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田中 大輔

1980年千葉県生まれ。文化服装学院技術専攻科卒。アパレルの販売職を経て、丸善・丸の内本店で10年間ビジネス書担当として働く。書店員時代には日経MJやDIMEなどで書評を連載。2015年に書店を退職し、現在は出版社勤務。2020年2月で週刊新潮のビジネス書捕物帖の連載が終了。好きなジャンルはビジネス、カルチャー、ファッション、音楽、食(特にお酒)など。

(2024年当時)

田中 大輔の記事

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107記事

『風の森を醸す』風の森と日本酒の歴史 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『風の森を醸す』風の森と日本酒の歴史

清酒発祥の地、奈良県に「風の森」という日本酒を醸す酒蔵がある。その名を油長酒造という。今年で創業300周年を迎えた酒蔵だ。300周年を記念して蔵元の山本長兵衛が日本酒と油長酒造の歴史、そして「風の森」の魅力を記した本を発売した。 コロナ禍になる前、私はイベントによく日本酒を持っていっていた。その時によく持っていっていた日本酒の一つが「風の森」だった。日本酒を

『最悪の予感』穴だらけのスライスチーズ 書影

人物 / 社会

『最悪の予感』穴だらけのスライスチーズ

世界最大の「コロナ敗戦国」になったアメリカ。新型コロナウイルスの感染者数は3440万人。死亡者数は61万人を超えた。これは第一次世界大戦と第二次世界大戦、そしてベトナム戦争で亡くなった死者の合計よりも多い。CDC(疾病予防管理センター)やトランプ前大統領が楽観的だったこともあり、初期対応がまずかったのは間違いない。しかしアメリカは新型コロナウイルスに対して無

深遠なる新政の世界『The World of ARAMASA 新政の流儀』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

深遠なる新政の世界『The World of ARAMASA 新政の流儀』

日本酒の新時代を牽引する酒蔵がある。新政酒造だ。秋田にある酒蔵で「No.6」「ラピス-瑠璃-」「亜麻猫」などの日本酒を醸している。ネーミングセンスが独特で、変わったところでは、宮沢賢治の作品名から採った「農民芸術概論」や、ギヨーム・アポリネールの作品から採った「異端教祖株式会社」といったお酒も造っている。新政は熱狂的な人気を誇る酒蔵だ。人気すぎて需要と供給が

まるでホラー映画みたい『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

まるでホラー映画みたい『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』

この本はある意味でホラーである。もし自分の彼女や親しい友人がマルチ商法にハマったとき、周りの人間はこんなにも無力なものなのだろうか?マルチ商法にハマるのなんて情弱!自業自得だよね。みたいな認識が自分にもあったけれど、この本を読んでからは、その認識を改めた。著者はいう。 言いかたは悪くなるが「マルチ商法なんて頭や心の弱い人が巻きこまれるものだ、自分とは程遠いと

『AとZ アンリアレイジのファッション』新刊超速レビュー 書影

アート・スポーツ / 人物

『AとZ アンリアレイジのファッション』新刊超速レビュー

ファッションが突然、僕を襲った。それまでにない感覚だった。 「ファッションには伝える力がある。そして伝わる力がある。 服は言葉を持つ」。そんなことを考えたことはかつて一度も なかった。 アンリアレイジのデザイナーである森永邦彦が、ファッションの原点だと語るのは、予備校で絶大な人気を誇ったカリスマの西谷昇二先生に見せられた一着の服だという。『アバウト・ア・ガー

アメリカのいまが見えてくるMUSIC『ディス・イズ・アメリカ』 書影

社会 / 民俗・風俗

アメリカのいまが見えてくるMUSIC『ディス・イズ・アメリカ』

『ディス・イズ・アメリカ』はTBSラジオの「ジェーン・スー生活は踊る」「アフター6ジャンクション」「荻上チキSession-22」などで放送した音楽特集から、アメリカの政治的・社会的トピックに関連する解説を抜粋し、さらに音楽メディアに寄稿したコラムや評論などをまとめた本だ。激動する近年のアメリカ社会の中でポップミュージックが何をうたってきたのか?を「グラミー

今年のNo.1ビジネス書はこれで決まり!?『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

今年のNo.1ビジネス書はこれで決まり!?『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』

もしかすると本書は20年代を代表する企業の経営について書かれた初めての本になるかもしれない。まだ7月だが今年のベストビジネス書はこの本で決まり?と言ってもいいくらい素晴らしい本だった。小売業で働く人は必読の1冊である。いまや日本を代表する企業となったユニクロを追い抜くかもしれない企業が現れたのだ。その名はワークマン。作業服専門店で知られるあのワークマンである

主人公は君だ『2020年6月30日にまたここで会おう』 書影

教養・雑学 / ビジネス

主人公は君だ『2020年6月30日にまたここで会おう』

2019年8月に病のため47歳の若さで亡くなった瀧本哲史さん。彼はずっと若者世代である「君たち」にメッセージを送り続けてきた。『2020年6月30日にまたここで会おう』は、瀧本さんが2012年に東京大学伊藤謝恩ホールで行った講義を1冊にまとめたものだ。生徒の参加資格を29歳以下に限定し、全国から約300人の10代・20代が集結したという。2時間にわたる講義の

弱い心を何度も叱り、金かりに行く『文豪と借金』 書影

人物 / 小説

弱い心を何度も叱り、金かりに行く『文豪と借金』

文豪と借金というのは切っても切り離せないものなのかもしれない。石川啄木、内田百閒、川端康成など、借金にまつわるエピソードを持つ文豪は枚挙に遑がない。なかでも有名でゲスの極みといっても差し支えないのは石川啄木である。 親友の金田一京助をはじめ、借金に借金を重ねたあげく、金は返さずに踏み倒し、妻子に金をやらずに、手にした金で女遊びに明け暮れていた。本書にはそんな

『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に!

書店員の仕事にはマニュアルがなく、口伝や仕事を盗んで覚えるしかないと言われてきた。そんな中『本を売る技術』という本が売っていたので買ってみたところ、本書には自分が書店員になったときに口伝で教わったことや、誰からも教わることなく、働いていた間にトライ&エラーを繰り返して、最適解だと思ってやっていた技術が書かれていた。本書を読み終えたとき、書店員になったときに、

『百戦錬磨』イッテンヨン・イッテンゴに新日社長の本を読む 書影

おすすめ本レビュー

『百戦錬磨』イッテンヨン・イッテンゴに新日社長の本を読む

今日1月4日は新日本プロレスにとってお祭りの日だ。毎年イッテンヨンと銘打って東京ドームで試合が行われている。今年はイッテンヨン、イッテンゴと2日連続で東京ドーム興行が行われる。普段であればメインイベントになるベルトをかけた戦いが、いくつもの試合であるという1年で1度のお祭りだ。そんな日にレビューするのは新日本プロレス(以下「新日」)の社長が書いた『百戦錬磨』

タピオカドリンクがヤクザの資金源に?『教養としてのヤクザ』 書影

教養・雑学 / 社会

タピオカドリンクがヤクザの資金源に?『教養としてのヤクザ』

「教養」がブームになってひさしい。2010年代の前半から『教養としての○○』というタイトルの本も数えきれないほど発売されている。そんな中、『教養としてのヤクザ』というタイトルの本を書店で目にして、つい手に取ってしまった。完全にタイトル勝ちである。ヤクザの話がいったい教養になるのかどうか?はなはだ疑問ではあるが、著者の名前を見て、これは買いだと確信した。 なぜ

セミが最期に見ているのは?『生き物の死にざま』 書影

おすすめ本レビュー

セミが最期に見ているのは?『生き物の死にざま』

夏の風物詩であるセミファイナル。虫嫌いの私にとっては恐怖でしかない現象のひとつである。セミファイナルといっても一般的に使われるsemifinal「準決勝」の意ではない。ネット上で使われている下記の意味の言葉である。 昆虫であるセミ(蝉)が人生の最期を迎える(セミの死骸など)のを指して「セミファイナル」と呼ぶブラックジョークも見られる。仰向けで転がっていたセミ

すべては“心”に始まり、“心”に終わる。『心。』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

すべては“心”に始まり、“心”に終わる。『心。』

京セラ、KDDIという二つの世界的大企業を設立し、経営破綻したJAL(日本航空)を奇跡の再生に導いた稲盛和夫氏。不朽の名著である『生き方』は2004年8月に発売されてから15年間売れ続け、現在では130万部を突破している大ベストセラーである。私が書店で働いていた間は常に平積みで展開されていた。おそらく私が辞めた後も同様の展開は続いていたはずなので、15年間常

自分が楽しいから書くのが一番『読みたいことを、書けばいい』 書影

教養・雑学 / ビジネス

自分が楽しいから書くのが一番『読みたいことを、書けばいい』

田中泰延をご存知だろうか?知らない人は知らないが、知っている人は知っている人物だろう。(当たり前だ)田中泰延と書いて「たなかひろのぶ」と読む。私はこの人の文章がとても好きで、本が発売されたら、必ず読みたいと思っていた。彼のことは「非常によくおモテになる先輩」のツイートで知った。 非常によくおモテになる先輩に昔言われた。「彼女とよく喧嘩するんです」「彼女の話を

リッツ・カールトン本にハズレなし『伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

リッツ・カールトン本にハズレなし『伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』

書店員時代から「リッツ・カールトン本にハズレなし」という経験則が私の中である。ビジネス書には名作を生み出す鉄板ジャンルというものがいくつかあるのだが、リッツ・カールトン本もその一つだ。サービス・ホスピタリティ関連ではスターバックス本にもハズレがない。その中でも、経営者が自らの経験を書いた本には良書が多い。 例えば、スターバックスの創業者、ハワード・シュルツの

狙うは女と口『ユダヤの商法』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

狙うは女と口『ユダヤの商法』

ビジネス書の名著と言われていながら、長らく絶版となっていた藤田田(ふじたでん)の『ユダヤの商法』が、他の著作とともに6冊同時に復刊した。私が書店で働いていたとき、この本を除く5冊はまだ販売されていたのだが、この中で一番評価の高かった『ユダヤの商法』だけは、なぜか絶版になっていて、読むことができなかった。当時、この本を読むには高値で取引されていた古本を買うしか

『苦しかったときの話をしようか』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『苦しかったときの話をしようか』新刊超速レビュー

事業縮小により会社を退職し、4月から求職活動中の自分にとって、『 苦しかったときの話をしようか 』というタイトルにはとても心惹かれるものがあった。どんな内容か確認もせずに買ったところ、これが素晴らしい本だったので紹介したい。 仕事がうまくいかず、自己評価が極端に低くなっている人や、後ろ向きな仕事をさせられて、自分自身の存在価値を疑う状況に追い込まれている人に

ビジネスと恋愛って似てる?『ブスのマーケティング戦略』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

ビジネスと恋愛って似てる?『ブスのマーケティング戦略』

この本はブスの自虐エッセイではない。れっきとした実用書である。 という前書きから始まるこの本を私はビジネス書コーナーでみつけた。『ブスのマーケティング戦略』完全にタイトル買いだ。帯には入山章栄氏推薦との文字もあり興味を引いた。入山氏は2016年に『 ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学 』でベスト経営書を受賞している。ブスのマーケティングとはいっ

『美酒復権』NEXT5のその先へ 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『美酒復権』NEXT5のその先へ

「NEXT5」というグループをご存じだろうか?日本酒が好きな人ならきっと一度は耳にしたことがあるだろう。ゆきの美人の小林忠彦。白瀑(山本)の山本友文。福禄寿(一白水成)の渡邉康衛。新政の佐藤祐輔。春霞との栗林直章。秋田の蔵元5人が2010年に結成した蔵元集団である。共同で醸造酒をつくり、酒造りを研究し、技術と精神を切磋琢磨している醸造家集団だ。 2014年か

それってホントに伝統?『歴史の「普通」ってなんですか?』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

それってホントに伝統?『歴史の「普通」ってなんですか?』

それってホントに伝統ですか? この本を読むとあなたの中で「伝統」という言葉の持つ意味が変わってくるかもしれません。結論から言ってしまうと、こういうことになります。 「歴史的に見れば、伝統とは、ちょっと長めの流行にすぎません。」 そもそも伝統という言葉は “tradition”の訳語として明治時代に作られた比較的新しい言葉だそうです。新聞などで伝統という言葉が

『死ぬこと以外かすり傷』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『死ぬこと以外かすり傷』新刊超速レビュー

今日発売した本を仕事帰りに購入し、帰りの電車で貪るように一気に読んで、いまこの原稿を書いている。久しぶりにここまで熱狂しながらビジネス書を読んだような気がする。この本は予約の段階でamazonの総合ランキングで1位を取っていた。そのせいなのか発売日なのに書店にあった本はなぜかすべて2刷だった。それもそのはず、この本は発売日前で4刷りが決まっており、すでに3.

現在、過去、未来……『AV女優、のち』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

現在、過去、未来……『AV女優、のち』

晴れのち雨、雨のち晴れ。AV女優、のち――。AV女優の「のち」の後にはどんな言葉が似あうだろう?のちに続く言葉がポジティブなものであればいいなと、心から思う。この本はタイトルが秀逸だ。「その後」ではなく「のち」。「AV女優、のち」言葉の響きがとてもいい。このタイトルに惹かれて、私はこの本を手に取った。 「AV女優、のち」は、みひろ、笠木忍、麻美ゆま、愛奏(元

目からうろこの対談本『明治維新とは何だったのか』 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

目からうろこの対談本『明治維新とは何だったのか』

歴史というものは、常に勝者が作ってきたものである。勝てば官軍負ければ賊軍という言葉にある通り、戦いに勝った側が自身の正当性を主張するために、負けた側を貶めることがよくある。現在、日本で教えられている歴史も例外ではないのだろう。一般的には討幕を成し遂げ、明治政府を作り上げた薩長側から見た歴史(薩長史観)が学校では教えられている。 私もそのような歴史を習い、いま

話下手でもあきらめるな。We Shall Never Surrender『リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ』 書影

人物 / ビジネス

話下手でもあきらめるな。We Shall Never Surrender『リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ』

「礼儀正しい始まりは、愚かしい始まりである」 これはチャ-チルの言葉だ。スピーチやプレゼンにおいて、一番大事なのは第一声である。それなのに「みなさまの前でお話しできることを嬉しく思います。」というような、ありきたりで退屈な言葉で話しをだす人がいかに多いことか……。 「Boring boring」退屈で、くだらない!そういった社交辞令をスピーチにいれたければ話

主役は参加者!『夏フェス革命』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

主役は参加者!『夏フェス革命』

私はフェスが大好きだ。春夏秋冬、1年中様々なフェスに参加している。フェスに行くために仕事をしているといっても過言ではない。ところでHONZの読者の中で、夏フェスに行ったことがある人というのはどれくらいいるのだろうか?夏フェスはいまや大衆化し、花火や祭りと同様、夏の風物詩となっている感があるので、全くいないということはないだろうが、あまり多くはいない気がする。

科学的にみると恋愛と結婚って何ですか?『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

科学的にみると恋愛と結婚って何ですか?『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』

タイトルに惹かれて『 どうすれば幸せになれるのか科学的に考えてみた 』という本を買ってみたら、これが思いのほかおもしろかったので紹介したい。この本は予防医学研究者の石川善樹とニッポン放送アナウンサーの吉田尚紀の対談本である。 中身を見ずに買ったところ、読んでいる途中で、過去に両者の本を読んでいたことに気がついた。吉田尚紀の『 なぜ、この人と話をすると楽になる

2017年のベストビジネス書はこの本に決まり!『SHOE DOG』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

2017年のベストビジネス書はこの本に決まり!『SHOE DOG』

ひさしぶりに読んでいてワクワクするビジネス書に出会った。その本の名は『SHOE DOG(シュー・ドッグ)』という。2017年のベストビジネス書はこの本で決まりだ!発売する前からこの本には注目していた。読んでみたら、これが期待のさらに斜め上をいくおもしろさだった。550ページ近くもあり、ボリュームのある本だが、まったく飽きさせることなく、一気に読めてしまい、後

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』 書影

民俗・風俗 / 日本史

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』

今年のフジロックで小沢健二とコーネリアスを観てきた。コーネリアスが今年発売したアルバム『 Mellow Waves 』が素晴らしくよい作品だったので、コーネリアスを最後まで観たかったのだけど、最後まで見ていると入場規制で小沢健二が観れないと思い、泣く泣く途中で切り上げ小沢健二をみにいった。その後、予想通り入場規制がかかったので、はやめに移動して正解だった。

ブレたっていいんです!『すごいヤツほど上手にブレる』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

ブレたっていいんです!『すごいヤツほど上手にブレる』

信念を曲げる、ブレる、一貫性がない。どれも否定的なニュアンスで使われることが多い言葉だ。政治家が変節しようものなら、多くのメディアや、敵対する政党がそのことを一斉に叩くだろう。アメリカでは政治家の過去の発言と、それとは食い違う最近の発言を交互に放映する番組が人気を博しているそうだ。日本の週刊誌や新聞でも、その類いの記事はよく見かける。 リーダーには確固たる信

出版業界と同じ構図『誰がアパレルを殺すのか』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

出版業界と同じ構図『誰がアパレルを殺すのか』

国内の衣料品(アパレル)業界がかつてない不振にあえいでいる。バブル崩壊直後や、リーマンショック後ではなく、なぜ「今」なのか? アベノミクスは一定の成果を上げ、マクロ経済は比較的安定している。にもかかわらず、今になって突如、深刻な不振に見舞われているのはなぜなのか? ということを、川上(生地を生産している企業)から川下(小売店)までを縦断的に取材してその原因を

ウルトラ怪獣のような不思議な格好の人々『ハイン地の果ての祭典』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

ウルトラ怪獣のような不思議な格好の人々『ハイン地の果ての祭典』

人文書のコーナーを歩いていたら、いきなりウルトラマンにでてくる怪獣のような格好をした人の写真が目に飛び込んできた。本を手に取ると中にさらにインパクトの大きいユニークな写真がたくさんあったので、つい本書を衝動買いしてしまった。 本書は写真集ではない。ハインという失われた祭典のことを書いた民俗学の本である。ハインという行事のことも興味深いが、それだけでなく50点

400年前の世界案内『大航海時代の地球見聞録 通解「職方外紀」』 書影

おすすめ本レビュー

400年前の世界案内『大航海時代の地球見聞録 通解「職方外紀」』

Googleで検索をかければ、すぐに答えがわかってしまう現在、この本に書かれていることの一部が眉唾物であるということは一目瞭然だ。しかし400年前はどうだっただろう? インターネットなんてものはもちろんなく、伝聞に加え書物や文献でしか情報を得ることができなかった当時の人々は、いったいこの本に書かれていることをどのように受け止めたのだろうか? 世にも不思議なも

可笑しな、お菓子な、『おかしなパン』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

可笑しな、お菓子な、『おかしなパン』

「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない!」 マリー・アントワネットが言ったとされる、この言葉は誰もが一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。私はケーキを買ってきた翌日の朝に、この発言とともにケーキの写真をSNSに投稿している。ケーキを1個だけで買うのが恥ずかしく、見栄で2個買ってしまい、翌朝の朝食がケーキになるというパターンだ。 と雑談はさておき、

『伝えることから始めよう』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『伝えることから始めよう』新刊超速レビュー

とにかくこの本の存在をはやく多くの人に知ってほしい!その想いと勢いだけでこのレビューを書いている。こんなに読んでいてワクワクする経営者の本を読んだのはスティーブ・ジョブズの自伝以来はじめてかもしれない。この本を読んだとき、松下幸之助の『道をひらく』を思い浮かべた。この本はそれと同じくらい、後世まで名著として語り継がれるべき本だと思う。とにかく心を揺さぶられる

Viva la クラフトビール『究極にうまいクラフトビールをつくる』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

Viva la クラフトビール『究極にうまいクラフトビールをつくる』

スプリングバレーブルワリー東京が代官山にオープンする。2014年7月にそのニュースを耳にしたとき、たまたまその名には見覚えがあった。ちょうどその頃、ビールにハマりはじめたところで、ビールに関する本をいろいろと読みあさっていた。そのなかで『 ぷはっとうまい日本のビール面白ヒストリー 』という本を読んでいたときに、その名前を目にしたのだ。 スプリングバレーブルワ

アドバイスは無視しろ『BUSINESS FOR PUNKS』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

アドバイスは無視しろ『BUSINESS FOR PUNKS』

パンク生誕40周年と言われている年にふさわしいPUNKなビジネス書が誕生した。その名も『BUSINESS FOR PUNKS』(ビジネス・フォー・パンクス)。全世界でクラフトビールブームを牽引しているクラフトビールのメーカーの「BREWDOG(ブリュードッグ)」創業者ジェームズ・ワットが書いた刺激的な経営の本である。PUNKが大好きでクラフトビールにはまって

謝罪道という様式美『謝罪大国ニッポン』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

謝罪道という様式美『謝罪大国ニッポン』

ベッキーや舛添要一前東京都知事をはじめ、謝罪のやり方を誤ったことで、奈落の底に追い込まれる例が後を絶たない。現代では謝罪の必要がないのに、第三者が謝罪を求め、そしてその人たちに向けて謝罪会見を開くというようなことが多くなっている。「世間をお騒がせして申し訳ございません」というのがその時に使われる常とう句であるが、世間は勝手に騒いでいるだけなのだから、それに対

歩きスマホ、ダメ、ゼッタイ!『神経ハイジャック』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

歩きスマホ、ダメ、ゼッタイ!『神経ハイジャック』

ポケモンGOが社会現象化している。街中を歩いていても、スマホを見ながら歩いていて、急に立ち止まっては、スマホの画面を上のほうにスワイプする動き(ポケモンボールを投げるときのしぐさ)をしている人をよく見かける。ポケモンGOのアプリが配信されてからというもの、連日のようにポケモンGOをやりながら車や自転車を運転して事故を起こしたというニュースが流れている。駅など