ノンフィクションはこれを読め!

おすすめ本レビュー

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宇宙に行くならまずこれを読んでからにするべし──『太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

宇宙に行くならまずこれを読んでからにするべし──『太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス』

最近の人類は当たり前のように未来に生きているので、もうみんな宇宙旅行とかにガンガン行っていると思うのだけれども、そうした時にぜひ一読しておいてもらいたいのが、本書 『太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス』 である。月や彗星、火星に金星、はては冥王星まで、各種惑星にどうやって行くのか。各惑星はどのような大気組成であり、地面はあるのか。

『経済学者、待機児童ゼロに挑む』難攻不落の社会問題への挑戦 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『経済学者、待機児童ゼロに挑む』難攻不落の社会問題への挑戦

夫婦というのは、年数を重ねる中でそれなりに関係が変化していくものだが、我が家の場合、いまもお互い変わらずに抱いている感情がある。ときめき? まさか。いまや恋は遠い日の花火である。いまも夫婦で変わらずに思っていること。それは、ぼくらは「戦友」であるということだ。 夫婦にとっての戦いとは、子育てである。具体的に言えば、2人の子どもが小学校にあがるまでの延べ10年

『The Future of Humanity(洋書)』人類が生き延びるためには何が必要で、今の科学技術でどこまで実現できるのか? 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『The Future of Humanity(洋書)』人類が生き延びるためには何が必要で、今の科学技術でどこまで実現できるのか?

去る3月14日、著名な宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキング教授が亡くなった。ブラックホールや宇宙の始まりについての研究で、数多くの功績を残した巨星の逝去に大変ショックを受けた。平易な文章で、一般読者にも分かりやすく宇宙を語ってくれた『ホーキング 宇宙を語る ビッグバンからブラックホールまで』を始めとした多くの著書を、興奮しながら読んだものだ。 個人的に宇宙

『思想的リーダーが世論を動かす』アイデアはこうして創られる 書影

教養・雑学 / 社会

『思想的リーダーが世論を動かす』アイデアはこうして創られる

世界はアイデアに溢れている。限られた時間で優れたアイデアを伝える TEDの動画 を検索すれば、優れたプレゼンテーションを大量に見つけることができる。そのどれもが、世界を良い方向に変える力を持つかにみえる。象牙の塔に閉じこもっていた学者がビジュアルイメージを巧みに使いこなし、利益の追求に血眼になっていた起業家が平和への道を語る。TEDだけではない。 ダボス会議

おやつを用意して読みたい『歴史をつくった洋菓子たち―キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで』 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

おやつを用意して読みたい『歴史をつくった洋菓子たち―キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで』

表紙のアップルパイに惹かれて、本書に手を伸ばした。甘く煮付けた熱々のりんごと、サクサクのパイ生地が美味しそうだ。洋菓子は、生きていく上で米や塩のように必須ではないが、私たちの生活に彩りをもたらしてくれる。 洋菓子の歴史は記憶によって語り継がれるため、伝説や珍説が生まれやすい。その全てを真に受けないためにも、洋菓子の背景にある文化史を理解することは重要だ。 著

死者と共にあること『私の夢まで、会いに来てくれた――3.11 亡き人とのそれから』 書影

社会 / 事件・事故

死者と共にあること『私の夢まで、会いに来てくれた――3.11 亡き人とのそれから』

人は亡くなれば、会えなくなる。話しかけても応えてはくれないし、手を触れることもできなくなる。喪失が突然であればなおのこと、現実を受け入れるのは難しい。私自身、交通事故や突然の病で親しい友人を亡くしたが、10年以上経った今でも、背格好の似た人を見かければ無意識に目で追ってしまう。きっとこの痛みは私が死ぬまで続くのだろうが、それでいいと思っている。 2011年の

話下手でもあきらめるな。We Shall Never Surrender『リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ』 書影

人物 / ビジネス

話下手でもあきらめるな。We Shall Never Surrender『リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ』

「礼儀正しい始まりは、愚かしい始まりである」 これはチャ-チルの言葉だ。スピーチやプレゼンにおいて、一番大事なのは第一声である。それなのに「みなさまの前でお話しできることを嬉しく思います。」というような、ありきたりで退屈な言葉で話しをだす人がいかに多いことか……。 「Boring boring」退屈で、くだらない!そういった社交辞令をスピーチにいれたければ話

暗闇という根源的未知に命を懸けた大探検記『極夜行』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

暗闇という根源的未知に命を懸けた大探検記『極夜行』

探検家・角幡唯介が、「そのときまでに得られた思考や認識をすべて注ぎ込み、それまでの自分自身を旅というかたちで問う」た大探検記である。 準備に四年をかけ、四ヶ月以上の間、真冬の北極圏を一人で歩く探検。それは極夜の暗闇の中である。極夜、聞き慣れない言葉であるが、白夜の逆といえばわかりやすい。太陽が顔を出さない暗闇の中を行こうというのである。 地味といえば地味であ

「図書館の隠れたポテンシャル」を引き出す4冊 書影

おすすめ本レビュー

「図書館の隠れたポテンシャル」を引き出す4冊

机は勉強する大学生や高校生に占領され、読みたい本はだいたい貸出中、音を立てれば「シーッ!」と怖い目で睨むメガネをかけた図書館員、映画で登場する図書館の典型である。 インターネットで検索すれば欲しい情報がすぐに手に入ってしまう時代に、日本を含む世界各国の図書館は生き残りをかけて、古いイメージから脱却しようと挑戦している。本の虫だけを相手にしたサービスでなく、幅

『今の科学でここまでわかった 世界の謎99』古代文明から超常現象、宇宙、生命まで 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『今の科学でここまでわかった 世界の謎99』古代文明から超常現象、宇宙、生命まで

本書は、ナショナルジオグラフィックの人気シリーズ、「絶対に行けない 世界の非公開区域99」「絶対に見られない 世界の秘宝99」「絶対に明かされない 世界の未解決ファイル99」に続く、「世界の謎99」シリーズの第4弾である。 古代文明から超常現象、宇宙、生命までも含む未解明ミステリーのうち、世界の謎を99個を集めて、現代科学で何がどこまで分かっているのかを、写

遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか『ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか『ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』

双子研究を筆頭に、遺伝子が我々の身体的特徴だけではなくIQや統合失調症などの病気といった数々の要因に深く関連していることがわかってきている。が、そうであるならば遺伝子についての知見を深めることによって政策レベルで活かす──介入したほうがいい人間には介入し、そうでない人間には介入しない──というような形の、オーダーメイド政策はありえるのか。 たとえば、受け継が

『鳥! 驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 鳥を知れば人間の本質が見えてくる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『鳥! 驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 鳥を知れば人間の本質が見えてくる

21世紀の今、人類は世界のあらゆる場所にまで生息範囲を広げ、多くの生物を絶滅に追いやり、地球環境そのものを変えるほどの力を持つにいたった。どのような能力が、人類をこれほど繁栄させたのか。持続的な二足直立歩行も人類の特徴ではあるが、何よりその知能が私たちを特別な存在としたことは間違いない。意図的な核融合、宇宙への旅行、地球の裏側との瞬時のコミュニケーションを可

『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』変わろう、動こう。 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』変わろう、動こう。

昨年末にアップされた、サイボウズの青野慶久社長のこのツイートを読んで衝撃を受けた若者も多いのではないだろうか。 本書はこの文章から始まる、これからのあるべき働き方の指針となる啓蒙書である。ここに書いてあることはほぼ正しい。そして、それは心ある人なら誰でも薄々分かっていることである。我々は皆、もう旧来の日本型会社システムがワークしなくなっていることに気づいてい

『アーカイブズが社会を変える 公文書管理と情報革命』事実の積み重ねが未来をつくる 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『アーカイブズが社会を変える 公文書管理と情報革命』事実の積み重ねが未来をつくる

財務省の文書改竄問題をめぐってSNS上で繰り広げられている議論の応酬を見ていて残念に思うのは、現政権への好き嫌いの感情をベースに語られた言葉が実に多いこと。そしてやり取りがヒートアップすればするほど、問題の本質からはどんどん遠ざかってしまっていることだ。 今回の一件は、内閣が責任をとって総辞職すればそれですむような話ではない。またリベラルや保守といった政治的

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』スタンダードの求心力と辺境の遠心力 書影

教養・雑学 / 世界史

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』スタンダードの求心力と辺境の遠心力

読書会のやり方は人によって様々だと思うが、面白く実施するためにはいくつかの条件がある。たしかに同じような読書量のメンバーが集まり、本をネタに好き勝手言い合うだけでも、それなりの楽しさはあるだろう。 しかしそれを継続的に習慣化していくためには、少なからず妄想のような会話にリアリティが伴ってくる必要がある。HONZの例で言えば、サイエンス本の話に触れながら、ふと

となりの奇人からシリアルキラーまで『サイコパス解剖学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

となりの奇人からシリアルキラーまで『サイコパス解剖学』

「サイコパス」という言葉をよく聞くようになったのは映画 『羊たちの沈黙』 がヒットした後だと思う。アンソニー・ホプキンスが演じた頭脳明晰な殺人犯、ハンニバル・レクター博士のような人、それをサイコパスと呼んでいた。 狂気を孕んだ天才は魅力的だ。そういう人間すべてがサイコパスというわけではないが、昨今では 脳科学者が著した本がベストセラー にもなっている。 本書

『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』一般メディアが語らない前代未聞の巨大な"現場" 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』一般メディアが語らない前代未聞の巨大な"現場"

新国立競技場の建設が佳境に入った。2月からは屋根工事もはじまり、20基もの大型クレーンが同時に動き回る様子は壮観だ。敷地面積11万3000平米、総工費1500億円を超える巨大現場である。完成すると6万8000人の観客を飲み込むという。 いっぽう、福島県双葉町・大熊町ではそれをはるかに凌ぐ規模の工事が進んでいる。敷地面積は30倍の350万平米、総工費は50倍の

ぜひハーバードのテキストに! 『蘇るサバ缶』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

ぜひハーバードのテキストに! 『蘇るサバ缶』

泥まみれのサバ缶を石巻から東京の経堂という街に運び、洗って売った、復興支援活動をご存知だろうか。メディアでもたくさん取り上げられたので、ご存知の方も多いだろう。でも、この活動が3月から年末までの長きに渡り、22万缶にのぼったことはあまり知られてない。エピソード自体が美しすぎて、そこに流された「膨大な汗」を私たちはつい見逃してしまう。 本書を手に取ったとき、私

古典的名著の再編集『コーヒーのすべて』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

古典的名著の再編集『コーヒーのすべて』

「自家焙煎はやっぱり違う」「豆はエチオピアでね……」なんぞと最近、コーヒーをめぐる話は細かいことになっている。そもそも「こんなに苦いものをなぜ?」と最初に飲んだ時に思った人も多いのではなかろうか。コーヒーがこれほど愛されるようになった背景を知りたい――そんな人は、この文庫から入ると良いかもしれない。アメリカで1935年に出版された『All About Cof

このカップルが大好き…『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』 書影

医学・心理学 / 人物

このカップルが大好き…『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』

著者は『最貧困女子』や『老人喰い』などのルポ作品で、犯罪現場の貧困問題をえぐり出してきた気鋭のノンフィクション作家だ。 働き盛りの44歳。作家稼業だけでは食えなくなってきた出版界にあって、社会派マンガの原作もこなしながら、いささか問題のある奥さまと、なんとか暮らしてきた。奥さまの問題とは、重度の発達障害を抱えたまま大人になっただけでなく、リストカットを繰り返

『教養としてのテクノロジー』でテクノロジーを駆動する哲学を知る 書影

サイエンス / 教養・雑学

『教養としてのテクノロジー』でテクノロジーを駆動する哲学を知る

ほんの十数年前に登場したばかりのスマートフォンがそうしたように、新たなテクノロジーは私たちの生活を一変させる。AI、仮想通貨、ブロックチェーンのような新たなテクノロジーが誕生する速度は加速度的に増し、1つのテクノロジーが与える影響もより大きなものとなっている。グローバル化の進展によって小さくなった世界では、破壊的テクノロジーの影響は一瞬にして世界中を駆け巡り

営業トークは裏木戸から入れ 『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

営業トークは裏木戸から入れ 『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図』

裏木戸に立てかけさせし衣食住。ビジネスマンなら、一度は聞いたことがあるだろう。初対面の人との話のキッカケにしやすい話題の頭文字である。「裏」は裏話、「木」は気候、「戸」は道楽・・・と続く。なかでも、天気の話題は鉄板だ。差しさわりがなく、相手も乗ってきやすい。でも、そこからどう会話を膨らせるかは、その人の腕次第である。 本書は、天気図を使ったクイズを30問収録

『日本画とは何だったのか』そして日本における近代性とは何だったのか? 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『日本画とは何だったのか』そして日本における近代性とは何だったのか?

「日本画とは何なのか?」、この問いに正面から答えられる人がどれだけいるだろうか。 日本画という芸術を成り立たせているのは、膠や墨や顔料などの日本画材(グルー・ペインティング Glue painting)なのか、日本画様式(ジャパニーズ・スタイル・ペインティング Japanese style painting)なのか、或いはその両方なのか、若しくはそれ以外のも

『隠れナチを探し出せ 忘却に抗ったナチ・ハンターたちの戦い』悪の凡庸と時間に挑み続ける者たち。 書影

人物 / 社会

『隠れナチを探し出せ 忘却に抗ったナチ・ハンターたちの戦い』悪の凡庸と時間に挑み続ける者たち。

1945年5月5日、アメリカ軍がオーストリアのマウトハウゼン強制収容所を解放したとき一人のユダヤ人男性の命が救われた。男の名はジーモン・ヴィーゼンタール。自信家で野心家。この男は、後に最も有名なナチ・ハンターとして頭角を現す。そして、最も、問題の多いナチ・ハンターとして数々の論争の的となっていく。 大戦中にドイツが占領した地域では、ドイツ軍及び現地の協力者に

『安楽死を遂げるまで』幸せのまま逝きたい 書影

医学・心理学 / 社会

『安楽死を遂げるまで』幸せのまま逝きたい

一昨年、父を亡くした。88歳という年齢に不足はなかったとはいえ、その日まで普通に暮らしていた人が倒れ、救急車で搬送されて一か月でなくなってしまうとは、本人も家族もまったく想像していなかった。ましてその間、苦しみ抜くなんて、なおさらだ。 それから私は安楽死について深く考えるようになった。今の日本では許されない、自分が死ぬ時期を決めるということ。苦痛に苛まれた末

『経済史 いまを知り,未来を生きるために』人間の限りない欲望と弱い規範 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『経済史 いまを知り,未来を生きるために』人間の限りない欲望と弱い規範

本書は、東京大学で西洋経済史の教鞭をとり、東大EMP(エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)の講師も務める小野塚知二教授のこれまでの研究活動の集大成であり、学生の教科書としても、研究者の参考書としても、社会人の教養書としても、様々な切り口で読み、使うことができる、経済史の決定版である。 本書において小野塚氏が最初に立てた仮説が、「人とは際限のない欲望を備

タイトルの割に中身は真摯『誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

タイトルの割に中身は真摯『誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』

2015年、米カリフォルニア州サンバーナーディーノで銃乱射事件が発生した。パキスタン系アメリカ人でありイスラム教徒だった犯人の名前が報じられるやいなや、ネット上はイスラム教徒を殺害せよという書き込みで溢れかえる。 事件の4日後、オバマ大統領(当時)は国民向け演説で「差別を拒むことは、宗派を問わずすべての米国人の責務」と語り、「自由は恐怖に勝ることを忘れないよ

『評価の経済学』まわりの評判が気になったときに手に取る本 書影

教養・雑学 / 社会

『評価の経済学』まわりの評判が気になったときに手に取る本

本書の主題は、レピュテーションである。原書のタイトルは「The Reputation Game The art of Changing How People See You」で、評判をゲームとしてモデル化し、そのゲームを勝ち抜くためのお作法をまとめている。流し読みするだけでも、周囲からの評価を得ようと躍起になり、他者からの評価に振り回される日常を冷静に俯瞰す

『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』人が想像できることは、すべて実現できる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』人が想像できることは、すべて実現できる

NASA JPL(ジェット推進研究所)で火星ローバーの自動運転プログラムの開発に携わる小野雅裕さんの最新作。宇宙を夢見た人々たちの想いと歴史をわかりやすく網羅し、最先端の宇宙開発状況から未来へと想いを馳せる。 現代の宇宙開発はあるSF作家のイマジネーションから全てが始まったことをご存知だろうか?1865年に発表されたジュールベルヌの『地球から月へ』というSF

『反共感論──社会はいかに判断を誤るか』 スポットライトに照らされる人たちとそうでない人たち 書影

医学・心理学 / 社会

『反共感論──社会はいかに判断を誤るか』 スポットライトに照らされる人たちとそうでない人たち

1987年、アメリカのテキサス州でわずか1歳半の女の子が井戸に落ちてしまった。女の子の名前はジェシカ・マクローア。ジェシカの体は井戸の枠に引っかかってしまい、大規模な救出活動が繰り広げられるものの、なかなか抜けない。ああ、可哀想なジェシカ。救出活動はテレビなどでも盛んに報道され、アメリカの多くの人たちがその動向に釘付けとなった。そして58時間後、ようやくジェ

『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』大川小学校の悲劇。あまりにも複層的な物語 書影

人物 / 社会

『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』大川小学校の悲劇。あまりにも複層的な物語

リチャード・ロイド・パリーの新刊である。そう聞いただけでピンときた人はよほどのノンフィクション好きか、あるいはHONZファンであろうか。英《ザ・タイムズ》誌アジア編集長、東京支局長でもある著者は前作『黒い迷宮』で2000年におきた英国人女性ルーシー・ブラックマンさん殺害事件を追い、日本の歓楽街の闇の一面を見事に描き出した。HONZでも話題騒然となり内藤編集長

『マネーの代理人たち ウォール街から見た日本株』生活者としての金融プロフェッショナルたち 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『マネーの代理人たち ウォール街から見た日本株』生活者としての金融プロフェッショナルたち

「マネーの代理人」という言葉から何を連想するだろうか。恐らく、ウォール街を跋扈するハゲタカファンドのような肉食系の投資家を思い浮かべるのではないだろうか。 ところが、本書に映画の『ハゲタカ』や『ウォール街』に見られるような劇的なストーリーを期待すると、肩透かしをくらうことになる。本書は、巨大機関投資家の中で働くサラリーマンは、何を考え、どのような行動原理に従

なるほど!我が国はこういうふうにできているのか 『日本で1日に起きていることを調べてみた : 数字が明かす現代日本』 書影

教養・雑学 / 社会

なるほど!我が国はこういうふうにできているのか 『日本で1日に起きていることを調べてみた : 数字が明かす現代日本』

数字、ファクト、ロジック。立命館アジアパシフィック大学の学長にしてHONZ客員レビュアーでもある出口治明さんは、この三つで物事を決定するべきだと説かれている。これはサイエンスにおける研究の進め方でも同じである。なかでも最も重要なのは生の数字だ。相対値ではなくて、絶対的な数字。それがなければ話にならない。 日本国についてのそのような数字をこれでもかと惜しげもな

360年続く出版社を訪ねて 〜後編〜 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

360年続く出版社を訪ねて 〜後編〜

360年続く稀有で貴重な出版社に乗り込んだHONZ! 大火に見舞われながらも続いてきた版元、その名は「檜書店」。能の謡本を出し続けてきた。江戸時代の大、大、大ベストセラーとなった「謡本」とはどんなものなのか。檜書店の内部にさらに迫ってみよう。久しぶりの出版社訪問レビューは続く。(※前編は こちら ) ここで、実際に謡本を見せてもらうことにしよう。 檜 これで

360年続く出版社を訪ねて 〜前編〜 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

360年続く出版社を訪ねて 〜前編〜

日本の出版社の数は3370社もあるそうだ。数は最近減ってはいるものの、それでもまだまだ世界的に見れば、出版活動が盛んな国だと言えるだろう。そんな出版社の中で一番古いのはどこか? と言われれば諸説あるのだけれど、360年続くという出版社が東京にあり、しかも書店を開いている! と聞き及び、これは行かねばなるまいぞ。ということで、今回は久しぶりの出版社訪問レビュー

『物流は世界史をどう変えたのか』物流が国家や歴史を変えた? 書影

社会 / 世界史

『物流は世界史をどう変えたのか』物流が国家や歴史を変えた?

2017年3月、英エコノミスト誌は「脅威のアマゾン帝国」という特集を組んだ。その冒頭で、今後10年以内に売上高は50兆円に達するだろうと予測している。事実、17年の売上高は19兆円を超え、米国のEコマース市場の50%に迫る勢いだ。 アマゾンはこの巨大な売り上げを支えるための物流システム構築に余念がない。16年、海運ではNVOCC(船舶を持たない貨物運送事業者

『ルポ 川崎』リバーズエッジから見る日本の未来 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『ルポ 川崎』リバーズエッジから見る日本の未来

もしこの国の未来を知りたければ、とっておきの方法がある。川崎を訪れてみればいい。それだけ?そう、それだけ。ただしちょっとした条件付きだ。 いちどだけでなく、なんども通ってみること。そこで暮らす人々と言葉を交わし、できたら友だちになること。 そうすればこの街はかならずあなたに未来の姿を見せてくれるはずだ。 川崎市は人口約150万。東京都と横浜市に挟まれた位置に

『オリバー・ストーン オン プーチン』あの社会派監督が密着取材 北の帝王のもう一つの見方 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『オリバー・ストーン オン プーチン』あの社会派監督が密着取材 北の帝王のもう一つの見方

米国の社会派監督として知られるオリバー・ストーンは2015年から2年間かけてプーチン大統領に密着インタビューし、その模様を連続ドキュメンタリー番組として制作した。本書は放送されなかった素材を含めて書き起こしたものである。 放送された直後のアメリカメディアの反感は強烈だった。ニューヨーク・タイムズは「呆れるほど寛大なインタビュー」と論評。CNNやワシントン・ポ

『「国境なき医師団」を見に行く』最大限の敬意を払って支援を尽くす人びと 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『「国境なき医師団」を見に行く』最大限の敬意を払って支援を尽くす人びと

編集者であり、作家、クリエーターとしてマルチな才能を見せるいとうせいこうが 「国境なき医師団」 を見に行こうと思ったのは、取材を受けたときに、この団体の活動が多岐に渡っていることを初めて知ったからだ。通常発祥の地であるフランス語(Médecins Sans Frontières)の略語「MSF」と呼ばれることが多いこの組織は全世界70数か国に展開している。紛