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419記事

『ラーメンを科学する』つけ麺はなぜ「ぬるい」のか 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『ラーメンを科学する』つけ麺はなぜ「ぬるい」のか

いまや国民食となったラーメン。多くの人が、一度は病みつきになったラーメンがあるだろう。なぜ我々はそのラーメにはまったのか。麺の食感か、スープのうま味か、匂いか。なんとなく好きなのかもしれないが、そこにはおそらく本人も自覚していない理由があるだろう そうなのだ。あのラーメン店に行列ができるのも、飲み会の帰りにラーメンを食べたくなるのも理由があるのだ。本書はその

AI関連本は、どんな本が売れているのか? どんな人が買っているのか? 書影

ビジネス / 併せて読まれたこの一冊

AI関連本は、どんな本が売れているのか? どんな人が買っているのか?

『AI vs.教科書が読めない子どもたち』がHONZのレビューをきっかけに大きく売上を伸ばしています。この本をはじめとして、昨年末からAI関連の書籍の点数が急激に増えてきています。成長著しい分野のため、読者が求めるのも最新の情報ということで、やはり新刊への注目度が高い模様。実際にどんな本が売れているのか、どんな方が買っているのか、今回はAI関連本について見て

『オリバー・ストーン オン プーチン』あの社会派監督が密着取材 北の帝王のもう一つの見方 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『オリバー・ストーン オン プーチン』あの社会派監督が密着取材 北の帝王のもう一つの見方

米国の社会派監督として知られるオリバー・ストーンは2015年から2年間かけてプーチン大統領に密着インタビューし、その模様を連続ドキュメンタリー番組として制作した。本書は放送されなかった素材を含めて書き起こしたものである。 放送された直後のアメリカメディアの反感は強烈だった。ニューヨーク・タイムズは「呆れるほど寛大なインタビュー」と論評。CNNやワシントン・ポ

今週のいただきもの:2018年2月11日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年2月11日週

美味しいそうな鯛が手に入ったので、塩釜焼きにして食べました。塩釜焼きは、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に、玄界灘で獲れた母への贈り物の鯛を、腐らないように塩で包んだことが始まりと言われています。 作り方は、魚の内臓部分に長ねぎ(青い部分)と生姜を詰め、塩味のメレンゲ(卵白4個:塩1/2カップ)で包み、200℃のオーブンで25~35分焼くだけです。出汁を取った昆布があ

『「国境なき医師団」を見に行く』最大限の敬意を払って支援を尽くす人びと 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『「国境なき医師団」を見に行く』最大限の敬意を払って支援を尽くす人びと

編集者であり、作家、クリエーターとしてマルチな才能を見せるいとうせいこうが 「国境なき医師団」 を見に行こうと思ったのは、取材を受けたときに、この団体の活動が多岐に渡っていることを初めて知ったからだ。通常発祥の地であるフランス語(Médecins Sans Frontières)の略語「MSF」と呼ばれることが多いこの組織は全世界70数か国に展開している。紛

『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか 書影

サイエンス / 医学・心理学

『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか

「私はもう死んでいる」(コタール症候群)、「この足は断じて自分の足ではない」(身体完全同一性障害)、「目の前にもうひとりの自分が立っていた」(ドッペルゲンガー)──わたしたちが「自己」と呼んでいるものに歪みを生じさせるような、驚くべき症例と経験の数々。本書は、それらの症例と経験を手がかりとしながら、「自己とは何か」という大問題に迫る挑戦的な一書である。 挑戦

『北極がなくなる日』極地研究者の奮闘記 書影

サイエンス / 生物・自然

『北極がなくなる日』極地研究者の奮闘記

この冬、最強寒波が世界各地を襲っている。日本の北海道・東北・北陸地方では記録的な豪雪となっているし、世界各地でも年初よりアメリカ北東部やロシアの東シベリアは猛烈な寒波におそわれている。ついには北アフリカのサハラ砂漠にて異例の積雪が観測されたという。いったい全体、何がおこっているのか。 どうやら北極の温暖化がその原因のようである。北極の海氷が溶けたことが中緯度

『印象派への招待』絵画の見方 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『印象派への招待』絵画の見方

印象派の影響力は強い。かつわかりやすい。 他の芸術ムーブメントである新古典主義やロマン主義、ダダイズムなどは聞いても私達はピンとこないのではないか。しかし印象派だけは誰もが知っている。それだけ人の心に訴えかける共感力や、ぱっと見た時の色彩の心地よさがあるのだろう。数字の面でいうと、75万円の絵が一気に2億円以上に跳ね上がるなど影響力もある。 本書は初心者が印

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 AI研究が明らかにした人間の弱点 書影

サイエンス / 社会

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 AI研究が明らかにした人間の弱点

書店で、テレビで、ツイッターで、AIの二文字が踊っている。創造性あふれる小説の執筆や複雑なビジネスオペレーションの効率化など、これまで人間にしかできないと思われていた知的活動を、最新のAIが軽々と成し遂げたことを伝えるニュースは引きも切らない。 特に、将棋や囲碁のトッププロをAIが打ち破ったニュースは驚きとともに世界に伝えられた。ウサイン・ボルトより早く走る

『江副浩正』自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『江副浩正』自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

東証一部に上場以来破竹の快進撃でグローバル企業になりつつあるリクルート。わたしはその会社で毎年開かれるNew RINGという社内起業ピッチ大会の審査員を務めている。聞けば車の売買情報誌「カーセンサー」や、結構情報誌「ゼクシー」。最近だと日本の教育界を大きく変えようとしているネット動画教育サービス「スタディサプリ」などはこのピッチ大会から生まれたのだという。

今週のいただきもの:2018年2月4日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年2月4日週

代官山にある旧朝倉家住宅に行きました。旧朝倉家住宅は、地主であり、東京府議会議長を務めた朝倉虎治郎の邸宅です。回遊式庭園を持ち、東京都心部にある、数少ない関東大震災以前の歴史的建造物として、重要文化財に指定されています。 庭というとつい植栽を眺めがちですが、『作庭記』にも「石を立てん事、まづ大旨をこゝろふべき也」とあるように、庭は石組みが要です。鎌倉、室町の

哲学と科学の間。文系がハマる脳科学本 『脳の意識 機械の意識』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

哲学と科学の間。文系がハマる脳科学本 『脳の意識 機械の意識』

物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎない脳から、なぜ意識は生まれるのか。本書は、この謎に気鋭の脳神経科学者が迫った一冊だ。現代科学の最前線の知見を手がかりに、「人工知能」ならぬ「人工意識」の可能性に切り込む。「幼少期が終わり、大きな転換点を迎えている」この分野の現状をまとめ、これからを見通した非常にエキサイティングな本だ。 私は近ごろ、女性を見て、オンナを

『「日本の伝統」の正体』著者インタビュー 書影

日本史 / 著者インタビュー

『「日本の伝統」の正体』著者インタビュー

去る1月中旬、こんなメールが筆者のもとに届いた。「追加取材をしませんか」 柏書房の編集部からのものだった。文面によれば、筆者が年初にHONZで書いた 『「日本の伝統」の正体』(藤井青銅/柏書房)のレビュー を皮切りに、正月中にAmazonは在庫切れ、紀伊国屋新宿本店では完売、記事を見た他書店からも追加注文がぞくぞくと入ってきている……という状態だったそうだ。

『ビジュアル 進化の記録: ダーウィンたちの見た世界』 書影

サイエンス / 生物・自然

『ビジュアル 進化の記録: ダーウィンたちの見た世界』

ベンチャー企業の経営を10年やってみて、分かったことの1つは、ダーウィンの進化論の根源的な正しさだった。強いものや賢いものが生き残るのではない、世界はどう変化するか誰にも分からないのだから、運と適応以外に生き残る術はない。全くもって、その通りだと思う。 2006年にライフネットプロジェクトをスタートさせた時、世の中にスマホはゼロだった。これほどまでにスマホが

『青年市長は“司法の闇”と闘った』弁護士が記す最高裁までの詳細 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『青年市長は“司法の闇”と闘った』弁護士が記す最高裁までの詳細

2017年12月11日、最高裁は浄水設備導入を巡る収賄などの罪に問われた岐阜県美濃加茂市長、藤井浩人被告の上告審で市長の上告を棄却する決定をした。懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金30万円とした二審の有罪判決が確定し、公職選挙法の規定により失職した。 (朝日新聞記事) この事件は藤井が美濃加茂市の市会議員だった13年4月に、地下水供給設備会社社長から設備導入

『遺伝子‐親密なる人類史』から考える人類の未来 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『遺伝子‐親密なる人類史』から考える人類の未来

『遺伝子-親密なる人類史-』、タイトルのとおり遺伝子についての本である。遺伝子といえばもちろん生命科学の分野なのであるが、この本の内容はそこに留まらない。遺伝子についての科学的な解説だけでなく、人間社会におけるその意義と重要性についても広く論じられている。この本を読むと、二一世紀は、誰もが遺伝子について考えねばならない時代である、と強く印象づけられる。 著者

『白鵬伝』矛盾の大きさが示す破格の器量 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『白鵬伝』矛盾の大きさが示す破格の器量

いまもっとも話を聴いてみたい人物といえば、なんといっても白鵬である。昨年の九州場所を前に発覚した暴行事件以来、相撲界が揺れに揺れているのはご存知の通りだ。メディアはわかりやすい対立の構図を仕立て上げ、それぞれの陣営の応援団を買って出た関係者が次から次にワイドショーに登場してはもっともらしい背景を語ってみせる。相撲界をめぐる空騒ぎは一向におさまる気配がない。

『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』働き方改革、その前に 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』働き方改革、その前に

久しぶりに画期的な組織論の本に出会った。 この『ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』は、単なるビジネス書ではなく、インターネットなどテクノロジーの進歩により可能になった個人の自律を前提とした会社のあり方、即ち、自己組織化する組織「ティール(Teal)」を提唱する、進化論と発達心理学を基礎とした社会変革の啓蒙書である。 本書の原著"R

今週のいただきもの:2018年1月28日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年1月28日週

友人がワカサギ釣りに出かけているのを、SNSで眺めています。ワカサギの氷上の穴釣りは、昭和初期に、長野県の松原湖や野尻湖、山梨県の山中湖などで行われてました。 食用とされることから、綺麗な水にのみ生息しそうですが、じつは水質が悪い状況や低水温、塩分に対して広い適応力があります。また、ワカサギを漢字で「公魚」と書くのは、常陸国麻生藩が徳川11代将軍家斉に年貢と

『GHQと戦った女 沢田美喜』 書影

日本史 / 「解説」から読む本

『GHQと戦った女 沢田美喜』

戦後70余年。神奈川県大磯のエリザベス・サンダース・ホームで育った混血の孤児たちも、思えば、すでに老齢にさしかかっているだろう。 ホームの創設者、沢田美喜(1901~80年)は三菱財閥の創始者、岩崎彌太郎の孫である。男ならば当然、事業を発展させたはずだが、美喜は20歳で外交官、澤田廉三と結婚し、南米や中国、欧米各国で華やかな社交を繰り広げた。ところが、4人の

『トヨタ物語』 世界を制したトヨタ生産方式誕生秘話 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『トヨタ物語』 世界を制したトヨタ生産方式誕生秘話

世界に最も影響を与えた日本発のものや文化は何だろうか。葛飾北斎の浮世絵や黒澤明の映画は諸外国の多くの芸術家たちを魅了し、彼らの作品にその影響を色濃く残している。次々と生み出される日本発のゲームや漫画も、若者に限らない、世界中の老若男女を今でも虜にし続けている。少し注意深く目を凝らして見れば、世界のあちこちに日本から生まれた何かを感じることができる。 思想や文

『老後破産 長寿という悪夢』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『老後破産 長寿という悪夢』

大学の「社会保障論」の講義の中で、NHKスペシャル「老後破産」を教材に用いると、学生は衝撃を受ける。「なぜ高齢期に、こんな悲惨なことが起こるのか」「社会保障制度はどうなっているのだ」と──。丹念な取材で一人暮らし高齢者の生活を浮き彫りにしたルポは、若者の目を社会に向けさせ、社会のあるべき姿を思索させる力をもつ。 本書が取りあげた一人暮らし高齢者の「老後破産」

オリンピックに翻弄されたくなければ読むべし──『オリンピック秘史: 120年の覇権と利権』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

オリンピックに翻弄されたくなければ読むべし──『オリンピック秘史: 120年の覇権と利権』

東京オリンピック・パラリンピックの大会運営費用や会場整備費用は、当初見込んでいた3013億を遥かに超えて総予算の計上は現時点ですでに2兆円を超えている。東京都民としては「おいおい、話が違うじゃねえか」と呆れるほかないところだが、いったい”オリンピックを運営する”、その裏側ではどのような力学が働いていて、”なぜこうなってしまうのか”。 本書『オリンピック秘史:

月1億8000万円稼いだ『ストリップの帝王』の栄枯盛衰 書影

人物 / 社会

月1億8000万円稼いだ『ストリップの帝王』の栄枯盛衰

文字通り「ストリップ産業の帝王」となった男の評伝だが、タイトルだけで敬遠すると損をする一冊かもしれない。 冒頭から過激だ。ストリップ劇場に刃物を持って押しかけてきたヤクザを、病院送りにするところから物語は始まる。殺人2件、殺人未遂7件のヤクザを失神させる男とはどんな男かと想像は膨らむ。ストリップという産業からしても主人公はチンピラ崩れかと思われるかもしれない

10年ぶりの改訂!『広辞苑』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

教養・雑学 / 併せて読まれたこの一冊

10年ぶりの改訂!『広辞苑』を買ったのは、どういう人たちなのか?

『広辞苑』の10年ぶりの改訂は、今年の出版業界のニュースの冒頭を飾るニュースとなりました。いくつかの間違いが即日指摘され世の中を沸かせるところも、国民的辞書だからこそという気もします。 とはいえ、この電子化の時代。紙の辞書がどの程度売れるのかについては懐疑的な思いもないわけではありません。ただ、その懸念を吹き飛ばす売れ方が続いています。その『広辞苑』はどんな

主役は参加者!『夏フェス革命』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

主役は参加者!『夏フェス革命』

私はフェスが大好きだ。春夏秋冬、1年中様々なフェスに参加している。フェスに行くために仕事をしているといっても過言ではない。ところでHONZの読者の中で、夏フェスに行ったことがある人というのはどれくらいいるのだろうか?夏フェスはいまや大衆化し、花火や祭りと同様、夏の風物詩となっている感があるので、全くいないということはないだろうが、あまり多くはいない気がする。

『偉大なる宇宙の物語 なぜ私たちはここにいるのか?』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『偉大なる宇宙の物語 なぜ私たちはここにいるのか?』

本書は、素粒子物理学の「標準模型」——その名のとおり、現時点でのスタンダードなモデル——がどのようにしてできあがったかを詳細に綴った物語である。さまざまな物理理論の学術的な解説はもちろん、どこの誰がどんな理論を提出して総体的なモデルの完成にいたったかという歴史的な経緯もたっぷりと描かれている。 著者のローレンス・クラウスは、1954年生まれのアメリカの理論物

『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』 書影

事件・事故 / 「解説」から読む本

『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』

イギリスの《ザ・タイムズ》紙のアジア編集長および東京支局長のリチャード・ロイド・パリーによる最新ノンフィクションをお届けする。 前作の『黒い迷宮──ルーシー・ブラックマン事件の真実』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)が多くのメディアで取り上げられ、読者から高い評価を得たのは、訳者としては望外の喜びだった。この作品のもつ凄まじい"力"については私も編集者も認め

2018年1月の今月読む本 その3 書影

今月読む本

2018年1月の今月読む本 その3

大雪に見舞われた日本、48年ぶりの大寒波来襲。 こうなると家に閉じこもって本を読むより仕方がない。(いえいえ、 ファイナルファンタジー XIVですよ、という声も聞こえるけど) さて今月読む本その3は欠席者推薦の本をざざざっとご紹介します。(コメントは本人のものです) ◆大学院の講義の準備で大忙しの 堀内勉 レビューは こちら テクノロジーの進化とグローバリゼ

今週のいただきもの:2018年1月21日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年1月21日週

酢飯を作る時以外にもすし酢をよく使います。先日、すし酢への愛が強すぎて、家にストックがあるのにまた買ってしまいました(ただ忘れていただけ)。 酢飯を作る時のコツは、ご飯が熱いうちにすし酢をなじませること。ご飯が冷めると、でんぷんが変化し、すし酢が浸透しないんです。木製のすし桶を使うと、木がご飯の余分な水分を吸収して、べちゃっとしません。すし酢を馴染ませた後に

我らが ”サピエンス観” 崩壊!『ゲノムが語る人類全史』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

我らが ”サピエンス観” 崩壊!『ゲノムが語る人類全史』

ここまでわかったのか。あらためてゲノム科学のインパクトを感じる一冊だ。 ゲノムとは、ある生物の全遺伝情報を指す。地球上の全生物の遺伝情報はDNAに蓄えられている。うんと簡略化して言うと、ゲノム情報とはACGTという四つの文字が延々と書き連ねられた書物のようなものである。そのサイズは生物によって異なるが、人間の場合は30億文字だ。 その配列を決定する方法は猛烈

『時計の科学 人と時間の5000年の歴史』時計と時間のズレた関係 書影

サイエンス / 教養・雑学

『時計の科学 人と時間の5000年の歴史』時計と時間のズレた関係

この原稿を書いている最中に、想定外のニュースが飛び込んできた。Facebookが新しい時間の単位を発表したというものだ。人類(のほとんど)は秒を共通の使用しているが、Facebookが提案した新しい時間の単位「フリック」は、7億560万分の1秒で、映像コンテンツを制作する際に、有用な単位となるらしい。 確かに時計の技術的な進歩により、時間の単位は変わっていな

『バナの戦争 ツイートで世界を変えた7歳少女の物語』シリア情勢を知る最適な一冊 書影

教養・雑学 / 人物

『バナの戦争 ツイートで世界を変えた7歳少女の物語』シリア情勢を知る最適な一冊

爆弾が降りしきる中、私と同じように生活を営む人がいる。そんな当たり前のことを、本書を読むまで忘れかけていた。銃撃戦がひどい地域の住民は全員避難して、住居のなかは空っぽになっているというのは自分勝手な思い込み。バナは爆撃と銃撃戦が日々繰り返される街で生活していた。 バナの家族は、お父さん、お母さん、弟のモハメッド、戦争の最中に生まれた弟のヌール(光という意味)

『自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質』絶対に負けられないことを前提に 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質』絶対に負けられないことを前提に

「東日本大震災当時、自衛隊トップの統合幕僚長を務め、映画『シン・ゴジラ』の財前統合幕僚長のモデルとされる伝説の自衛官が、アカデミズムが取り上げない戦史研究の意義、危機の現場で人と組織を動かす極意、地政学を超える地経学の重要性、戦略の成功確率を上げるための戦力回復の真髄まで、ビジネススクールでは教えてくれない戦略の本質を明らかにする。」 こんなうたい文句の本が

絶望的にヒーロー不在『八甲田山 消された真実』フィクションとノンフィクションと 書影

事件・事故 / 日本史

絶望的にヒーロー不在『八甲田山 消された真実』フィクションとノンフィクションと

神成大尉は、二一〇人の兵隊を凍死させたのは自分の責任であるから自分は自殺する、舌を噛んで自殺すると。…… ベッドの上で正座して話す老齢の男性――その人は、世界最大級の山岳遭難事故の最後の生存者・小原中三郎元伍長であった。 1902年(明治35年)1月。日露戦争を前に陸軍は寒冷地での行軍を調査・訓練するため、青森の陸軍歩兵第五聯(れん)隊と弘前の第三十一聯隊が

『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も!

カレーライスを一から作る。そう聞けば「ふむふむ、市販のルーを使わずに、スパイスをアレンジするのかな」と、まずは思うのが普通のリアクション。で、隠し味とか一手間とか、なにか工夫やアイディアがあって、と。実際「カレーライスをつくる」「カレーライスを語る」という本は数多ある。なにしろ国民食。美味しく作るために、どれほど多くの人々が、どれほど多くの情熱を傾けてきたこ

『消費資本主義』「見せびらかし」の心理をひも解く 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『消費資本主義』「見せびらかし」の心理をひも解く

本書は「見せびらかし消費」についての本である。高級な車や時計、ファッションなどの典型例を出すまでもなく、機能というよりはステータスを手に入れようとする消費行動は世の中のあらゆるところに存在している。 では、わたしたちはそうした消費を通して、具体的に「何を」見せびらかしているのか? あらためて問われると、はっきりとした回答は案外浮かばない。富の多さ、社会的地位

2018年1月の今月読む本 その2 書影

今月読む本

2018年1月の今月読む本 その2

2018年1月の今月読む本 その2は参加メンバーの後半。 前回の朝会から5か月も経つと、さすがにダブる本も少ない。それぞれの好みも明確になって「この本は○○さんが好きそう」「〇〇さんのレビューが読みたい」と思うようになってくる。でも朝会では、想像力の彼方、度肝を抜かれるような本が飛び出して、メンバー全員が唸ってしまうこともたびたびだ。 ◆興味深い社会派の本を

『人類の進化が病を生んだ』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『人類の進化が病を生んだ』

ランドルフ・M・ネシーとジョージ・C・ウィリアムズ著のWhy We Get Sick は、ダーウィン医学(進化医学)の概念をはじめて一般向けに紹介した本として一九九四年にアメリカで出版された。日本でも、長谷川眞理子、長谷川寿一、青木千里の翻訳により『 病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解 』として2001年に新曜社から出され、ロングセラーとなってい