
『シドロモドロ工作所のはじめてのお彫刻教室』豆腐とちくわとそうめんを彫ってみよう!
昨年秋、仕事に飽きてネットをあちこち見ていた時に変なものを見つけた。イカらしきものがぐったりとしたパンダを抱いている木像だ。「 イカピエタ 」とタイトルされている。 ピエタ?ピエタ?あれ、知ってるぞ。以前、 大島真寿美『ピエタ』 を読んだときに調べたっけ。 ピエタ (イタリア語:Pietà、哀れみ・慈悲などの意)とは、聖母子像のうち、死んで十字架から降ろされ
HONZ副代表
(2024年当時)
466記事

昨年秋、仕事に飽きてネットをあちこち見ていた時に変なものを見つけた。イカらしきものがぐったりとしたパンダを抱いている木像だ。「 イカピエタ 」とタイトルされている。 ピエタ?ピエタ?あれ、知ってるぞ。以前、 大島真寿美『ピエタ』 を読んだときに調べたっけ。 ピエタ (イタリア語:Pietà、哀れみ・慈悲などの意)とは、聖母子像のうち、死んで十字架から降ろされ

2018年12月17日、文科省は夜間中学を、全都道府県に少なくとも1カ所ずつ開設するとの目標に向け、関係者による検討会議の初会合を開いた。今後、外国人労働者の受け入れ拡大が見込まれる。現在でも公立夜間中学校の生徒の約8割が外国籍だ。不慣れな日本で暮らすために夜間中学校がかけがえのない学びの場であり、居場所となっているようだ。 本書『めんそーれ!化学 おばあと

世間にモンスターが跋扈している。患者が、消費者が、視聴者が、そして親が、モンスターとなって理不尽な要求を言い募る。今では社会現象の一つとして、対応方法のマニュアルまで製作されるほどだ。困った人の扱いには注意しろ、社会人の心得の一つである。 子供を預けている学校は、そのモンスターが発生しやすい。無理難題を吹きかける教師もいれば、授業妨害を繰り返す生徒もいる。我

昭和42、3年ごろ、文藝春秋社が文芸雑誌で使用した原稿を大量廃棄処分したことがあった。 社名入りの茶封筒に入れられた大量の原稿は、ある古紙問屋に持ち込まれた。その問屋へ毎日通い、本や雑誌を探す“建場廻り”(注:建場は業者がその日に集めた廃品を買い取る問屋。古本業界用語)のK書店が発見し買い取った。専門外のK書店は、近代文学などを得意とするU堂へ連絡。すぐに来

第16回開高健ノンフィクション賞受賞作は川内有緒『空をゆく巨人』に決定した。 ノンフィクション好きはこの作者の名に見覚えがあるかもしれない。『バウルを探して地球の片側に伝わる秘密の歌』(現『 バウルの歌を探しにバングラデシュの喧騒に紛れ込んだ彷徨の記録 』幻冬舎文庫)で第33回新田次郎文学賞を受賞した実力派なのだ。バングラデシュの「バウル」という吟遊詩人を追

貧困は罪悪であり、病である。すべての悪の根源である。 タカ大丸は英語同時通訳・スペイン語翻訳者のポリグロット(多言語話者)である。テレビ出演も多いのだが、視聴者から「見た目が怪しい通訳」と言われているそうだ。だがその実力は折り紙付きである。2015年 『ジョコビッチの生まれ変わる食卓』 でグルテンフリーという食事の概念を紹介し、その後、大ブームとなったのはご

2018年5月26日、多くの武道小説を書き続けてきた津本陽が急逝した。本書はその遺作となったの、合気の達人「佐川幸義」の評伝である。 異色であると同時に大変な力作であるこの本は、武術の極意を小説で表そうとした小説家が、実際に合気という神技の深奥に触れた感動が正直に語られていく。 津本が、大東流合気武術の祖である武田惣角の弟子であり、天才武術家として名を馳せて

人生に迷ったり、不安になったりしたときに先人の、特に女性作家のエッセイには助けられてきた。中山千夏さん、佐藤愛子さん、林真理子さん、西原理恵子さんと名前を挙げればきりがないが、最も影響を受けてきたのが詩人の伊藤比呂美さんだ。 初エッセイ 『良いおっぱい悪いおっぱい』 が出版されたのが1985年。私は結婚したばかりだった。妊娠出産、そして子育てを「がさつ、ぐう

10月31日、ハロウィンです。一度くらい「トリックオアトリート」って言ってきてほしいのですが、物騒だから無理なんでしょうねえ。朝会報告の続きで、欠席者のオススメ本も紹介しますね。コメントは各自のものです。みんな面白そう。 その1 その2 ◆早くも朝5時台に目が覚めるようになったという 澤畑 塁 (1) 自分はドーキンスの 『利己的な遺伝子』 に魅せられて、サ

第一回はこちら 半分のメンバーが終わったところでだいたい1時間を経過。朝会は続く。さすがにみんな覚醒し、気の利いたコメントも出てくるようになった。吉村の配ってくれたお饅頭の甘味も、脳みそにはよかったようだ。 ◆敏腕編集長の 内藤順 。眠そうだった顔もようやく晴れやかに。 会社組織の中で働く男性は、女性の上司や部下ときちんとコミュニケーションをとるために1冊目

久しぶりの朝会である。それも前日に宴会をしなかったのは何年ぶりだろう。HONZ開始から8年目。メンバーもその分年を取ったことになる。 それでも朝7時の開始時間どおりに、みな眠い目をこすりつつ集まってくる。「こんな眠いなら次回は来ない!」と断言する成毛や内藤とは反対に、朝は元気いっぱいの仲野徹。きけば毎朝5時半には目が覚めてしまうとか。かく言う私も最近は朝のほ

琵琶湖の畔に住む翻訳家の村井理子さんの家に、生後3か月の雄の黒いラブラドール・レトリバーがやってきたのは2017年の春のこと。1年前に長年連れ添った愛犬を亡くし、ペットを失う強烈な悲しみに再び耐えることはできないと思っていたのに、突然の出会いはやってきた。 ハリーと名付けられた子犬は、食いしん坊でやんちゃ。小学5年になる双子の息子たちとじゃれあううちに、あっ

2018年7月6日朝8時、テレビでニュース速報が流れた。 ―オウム真理教教祖、麻原彰晃こと松本智津夫の死刑が執行された模様― のちにこの日に井上嘉浩、早川紀代秀、中川智正、遠藤誠一、土谷正実、新実智光の6人、7月26日に残る6人の死刑が執行されたことが報じられた。地下鉄サリン事件から23年経っていた。 本書の奥付は2018年7月26日。著者と中川智正との約束

小笠原は東京から船で24時間以上かかる、東洋のガラパゴスといわれる特殊な自然の宝庫だ。 そこの固有種である「アカガシラカラスバト」は平成5年に国内希少野生動植物種に指定された貴重種だ。2001年ごろには推定個体数30羽。あまりにも少ないため島民も見たことのないこの鳥だったので、関心を向ける人は少なかった。 だがでこの島で産卵、子育てをする小笠原を代表する大型

2018年8月24日、台風20号の進路次第では中止も検討されたが、幸いにも通り過ぎて『夢の猫本屋ができるまで』のトークショウ@本屋B&B(下北沢)が無事開催された。登壇したのは、夢の猫本屋 「キャッツミャウブックス」 」店主・安村正也さん、本書の著者でノンフィクション作家の井上理津子さん、司会として私、HONZの東えりかの3人。 金曜日の夜8時という遅い時間

働き方改革の旗印のもと、多くの企業では長時間労働の見直しや生産性向上に取り組み、時短や在宅での勤務も珍しくなくなった。反対に誰もが知る大企業が経営不振に陥り、従業員は先行きの不安に怯えている。 そんななか、自分の半径1メートル内の身近な仕事をネットで始めるという話をよく聞く。主婦の間ではメルカリで小遣い稼ぎをするのはもはや当たり前のことになった。 まさに本書

動物園は明るすぎる。園内は賑やかで、陽気で社交的でなければ浮いてしまいそうだ。 その点、水族館は落ち着く。全体が薄暗く静かで、どんなに陰気で孤独でも変に思われない。 水生ほ乳類には興味のない宮田珠己が向かうのは無脊椎動物の水槽の前。たいがいそこは空いていて、思う存分眺めることができるのだ。本書はそんな安寧の場所を求めた国内水族館の探訪記である。 訪れたのは葛

長く叫ばれている出版不況とはうらはらに、個性的な本屋さんの出店が相次いでいる。HONZでもお世話になった下北沢の 「本屋B&B」 や荻窪の 「6次元」 、本の校閲を行う会社「鴎来堂」がてがける 「かもめブックス」 や中野ブロードウェイにあるサブカルの聖地 「TACO che(タコシェ)」 などこだわりの本屋は盛況だ。開店のためのセミナーもあり、体験談の本も様

一昨年、父を亡くした。倒れる日まで普通に暮らしていた父が、救急車で搬送されて一か月で亡くなってしまうとは思わなかった。ましてや死の瞬間まで苦しみ抜くなんて想像だにしていなかったのだ。 それから私は終末期の過ごし方について多くの本を読んだ。安楽死を含めて、今の日本で許される一番幸せな最期の時を過ごすにはどうしたらいいのかを探し求めた。 本書には私の理想に近いも


古代史=神話というイメージが拭えない。確かにロマンあふれる物語だが、真実ではないだろう。だが日本には『古事記』や『日本書紀』という過去の偉人たちが積み上げてきた第一級の資料が残されている。 ならば徹底的に科学で解明しようというのが本書の狙いである。著者は大学共同利用機関法人自然科学研究機構の科学者だ。坂本は「生理学研究所」でヒトの脳機能を、共著者の渡辺英治は

春間豪太郎は海外旅行にまったく興味のない青年だった。昼は大学生で、夜は音楽系専門学校を掛け持ちしつつ、バンドでドラムを叩き居酒屋でバイトもしていた。だが親友がフィリピンで行方不明になったと聞き、救出に向かう。親友は無事だったのだが、この旅行が彼の好奇心に火を付けた。 一人旅で野宿をしながら海外をまわっているうちに、“GO”(外国用の通名)の冒険への関心は高ま

最も怖いジャパニーズホラー映画は何か。著者の沖田瑞穂がインターネット検索をした結果、総合、男性、女性すべてで『リング』シリーズ、『着信アリ』シリーズ、『呪怨』シリーズが上位3位を占めていたという(2007年オリコン調べ)。 このデータ後、2016年には映画『貞子vs伽椰子』が公開されたり、USJのホラーナイトに貞子が登場したり、『リング』のハリウッド版第3弾

昭和48年(1973年)3月、青山学院大学で後世に残る一大スキャンダルが噴出した。「大学教授が教え子に暴行した」と朝日新聞がすっぱ抜いたのだ。 逮捕されたのは、当時の法学部教授、春木猛(63)で被害者は同学部4年生のA・T子さん。被害者の証言や警察の調べ、関係者の話を総合すると、春木教授は「卒業試験の採点を手伝ってほしい」とT子さんに声をかけ自分の研究室で乱

2017年7月、安倍晋三首相が「将来の首相候補」として守り続けてきた政治家、稲田朋美防衛大臣が南スーダン国連平和維持活動(PKO)の 日報隠蔽の監督責任を取って辞任した ことを覚えているだろうか。廃棄された文書の存在が発覚し、関係者の嘘が晒された末のことだ。 その1年前、南スーダン首都のジュバで政府軍と反政府勢力との大規模な戦闘が勃発した。現地には約350人

「ご苦労様でした」と花束を渡され、見送りの車を断ってロードバイクで走り去る男。引退前の最後の客に深々とお辞儀をした直後、リゾートのプールに飛び込む旅館の女将。二人とも満面の笑みを浮かべている。こんなCMを覚えているだろうか。 定年のイメージを覆す楽しげな姿を、そんなはずがないと思った人は多いだろう。 フリーランスの物書き、高橋秀実には定年がない。だが同年代の

最近でもクイズ番組などでよく見かける麻木久仁子。若々しい声の印象が強くて、50歳を超えていたとは思えないほどだ。 だが48歳で脳梗塞、50歳を目の前に乳がん、と大病を経験して、食生活を見直そうと「国際薬膳師」の資格を取ったという。高齢の母と一人娘との女だけの三人暮らし。生活の中で食が最も重要だ。だったら体に良くておいしいものを作りたい。人生のリセットを料理に

「サイコパス」という言葉をよく聞くようになったのは映画 『羊たちの沈黙』 がヒットした後だと思う。アンソニー・ホプキンスが演じた頭脳明晰な殺人犯、ハンニバル・レクター博士のような人、それをサイコパスと呼んでいた。 狂気を孕んだ天才は魅力的だ。そういう人間すべてがサイコパスというわけではないが、昨今では 脳科学者が著した本がベストセラー にもなっている。 本書

一昨年、父を亡くした。88歳という年齢に不足はなかったとはいえ、その日まで普通に暮らしていた人が倒れ、救急車で搬送されて一か月でなくなってしまうとは、本人も家族もまったく想像していなかった。ましてその間、苦しみ抜くなんて、なおさらだ。 それから私は安楽死について深く考えるようになった。今の日本では許されない、自分が死ぬ時期を決めるということ。苦痛に苛まれた末

編集者であり、作家、クリエーターとしてマルチな才能を見せるいとうせいこうが 「国境なき医師団」 を見に行こうと思ったのは、取材を受けたときに、この団体の活動が多岐に渡っていることを初めて知ったからだ。通常発祥の地であるフランス語(Médecins Sans Frontières)の略語「MSF」と呼ばれることが多いこの組織は全世界70数か国に展開している。紛

2017年12月11日、最高裁は浄水設備導入を巡る収賄などの罪に問われた岐阜県美濃加茂市長、藤井浩人被告の上告審で市長の上告を棄却する決定をした。懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金30万円とした二審の有罪判決が確定し、公職選挙法の規定により失職した。 (朝日新聞記事) この事件は藤井が美濃加茂市の市会議員だった13年4月に、地下水供給設備会社社長から設備導入

大雪に見舞われた日本、48年ぶりの大寒波来襲。 こうなると家に閉じこもって本を読むより仕方がない。(いえいえ、 ファイナルファンタジー XIVですよ、という声も聞こえるけど) さて今月読む本その3は欠席者推薦の本をざざざっとご紹介します。(コメントは本人のものです) ◆大学院の講義の準備で大忙しの 堀内勉 レビューは こちら テクノロジーの進化とグローバリゼ

2018年1月の今月読む本 その2は参加メンバーの後半。 前回の朝会から5か月も経つと、さすがにダブる本も少ない。それぞれの好みも明確になって「この本は○○さんが好きそう」「〇〇さんのレビューが読みたい」と思うようになってくる。でも朝会では、想像力の彼方、度肝を抜かれるような本が飛び出して、メンバー全員が唸ってしまうこともたびたびだ。 ◆興味深い社会派の本を

少々遅ればせではありますが、新年あけましておめでとうございます。今年もHONZをご贔屓にお願い申し上げます。 年末のメンバーたちが勝手に挙げた「 2017年 今年の一冊 」は年末年始のお休みにお役にたてたでしょうか?相変わらず、もくもくと読書し続けるメンバーたちのマニアな本たち。私も思わずポチった本が何冊もありました。 2018年初の朝会は仲野徹の上京にあわ

著者のジャンシー・ダンと夫のトムは10年一緒に暮らした後に娘を授かった。仕事は二人ともライターで大人しいタイプ。だから上手くやっていけるに決まっている。だがその思いは赤ちゃんが生まれた直後に裏切られた。ゴミ箱の中の使用済みオムツを片付けない夫にキレたのだ。 クソ野郎。この野郎。死んじまえ。 それから6年が経ち、家事をほぼ一人で担当するジャンシーは、夫に怒りを

露の団姫 は、現役の上方の女性落語家にして天台宗の僧侶。高校時代から宗教の勉強を始め、聖書、コーラン、仏教書などを読み漁るなか、法華経に出会い「お釈迦さまは私の魂の父親だ!」と帰依することを決める。同時に夢であった落語家になるため 露の団四郎 に入門、大師匠の 露の五郎兵衛 宅に住み込みで修業した。 その団姫が運命の出会いをした相手が、 太神楽曲芸 師の 豊

テロが起こるのは違う世界の話だと思っていたのだが、ここ数年、そうとは言えなくなってきている。つい先ごろも、ロンドンで爆発のあった地下鉄に知人が乗り合わせていたと聞いた。日本でもいつか起こる、そんな予感は誰もが持っているだろう。だが長い平和を甘受してきた日本人にとって、テロは怖いばかりで具体的に何も対処できていない。 本書は「アクセプト・インターナショナル」と

まずはこの写真を見てほしい。 幼いころ怒られて教えられた記憶がよみがえる。「お葬式の時にすることだから絶対やっちゃダメ」というのはもはや常識ではなくなってしまったのだろうか? 本書は「食ドライブ調査」に基づいて考察された、現代の日本の食卓にのぼる和食の実態である。たくさんの写真とインタビューから描き出される姿に、あなたは驚くだろうか、それとも何とも思わないだ

水谷竹秀はフィリピンを拠点にするノンフィクション作家。 『日本を捨てた男たちフィリピンに生きる「困窮邦人」』 (集英社)で現地の人々の情けを受けて生きている日本人を描き、第9回開高健ノンフィクション賞を受賞した。 この作品は、私の価値観をひっくり返した。生活する姿だけをみれば惨め以外の何ものでもない日本人が、なんの柵(しがらみ)もないことで、とてもいきいきし

秋の夜長、読書をするにはいい季節だ。1947年(昭和22)年、「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」と読書週間が作られた。出版社、取次会社、書店、公共図書館、そしてマスコミも参加したこの運動は今年、第71回を迎える。 例年通り今年もまた、10月27日~11月9日まで2週間「本を読もう」というキャンペーンが行われる。だが読書の周辺は明るくない。本が売れな