ノンフィクションはこれを読め!

土屋 敦の記事

AUTHOR

108記事

『イタリア料理の本』優しくたくましい、太陽と土とともにある手料理 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『イタリア料理の本』優しくたくましい、太陽と土とともにある手料理

シズル感という言葉は、もともと広告代理店界隈の用語だったように思う。sizzle、すなわち肉がジュージューと焼けている音が語源で、「シズル感のある写真」とは、そんな臨場感の伝わってくる写真という意味。料理本業界では、シズル感のある写真は売れ行きを左右する、必須のものと言っていい。 料理の表面は乾かないようにし、できれば湯気なども写るようにする。光は料理の斜め

熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 書影

サイエンス / 小説

熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』

著者の岩田先生は、不思議な本を書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根本的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な本」を書く人と言えるのだが、その思いが非常に強く、とにかく伝えたいことがいっぱいあるので、「啓蒙的

日本を愛したスパイ『ドクター・ハック 日本の運命を二度にぎった男』 書影

人物 / 世界史

日本を愛したスパイ『ドクター・ハック 日本の運命を二度にぎった男』

書影を見て、「ドクター・ハックって、あのハックか」と思わず手に取った。 著者は『満州国皇帝の秘録』『トレイシー−−日本兵捕虜秘密尋問所』そして『四月七日の桜−−戦艦「大和」と伊藤整一の最後』の中田整一氏だ。面白くないわけがない。 1914(大正3)年)11月、日英同盟により第一次世界大戦に連合国側として参戦した日本は、中国におけるドイツ租借地・青島でドイツ軍

『洲崎球場のポール際』猥雑で、いいかげんで、すばらしい。 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『洲崎球場のポール際』猥雑で、いいかげんで、すばらしい。

著者は東京大学教養学部人文地理学科卒で、今も電鉄会社に勤めるサラリーマン。本書が初めての著書だという。東大卒の知り合いに、「教養学部人文地理学科」に進むのって、どんな人だろう? と聞いてみると、「こだわり派の変わり者かなぁ」という答えが返って来た。たしかに本書のテーマはマニアックだし、内容の細部へのこだわりはスゴイ。なにしろ、史料を徹底的に調べて、昭和11年

『ブルネイでバドミントンばかりしていたら、なぜか王様と知り合いになった。』 書影

アート・スポーツ / 人物

『ブルネイでバドミントンばかりしていたら、なぜか王様と知り合いになった。』

2005年、著者は経産省から外務省に出向し、在ブルネイ日本大使館の二等書記官となる。ブルネイは石油と天然ガスにめぐまれ、東アジアでもっとも裕福な国だ。ブルネイ王室は、世界一裕福な王族であり、その資産は4兆円といわれる。「ポルシェ、フェラーリなど5000台の高級車を所有し、毎日乗り換えている」「11億円のギャラでマイケル・ジャクソンを招待した」「王子がマライア

パンをめぐる濃密な冒険『パンの世界』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

パンをめぐる濃密な冒険『パンの世界』

学術的な選書シリーズでパンがテーマ。となればパンの歴史や社会との関わりを論じたような本だと思うかもしれないが、実はまったく違う。めちゃくちゃおいしそうなパンの写真がたくさん載ったカラー口絵を眺めてから「まえがき」を読み始めると、いきなり目に入ってくるのは「シニフィアン・シニフィエ」という言葉。たしか私が社会人になった年に創刊された、この講談社選書メチエシリー

やっぱり日本の翻訳家はスゴイ!『翻訳問答』 書影

教養・雑学 / 小説

やっぱり日本の翻訳家はスゴイ!『翻訳問答』

シンプルでセンス溢れる軽快な装丁、帯には江國香織と穂村弘の推薦文、著者は、僕らの世代だと、ハワイやサーフィンのイメージがすぐに浮かぶ、作家・翻訳家の片岡義男と、クッツェーの翻訳や『嵐が丘』の新訳で知られる鴻巣友季子。そしてタイトルの「蒟蒻問答」を思わせる遊び心ーー。 本を手に取れば、どうしても「洗練」「洒脱」といった言葉が思い浮かんでしまう。ところが、いざペ

ノンフィクション好きなら必読!『ジャーナリズムの現場から』 書影

人物 / 社会

ノンフィクション好きなら必読!『ジャーナリズムの現場から』

『メルトダウン』などの作品で知られる大鹿靖明が、10人のジャーナリストをインタビューし、まとめられた作品。人選のセンスの良さに思わず手に取った。 冒頭に登場するのはHONZ読者にもおなじみの 角幡唯介 。これは実力と受賞歴などの実績から言って、これは当然の人選。新聞協会賞を2度受賞、ボーン・上田国際記者賞も受賞している現代のもっとも優秀な新聞記者の一人であり

カカポ奇跡の復活! 『ねずみに支配された島』のもうひとつのメインストーリー 書影

サイエンス / 生物・自然

カカポ奇跡の復活! 『ねずみに支配された島』のもうひとつのメインストーリー

ニュージーランド原産のオウムであるカカポは、体重は3〜4キロとオウムのなかでもっとも大きく、そして飛ばない。 哺乳類のいない世界で進化した彼らの敵は、上空から襲いかかる猛禽類だけだった。その攻撃を避けるためにカカポは夜間に活動し、危機に直面した際には、茂みのなかでじっと動かず、その美しい緑色の体を草木に紛らせて敵をやりすごす。 しかし、ネコ、イヌ、イタチなど

伝説の奇書『くう・ねる・のぐそ』文庫化記念! 対談式文庫解説 書影

サイエンス / 生物・自然

伝説の奇書『くう・ねる・のぐそ』文庫化記念! 対談式文庫解説

成毛眞 :本書は、おそらく世界中を見ても類書がまったくない、唯一無二の本。そのテーマからして他の追随を許さない、まさに「独走」状態の一冊だよね。であるからして、この本の最後に誰かがしたり顔して何か付け加えたって、蛇足もいいところで、むしろ本書の価値を落とすばかりだと思うんだ。そこで、われわれHONZが愛するこの世にも稀なる作品をせめて応援させてもらうため、代

ナニコレほしい!『侍達ノ居ル処。』 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

ナニコレほしい!『侍達ノ居ル処。』

斜練家は、その開祖である斜練常陸介隆昌、旧姓桐野隆昌が、円保5年の文燕之役での戦功を認められ、主君からシャネル・ブランドのハンドバッグとともに、斜練姓と紋を許されたことに始まったそうである。 残念ながら、実在の武将ではなく(当たり前か)、現代美術作家・野口哲哉の立体作品である。 細部の質感まで見事に表現された甲冑、絶妙かつビミューな表情、「シャネル」ロゴ配置

山に行きたい!『定本 黒部の山賊』 書影

アート・スポーツ / 社会

山に行きたい!『定本 黒部の山賊』

富山、岐阜、長野各県の県境付近に位置する黒部渓谷。登山愛好者には北アルプスの心臓部として知られている。著者によれば、黒部の源流は天候が崩れれば水位が一気に10m以上も上がり、また至るところで鉄砲水が出る。鉄砲水の勢いは凄まじく、突風を引き起こし、大木が40cmほどの木片に、ザクザクと粉砕される。もしこの増水や鉄砲水に飲み込まれれば、遺留品も遺体そのものも完全

NO PHOTO

NEWS

終了しました→『もっと面白い本』刊行記念 HONZ公開朝会のお知らせ

3月3日に開催されますHONZ公開朝会ですが、定員に達しましたので、受付を終了いたしました。今回ご希望に添えなかった方には誠に申し訳ございません。次の開催をお待ちください。 尚、公開朝会など、HONZのイベントにつきましては、 HONZ会員 にご登録いただけますと、メールマガジン等でお知らせいたします。この機会にぜひご登録をお願いいたします。 ーーーーーーー

『教誨師』 死刑囚と向き合い続けた男 書影

社会 / 事件・事故

『教誨師』 死刑囚と向き合い続けた男

教誨師とは、拘置された死刑囚と唯一面接できる民間人である。面接を望む死刑囚と対話し、ときに悔悟を促し、教え導く役割を負う。そしてさらに、面接を続けた死刑囚の刑の執行にも立ち会うという、過酷な任務でもある。 無報酬の「仕事」であり、多くの場合、牧師や僧侶など宗教家が、その役割を担う。そんな過酷な仕事をタダで誰がやるのか、と疑問が起こるが、宗教家にとって「教誨師

ストン、ストン、胸に落ちる音がする。『あわいの力』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

ストン、ストン、胸に落ちる音がする。『あわいの力』

著者は能楽師のワキ方である。「能」と聞いたときにまず多くの人が思い浮かべるのは面(おもて)を付けて舞うシテ方で、ワキ方というのは、ちょっと失礼な言い方をすれば、シテ方が舞っているときに、なんだか舞台の角で、素顔のまま、じっとしている人。面もつけず、笛も吹かず、鼓(つづみ)も打たず、舞台の進行役を務めたり、ときに立ち振舞を見せることがあるものの、全体としてはな

2013年 HONZ 今年の1冊 書影

HONZ今年の1冊

2013年 HONZ 今年の1冊

各レビュアーが今年の一冊をご紹介する、恒例の「HONZ 今年の一冊」、いよいよ発表。というか、やっと出揃いました(某ノーレビュー師匠がなかなか書かないのはレビューだけではなかったのだ)。毎度のことながらみんなバラバラですが、それぞれの個性がいっそう際立つ一方、意外な選択もあり、偶然にもメルヘン栗下と高村和久の微妙かつ絶妙なバトルが発生したりと、なかなか楽しめ

コータリン降臨!『一度、死んでみましたが』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

コータリン降臨!『一度、死んでみましたが』

コータリンこと神足裕司といえば、ラジオ番組「キラ☆キラ」での、小島慶子とのオープニングトーク、週刊アスキーの連載、そして私の世代には忘れられない、西原理恵子とのコンビによる週刊朝日の「恨ミシュラン」などが印象深い。そして執筆やテレビ出演など超多忙な日々を送るなか、毎週毎週、事件記者としてさまざまな事件の現場を実際に取材してレポートした週刊SPA!の連載「これ

『「流域地図」の作り方』 地球を活き活きとさせる方法 書影

生物・自然 / 社会

『「流域地図」の作り方』 地球を活き活きとさせる方法

この春、息子の通う学校の学習発表会で印象的な発表を見た。テーマは「日本列島」。子どもたちはまず、日本の形といくつかの脊梁山脈について説明し、そのあとこんなふう続けた。 「雨が降り、川となります。たくさんの川が張り巡らされ、それが日本列島を活き活きとさせています」 そして子どもたちの説明は、農耕や各地の習俗や文化の話へと続いていったのだが、それらは、凹凸で構成

NO PHOTO

NEWS

満員御礼! 応募締め切りました。 公開朝会のお知らせ

満員御礼 応募締め切りました! ご応募いただいた皆様、早朝からの会にもかかわらず、ご興味を持っていただき本当にありがとうございました。また残念ながら今回はご希望に添えなかった方、誠に申し訳ございません。 応募いただいた全員に、参加の可否等をメールしておりますので、何のメールも届かない、という方は、event@honz.jpまでご連絡頂ければ幸いです。 ※多数

NO PHOTO

NEWS

『ノンフィクションはこれを読め! 2013』刊行記念トークイベントのお知らせ

トークイベントのお知らせです。 大阪市の堂島、「堂島アバンザ」ビルにあるジュンク堂書店 大阪本店にて、『ノンフィクションはこれを読め! 2013』の刊行を記念してトークイベントを開催いたします。 『ノンフィクションはこれを読め! 2013』をお買い上げいただいた方先着40名まで参加できます。予約は2階の会計カウンターまで(電話で予約し、当日本を購入する形でも

蝶13万頭との対話。『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

蝶13万頭との対話。『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』

アサギマダラは定期的に国境と海を渡ることが証明されている唯一の蝶だ。毎年、秋と冬に1000〜2000kmもの旅をするのだが、実はそれが発見されたのは80年代初頭のこと。私が子どもの頃に読んだ図鑑にはそんなことは一言も載っていなかった。 その発見を受けて、アサギマダラはどこからどこへ、どのようなルートで旅をするのかを解き明かす方法として、「マーキング調査」が始

『犯罪は予測できる』 防犯ブザーは役立たず 書影

社会 / 事件・事故

『犯罪は予測できる』 防犯ブザーは役立たず

書店でタイトルを眺めつつ、犯罪の予測といえば、フィリップ・K・ディックの「少数報告」だよな、などと思いながら手に取ると、まえがき1ページ目でそのことに触れており、一気に著者に対する親近感が増してそのまま購入してしまった。 もちろん、本書には予知能力者のプレコグたちを使った犯罪予知法が書かれているわけではない。著者は、日本人として初めて英ケンブリッジ大学で犯罪

黒い情念がゴッゴッゴッ! 『クマムシ博士の「最強生物」学』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

黒い情念がゴッゴッゴッ! 『クマムシ博士の「最強生物」学』

HONZの皆が大好きで、 ついにHONZのメンバーで「社会科見学」にまで行ってしまった 海洋研究開発機構(JAMSTEC)に在籍するスーパー研究者・高井研氏の著書 『微生物ハンター、深海を行く』 に印象的な下りがある。 そう。高井氏は、自身の研究する極限環境微生物こそが地球最強の生き物であると信じているのだが、そう主張すると必ずと言っていいほど「地球最強はク

『名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち』 書影

社会 / 事件・事故

『名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち』

「名誉の殺人」とは、結婚前に肉体関係を持った女性などをその家族が殺し、一族の「名誉を回復する」こと。中東や南アジアなどで行われている。 こう書けば、 『生きながら火に焼かれて』 という本を思い出すHONZ読者も多いかもしれない。ヨルダン川西岸地区の若い女性が恋人と肉体関係を持ったため、義兄が彼女にガソリンをかけ、火をつけて殺そうとするが、なんとか助けだされた

JAMSTEC(海洋研究開発機構)を楽しむ8冊+α 書影

サイエンス / 生物・自然

JAMSTEC(海洋研究開発機構)を楽しむ8冊+α

♪じゃあむすてっく、じゃむすてっく、じゃむじゃむじゃむじゃむじゃーむすてーーっくっ♪ 自作のJAMSTECのテーマが頭のなかを流れ続けている。暑さでおかしくなったのではない(たぶん)。もうすぐ、HONZでは「大人の社会科見学」としてJAMSTECの横須賀本部に行くのである。これが浮かれずにいられようか。 JAMSTECって何? と思った方。そういう方のために

涼やかに心を打たれる。『すてきな地球の果て』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

涼やかに心を打たれる。『すてきな地球の果て』

もはや異次元と言ってもよい暑さのなか、とびきり涼しそうな本が目に止まった。こちらである。 カバー表1には真っ青の澄んだ空と一面に広がる氷。ページをパラパラとめくれば、ところどころに写真が挟み込まれ、ペンギンや氷河、オーロラなど、極地のまことに涼しげな光景が映し出されている。 著者は、夏は北極、冬は南極、春と秋は東京で暮らしている、という。となれば、今は北極?

『パラサイト』 世界は寄生虫であふれてる! 書影

生物・自然 / 教養・雑学

『パラサイト』 世界は寄生虫であふれてる!

寄生虫の本であるにもかかわらず、まず最初に著者が取り上げるのは、旧約聖書に書かれた「エリコの戦い」だ。Battle of Jerichoと書けば、ジャズやゴスペルファンならピンと来るかも知れない。黒人霊歌「Joshua Fit The Battle of Jericho」で歌われた、モーゼの後継者ヨシュアがカナン人の都市エリコを攻略した、約3000年前の戦闘

NO PHOTO

生物・自然 / 新刊超速レビュー

『深海の怪物ダイオウイカを追え!』新刊超速レビュー

カバーに描かれたダイオウイカが黄金に輝いている。幼い日から何度も見た、図鑑の中の「マッコウクジラ VS.ダイオウイカ(想像図)」ではこんな色ではなかった。本書がキラキラと輝いているのも、昨年、世界で初めて生きているダイオウイカの映像を捉えた著者の功績といえるだろう。 本書は児童書である。おそらくHONZで初めての児童書の書評だろう。たった64ページ。大人なら

NO PHOTO

NEWS

7月10日に公開朝会が開催されます

月に一度朝7時から行われているHONZの朝会は、それぞれのレビュアーが選りすぐりの「これから読む本」を持ち寄り、ひたすら本について語る、まさに本好きじゃなければ、「いったい何が楽しいの?」という会です。 その朝会を今年の2月に続いて、代官山蔦屋書店1号館で公開いたします。題して「帰ってきた公開朝会@代官山」。朝っぱらから熱気に包まれた前回に続いて、今回はどん

NO PHOTO

NEWS

本日、d-laboに本が追加されました!

本日、六本木ミッドタウン・タワー7Fのスルガ銀行d-laboにある「HONZの本棚」に、HONZで取り上げた本、20冊が追加されました! ぜひお立ち寄り下さい。あの 「『カチーナ人形』本」 を愛でることもできます! スルガ銀行d-labo 『〈遊ぶ〉シュルレアリスム』平凡社 『新宿歌舞伎町滅亡記』左右社 『わが盲想』 ポプラ社 『そのとき、本が生まれた』柏書

ホント!? 『反省させると犯罪者になります』 書影

おすすめ本レビュー

ホント!? 『反省させると犯罪者になります』

犯罪者を反省させればさせるほど、累犯者が増える。それどころか、ちょっと悪いことをした人を反省させることを繰り返していけば、その家系からいずれ犯罪者が生まれるかもしれない、と著者は主張する。 うそだろ? とまず思う。しかし本書を読み進めれば、多くの人が「体感」として腑に落ちるはずだ。 ポイントは「反省すると犯罪者になる」ではなく、「反省 させる と……」だとい

過去によく似た未来の本 『土屋耕一のことばの遊び場。』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

過去によく似た未来の本 『土屋耕一のことばの遊び場。』

書店でひときわ目立っていた一冊である。とはいっても派手なカバーであったり、強烈な惹句が踊っているというわけではない。むしろ地味である。白地の余白が多く、ちょっと懐かしいような装丁、帯も、ツヤもない地味な色の紙に、こちらも懐かしいような書体で、抑制の効いた、シンプルな言葉が書かれているだけ。 しかし、梶井基次郎のレモンじゃないが、派手な色と感嘆符だらけの扇情的

奇妙な「言語」の謎を解く 『白と黒のとびら』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

奇妙な「言語」の謎を解く 『白と黒のとびら』

16歳の少年ガレットは、高名な魔術師に弟子入りし、古代ルル語を学んでいる。あるとき、とある村の長老から、人喰い岩と呼ばれる奇妙な古代遺跡を調べてほしいと頼まれ、ガレットは現地に向かう。その遺跡の中に入った者の多くが姿を消し、無事に生還できたのは、長老とその兄だけだったのだ。 ファンタジー? RPG? なぜそんな本がHONZに? そう思うのも無理もないが、もう

NO PHOTO

NEWS

d-laboにHONZで紹介された本が追加されています!

六本木ミッドタウン・タワー7Fのスルガ銀行d-laboにある「HONZの本棚」に、この半年の間にレビューで取り上げた本が、一気に63冊追加されています。この先も毎月20冊ほど、追加されていく予定です。 5月3日から6日まで休館だったd-laboも、本日5月7日からは通常通り営業しております。 ぜひ、本を読みにお立ち寄り下さい! もちろん入館は無料です。 ちな

未来を切り拓こうとするすべての人に。『ロジカルな田んぼ』 書影

生物・自然 / 社会

未来を切り拓こうとするすべての人に。『ロジカルな田んぼ』

またしても、素晴らしい本に出会ってしまった。このコメ作りをめぐるささやかな一冊が、まさかこんなにも生きるヒントに満ちているとは、ぼく自身、思いもしなかった。もし今、自己啓発書やスキルアップ系ビジネス書を読んでいる方がいたら、今すぐそれを閉じ、何よりまず、この本を読むべきである。 まず読者にお願いしたいのは、「なんだ農業の本か」、とこのレビューを読むのを止めな

「麻木久仁子の『週刊ほんなび』」に成毛眞が登場します 書影

NEWS

「麻木久仁子の『週刊ほんなび』」に成毛眞が登場します

HONZの一員でもある麻木久仁子がパーソナリティを務めるラジオ番組「麻木久仁子の『週刊ほんなび』」(TBSラジオ 毎週月曜日夜9:00〜9:20)が4月1日に始まりました。その最初のゲストとして、HONZ代表の成毛眞が3回にわたって登場、著書 『面白い本』 で紹介した本の話題を中心に、まさに「面白い本たち」について語り倒します。 先週の初回に続き、第2回は明

NO PHOTO

NEWS

「HONZ客員レビュー」角幡唯介さんに寄稿していただきました。

森田真生さんのレビュー を機にスタートした「 HONZ客員レビュー 」。森田さんに続いて探検家でノンフィクション作家の 角幡唯介さんに寄稿 していただきました。取り上げているのは早大探検部の先輩でもある高野秀行さんの『謎の独立国家ソマリランド』。後輩ゆえ(かどうかはわかりませんが)の鋭い視点でこの傑作ノンフィクションに迫ります。 HONZ仲野徹のレビュー と

HONZの特別な一冊!『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 書影

サイエンス / 教養・雑学

HONZの特別な一冊!『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』

最近の小学生向け恐竜図鑑を読むと、カラフルな羽毛に包まれた、ニワトリやダチョウみたいな恐竜がいっぱい載っていることに驚く。 羽毛恐竜。1990年代に羽毛の痕跡の残っている恐竜(獣脚類)が次々と発見されたことで、鳥と恐竜の距離はぐっと近くなった。一方で、かつて「鳥の先祖」だと言われた始祖鳥と現生鳥類の距離は遠くなる(本書の帯には、始祖鳥の骨格標本が「オレ、鳥の

NO PHOTO

NEWS

「青木薫のサイエンス通信」はじまりました。

サイモン・シンの著作をはじめ、様々なサイエンス・ノンフィクションの名著を翻訳されている青木薫さんによる連載が、HONZで始まりました。 題して「青木薫のサイエンス通信」。海外の科学記事から日本ではあまり知られていないような興味深いトピックを取り上げ、語っていただきます。 第1回の話題は、ヒトゲノム・プロジェクトヒトならぬ「ヒト・マイクロバイオム・プロジェクト