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おすすめ本レビュー

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3,647記事

『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』恋も仕事も、わがまま上等 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』恋も仕事も、わがまま上等

アナキスト大杉栄のパートナーで、関東大震災後に大杉とともに虐殺された伊藤野枝の評伝だ。 過激なタイトルだが、ページをめくって腰を抜かす。いきなり「あの淫乱女!淫乱女!」と太字で書いてある。岩波書店が心配になるほど、冒頭から衝撃的だ。 野枝は福岡県の地元ではいまだに逆賊扱いで、十数年前にテレビ局の取材を案内した人によると、同年代の存命のおばあさんが「地元の恥を

パソコンより患者の顔 『がん哲学外来へようこそ』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

パソコンより患者の顔 『がん哲学外来へようこそ』

「がん哲学外来」という言葉をきいたことがあるだろうか。本書は、その創始者である著者が、医療現場と患者の隙間を埋める一助となることを願ってまとめた本である。 当初は病院長から「冗談でもやめてほしい」といわれた、この無料外来が始まって10年。これまでに面談者数は延べ3000人にも及び、全国約80箇所で行われるほどに広がっているという。なぜそこまで浸透したのか。本

『若冲への招待』鶏すら鳳凰へ 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『若冲への招待』鶏すら鳳凰へ

2006年、東京国立博物館で開催されたプライスコレクションにて、初めて本物の紫陽花双鶏図を見たとき、全身に稲妻が走るような衝撃を受けた。尾長鶏はあまりに繊細かつ優美に描かれ、その崇高な姿はまるで鳳凰のようであり、口を開けて見入ってしまったのを覚えている。 本書は若冲の生誕300周年を記念し、初めての人にでも楽しく鑑賞できるポイントを紹介したフルカラー入門書だ

『牛を飼う球団』「高知ファイティングドッグス」が生んだ地域創生物語 書影

アート・スポーツ / 社会

『牛を飼う球団』「高知ファイティングドッグス」が生んだ地域創生物語

プロ野球にはNPB(日本野球機構)の12球団、いわゆるパリーグとセリーグのほかに、独立リーグという存在がある。2004年のプロ野球再編問題以降、地域密着型の野球チームが設立され、その中の一つ、四国アイランドリーグプラス〈四国IL〉のひとつ 「高知ファイティングドッグス」 が本書の舞台である。 四国アイランドリーグプラス は2005年に設立された。高知は、 香

お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』

貨幣の歴史について語った本は数多い。 それだけに「新」といえるほどの新機軸を打ち出せるものかと思っていたのだが、本書は貨幣の定義を通常よりも拡張し 『そこで私は、お金は価値のシンボルだという定義にたどり着いた。』 としてみせることで、より広い視点、それも生物学、宗教、脳科学と一見貨幣とはあまり関係なさそうな分野まで内包し、様々な角度から光を当てた貨幣史を語る

『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ

ある時をきっかけに、食べ物のイメージがガラリと変わることがある。個人的に最も驚いたのは、はじめて四川料理の店で辛い麻婆豆腐を食べた時のことだ。俺は今まで何をやっていたのだろうかという激しい後悔と同時に、麻婆豆腐というものへの理解が革命的に変わっていくことを実感した。 高野秀行にとっては、それが納豆であったのだろう。ある時、ミャンマー北部のカチン州での取材中に

『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』 ペンタゴンのヨーダと呼ばれた男 書影

人物 / 世界史

『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』 ペンタゴンのヨーダと呼ばれた男

常に裏舞台で働くことを好み、自己宣伝や世間からの注目を極端に嫌ったアンドリュー・マーシャルの名を知る者は少ない。しかし、「ペンタゴンのヨーダ」と呼ばれ40年以上にわたって政府高官としてアメリカの安全保障に貢献してきたこの男の明晰な頭脳から生み出せされた戦略からは、誰もが無縁ではいられない。マーシャルは、冷戦中のソ連がCIAの推計よりもずっと多くの軍事負担に苦

伝えることで、世界は変わるのか『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

伝えることで、世界は変わるのか『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』

「伝えることで、世界は変わるのか」 社会問題をテーマにしたドキュメンタリー映画の配給を生業にしていると、よくこの問いに直面する。映画は、問題について人に“伝える”ことはできるが、温室効果ガスを減らせるわけでも、戦争を止められるわけでも、貧困家庭を支えられるわけでもなく、直接的な“治療薬”にはならない。 この葛藤は、映画に限らず、写真や本でも、同じように“伝え

『言ってはいけない』不愉快な真実を直視せよ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『言ってはいけない』不愉快な真実を直視せよ

最初に断っておくが、これは不愉快な本だ。だから、気分よく一日を終わりたい人は読むのをやめたほうがいい。 表紙をめくるとこのような言葉が最初に目へ飛び込んでくる。そしてこう続く。 世界は本来残酷で理不尽なものだ。その理由を、いまではたった一行で説明できる。 人は幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない なんとも興味が惹か

『戦争の物理学』戦史と物理学の歴史の見事な融合 書影

サイエンス / 世界史

『戦争の物理学』戦史と物理学の歴史の見事な融合

「戦争にまつわる物理学の本を書いている」著者がこう話すと、周りからは「物理学が戦争と何の関わりがあるんだい?」という言葉が返ってきたという。続けて「ああそうか、原子爆弾のことだね」と言われたという。『戦争の物理学』という本書のタイトルを読んで同じように思った方も多いだろう。もちろん、本書では原爆の事も論じられている。しかし、それだけではない。人を殺傷する際の

図鑑は「積ん読」でいい!?『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

図鑑は「積ん読」でいい!?『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』

本書は進学塾で講師として活躍した著者が、辞書、地図、図鑑を使って子どもの知的好奇心を刺激する、また知識を吸収し思考する力を育てる方法を指南した1冊である。リビングに辞書、地図、図鑑を置くことによって、すぐにその場で調べられる環境を整え、子どものアンテナが立った瞬間を逃さない。子どもの気が移ろわないうちに、世界との接点を強化し、またそこから話を広げることで知識

そもそもなぜ地球外天体は地球に到達するのか?──『ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

そもそもなぜ地球外天体は地球に到達するのか?──『ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る』

書名に入っている「ダークマター」と「恐竜絶滅」、どちらもなんてことない単語であるが、かけ離れた関係性の単語なだけに、とてつもなくうさんくさい!「ダークマターとブッダ」ぐらいに意味がわからない! なんてうさんくさい本なんだ! と一目見た時につい思ってしまった。 とはいえ著者は『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』など数々の著書/実績に加え、ハーバード大学の教

『大学でまなぶ日本の歴史』そうだったのか!が次々に 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『大学でまなぶ日本の歴史』そうだったのか!が次々に

日本の歴史の基礎を一冊で総覧する本と言えば、高校の教科書がまず浮かぶ。高校時代は試験のために仕方なく開き、太文字を拾って闇雲に暗記するものの、短時間で詰め込んだものは短時間で記憶の彼方へ。教科書なんて無味乾燥、淡々とした記述の羅列…。子供たちはみんなそう思っている。 だが、大人になってみると分かってくる。実は、教科書ほど基本的な教養を網羅しているものはない。

『ゲノム革命 ヒト起源の真実』 ゲノムは口よりものを言う 書影

サイエンス / 生物・自然

『ゲノム革命 ヒト起源の真実』 ゲノムは口よりものを言う

ヒトにもっとも近縁な類人猿はチンパンジーだ、ヒトとネアンデルタール人は交配していた、ヒトが出アフリカを果たしたのは5万年前ではなく10万年前にもさかのぼる。最先端の分子生物学は、ヒトの起源について驚くほど多くのことを教えてくれる。「ゲノム時代」と呼ばれる現代では、新事実が発見されるスピードは加速度的に増している。つい先日も、「 ネアンデルタール人絶滅は人類の

『「病は気から」を科学する』心に治癒力はあるのか? 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『「病は気から」を科学する』心に治癒力はあるのか?

右にせよ、左にせよ、極端に意見が偏っている人ほど声がでかい。おそらく正解はその中間のどこかにあるはずだが、そこに位置するマジョリティ達は、自ら多くを語ろうとはしない。いずれにしても、両極のどちらが正しいのかという観点からは、何も生まれぬままに終わるケースが多いだろう。 近代以降の歴史を振り返ると、この手の問題はあらゆる領域に蔓延していた様子が見てとれる。そし

『世界の英語ができるまで』一方言から世界の標準語へ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『世界の英語ができるまで』一方言から世界の標準語へ

国際標準語として不動の地位を確立した英語。メインの言語として話す「母語話者」がいない会話でも使われるほど、その影響力は大きい。だが元を辿れば、英語にも北ヨーロッパの片田舎で使われる言語に過ぎなかった時代がある。 オランダやドイツの一部地域で使われる、フリジア語という言語があるそうだ。現在の話者は約50万人で、そのほとんどがオランダ語あるいはドイツ語との二言語

『民警』猪瀬直樹が活写した民間警備会社の光と闇 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『民警』猪瀬直樹が活写した民間警備会社の光と闇

日本の民間警備会社は、長嶋茂雄の「セコムしてますか?」でお馴染みになったセコム株式会社(創業当時は日本警備保障)と、オリンピックの金メダリストを起用したCMが印象的な綜合警備保障(ALSOK)が勢力をほぼ二分している。 だがその成り立ちは対照的だ。 セコムは1962年に飯田亮と戸田寿一という青年ふたりがベンチャー企業として興した会社である。水と安全はタダ、と

新入社員に贈りたい一冊『無敵の仕事術』 書影

人物 / ビジネス

新入社員に贈りたい一冊『無敵の仕事術』

「少なからず世の中にインパクトを与えたい」「真のエリートやリーダーになりたい」そう熱い思いをもってビジネスの門を叩く若者は多い。ただ、 思い描いていたような仕事をするためには どのボタンを押せばいいのかは 分かりづらく、苦労しがちである。 大きな組織に入ればなおさらだ。国や企業はまるで走行する巨大機関車のようで、歯車にはなれども自分で思いどおりに動かすことは

読書の醍醐味ここにあり 『奇妙な孤島の物語:私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

読書の醍醐味ここにあり 『奇妙な孤島の物語:私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』

何でもいいから本を読みたい、意味なく読書を楽しんでみたいという人には格好の本だ。なんの目的がなくとも、ほとんど意味がなくても、本を読むということをこんなに楽しめるというのは、読書における醍醐味といっていいはずだ。 タイトルのとおり、50の孤島が紹介されている。『ドイツのもっとも美しい本』に選ばれただけあって、とても綺麗な本である。しかし、その印刷と造りは極め

五郎丸ポーズの秘密 『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

五郎丸ポーズの秘密 『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』

W杯の南アフリカ戦勝利で、にわかファンが増えている。なにを隠そう、私もそのひとりだ。あの南アフリカ戦のトライには、テレビを見ていて飛び上がってしまうほど興奮した。それほど単純でもないつもりだったが、その後何度も映像を再生して見ているほどだ。 ついには先月のこと、秩父宮ラグビー場でサンウルブズのスーパーラグビー試合も観戦した。結果は残念だったものの、私なりに発

一気読み不可 『シャーロック・ホームズの思考術』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

一気読み不可 『シャーロック・ホームズの思考術』

ネットで短文を読むことに慣れている方は、きっとイライラさせられるだろう。繰り返しが多く、読むのに時間がかかる。一気読みができない本だ。それでも私は、本書をお薦めする。人によっては、人生のバイブルになる可能性すらあると思うからだ。私は「くどいと感じた言い回しには、別の意味があったのではないか」と思い直し、さらに一ヶ月かけて読み直した。それくらい、私は本書にひき

笑顔になれる『動物たちのしあわせの瞬間 BORN TO BE HAPPY』 書影

生物・自然 / アート・スポーツ

笑顔になれる『動物たちのしあわせの瞬間 BORN TO BE HAPPY』

野生動物の世界は弱肉強食の世界でもあり、時には一口の食べ物も見つけられない場合もあり、身を寄せ合っても耐えれない寒い冬だってある。動物たちは大変厳しい環境を精一杯生き抜いているが、それでも緊張や恐怖から解き放たれて優しい表情を見せる瞬間がある。 本書は世界中の動物たちのしあわせな瞬間を集めた写真集だ。著者が求めたのは弱肉強食の世界に生きる動物ではなく、見てい

『SUPER BOSS(スーパーボス)』逸材たちの銀河系は、こうして形成される! 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『SUPER BOSS(スーパーボス)』逸材たちの銀河系は、こうして形成される!

ビジネス書の中でもリーダシップやコーチング論に属する王道のテーマなのだが、着眼に斬新さがある。まさに既知の領域に、フロンティアを見出したような内容だ。 著者はリーダーシップ論の大家として知られるシドニー・フィンケルシュタイン教授。彼はある時、様々な分野における「才能の系図」を辿っていくなかで、重要な事実に気付く。どの業界においても、一流と呼ばれる50人のうち

『きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰が見る?』やだそれ、ウチの話? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰が見る?』やだそれ、ウチの話?

あなたには“きょうだい”がいますか?みんなきちんと働いて自立していますか? 昨年夏、ニュース週刊誌「AERA」の特集「きょうだいはリスクか資産か」は大きな反響を呼んだ。その後のアンケートでも、将来を不安視する声が多数集まったという。あなたには思い当る身内はいるだろうか。30歳過ぎてもニートの弟、親と同居する未婚の姉、シングルマザーで非正規社員の妹、親の脛をか

脳科学について知りたい人へ最初に渡したい一冊──『メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-』 書影

サイエンス / 生物・自然

脳科学について知りたい人へ最初に渡したい一冊──『メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-』

「メカ屋のための」とあるように、本書はエンジニアに向けた脳科学本である。 「なぜわざわざ特別にエンジニア向けに脳科学入門が書かれなくてはならないのか? 一般人向けに書けばいいではないか」と疑問を抱くかもしれないが、なるほどもっともな話ではある。 それはまず第一に、著者が東京大学工学部の機械系、情報理工学研究科、工学研究科で講義を受け持っている、機械系かつ生物

『ミャオ族の刺繍とデザイン』深い祈りと神話の世界を身に纏う 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『ミャオ族の刺繍とデザイン』深い祈りと神話の世界を身に纏う

中国大陸の南西部を中心に定住する少数民族・ミャオ族。かつては稲作の民として知られたが、気象変動や土地争いなどにより今は山の民として暮らしている。 そんなミャオ族には日本人のルーツではないかという説があったり、自然を崇拝していたり、納豆を食べていたりと、知れば知るほど親近感のわく存在なのだが、刺繍・染め・織といった女性たちの手仕事にも定評があり、そのレベルの高

空へと誘う破格のチケット『グッド・フライト、グッド・ナイト』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

空へと誘う破格のチケット『グッド・フライト、グッド・ナイト』

物心ついてから初めて飛行機に乗った時、それは間違いなく「体験」だった。飛ぶ前はもちろん、離陸した後もしばらくは落ち着かなかった記憶がある。 だが、今やフライトは「移動手段」である。乗った回数はそれほど多くないが、昔のワクワクや不安はすぐになくなり、窮屈さや眠りにくさばかりに目がいくようになった。映画や機内誌などで当たりに出会えればまだマシなのだが、基本的には

将来のためじゃない、面白いから好きになる『算数好きな子に育つたのしいお話365』 書影

サイエンス / 教養・雑学

将来のためじゃない、面白いから好きになる『算数好きな子に育つたのしいお話365』

問題です。縦3ブロック、横4ブロックの板チョコがあります。このチョコレートを何回割れば12個の小さいブロックに分けることが出来るでしょうか。ただし、重ねて割ってはいけません。 ゲームです。 ① 1から9の数の中から1つの数を選んでください。 ② 選んだ数を2倍にしてください。 ③ その2倍した数に6を足してください。 ④ ③で出た数を2で割ってください。 ⑤

『学びとは何か』乳幼児の言語発達から超一流の学びまで 書影

サイエンス / 医学・心理学

『学びとは何か』乳幼児の言語発達から超一流の学びまで

記憶と知識の違いは何か、そもそも幼児はどのようにして言葉を学びはじめるのか、覚えても使えない知識と新しいことを生み出すことができる知識は何が違うのか、凡人と一流、そして超一流の学び方の違いは何か。「学び」についての疑問は、人生のどの局面においても好奇心をそそられる。 しかし、何を「学び」と定義するかはひとりひとり違う考えを持っており、「よい学び」という価値判

加速するテクノロジーといかにして付き合っていくべきか──『人間VSテクノロジー:人は先端科学の暴走を止められるのか』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

加速するテクノロジーといかにして付き合っていくべきか──『人間VSテクノロジー:人は先端科学の暴走を止められるのか』

最初に『人間VSテクノロジー:人は先端科学の暴走を止められるのか』という書名を見た時、うーんこれはどうだろうかと思ってスルーしかけたのだが試しに読んで正解だった。これはテクノロジーが急速に進歩し、議論が追いていかれてしまっている今こそ読むべき一冊である。 書名からスルーしかけたのは「テクノロジーは人間と対立的に語られるべきものではなく、もたらされるリスクと利

『都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る』 よそ者が都市をつくった 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る』 よそ者が都市をつくった

都市は人を惹きつける。整備されたインフラがもたらす快適な生活、次々にもたらされる新たな出会い、世界に解き放たれる前の情報など、都市にはヒト・モノ・カネ・情報の全てが潤沢に存在しているのだから、都市への集中は当然の成り行きとも思える。事実、1950年に30%だった都市化人口率は現在50%にまで増加しおり、 国連の予測 では2050年には70%近くにまで及ぶとい

『一流の狂気』心の病が危機を救う 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『一流の狂気』心の病が危機を救う

「理想のリーダー像」をめぐる議論は、いつの時代も絶えることがない。局面によって「理想」の中身が異なることからしても、答えのない問いだと言えるだろう。そんな中、意外な角度からこの話題に一石を投じる人物が現れた。 精神科医である著者は、政治や軍事、ビジネスといった分野のリーダーに着目し、「危機の局面においては、うつや双極性障害、統合失調症などの精神障害を持つ人の

『兵士は戦場で何を見たのか』破壊される男たち 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『兵士は戦場で何を見たのか』破壊される男たち

2007年、カンザスのフォート・ライリーを拠点にしていた第16連隊第2大隊は、念願のイラク派兵に臨むことになった。指揮官のカウズラリッチ中佐は40歳の勇猛な男で、特殊部隊の兵士としてアフガニスタンでの従軍経験もある。しかしイラク進攻作戦では、彼の大隊は留守番組であった。 士官学校を卒業した多くの士官がペンタゴンで働くことを夢みる。だがカウズラリッチはそれを望

自分を表現し他者を受け入れる 『FUN! FUN! NuRIE ~みんなで楽しむ大きなぬり絵の本』 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

自分を表現し他者を受け入れる 『FUN! FUN! NuRIE ~みんなで楽しむ大きなぬり絵の本』

これは、日本発の新しいアートの本だ。いま、“コロリアージュ”というフランス発のぬり絵がブームになっているが、“NuRIE”は日本一大きなぬり絵商材なのである。吉水卓さんというアーティストが絵を描き、マルアイさんという山梨県の企業が生産、販売している。2014年3月の発売以来、好評を博し、新作を続々と発表。現在すでに7作品を発売中。日本のみならず海外の展示会な

ウブな日本人必読!『国が崩壊しても平気な中国人 会社がヤバいだけで真っ青な日本人』 書影

教養・雑学 / 社会

ウブな日本人必読!『国が崩壊しても平気な中国人 会社がヤバいだけで真っ青な日本人』

本書のタイトルをみて「えー、何でこんな本をHONZで紹介するの?」と思った方、ちょっと待った。本書は凡百の嫌中書とはわけが違う。なにしろ書いたのが、あの谷崎光である。ここに注目してほしい。 彼女は小林聡美の主演で映画にもなった 『中国てなもんや商社』 という傑作ノンフィクションの著者である。(残念ながらDVD化されていない) 新卒でダイエーと中国の合弁商社に

松尾芭蕉マニアもいる?!等身大の北朝鮮がみえてくる『実録・北の三叉路』 書影

社会 / 民俗・風俗

松尾芭蕉マニアもいる?!等身大の北朝鮮がみえてくる『実録・北の三叉路』

本書は北朝鮮系の人々を描いたノンフィクションである。北朝鮮、といっても、日頃の報道番組が扱うような、政治的な話にフォーカスしたものではない。スポットライトが当てられているのは、北朝鮮に暮らしていたり、北朝鮮にルーツをもつ、いたって普通の人たちだ。ふだん知られることのない彼らの日常が、本書では実にいきいきと語られている。 ベールに包まれている北朝鮮系の人々にア

巨大生物は偉大なり 『巨大生物解剖図鑑』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

巨大生物は偉大なり 『巨大生物解剖図鑑』

あらためて進化というのは面白いものだと感動した。なにをいまさらではあるが、百聞は一見にしかず。巨大生物の解剖と生理を目の当たりにすると、誰もがそう思わずにいられないだろう。 動物の大型化には、たとえば、キリンの首が長くなるとより多くの餌を食べることができるようになるというように、メリットがあるはずだ。しかし、大型化にはメリットだけではなく、何らかの不都合が生

アメリカの図書館戦争 『古書泥棒という職業の男たち』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

アメリカの図書館戦争 『古書泥棒という職業の男たち』

映画になりそうな犯罪ノンフィクションはいかが? 主人公は一癖もふた癖もある本泥棒とガッツのある図書館司書たち。あの手この手の知恵をしぼる泥棒組織と、それに対して、「図書館特別捜査員」として奮闘する司書。「稀覯本」をめぐる攻防の舞台はニューヨーク! アメリカ経済が上り調子となった1920年代、1929年の大恐慌を経てしばらくの間1930年代まで、図書館史上最悪

ブータンや北欧も越える?! 災害をものともしない『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

ブータンや北欧も越える?! 災害をものともしない『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』

先月2月20日、南太平洋に浮かぶ島嶼国フィジーに、史上最大規模のサイクロンが上陸し、大きな被害をもたらした。それから間もない、復興に向けて大変な時期に、SNSに現れたフィジーの人たちの写真がこちら。 溢れんばかりの満面の笑み。見ているこちらのほうが元気をもらえそうだ。 世界各国で様々な天災・人災が起きているが、その直後で、これだけ明るい現地の人の表情を見たの

こうして角田美代子は、人間をロボット化させた! 『尼崎事件 支配・服従の心理分析』から見えた戦慄のメカニズム 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

こうして角田美代子は、人間をロボット化させた! 『尼崎事件 支配・服従の心理分析』から見えた戦慄のメカニズム

尼崎事件は兵庫県尼崎市を中心に複数の家族が監禁・虐待され、死へ追いやられた連続殺人事件である。首謀者の角田美代子は、長年に渡り、様々な家族を乗っ取り、金を脅し取ったうえで、崩壊させていった。その過程では、少なくとも9人が死へ追いやられており、しかも角田美代子が直接手を下すのではなく、取り込んだ家族を意のままに操り、家族同士で暴力を振るわせ壊滅させたことが特徴