
『社会問題とは何か なぜ、どのように生じ、なくなるのか?』こんなを教科書を10代の頃に読みたかった!
100万部を突破したハンス・ロスリング『ファクトフルネス』、ビル・ゲイツがここ10年で読んだ最高の一冊と評したスティーブン・ピンカー『暴力の人類史』、暗い時代に明るい未来を想像させてくれるマット・リドレーの『繁栄』、いずれも世界は良い方向に進んでいることを明らかにし、読者に希望を与える書籍である。また、ビル・ゲイツは自身でも「世界は良い方向に向かっている」と
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100万部を突破したハンス・ロスリング『ファクトフルネス』、ビル・ゲイツがここ10年で読んだ最高の一冊と評したスティーブン・ピンカー『暴力の人類史』、暗い時代に明るい未来を想像させてくれるマット・リドレーの『繁栄』、いずれも世界は良い方向に進んでいることを明らかにし、読者に希望を与える書籍である。また、ビル・ゲイツは自身でも「世界は良い方向に向かっている」と

目の前の映像が信じられなかった。あの連邦議事堂が占拠されている。 トランプ支持者によってガラスが割られ、警察が閃光弾を放って群衆を押しとどめようとする映像がニュースではなんどもリピートされていたが、よりショックだったのは建物の中の様子だった。 議事堂になだれ込んだ連中は、まるで場違いな観光客のように、物珍しげに周囲のものを触ったり、はしゃいで写真を撮ったりし

日本でもオーロラが見えていたことをご存じだろうか。しかも、直近では昭和33年、約60年前で、これは写真での記録もバッチリあるという。 この本は、タイトルこそ『日本に現れたオーロラの謎』だが、サブタイトルに「時空を超える」や「赤気」という言葉が入り、著者名も片岡「龍峰」さんで、とどめにカバーのイラストで、山から赤いオーラみたいなものが出ている。ぱっと見「スピリ

この『英語独習法』は、認知科学や発達心理学を専門とする今井むつみによる、認知科学の観点から考えた最強の英語学習について書かれた一冊である。 『「わかりやすく教えれば、教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識なのである。』 といったり、多読がそこまで良くはない理由を解説したり、一般的に良しとされる学習法から離れた

千葉県流山市には、全国の自治体でも珍しい「マーケティング課」がある。「都心から一番近い森のまち」「母になるなら、流山市。」など、子育て世代に刺さるプロモーションを展開し、人口増加率は千葉県内で6年連続1位をキープしている。 本書の著者も結婚を機に流山市に移り住んだ一人だ。移住してしばらくはビジネスパーソンとして忙しい毎日を送っていたが、第一子の出産後育児休業

1月。新型コロナウイルスの再拡大を受け世の中には暗い空気が漂う1年のスタートとなりました。外出自粛要請や、大雪などの悪天候もあって書店店頭も苦戦が続いています。 一方、今年は東日本大震災から10年という節目の年にあたります。3.11を見据え関連書の発売や復刊、文庫化などが急激に増えてきています。どんな本が話題になっていくのでしょう。 いつものように、ノンフィ

本書を読んで思ったのは、私も生命科学を理解できるんだな、という単純すぎる驚きです。私は科学に憧れがあったので、流行りのものや面白そうなものは一通り読んでいました。しかし、ワクワクするまではいかない。たとえば、伝記スタイルであれば、科学者の破天荒な人生に惹きつけられて楽しめることもあります。でも、「一から分かる科学〜」のような、科学の魅力をストレートに伝える本

いまやGPSのおかげで道に迷うことも少なくなった。とはいえ、こうした利便性と引き換えにわたしたちは大切なものを失いつつあるのではないか? 本書はそんな問いかけからはじまる。 ナビゲーションは、「海馬」という脳の領域が主に担っている。海馬にある場所細胞・頭方位細胞・格子細胞などが、脳のなかに認知地図をつくり出しているのだ。 興味深いのは、海馬は記憶の構築にもた

『死を生きた人びと─訪問診療医と355人の患者』(みすず書房)、2年ほど前に本屋さんで購入した。著者の名前、小堀鷗一郎を見ると、わたしと同じく、ひょっとしたらと思われるかもしれない。ご明察、森鷗外の次女、小堀杏奴のご子息である。 食道がんを専門とする外科医であったが、定年後は在宅患者の訪問診療にたずさわっておられる。そして、サブタイトルにあるように355人の

新型コロナ禍でのマスク不足対策で大成功を収め、世界的な脚光を浴びたのが、ジェネレーションYと呼ばれる若い世代を代表する、台湾の「天才デジタル担当大臣」である。そんな39歳のオードリー・タンが、本当の自由とは何か、どうしたら手に入れることができるのかを、「本書を手にした日本のみなさんへ」と語りかけたのが本書だ。 オードリーが表象するものは、あらゆる既成概念から

「この赤はリンゴの赤だね」と言うとき、どんな赤色を見ているかは、実は人それぞれだ。そもそもヒトがどんな色を視ているかを科学的に考えたことがあまりない。ところがその色覚について、「正常」と「異常」に線引きする時代もあった――それなら色覚とはいったいどういうものなんだ? 猛然と、最先端のサイエンスの知見に挑む著者による、新たな色覚原論の決定版! 著者の川端裕人さ

4人の女性が、顔と名前をあかし、before・afterの写真とともに整形体験を語る。いつもHONZに掲載されるノンフィクションと、傾向はちがう。けれど、これも現実、という読後感を持つだろう。 タイトルどおり東京に来たことこそ、彼女たちの転機だった。「東京はデカい、強い、カッコいい!」。華やかで刺激の多い街で生きる。そのためには綺麗になるしかない。 整形なん

本書のプロローグは、「青森のりんごの形が良いのは、季節ごとに、こまめに手当てをするからだ」という、青森在住のわたしにとっては、不意を突かれる一文ではじまります。 なぜ、アルツハイマーの本で、青森のりんごなのか? その理由はすぐにわかりました。青森には、家族性アルツハイマーの大きな一族があるというのです。長身で美男美女の多いその一族は、おそらくは結婚相手に困る

新年早々、私は圧倒された。本書は、大阪・西成の小さな教会で、約20人の信徒たちとともに生き抜く女性牧師を描いたノンフィクションである。いや、そんな説明ではミスリードをまねく。教会といっても床が抜けた古い中華料理店の居抜き物件だし、主役は1950年生まれのおばちゃん牧師である。そこはいわば、元野宿者たちとの壮絶な「生きる舞台(=家)」だ。 本書には、想像をはる

本書を読んで、まずこれはとても正直な本だと思った。未来予測本にありがちな過度な楽観論を振りまく訳でもなく、かと言って日本人特有の過度な悲観論でもない。煽らず卑下せず、必要十分なことが淡々と書かれている。 そして、本書は、とにもかくにも還暦を迎えた私などより若い人に是非読んでもらいたいと思う。と言うより、若い人は絶対に読まなければいけない必読書である。 著者の

国道16号線は、神奈川県の三浦半島から千葉県の房総半島まで、首都圏を中心にぐるりと環状に結ぶ道路だ。 私が卒業した多摩美術大学は神奈川の橋本駅と東京の八王子駅の間の鑓水にある。16号線沿いで、養蚕が栄えた場所でもある。1960年代、学生運動が激しかった大学を都市部から引きはがす目的で東京の郊外へ移転させたと本書にはある。そのとき都心から通える距離として選ばれ

この『空気と人類』は、『スプーンと元素周期表』など様々な化学/科学系のトピックスを扱ってきた作家サム・キーンによる、気体についてのノンフィクションである。気体! 一緒にいるのがあたり前の相手を「空気のような存在」というぐらいには身近なものだが、その性質、歴史、役割に注意を払う人は多くはないのではないか。 本書の原題は『Caesar's Last Breath

読み始めて、すぐに気がついたことがある。これは、医療の本であると見せかけて、知識に大きな差がある人間関係におけるコミュニケーションの本である、ということだ。中高生に関わる仕事をしているためか、私自身は患者を生徒に、医師を先生に変換して読んだ。親と子、上司と部下、行政と市民など、他の形で変換することもできるだろう。このような関係性を振り返り、新しい関係性を構築

命の選別。重く響く言葉である。そして、その現実は暗くて深い。『ルポ「命の選別」 誰が弱者を切り捨てるのか?』では、「優生社会」のさまざまな問題点が明らかにされていく。 優生思想など過去の遺物と思われるかもしれないが、それは間違えている。国家が強制したトップダウンの優生学ではなく、リベラル優生学とも呼ばれる、個人が望むボトムアップの新しい優生学が横行し始めてい

いよいよ2021年がスタートしました。ただ、感染拡大を受けてしばらくは巣ごもりが必要な日々が続きそうです。12月も注目すべきノンフィクション本が多く発売されています。まずは先月出た本の売上ランキングから売場を見ていきましょう。 日販オープンネットワークWINから12月発売のタイトルとHONZのレビュー対象となるノンフィクションジャンルのタイトルを抽出しランキ

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界の新型コロナによる死者数が170万人を超えたという(2020年12月22日時点)。最も多い米国では30万人を超え、1日の死者数が3000人以上の日もある。いまだ収束の気配は見えない。 医療現場は果たしてどのような状況にあるのか。本書は、米国で感染が爆発的に拡大する中、ボストンで救急現場に立ち続けた日本人医師の現地