 ところで、今回のドラマWはキャスティングが素晴ら

日頃もっぱら手に取るのは科学読み物などのノンフィクションである。純文学も推理小説も子供の頃に読んだだけで、大人になってからは書店でも専門コーナーから足が遠のいた。純文学を読むには感性が鈍磨してしまったし、推理小説を読むにはトリックの伏線すら気づかなくなってしまった。 いっぽうで歴史小説は蓄積した知識や経験の量に比例した楽しみ方ができるし、新たな薀蓄も得ること
スポーツ経済学者(こんな肩書き初めて聞いたぞ!)のステファン・シマンスキーとジャーナリストのサイモン・クーパーがサッカーについて徹底的に計量経済学的手法を用いて分析しまくる。Freakonomics以来の計量経済学の面白本。 メジャーリーグの中でもお金のない弱小球団を、統計の力でワールドシリーズへ導いた「マネーボール」のサッカー版である。クラブチーム、ナショ
採点★★★★☆ じっくり考えることが好きな人にはおすすめ 「理性の限界」の続編。前著と変わらぬ形式で、とっつきにくい科学・哲学について、さくさくと議論が進んでいく。知的興奮を味わいたい人は是非。 本書は著者が様々な立場の人間(生理学者、会社員、文化相対主義者など)になりきり、それぞれの立場から様々な命題について議論を進めて行く。議論の中で最も効果的に使われて
採点:★★★★☆ みんなにお薦め 「ご冗談でしょう、ファインマンさん」に次ぐ、面白科学者自伝。こういう本を大学入る前に読んでれば、もっと違った研究生活が送れたんだろうなぁ DNAの複製技術「PCR」を彼女とのドライブ中に思いついちゃった生化学者(自称オネスト・サイエンティスト)の自伝本。この本のタイトルの通り「奇想天外」な人間である。サーフィンをして、女好き
採点:★★★★★ どんな人にもお薦め 日経の書評で取り上げられたり、MJで特集が組まれたり、水道橋博士がじゃんじゃん宣伝したり、なんやかんや話題になってるみたいです。発売されて直ぐ読んだので、後乗りと思われると少し悔しい・・・ 世の中のボラティリティが上がると人々は走り出す。ベトナム戦争、9・11などのイベント毎にアメリカのランニング人口は増加しているそうだ

月に一度は京都へいくようになって5年になる。到着は午後6時すぎで、京都駅から花街へ直行する気楽な夜遊びが目当てだ。寺社仏閣には目もくれない。とはいえ、ここ数年の京都ブームを体感することもある。お茶屋さんに上がるときにたまたま舞妓さんなどと一緒になろうものなら、周囲の観光客からどよめきがあがり、フラッシュが焚かれるのだ。無粋な輩だと憤りながらも、おもわずVサイ

ひさしぶりの天文学の解説書である。問題なく今年の私的TOP10候補だ。著者は宇宙物理学と天文学の研究者だったが、いまは陰謀論やエセ科学を叩きながら、科学読み物を書いている科学ライターだ。 原題は『Death From The Skies!』。ノストラダムスの『King of Terror Descending From The Skies』(恐怖の大王が空か

カバー裏には「江戸前の魚が食べたくなる東京湾ガイド」とあるが、じっさいは丁寧に書かれた江戸前の海と東京湾内湾についての「文化誌」である。「文化誌」とした理由は、本書が対象としているのは美味しく食べることができる魚介についてであり、けっしてグルメ本や生物図鑑のようなものではないからだ。ありふれたタイトルを付けられて損をしている本である。 近年、人の生活と生き物

著者は元気象大学校教授で宗教評論家のひろ・さちや氏である。御年74歳にして本書『「ずぼら」人生論』を書いた。現代の奇書であり、悩めるビジネスマンを半々の確率で完全に元気にさせるか、さらに悪化させるかという、博打的ともいえる人生指南書だ。 拙書『大人げない大人になれ!』の比ではない。呆れるほどの大人げなさ、年寄りげのなさだ。見出しから抜き出してみよう。 「つき

2002年から2005年までの「新日曜美術館」のキャスターは山根基世と「はな」だった。このコンビが番組の歴史上ベストである。『カジノは奴らを逃がさない!』と『天才数学者はこう賭ける』は、いまでもおすすめだ。『春の食卓』はいまが旬だ。 ------------------------------------ 大容量のハードディスク・レコーダーを買ってからお気に

本ブログでは小説の書評をするつもりはないのだが、あえて自己ルールを曲げて本書を紹介しておこう。昨年読んだ小説の中では圧倒的にNO.1だった。内容は1975年から2004年までのDEAと麻薬カルテルのサーガである。紹介する理由は、事実が小説を追い越しつつあるからだ。メキシコの麻薬カルテルの動きが激しくなってきたのだ。 まずはまとめだ。 「米国への麻薬密輸増加、

「あとがき」によれば、著者は幸田露伴研究をしているうちに、二宮金次郎に興味が移ってしまい、本書をものにしたらしい。幸田露伴が『二宮尊徳翁』の口絵で、朱買臣の図像と苦学する金次郎の姿を結びつけたことを発見したのが発端だった。 その朱買臣と二宮金次郎とは何だったのかを丁寧に調べ上げたのが本書である。朱買臣とは前漢時代に実在した人物である。また二宮金次郎とは江戸後
