
『ご先祖さまはどちら様』 産経新聞 6月11号 「書評倶楽部」掲載
誰でも両親は2人である。祖父母は4人、曾祖父母は8人と、世代を遡るにつれ、先祖の人数は倍増する。1世代20年とすると、20代前には100万人を超え、30代前には20億人を超えてしまう。それぞれたった4百年前と6百年前のことである。 もちろん、そんな数の日本人が住んでいたわけでない。ぎゃくに一人の祖先から何100万人もの子孫が生まれたと考えるべきである。つまり
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誰でも両親は2人である。祖父母は4人、曾祖父母は8人と、世代を遡るにつれ、先祖の人数は倍増する。1世代20年とすると、20代前には100万人を超え、30代前には20億人を超えてしまう。それぞれたった4百年前と6百年前のことである。 もちろん、そんな数の日本人が住んでいたわけでない。ぎゃくに一人の祖先から何100万人もの子孫が生まれたと考えるべきである。つまり

世界の産業用ロボットの7割を日本製のロボットが占めている。海外から見れば、日本はロボットの国。政治家よりもロボットの方が認知度は高そうだ。そんな日本がつくるロボットの一つで、人間型ロボットが本書が取り扱うアンドロイド。商業化されれば私たちの生活がどのように変わるのだろうと妄想しながら本書を読むことをおすすめする(個人的にASIMOやEVOLTAも欲しいのだが

不景気も20年続くと、どこか貧乏くさいことが当たり前になってきた。身の回りのものを最小限にして生きるミニマリストや、モノへの執着から離れる「断捨離」が、一過性のものではなく、日本人の特性になる日も遠くないかもしれない。 その結果、少ない持ちものを大事に長く使うという、昔ながらの生き方こそが、未来に繋がるという風潮になりそうだ。『直す現場』百木一朗著はその昔な
図書館で借りざるを得なかった本書。今和次郎の考現学を思わせる装丁、600頁超の分厚さ、そして税込6,000円超。サブタイトルにある社会学的想像力という社会学者ミルズの言葉に浪漫を感じ、見つけた本書。社会学的想像力とは一般的に「ミクロな問題とマクロな社会構造との連関を、洞察できる能力」のこと、つまりは世界の大局との関係を意識しながら、目の前の小さな問題に取り組

この本は将来、自分の名前を世に打って出よう、有名になろうと思っている方は必読である。テレビに出たり、有名になると急に親戚が増えるというではないか。物理的に増えるのではなく、希薄だったつながりを、有名になったと同時に無理やりにでもこじつけて、親戚だ!とでも言いたいのだろう。遠い親せきに有名人がいる輩が、有名人と血のつながりにあることを誇りに思って、公言している
僕が入学した北海道大学農学部は一年時に英語を一単位でも落とせば、留年が決定するという理不尽な制度。もちろん、何人も毎年振り落とされていく。軽やかに「 インディ・ジョーンズのテーマ 」を歌いながら、「不可」を軽快に出すアメリカ人。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』の原文がテキストだった厳しい女史の授業もあった。あまりにも、過酷だった。 「飢餓と飽食」を胸に大学

6月のHONZ定例会で濱崎さんから紹介された本である。版元の星和出版はおもに精神医学の専門書を取り扱う出版社だ。本書の医学書であり、けっして娯楽のために書かれた本ではない。それゆえに興味本位で読むべき本ではない。患者と医療従事者にたいするリスペクトを持って読むべき本である。 本書はタイトルどおり「稀で特異な精神症候群ないし状態像」を取り扱った33人の医師によ
(2011/05) カール サバー ふとしたきっかけで子どもの頃の思い出が津波のように押し寄せ、自分が幼少期に大きな犯罪の被害者・目撃者であったことを思い出す。 映画やドラマで一度は目にしたことのあるシーンではないだろうか。あまりに大きなストレスから逃れるために、記憶を意識の奥底へ追いやる、という方法は合理的であるようにも思える。 しかし、本当にそれほど強烈

ムバラク大統領が辞任した日は、日本もツイッターが騒がしかった。最初の一報は、New York Timesの記者のつぶやきで知った。もちろんアルジャジーラは数日前からお祭り騒ぎだ。タハリール広場は群衆で埋め尽くされていた。ネット生中継を見ながら、よくわからないけどすごいことになった、と思った。「まるでワールドカップで優勝したかのようだった」と書かれているが、画


HONZ活動を通し、私の読む本も新刊ノンフィクションの割合が高まった。実は自分好みの(=書評を書きたくなる)本に巡り合う確率は1割程度なのだが、私の場合「入門書・実用書」であると打率がグッと高まるようだ。今回は、その中から最近面白く読んだ3冊をご紹介したい。 思い返せば子どもの頃、足が速い同級生はクラスのヒーロー/ヒロインだった。私は足が遅かったが、こんな本
昨年のアカデミー賞ドキュメンタリー部門を受賞した『ザ・コーヴ』は和歌山の太地で行われているイルカ漁をセンセーショナルに撮影した作品である。先祖代々受けついできた漁業をやめろと声高に叫んだこの映画は、上映問題でもめたので、記憶にある人も多いだろう。 実際、ドキュメンタリーやノンフィクションは撮影者や監督、作者の意図によっていろいろな見方があるから、作品を作るこ

版画家・藤牧義夫。美術史においてさして有名な作家ではないが、本読みの方なら、もしかしたら洲之内徹のエッセー、『気まぐれ図書館』シリーズの「中野坂上のこおろぎ」、「夏も逝く」、そして同シリーズの絶筆となった、「一之江・申孝園藤牧義夫」で取り上げられた版画家として覚えている人もいるかも知れない。 本書は、その洲之内も登場し、夭折の芸術家・藤牧義夫の謎を追ったノン

著者の髙橋秀実(ひでみね)氏はノンフィクション作家である。かつてフリーペーパー『R25』でも巻末コラム「結論はまた来週」を担当しており、私も街頭で何気ないタイトルに気を取られて読み進めるうちに、いつの間にか橋ワールドに引き込まれてしまったこともしばしばあった。 「情報」を使いこなす弥生人に取り残された、行き当たりばったりの縄文人タイプの人間・・・・・・。本
モノを創る人、直す人はもちろん、使う人にもおススメ 1981年~1982年の連載、1999年から2002年の連載をまとめたものであるが、その内容は決して古くない。是非書店で本書を手にとってそのイラストを見て欲しい。きっと買いたくなるはず。 「復旧」でなく「復興」を、という言葉を目にすることが多くなった。復興のためには、これから沢山のものを直さなければならない
※ この書評は時事通信社の依頼で書かれた文章に、現在の状況を加筆してあります。 3月11日の東日本大震災の被害は被災者の数、被害総額ともにかつてない膨大なものとなった。あれから2ヶ月以上経って、ようやく検証がされ始め、対策が練られ始めているが、何もかも失ったところからどうやって回復していけるのか、まだ先が見えない。 その上、未だ先の見えない原発事故は、実はぎ
実は高橋秀実さんの本は、おそらくほとんど読んでいる。しかしながら、経験的に言えば、その面白さを人に伝えるのは実はなかなか難しい。 面白いよ、と言って直接本を読むことを勧めれば、大抵の人はすごく面白かった、と言ってくれるのだが、どう面白いのかを言葉では説明しづらいのだ。 読みながら何度もふきだしてしまうのだが、爆笑を誘う風ではない。 そこはかとなく面白い。 し
ご先祖様はどちら様 ご先祖様はどちら様の他のレビューをみる» 高橋 秀実 新潮社 家系図のつくり方が面白いほどわかる本 家系図のつくり方が面白いほ...の他のレビューをみる» 丹羽 基二 新人物往来社 誰もが偉大な家系の1人 大人になるにつれ、誰しも先祖に対し興味が大きくなるのではないか?私は30歳になる迄、自分の祖父についてろくな知識がなかった。両祖父は私
自称・根無し草の私が思いますに、高橋さんはプロフェッショナル・根無し草の薫りがします。 おそるべきフットワークの軽さ。ご先祖様の話だけじゃなかったのか。まずは手始めに古墳について調べ、「自宅が古墳の上だった!」と感動する。ここで言う高橋さんの“ご先祖様”って縄文人だ。雰囲気が縄文人ぽいと言われたからだ。随分遡った。そうかと思えば、奥さんに「女の人って、前世と

江戸時代とは1603年から1868年の265年間を指す。現代を含めた日本の歴史のなかで、もっとも安定していた時代だ。書店にいっても江戸時代コーナーがあり、歌舞伎や浮世絵もいまでも大人気である。両国の江戸東京博物館やお台場の大江戸温泉物語などにも人が集まってくる。いかに現代人が江戸時代を憧れているかがわかる。 医療の未発達などを除くと、日本人はじつに幸せに暮ら
これからのアートマネジメント ?ソーシャル・シェア?への道 (Next Creator Book) これからのアートマネジメン...の他のレビューをみる» --- フィルムアート社 あらゆる“場”を再生させるアートの力 一見ありふれた町並みに、アートで新しい価値を加える。 そんな事ができないかと考えた時に、本書は強力なガイドとなりそうだ。 現代はブログや画像

本好きにとってこの号は間違いなく買いだ。特集は「本屋好き。」記事の1本目「わざわざ行きたい新しい本屋のカタチ」では品川駅ecuteの「PAPER WALL」、下北沢の「DARWIN ROOM」などの本屋を紹介している。 続いての記事は「なぜ、京都の〈恵文社一乗寺店〉は、わざわざ全国から客が訪れる本屋なのか?」。店内の写真に見入ってしまう。もはや本屋そのものが
毎回、面白い発見がある本のキュレーター勉強会がさらにパワーアップする事になりました。 本のキュレーター勉強会から「東京HONZ(仮)」として活動を開始いたします。 詳しくは完全なレポートになっている えりかさん のブログをチェックしましょう。いつもありがとうございます。あと 山本さん 、ツイッターでの本の紹介を参考にさせてもらってます。 本屋はほぼ毎日チェッ

エネルギー問題に興味ある人は本書を手元においておいた方がいい。これ一冊さえもっていれば統計データを基にした全体像の把握ができ、その辺のエセ専門家に騙されない。この種の英語本は多いのだが、日本語版でこれほどまで整理されている本はあまり見たことがない。 データだけでなく各資源が生成される仕組みを解説しているのも良い。石油・ガス・石炭・ウランなどがどのように形成さ

畏敬を込めて「モンスター」と呼ばれ、30秒に1本、世界の何処かで買われる永遠の名香、シャネルN゜5。そのロングセラーの神話が、ココ シャネルの生い立ち・愛の遍歴を縦糸に、時代・文化のシンボルとなりうる歴史背景を横糸に解き明かされていくストーリー展開は、読み応え抜群。 お粗末な香水をつけている女性に、未来はないわ —— ココ シャネル シャネルN゜5はココ シ
また日本美術がアメリカで広まった理由として日本人の美術意識の高さがある。猿、魚、鶴、鶏、菊などこれまで考えてなかったものが美術品のモチーフになる。これは聖書や教会など宗教に関連したものが大半を占める西欧芸術文化にとって、日常の対象が美に昇華するインパクトがあったであろう。 ともあれ戦前の山中商会を取り上 げたノンフィクションなのに、その精密な資料は数ページ進
歴史はあまり詳しくない。高校の頃、授業中は寝ているか、図書室でアルバムを見ていた。おばちゃんがいつもピーナッツをくれた。もしくは部室でトランプなどをしていた。冬になり“近現代”まで来た頃には仲間も増えた。先生には当然見つかった。確か 『To-y』 を読んでいた時だったか、体育の先生が巡回にきて、気付かずにいた私から本をとり上げ、数ページ読み、「接吻ですか」と

明治の揺藍期に日本の美術品が海外に流出したのは広く知られる。海外の美術商が直接買い付けた物もあるが、日本人の手によって広まった物も少なくない。中でも明治期から第二次世界大戦が始まる前まで、欧米で存在感を放ったのが山中商会だ。ニューヨーク、ボストン、イギリスなどに支店を構え、ロックフェラーなどの欧米の富豪に日本や中国の美術品を供給し続けた。本書は、山中商会の事

歴史上の偉人の死は謎に包まれていることが多い。毒殺など人の手によって殺されたケースは言うまでもなく、病死したケースですら、複数の病気が候補に挙がり、他殺説も飛び交っているのが実情だ。これらの背景にあるのは、死までも偉人を偉人として扱いたい周囲の人間の思惑だろう。 本書は、アレクサンドロス大王からコロンブス、モーツァルト、エドガー・アラン・ポーなど歴史上の12

先日、飲んでいる最中に電話が鳴り、某誌編集者から、いきなり翌日締切りで書評原稿を書いてくれ、と言われてしまった。うっかりして、依頼を忘れていたらしい。そのとき読んでいたのがちょうどこの本。 というわけで、この本は、そもそもこのブログ書評のために読んでいたのだが、急遽雑誌にも書くこととなった。同じ本を二度取り上げることになったが、ご容赦を。 著者は、 『 Tr

科学ノンフィクションを除いて、日本のノンフィクションは、世界的に見て非常に優れていると思う。 一般書であっても、取材によって得られた事実や史料の扱い方が誠実で、読者が作品の背後にあるそれらの事実まで、リアルに届くことができるからだ。 乱暴な言い方だが、海外ノンフィクションでは、それらの史料そのものが持つ魅力や事実の力を、著者自身の優れた(と著者自身が思ってい

日本人は世界一の美術展好きである。2009年世界の美術展の入場者数ランキングでは、日本の施設が開催した特別展が、 上位4位までを独占 した。海外の有名美術館でも日本人観光客と遭遇するのはうなずけるが、なぜ欧米に日本・中国をはじめ東洋美術の名品が展示されているのか。メトロポリタン美術館、ボストン美術館をはじめ、そのコレクションはかなりの充実ぶりである。 そこで
世界の宗教に興味のある人はもちろん、それらを信じる人間に興味のある人にもおススメ 「氏か育ちか」。IQ、スポーツ、音楽、様々な分野についてこの問いは問われ続けてきた。遺伝子工学や進化生物学の急速な進歩により、特定の分野では解の糸口が見え始めている。『 黒人はなぜ足が速いのか―「走る遺伝子」の謎 』では、長距離、短距離の一流選手にはアフリカのそれぞれ異なる特定
グローバルに戦い、無残に散ってしまったベンチャー「山中商会」という視座で本書を読み進めた。周りで設立当初から世界を視野にビジネス展開を企む20代の起業家が増えている。そういった輩からすれば、東アジアの美術品を大量に売りさばいた山中商会は大先輩の商人である。 まずは本書を読み進めるにあたり、美術商についての理解をする必要がある。「美術商は、価値を見抜くために美

各新聞社や出版社が大地震発生から1か月の記録を出版しはじめた。いろいろと物色したのだが、本書をおススメとしたい。内容はもちろんだが、マットな紙質と短いキャプションが入った写真、淡々とした記録型レイアウト、網羅的で意図的な強調がない編集など、いつまでも記憶して、長く支援するために手元の置いておくべき、良い本だと思う。柴田トヨさんの書き下ろしの詩も掲載されている

ハーバード大学を卒業したものの自分の進むべき方向を見失っていた青年が刑務所図書館で働いた2年間の奮闘記だ。受刑者が刑務所内の図書館をどのように活用しているかなど今まで考えたこともなかった。本ブログ読者のほとんどとは無縁な世界の話だろうが、エピソードが面白いだけでなく、刑罰のありかたについても考えさせられる内容なので読む価値ある本だ。 筆者はユダヤ系アメリカ人

電源:専用ACアダプター(HVC-002) DC10V 850mA 消費電力:約4W メモリ:プログラムROM 32KB キャラクタROM32KB メインRAM 2KB ビデオRAM 2KB スプライト:64個/画面、8個/ライン 背景数:1面 サウンド:PSG音源・・・矩形波2、三角波1、ノイズ1 計5個 映像出力:RF出力のみ 音声出力:モノラル

福島原発事故のニュースが毎日途絶えることがない。科学技術用語が巷でも飛び交い、なんとかそれを理解しようとする人が増えてきた。政府だけでなく専門家も信用できないということが、皮膚感覚で判ってきたからだろう。原子力は人間が作り出した究極の複雑技術のひとつだが、球は人間が作り出すもっとも単純な技術のひとつである。 『球体のはなし』柴田順二著は、球にまつわる技術エッ

09年の東京都議会議員選挙を控え、私はそわそわしていた。テレビで私の苗字が連呼されていたからだ。「くりした氏」、「くりした氏」と。テレビを注意して聞くと、「くりした ぜんこう」という26歳の若者らしい。くりしたという苗字はありそうだが、実は少ない。自意識過剰なのかも知れないが、何とも落ち着かない。くりした氏の連呼がピークになったのは選挙の翌日以降だ。自民党盤