ノンフィクションはこれを読め!

成毛 眞

HONZ代表

元マイクロソフト社長。インスパイア取締役ファウンダー。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。産経新聞、週刊新潮、日経ビジネスなどに書評寄稿多数。代表的著書に『面白い本』『大人げない大人になれ』。雅号は「半覚斎」

(2024年当時)

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583記事

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』真のエリートとは 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』真のエリートとは

イギリス史上もっとも偉大な宰相、サー・ウィンストン・チャーチルは1965年1月24日、90歳の天寿をまっとうした。葬儀はセントポール寺院で行われ、エリザベス女王も出席した。イギリスには君主は臣民の葬儀に出席しないという慣例があったが、初めて破られた事例であったといわれる。 チャーチルは第2次世界大戦の英雄であり、ノーベル文学賞受賞者であり、高名な画家でもあっ

『太平洋の試練(上・下)』2013年No.1(3冊目) 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『太平洋の試練(上・下)』2013年No.1(3冊目)

太平洋戦争における日本軍の失敗を研究した『失敗の本質』は文庫版だけでも発行部数56万部を超える経営学(組織論)の名著だ。カバーされている戦闘はノモンハン事件、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ沖海戦、沖縄戦の6つ。太平洋戦争以前に発生し停戦協定をもって終結したノモンハン事件を除けば、すべてミッドウェイ以降の負け戦(いくさ)である。逆に

『カリカチュアでよむ19世紀末フランス人物事典』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『カリカチュアでよむ19世紀末フランス人物事典』新刊超速レビュー

とんでもない本が出たものだ。「開運!なんでも鑑定団」に出せば、そら恐ろしい鑑定額がつきそうな古い週刊誌を1冊にまとめた本である。古い週刊誌といっても19世紀末にフランスで発行されたA4・4ページの冊子だ。この雑誌は469号まで発行されたが、そのすべてに日本語解説を付け加えて収録したのだ。世界初だという。その週刊誌の名前を『今日の人々』という。 30年ほどまえ

2013年上半期は絵画読み物が大当たり! 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

2013年上半期は絵画読み物が大当たり!

2013年の上半期は絵にまつわる読み物が充実していた。ちょっと目に入っただけでも4点あり、それぞれ1,900円、1,600円、2,000円、2,300円。4冊まとめて7,800円の買い物だった。それでも絵画好きにとっては良い選択だと思う。著者は4冊とも日本人。この分野の人材が厚いことがよく分かる。 5月15日発売の最新刊『巨匠に学ぶ風景画』のサブタイトルは「

書評の名を借りた内モンゴル旅行記:代表の横暴 書影

その他

書評の名を借りた内モンゴル旅行記:代表の横暴

ぜんぜん書評なんかじゃない。書評以外はこれっきりにするので許してほしい。けれどきっと面白いと思う。この旅行は15年以上前のことだから、いまはもっと整備されていてつまらなくなっていることだろう。僻地旅行は思い立ったらすぐに行けが当時の合言葉だった。本当に行っておいてよかったと思う。 ============== まだボクがマイクロソフトの社長をやっているときの

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NEWS

HONZ客員レビューにライフネット生命保険の出口社長を招聘しました

主な著書に 『生命保険はだれのものか』(ダイヤモンド社 2008年) 『直球勝負の会社』(ダイヤモンド社、2009年) 『生命保険入門 新版』(岩波書店2009年) 『思考軸をつくれ』(英治出版、2010年) 『ライフネット生命社長の常識破りの思考法 ビジネスマンは「旅」と「読書」で学びなさい!』(日本能率協会マネジメントセンター、2010年) 『百年たって

『西方電撃戦』と『Modernist Cuisine』重い本 書影

教養・雑学 / 世界史

『西方電撃戦』と『Modernist Cuisine』重い本

これまで買った本のなかでもっとも重かったのは、一昨年に出版された『Modernist Cuisine : The Art and Science of Cooking』だった。我が家で実測してみると重量はなんと19.3キログラムもあった。著者本人に聞いてみたところ、フルカラーのこの本に使われているインクの乾燥重量は4ポンドを超えているという。約2キログラムだ

『馳星周の喰人魂』 新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『馳星周の喰人魂』 新刊超速レビュー

馳星周といえば小説『不夜城』である。登場人物のほとんどは歌舞伎町の深部に蠢く中国人マフィアなどだ。その馳星周の喰人魂というのだからギョッとするタイトルであることは間違いない。じっさい中国における食人は『水滸伝』の時代には珍しいことではなかった。平凡社の中国古典文学体系『水滸伝』駒田信二訳の第41回から引用してみよう。 「おいらが兄貴にかわってこやつを引き割い

『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの』新刊超速レビュー

ホリエモン仮出所後第1弾。2010年2月にスタートして、いまも続いているメールマガジン『堀江貴文のブログでは言えない話』の一部を抜粋した本である。メルマガは「時事ネタオピニオン」「刑務所わず」「ビジネスモデル教えちゃいます塾」「おすすめレストラン」「私のおススメデジタルガジェットコーナー」「Q&Aコーナー」「ロケット開発までの道のり」など15のコーナーがあり

『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』新刊超速レビュー

工学部ヒラノ教授シリーズの最新作だ。著者は筑波大助教授、東工大教授、中央大教授をへて、現在東工大名誉教授。御年72歳の今野浩氏である。オペレーションズリサーチの研究者、金融工学者として大きな実績を上げており、タイトルのヒラノ教授とは筒井康隆の『唯野教授』へのオマージュだろう。 ヒラノ教授シリーズは2011年に出版された『工学部ヒラノ教授』を皮切りに6冊目だが

『ランドセル俳人の五・七・五』いじめと才能 書影

人物 / 社会

『ランドセル俳人の五・七・五』いじめと才能

この本は俳句集であり、いじめを受けている子どもを持つ家族の手記である。まさしく文芸書だ。HONZが得意とするノンフィクションではない。しかし、この本がより多くの人に読まれるよう、僅かばかりでも役に立たなければ、書評を書くものとしての矜持が保てないのだ。すこしだけお付き合い願いたい。いや、無理やりにでももう少しだけ読んでもらいたいのだ。 著者の凛くんはこの6月

『戦闘技術の歴史 ナポレオンの時代編』 新刊超速レビュー 書影

世界史 / 新刊超速レビュー

『戦闘技術の歴史 ナポレオンの時代編』 新刊超速レビュー

創元社『戦闘技術の歴史』シリーズの第4巻である。第1巻は2008年8月に発行された『古代編』。2009年10月第2巻『中世編』、2010年10月『近世編』ときて、2013年4月に『ナポレオンの時代編』が出版された。このシリーズが完結する第5巻は『東洋編』で、この調子では来年か再来年であろう。 原書はThomas Dunne Booksから出版されている『Fi

『ホピ族の精霊 カチーナ人形』新刊超速レビュー 書影

民俗・風俗 / 新刊超速レビュー

『ホピ族の精霊 カチーナ人形』新刊超速レビュー

判型15センチX15センチ、100ページあまりの手のひらサイズの小さな写真集。写真で紹介されているカチーナ人形は28体。これで1500円なのだから、ある意味で超高額本だ。カチーナ人形とはアメリカ先住民のホピ族が作り出す木製人形。ホピ族は5万年前からアメリカ大陸で暮らしており、現在の居住地であるアリゾナ州北部の「コロラド・プラトー」と呼ばれる海抜1400−24

『三十一文字で詠むゲーテ』 新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『三十一文字で詠むゲーテ』 新刊超速レビュー

昨年6月に発行された鹿島茂の『パスカル パンセ抄』がそろそろ文字通りクサくなってきた。1年近くも我が家のトイレの中にあったのだ。用をたすときにパッとどこかを開いて1ページだけ読むのには最適にして最高の本だ。雑誌の人生相談のようであっても鹿島文学になっているところがシブい。たとえば「精神の成長と差異の発見」という1ページ。 ううむ、なーるほどと、納得したりする

『歌舞伎のぐるりノート』 新刊超速レビュー 書影

アート・スポーツ / 民俗・風俗

『歌舞伎のぐるりノート』 新刊超速レビュー

歌舞伎専門月刊誌「演劇界」の2007年9月号から2012年3月号に連載されていた「歌舞伎、のようなもの」というエッセイを纏めた本だ。じつは年に4冊ほどしか「演劇界」を買わない。お気に入りの俳優が主役の時や、面白そうな特集号のみを買うからだ。(ただし表紙が菊之助だったら無条件で買う)そのため「歌舞伎、のようなもの」はお気に入りのエッセイだったのだが、立ち読みを

『中国という大難』− 文庫版解説 書影

世界史 / 「解説」から読む本

『中国という大難』− 文庫版解説

富坂聰氏の『中国という大難』文庫版(2013年4月27日発売)の解説を書いたので、編集部の承諾を得て全文を掲載する。単行本の発売は2007年4月27日だが、本書で語られている中国問題はまったく古くなっていない。それどころかさらに深刻になっているように見える。ある意味で中国は先進諸国から半世紀遅れたテーマパークであり、最新ピカピカのお化け屋敷だ。こわごわと内実

『量子革命』2013年2冊目のNo1でいいでしょ 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『量子革命』2013年2冊目のNo1でいいでしょ

4月13日、第2回将棋「 電王戦 」5番勝負の第4局が行われる。第3局までは4段・5段の棋士だったが、いよいよA級棋士の登場だ。A級棋士とは160名ほどのプロ棋士のうち1年間の順位戦を戦い、勝ち抜いてきたトップ10人のことをいう。対する電脳は第22回コンピュータ将棋選手権を勝ち抜いてきたプログラムたちだ。最終局に登場するのは東京大学にある800台近くのPCを

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ! 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!

早くも2013年成毛眞のおすすめ本NO.1が登場してしまった。今年はこれ以上面白い本に巡りあうこともないであろうから、2013年の本読みは3月吉日にて終了である。あとは惰性でつまらん仕事をするなり、散歩代わりのゴルフに出かけるなりして、ヒマをつぶすしかないであろう。じつに残念なことである。ともかく本書はめったにお目にかかれない傑作なので買うべきです。以上です

『立花隆の本棚』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『立花隆の本棚』新刊超速レビュー

『ノンフォクションはこれを読め!−HONZが選んだ150冊』、『面白い本』と立て続けに「本の本」を出版してきたHONZだが、この「本の本」には驚いた。なんと本文650ページ、うちグラビア写真188ページ、厚さ5.2センチ、重さ875グラムで3000円なのである。1グラム3.43円。1ページ4.6円だ。これで「知の巨人」立花隆の本棚をじっくり見せて貰えるのだか

『東海・東南海・南海 巨大連動地震』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『東海・東南海・南海 巨大連動地震』新刊超速レビュー

あの日から2年が経過した。もう2年、まだ2年だ。毎年この時期になると東日本大震災を忘れまいとするように、多数の書籍が出版される。本書もその中の一冊である。著者は『イントゥルーダー』でサントリーミステリー大賞を受賞した小説家の高島哲夫だ。ふだんは小説を読まないのだが、高島哲夫のパニック小説だけは別格である。『M8』と『TSUNAMI津波』は繰り返し読んだ。 『

『兵士は起つ』新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

『兵士は起つ』新刊超速レビュー

陸海空の自衛官を描いた『兵士に聞け』から足掛け18年、本作で5作目となる兵士シリーズの最新刊である。自衛隊は国と国民と守ることを義務付けられた巨大組織であるにも関わらず、その発足から長い間「日陰者」として扱われ、顧みられることはなかった。杉山隆男はイデオロギーや観念論から決別し、ひとりひとりの自衛官に密着することで、自衛隊とは何者かを探り出そうとする現場の人

『ウイルス・プラネット』生物界のイノベーター 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ウイルス・プラネット』生物界のイノベーター

ウイルスをテーマとしたサイエンス・エッセイだ。取り上げられているのはタバコモザイクウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、バクテリオファージ、ヒト免疫不全ウイルス、天然痘ウイルスなど13種のウイルスである。それぞれのウイルスのカラー電子顕微鏡写真が付いていて1500円。1ウイルスあたり115円ちょっとだ。考えようによってはじつに安い買い物なのだ。

『ヒッグス粒子とはなにか』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『ヒッグス粒子とはなにか』新刊超速レビュー

正直に言おう。ヒッグス粒子をまったく理解できないのだ。子供のころからブルーバックスなどで素粒子論や宇宙論を読んできたから、クオークやビッグバンまではなんとか判ったような気でいたのだが、ヒッグス粒子については読んでも読んでもまったく理解できない。つまり、クオークもビッグバンもちゃんとは理解していなかったというわけだ。 それでは本書でヒッグス粒子を判ったかといえ

『オリオン座はすでに消えている?』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『オリオン座はすでに消えている?』新刊超速レビュー

新刊超速レビューは発売から1ヶ月以内の本を対象としているのだが、本書の発売日は2012年12月8日だ。すっかりレビューを書くのを忘れていたのだ。いやあ、スマヌスマヌ。なにしろ本書が扱っている事件は640年前に起こっていたかもしれないのだ。2ヶ月の遅れなどまあいいではないか。しかも、この事件についてはどこかで書いたのだが、どの媒体だったかも忘れているのだ。これ

『太陽に何が起きているか』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『太陽に何が起きているか』 新刊超速レビュー

著者常田佐久氏の経歴は東大天文学科卒、東大天文学専門過程博士課程修了、東大東京天文台助手、東大天文学教育研究センター助手、東大天文学科助教授を経て、国立天文台教授だ。まさに天文学一筋の人だ。毎日天空を見て暮らしている人なのだ。しかし、のんきに望遠鏡を覗いているだけだと思ったら大間違いである。 望遠鏡は「大坂夏の陣」の7年前にあたる1608年にオランダの眼鏡師

『こんなにちがう中国各省気質』日中摩擦本に食傷気味のあなたへ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『こんなにちがう中国各省気質』日中摩擦本に食傷気味のあなたへ

いわゆる県民気質本だ。青森県人は口が重いのでいつも両手で支えているとか、大阪人にボケツッコミを禁止すると呼吸困難で死んでしまうとか、日本海側の府県では美人県がひとつおきに現れるとかいう、あれだ。当たらずとも遠からじ。たしかに秋田県と新潟県には美人が多いが、その2県に挟まれた山形県には・・・おっと、それはともかく本書は中国31地域の気質、簡単な歴史と経済、著名

『チャイナ・ジャッジ』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『チャイナ・ジャッジ』

習近平が中国共産党の総書記に就任した。第5世代の最高指導者の誕生である。その陰でおなじく世襲王族の代表格だった薄煕来が失脚した。表向きは部下がアメリカ領事館に逃げ込んだことの責任をとらされた形になっているが、実際は共産党指導部が薄煕来の目指していた毛沢東時代への逆行に恐れをなしたからである。 本書はその薄煕来と中国共産党の凄(すさ)まじい権謀術数、腐敗構造や

『モサド・ファイル』ー中東は対岸の火事なのか 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『モサド・ファイル』ー中東は対岸の火事なのか

モサドとはイスラエルの対外諜報活動と特務工作と担当する組織だ。佐藤優氏は「客観的に見て、世界で最も強力な対外インテリジェンス機関はCIAだ。しかし、個々のインテリジェンス・オフィサーの能力においては、イギリスのMI6、イスラエルのモサドのほうがはるかに高い」と評価している。つまり、モサドは現代スパイの総本山のようなものなのだ。 スパイ組織なのだから当然その実

『ぽつん』『1,2,3』新刊超速レビュー 書影

生物・自然 / 新刊超速レビュー

『ぽつん』『1,2,3』新刊超速レビュー

2冊とも動物の写真を79枚づつ選び出した写真集である。業界用語で「ありネガ」、すなわち過去に何らかの理由で撮影して保管庫やデータベースに保存していた写真を選び出したものだ。「まあ、お手軽な!」と侮るなかれ。『ぽつん』には動物が1頭だけ、『1,2,3』には3頭の動物が写っている写真を選び出している。その背後に膨大な「ありネガ」があることを想像すると恐ろしくなる

『水力ドットコム』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『水力ドットコム』新刊超速レビュー

今日はなかのとおるが「ダム」をやっているので、対抗措置としてあわてて「水力」をやってみることにした。本書は水力ドットコムからの派生物だ。著者はそのサイトの管理人だが、同時に財団法人日本ダム協会の認定ダムマイスターでもある。ダムについてはいろいろな見地から賛否両論あるため、ダムマイスターなる軽めの言葉にカチンとくる人もいるかもしれない。しかし、ダムとトンネルは

『「忠臣蔵」の決算書』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『「忠臣蔵」の決算書』新刊超速レビュー

12月14日は赤穂浪士討ち入りの日だ。当日は江戸の冬らしく晴れだったらしい。旧暦は太陰暦だから毎月15日は満月だ。当然月明かりだけで仕事ができたであろう。しかも、吉良上野介はその日茶会を開いていて在宅であることが確定していた。大石内蔵助ならずとも「上野介、ぬかったな!」と声を掛けたくなる。それほどに赤穂浪士の欺瞞工作が上手かったということでもある。 ところで

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教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『ドッグファイトの科学』新刊超速レビュー

ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書) 犬のケンカの科学のことではない。ドッグファイトとは戦闘機同士による格闘戦だ。第1次世界大戦のごく初期には自分の下を飛ぶ敵機にレンガを落としていたこともある。そのあとは瞬く間のあいだにピストルから機関銃、機関銃から機関砲、さらに空対空ミサイルの装備と変化していった。現在では72km先

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ビジネス / 新刊超速レビュー

『なぜ、勉強しても出世できないのか?』新刊超速レビュー

なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術 (ソフトバンク新書) 著者はネットバブル期からスキルアップ系の記事を書き続けてきた文筆家だ。いわば勝間和代や本田直之に代表される「スキルアップ教」の尖兵だった。ビジネス雑誌などを通じて「今こそスキルアップを!」と煽りながら、私は正しいことを言っていると信じて疑わなかったという。その著者が

『ダイヤモンドは超音速で地底を移動する』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『ダイヤモンドは超音速で地底を移動する』新刊超速レビュー

本書のタイトルどおり、ダイヤモンドは地底を超高速で移動し、地上に噴出してきたのだという。ダイヤモンドを含んだマグマが、地下400kmのマントル層で生成され、6時間あまりで地上に到着するというのだ。最深部では時速60kmほどでマグマは上昇を開始するのだが、地下50kmあたりからスピードを上げはじめ、地下2kmでは時速1000km、つまり音速の8割に達する。さら

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教養・雑学 / ビジネス

『さか上がりを英語で言えますか?』日本人の9割に英語はいらないーそれでも勉強したければ

小学校で習った言葉 さか上がりを英語で言えますか? 常々、日本人の9割に英語はいらないと言ってきた。9割の国民は数年に1回行くかどうかの海外旅行以外で英語を使う機会はない。自分自身、12年前にマイクロソフトを退職したあとは、海外への観光旅行以外で英語を使ったことはない。英語が必要なのは都心のホテルマン、外資系社員の一部、商社マンやメーカーの海外担当者などじつ

『2100年の科学ライフ』科学者による未来予想図 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『2100年の科学ライフ』科学者による未来予想図

1903年、『ニューヨーク・タイムズ』は未来を予測して、飛行機の開発は時間の無駄だと宣言した。ライト兄弟の初飛行のわずか1週間前だった。それに懲りずに同紙は1920年、ロケットの研究などナンセンスだと断じた。その49年後、アポロ11号が月に降り立ったとき、賢明にも同紙は予測が外れたことを認めて謝罪した。 かくも難しいテクノロジーの未来予測に挑戦してみたのが本

『邪悪な植物』新刊超速レビュー 書影

生物・自然 / 新刊超速レビュー

『邪悪な植物』新刊超速レビュー

文庫を一回り大きくし、紙質をザラ紙にしたような装丁の本だ。出版社は『週刊朝日』で話題となった朝日新聞出版社ではなく朝日出版社。案外知られていないのだが、朝日出版社は朝日新聞とは一切関係がない。社名は創業者が岡山朝日高校の出身者であることに由来するという。三菱鉛筆が三菱グループとなんら関係ないのと同様である。橋下市長が逆上、混同してツイッターで朝日出版社を名指

『独裁体制から民主主義へ』 書影

新刊超速レビュー

『独裁体制から民主主義へ』

本書は非暴力闘争の研究家であるジーンシャープ博士の代表的著作である。初版は1993年に英語とビルマ語で出版された。現在ミャンマー(ビルマ)では民主化が進んでいるが、軍事政権下の2005年時点では本書を所持しているだけでも禁錮7年の刑に処せられた。本書の影響力はアジアに限らない。2000年のユーゴスラビアの青年運動「オトポール!」はミロシェビッチ政権を倒したが

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『ノンフィクションはこれを読め!』フェア開催中の書店情報

全国各地の書店でHONZフェアが開催されます。店頭でHONZがおススメする本に触れてみてください。豊かな秋のお楽しみ。かならず面白い本が見つかります。 八重洲ブックセンター八重洲本店 150点全点フェア(10/23~11/24) フェアの様子 ジュンク堂書店広島駅前店 150 点全点フェア(10/24~12/31) フェアの様子 三省堂書店名古屋高島屋店 H

『ピカソは本当に偉いのか?』新刊超速レビュー 書影

アート・スポーツ / 新刊超速レビュー

『ピカソは本当に偉いのか?』新刊超速レビュー

ピカソの代表作とされる絵画の前に立たされた時に多くの人が持つ疑問、 1.この絵は本当に美しいのか?(どこが上手いのか?) 2.見る者にそう思わせる絵が、どうして偉大な芸術とされるのか? 3.かりに偉大な芸術としても、その絵にどうしてあれほどの高値がつくのか? さらに 4.ピカソのような絵であれば、誰でも描けるのではないか? 5.そういう絵を偉大とする芸術とい