
2018年1月の今月読む本 その1
少々遅ればせではありますが、新年あけましておめでとうございます。今年もHONZをご贔屓にお願い申し上げます。 年末のメンバーたちが勝手に挙げた「 2017年 今年の一冊 」は年末年始のお休みにお役にたてたでしょうか?相変わらず、もくもくと読書し続けるメンバーたちのマニアな本たち。私も思わずポチった本が何冊もありました。 2018年初の朝会は仲野徹の上京にあわ
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少々遅ればせではありますが、新年あけましておめでとうございます。今年もHONZをご贔屓にお願い申し上げます。 年末のメンバーたちが勝手に挙げた「 2017年 今年の一冊 」は年末年始のお休みにお役にたてたでしょうか?相変わらず、もくもくと読書し続けるメンバーたちのマニアな本たち。私も思わずポチった本が何冊もありました。 2018年初の朝会は仲野徹の上京にあわ

今週は浜町にある Hama House で、HONZの新年会がありました。HONZの新年会ということで、檀一雄や池波正太郎にゆかりのある料理をご用意いただきました。放浪癖のあった檀一雄が、日本食で一番食べたくなったものは、田楽だったそうです。 豆腐に味噌を塗って焼いた田楽は、平安時代に行われていた芸能の田楽に由来します。田楽を舞う時に棒のついた台に乗る姿が、

昨年末、編集部から新年早々に取り上げる本を選べといわれ、おもわず本書を推薦した。最後まで読み通す責務を自分に課したかったのだ。 酒好きにとって酒量がもっとも増えるのは年末年始であろう。そして中高年の酒好きにとって、自分の身体が心配になるのも年末年始だ。このまま酒を飲み続けると、本当に寿命が縮まるのではないかと不安になる。 しかし、盃を持つ手は止まらない。クリ

「正義の反対は悪ではなく、また別の誰かの正義である」という言葉があるが、それをまざまざと感じさせるインタビューだ。 日頃のニュース報道をどれだけ注意深く見ていたとしても、プーチンの実像など、なかなか見えてこない。元KGBの工作員であり、独裁者であり、言論の弾圧や人権の侵害でも、よく批判される。だが時に起こす大胆な行動に、世界は度々驚かされてきた。このミステリ

1941年12月8日に始まり、45年8月15日に終結した、アジア・太平洋戦争は日本だけでも軍人・軍属230万人、民間人80万人、計310万人もの犠牲者を出した。当然ながらこの戦争は様々な視点から多くのことが論じられてきた。本書は過去の議論を踏まえた上で、3つの問題意識を重視しながら先の大戦を見直すことを目的としている。では三つの問題とは何か。一番目が、戦後歴

金融業界にいたというのに、自分のカネ勘定となると恥ずかしいくらいにいい加減にやってきた。自分がドンブリ勘定なので、子供にも偉そうなことが言えない。私ほどひどくはなくても、子供とはおカネの話はしにくいし、おカネについて何をどう教えたらいいかわからないという親は多いのではないだろうか。 この本は、そんなダメ親でも、子供をおカネの天才にすることはできると教えてくれ

著者のジャンシー・ダンと夫のトムは10年一緒に暮らした後に娘を授かった。仕事は二人ともライターで大人しいタイプ。だから上手くやっていけるに決まっている。だがその思いは赤ちゃんが生まれた直後に裏切られた。ゴミ箱の中の使用済みオムツを片付けない夫にキレたのだ。 クソ野郎。この野郎。死んじまえ。 それから6年が経ち、家事をほぼ一人で担当するジャンシーは、夫に怒りを

2017年11月29日未明、北朝鮮が発射したミサイルは、日米の防衛当局に衝撃を与えた。なぜならこの時発射された「火星(ファソン)15型」は、アメリカ本土に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったからだ。 ミサイル発射を受け、国連安全保障理事会は12月22日、北朝鮮への新たな経済制裁決議を全会一致で採択した。新たな制裁の柱はガソリンやディーゼル燃料、灯油

世界各地で展開される「国境なき医師団」(MSF)のプロジェクトの現場を、作家のいとうせいこうが、訪ねて、考えて、書いた、という一冊。シンプルに、活動内容や現場を知る面白さもあるのだが、久しぶりに「読んでおいてよかった」と深く思う読書となった。自分の世界が少し変わる。ぜひこれは読んでほしい。 「国境なき医師団」の広報から取材を受けた際に、なぜこんなに活動内容が

昨年10月の天候不順により、野菜が高くて悲しいですね。今が旬のブロッコリーは、地中海沿岸が原産です。キャベツの花を支えていた枝が緑化したもので、ローマ時代から食べていたそうです。食べるのはつぼみの状態の花であり、収穫せずに栽培を続けるとたくさんの黄色い花が咲きます。また、発芽したての子葉と胚軸を、スプラウト(もやし)としても食べますね。 房がたくさんあること

人類進化の大きな流れを概説しながら、かつてのアジアにどれほど多様な古代型人類が存在したかを、最新の研究結果を踏まえながら教えてくれる一冊だ。現在の地球でホモ属に分類されるのはわたしたちホモ・サピエンスだけだが、数万から数十万年前の世界がどれほどバラエティ豊かな人類によって彩られていたかにワクワクせずにはいられない。本書で特筆すべきは、これまで人類進化を語る上

本書のタイトルだけ見るといわゆるJKビジネス的な何かを連想してしまう人もいるかもしれないがそれは全くの誤解だ。制服メーカーのマーケッターが「なんでこんなヘンテコな着こなしや改造を施すのだろう??」と現場に張り付いてこれでもかと聞き込んでたどり着いた、制服を着る中高生の実態である。様々な読み方ができるがとりわけ改造と着くずし視点からの観察と分析、そしてメーカー

ブロックチェーンとは何かを正確に理解するのは難しい。 ブロックチェーン と ビットコイン や イーサリアム の関係、ビットコインというのは一般名称なのか固有名詞なのか、電子マネーと仮想通貨の違いは何なのかなど、個々に考えてみるとよく分からないことだらけである。 冷静になってみればそれも当然で、ブロックチェーンは生まれたての技術であり、AI(人工知能)と同じよ

著者はベストセラー『「平穏死」10の条件』などの著書をもつ医師だ。病院で1000人、在宅で1000人以上を看取った経験から、在宅で死ぬ方が「平穏死」できると訴え続けてきた。近年、増加の兆しがでてきた在宅死。実はその約半分を占めるのが、孤独死である。そして本書は、さらにその約7割を占める「男の孤独死」に焦点を絞った本邦初の本である。 それにしても、身につまされ

ときに歴史は恐ろしいほどに陰惨な物語を生み出す。民主カンプチアでおきた出来事は、ナチスのホロコーストや、毛沢東の大躍進政策、文化大革命にも匹敵する人類史上稀に見る惨禍であろう。民主カンプチアという名前でピンと来なければポル・ポト政権と呼んでもかまわない。 この政権での、極端な共産主義思想に基づいて行われた虐殺と飢餓で、全国民の四分の一にあたる二百万人以上が殺

西郷隆盛という人物の全体像は、その全体を構成する部分の一つ一つを知れば知るほど、ますます途方もなく広がり、多面性を見せ、さまざまな解釈の可能性を生み出していきます。私自身は、そうした捉えがたさを増す西郷像の中で、何をもって「西郷」とするか、その問いに答えなくてはとつねに思い続けています。 そしてその模索の中で辿り着いた一つの答えは、西郷のいくつかの漢詩、とく

先日のペットフード協会の発表によると、全国犬猫飼育実態調査で、調査開始以来、はじめてネコの推定飼育数が犬の数を上回ったという。人類の相棒は犬じゃなくてネコだった──というわけではないけれども、少なくともペットの王は今やネコに移り変わりつつあるといえるのではないだろうか。飼いやすいというのもあるが、ネットをみればネコの画像や動画はいつだって大流行で、あっという

周りのみんながやっているから、乗り遅れないように私もやる――誰しも一度はこうした経験をしたことがあるのではないか。仲間外れは怖いものだ。多少ヘンな流行であっても、ついつい乗ってしまうのが人間の性である。 だが、そうして広まったブームも、時間が経つにつれて一つの風習・行事として根付く場合がある。「伝統」だなんて言葉がついていれば、説得力倍増だ。「古くから伝わる

デザインのやり方一つで、人が死ぬこともある。まさかと思うかもしれないが、世の中を見渡せばそのような事実は多々見つかる。そして何より問題なのは近年「デザイン」というものの意味が拡張しており、もはや「世界はデザインで出来ている」といっても過言ではない状況にあるということだ。 本書『悲劇的なデザイン』は、このようなデザインにまつわる悲惨な出来事を事例としてまとめ、