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今週のいただきもの:2020年1月12日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2020年1月12日週

年明けはベネチアで料理教室に参加しました。市場で一緒に買い物し、ワインを飲みながら料理をして、とても楽しかったです。2時間で、ベネチア風フリッタータ、青菜蒸し、バカラのクロケッタ、ツナとバカラのペースト、ラディッキオの炒めもの、アーティチョークの炒め煮と6品作ったのですが、中でもおすすめの3品をご紹介します。 ・青菜蒸し 蒸籠で蒸した青菜にオレンジを絞り、細

『地形の思想史』岬、峠、島、麓、湾、台、半島、地形が生んだ多様な日本 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『地形の思想史』岬、峠、島、麓、湾、台、半島、地形が生んだ多様な日本

高畠通敏の『地方の王国』といえば、地方政治研究の重要古典である。高畠は政治学者でありながらジャーナリストのように地方に足を運び、戦後の保守政治を支えた日本各地の保守王国の実態に迫るルポルタージュを書き上げた。 なぜ田中角栄は旧新潟3区で圧倒的な強さを誇ったのか。高畠はその要因の1つに「豪雪」を挙げる。日本海から吹く湿気を含んだ季節風は、三国山脈を越える前に3

時系列に沿った「因果の物語」が通じなくなった世の中で生まれた新しい哲学『時間とテクノロジー』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

時系列に沿った「因果の物語」が通じなくなった世の中で生まれた新しい哲学『時間とテクノロジー』

たとえばあなたが会社員で、「あなたはなぜその部署で働いているのか」と質問されたとしよう。自分で志望した、先輩に推薦された、いきなり指名された、など様々な理由があると思う。そしてあなたは今、その理由を過去に遡り、上司や同僚との会話、これまでの人事移動、そして大学で勉強していた頃の風景を思い返しているかもしれない。 今の自分を鑑みる時、過去を振り返る。過去が今の

『片手袋研究入門』路上観察学会を震撼させた未来までを見渡す「考現学」 書影

教養・雑学 / 社会

『片手袋研究入門』路上観察学会を震撼させた未来までを見渡す「考現学」

片手袋問題に私が触れたのは、少し前のことだ。街道沿いに軍手が片方だけ落ちているのはなぜか?を検討していたバラエティのテレビ番組を見たのだ。その時、出演していたのが本書の著者かどうかは定かではないのだが、トラックの脇腹にある給油口のキャップに被せていたものが、走行中に落ちるのだ、という結論に驚いたのを覚えている。 その後、タモリ倶楽部で著者を知った。考現学にも

脳科学を日常生活にとりいれる、世界的ベストセラー 『「人間とは何か」はすべて脳が教えてくれる』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

脳科学を日常生活にとりいれる、世界的ベストセラー 『「人間とは何か」はすべて脳が教えてくれる』

本書は、本国ノルウェーで「彼女こそが脳の脳だ」と評されている、著名な神経科学者が書いた世界的ベストセラー“脳科学本”である。世界21か国で翻訳出版されている。本書がこれほど多くの読者を獲得できたのは、日々の出来事を使って科学を説明しているからだろう。読み手は、そこから具体的な思考を巡らすことができるのだ。 例えば、この本で紹介される脳科学の最新研究には、次の

『ラディカル・マーケット』ラディカルなマーケットが創造する、平等で寛容で成長する社会とは 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『ラディカル・マーケット』ラディカルなマーケットが創造する、平等で寛容で成長する社会とは

本書は、マイクロソフト首席研究員兼イェール大学客員研究員のグレン・ワイルと、シカゴ大学ロースクール教授のエリック・ポズナーによる共著である。 34歳の社会工学者・経済学者ワイルは、本書を監訳している大阪大学の安田洋祐准教授のプリンストン大学留学時代のオフィスメートで、同大学を首席で卒業して直ぐに大学院に進学し、経済学博士号をわずか1年で取得した大秀才だと言う

『時間は存在しない』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

サイエンス / 併せて読まれたこの一冊

『時間は存在しない』を買ったのは、どういう人たちなのか?

天候に恵まれたこともあり、12月から年末年始はよく本が売れた月になりました。特に長い冬休みのスタートとなった12月28日は1年のなかでもっとも本が売れた日になったようです。年末年始には重厚な本がよく売れます。『21Lessons』や『サピエンス全史』『哲学と宗教全史』などここで取り上げた本もよく売れました。そういったタイトルに並び注目を集めたのが『時間は存在

今週のいただきもの:2020年1月5日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2020年1月5日週

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。年明けにイタリアへ行ったため、和食に飢えていました。帰国便でたまらなく食べたくなったのは、白子ポン酢です。真鱈の白子が1番おいしい時期は1〜2月で、近所の魚屋へ走りました。 白子は酒、塩を入れた50度ほどの湯に5分入れたあと、水で締め、ポン酢に少し漬けます。その間に、大根おろしや葱、柚子などの薬

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医学・心理学 / 人物

医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』

徳田虎雄。その名を聞いたとき、どのようなイメージが思い浮かぶだろう。医療に風穴をあけた風雲児、潤沢な資金をバックにした金権政治家、あるいは、難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う患者だろうか。それは世代や立場によって大きく異なってくるに違いない。いや、そもそも若い人には、その名さえ知られていないかもしれない。 まったくの徒手空拳から、昭和48年、大阪の松原

『怪獣生物学入門』怪獣映画・怪獣ドラマの魅力を探る! 書影

教養・雑学 / イベントレポート

『怪獣生物学入門』怪獣映画・怪獣ドラマの魅力を探る!

ゴジラをはじめ、怪獣たちを最新の生物科学で徹底的に考察する新書『怪獣生物学入門』。ヒットと重版の決定を記念して、著者・倉谷 滋さんと、本書へ推薦文を寄せた映画監督・樋口真嗣さんとのトークショーが三省堂書店池袋本店で開催されました。 初対面であることを感じさせない絶妙のシンクロ率で、リミッター解除のノンストップ怪獣談義が展開された模様を、ダイジェストでお届けい

『今、評価され続けているアジアのアート』現代美術の動向 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『今、評価され続けているアジアのアート』現代美術の動向

現代アーティストとして世界中で活躍する草間彌生のコラージュ作品は30年前、原画が約15万円であった。それが現在では、版画作品で1000万円の値段がつくものもある。 資産として考えた場合、平山郁夫など巨匠の作品を購入するよりも単価が安かった彼女の作品を当時に大量購入しておけば、その利益率で莫大な富を得られたであろう。 ただ、これは結果論である。当時こうした結果

『毒薬の手帖』それはダーティな1920年代アメリカで躍動する鉄人毒物学者二人の泥臭く革新的な功績 書影

サイエンス / 事件・事故

『毒薬の手帖』それはダーティな1920年代アメリカで躍動する鉄人毒物学者二人の泥臭く革新的な功績

たまらなく渋くてカッコいい主人公の紹介から始めたい。表紙の写真左、試験管を持つちょっと神経質そうな男が化学者アレグザンダー・ゲトラー、その隣にいる大柄のヤギひげおじさんが病理学者でありニューヨーク市監察医務局長も務めるチャールズ・ノリスだ。本書『毒薬の手帖』は、現代科学捜査の基礎を築いたこの毒物学者二人が力を合わせて人間の暗い欲望が充溢する1920年代アメリ

『百戦錬磨』イッテンヨン・イッテンゴに新日社長の本を読む 書影

おすすめ本レビュー

『百戦錬磨』イッテンヨン・イッテンゴに新日社長の本を読む

今日1月4日は新日本プロレスにとってお祭りの日だ。毎年イッテンヨンと銘打って東京ドームで試合が行われている。今年はイッテンヨン、イッテンゴと2日連続で東京ドーム興行が行われる。普段であればメインイベントになるベルトをかけた戦いが、いくつもの試合であるという1年で1度のお祭りだ。そんな日にレビューするのは新日本プロレス(以下「新日」)の社長が書いた『百戦錬磨』

『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』SDGsを通して見る2030年の世界地図 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』SDGsを通して見る2030年の世界地図

著者の落合陽一は、学者、メディアアーティスト、実業家など多くの顔を持ち、「現代の魔法使い」と呼ばれる若手マルチタレントである。30歳で筑波大学学長補佐に就任したことでも話題になった。 その著者が、2015年の国連サミットで採択された、持続可能な世界を実現するための共通目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)について解説

『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 農業の優越性という神話、国家の形成をめぐるパラドックス 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 農業の優越性という神話、国家の形成をめぐるパラドックス

いまからおよそ1万年前、人類は農業を発明した。農業が生まれると、人びとは必要な栄養を効率的に摂取できるようになり、移動性の狩猟採集生活から脱して、好適地に定住するようになった。そして、一部の集住地域では文明が興り、さらには、生産物の余剰を背景にして国家が形成された──。おそらくあなたもそんなストーリーを耳にし、学んだことがあるだろう。 しかし、かくも行き渡っ

2020年代突入直後にめくりたい!未来の本 3冊 書影

サイエンス / 教養・雑学

2020年代突入直後にめくりたい!未来の本 3冊

そもそも、編集部からの無茶振りをよくも引き受けたものだ。100年前に『日本及日本人』という雑誌の臨時増刊号で前例があったといえども、100年後に思いを巡らせることなど、あまりに無謀だ。 100年後なら生きていないから、当たってもハズレても生きていないから結果は問われないと開き直るのは、上野千鶴子だ。そのまま現政権の批判に流れ込んでいく結論あは、読者の期待に答