ノンフィクションはこれを読め!

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466記事

『ザ・キングファーザー』俺の人生は一筋縄ではいかない 書影

アート・スポーツ / 人物

『ザ・キングファーザー』俺の人生は一筋縄ではいかない

納谷宣雄と聞いても「えっ、誰?」という反応が大半なはずだ。カズこと三浦知良氏の父親である。名字が違うのは納谷氏とカズの実母が離婚しているからであるが、「えっ、カズの父親の本?サッカー興味ないからなー」と思う人も多いだろう。確かに今回紹介する本はカズの父親である納谷宣雄氏の半生を描いているが、カズをどう育てたとか、サッカー論とかそういうものには満ちあふれていな

『アルビノを生きる』白皮症。つながり。そしてその先へ 書影

医学・心理学 / 人物

『アルビノを生きる』白皮症。つながり。そしてその先へ

彼らの姿を私はじかに見たことはない。大理石のような白い肌と白髪に近い金髪、眉毛や体毛も金色か白だ。透き通るような瞳はブルーやグレー。色素が無い瞳は、個人差が大きいが大抵は弱視だ。そしてその白い肌は紫外線に弱い。「 アルビノ 」と呼ばれる遺伝性の疾患は様々な動物にも見られる。メラニンの生合成に関わる遺伝情報の欠損により先天的にメラニンが欠乏する病気だ。日本語で

『〈三越〉をつくったサムライ日比翁助』士魂商才を貫いた男 書影

人物 / 日本史

『〈三越〉をつくったサムライ日比翁助』士魂商才を貫いた男

明治37年(1904年)12月6日、株式会社三越呉服店が創業した。17日には1ページぶち抜きの新聞広告が踊る。 これが後世に残る日比翁助の「デパートメントストア宣言」である。三百年の歴史を持つ三井呉服店越後屋が生まれ変わった瞬間だ。百貨店という訳語さえないこの時期に、デパートメントという英語を使い「公衆の利益を最優先する」「フェアプライスを貫く」という経営理

『耕せど耕せど』 なお我が師匠シビンに珍凹 書影

人物 / 民俗・風俗

『耕せど耕せど』 なお我が師匠シビンに珍凹

歳をとったと思うことがある。その最たるものは、老後をいかにして暮らすかを考えるようになったことだ。理想は 高峰秀子 と 熊谷守一 。すばらしいエッセイをたくさん残している高峰さんであるが、80歳を前にして筆を折り、以後はできるだけ家から出ず、人とも会わず、若いころから集められたいろいろな名品に囲まれて、読書に暮らされたという。いいではないか。 百歳近くまで生

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』真のエリートとは 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』真のエリートとは

イギリス史上もっとも偉大な宰相、サー・ウィンストン・チャーチルは1965年1月24日、90歳の天寿をまっとうした。葬儀はセントポール寺院で行われ、エリザベス女王も出席した。イギリスには君主は臣民の葬儀に出席しないという慣例があったが、初めて破られた事例であったといわれる。 チャーチルは第2次世界大戦の英雄であり、ノーベル文学賞受賞者であり、高名な画家でもあっ

『マヨラナ』天才が描く天才の物語 書影

サイエンス / 人物

『マヨラナ』天才が描く天才の物語

1938年、一人の天才物理学者が謎の失踪を遂げた。まだ31歳の若さながらすでに国際的に名の知れた優秀な核物理学者が、イタリア・シチリア島のパレルモからナポリ行きの船に乗り、それっきり消息を絶ったのだ。遺書らしきものは残されていたが、遺体は収容されなかったうえに、以後数十年にわたってあちこちから目撃証言が出続けており、その消息は未だ謎である。もし本当に生きてい

『死刑でいいです』モンスターと呼ばれて 書影

人物 / 社会

『死刑でいいです』モンスターと呼ばれて

エロとグロのレビュー担当者を自認しているとはいえ、朝から気味の悪い言葉を記してしまった。山地悠紀夫の言葉である。 2000年、16歳で実の母親を撲殺。少年院を出所後の05年に面識のない姉妹を刺殺。反省を一切見せずに死刑を自ら望み、09年7月28日に25歳で死刑に処せられた山地悠紀夫。本書は彼の人生に迫った一冊である。 親族、医師、同級生、担任教師、少年院仲間

『世界はひとつの教室』技術、教育、そして世界は動く 書影

人物 / 社会

『世界はひとつの教室』技術、教育、そして世界は動く

世界中の人々に無料で質の高い教育を。そんな理想を掲げたNPOが存在する。その名は カーンアカデミー 。グーグルやビル・ゲイツなどから支援を受け、2012年時点で利用者数は月間6000万人にも達している。You Tubeで一コマ10分ほどの講義を公開し、無料で行える練習問題、学校の先生などが生徒の進捗具合を確認できるフィードバックソフトなど様々な機能がすべて無

『シークレット・レース ツール・ド・フランスの知られざる内幕』 暴かれた“沈黙の掟” 書影

アート・スポーツ / 人物

『シークレット・レース ツール・ド・フランスの知られざる内幕』 暴かれた“沈黙の掟”

日本人の多くはツール・ド・フランスをはじめとする自転車ロードレースになじみがないが、ここ数年、日本人選手の 新城幸也 の活躍などで、注目する人が増えてきているように思う。ツール・ド・フランスは今年、記念すべき第100回大会である。フランスのみならず、自転車競技を愛する者にとっては特別な大会であるのだ。6月29日にスタートし7月21日まで、全21ステージを男た

”大きな幸せのエネルギーがあふれている” 『フィリピンの小さな産院から』 書影

医学・心理学 / 人物

”大きな幸せのエネルギーがあふれている” 『フィリピンの小さな産院から』

我が国における生後一ヶ月以内の赤ちゃん1000人あたりの死亡数(新生児死亡率)をご存じだろうか?わずか“1”である。お産における赤ちゃんの死亡(周産期死亡率)は、これより多いが、それでも1000人あたりおおよそ4人。もちろん 世界の最高水準 。先天性の異常など防ぎえない場合もあるので、すでに医療の限界とされている。 フィリピンでの新生児死亡率はどれくらいかと

『銀行王 安田善次郎』 国家予算レベルで稼いだ男 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『銀行王 安田善次郎』 国家予算レベルで稼いだ男

善次郎は、力の限り走っていた。 右胸と顔を刺されてなお、生きることを諦めてはいなかった。 迫り来る死の恐怖を振り払いながら、彼はどこへ向かおうとしたのだろう。 薄れ行く意識に抗って、彼は何を考えていたのだろう。 80歳を超えた老体とは思えない懸命の走りも、暴漢の追撃を振り切ることはできず、背後から咽頭部を切りつけられた銀行王・安田善次郎は、82年の人生に幕を

『100歳、ずっと必要とされる人』新刊超速レビュー 書影

人物 / ビジネス

『100歳、ずっと必要とされる人』新刊超速レビュー

これを聞いたとき、私は目を疑った。100歳で現役?どうしてそこまでして働くの?という疑問が頭に浮かんだ。しかも、毎朝、通勤で辻堂から神田まで、片道1時間ほどを電車で通っているという。 100歳のおじいさんが満員電車に? さらに昼ごはんにはマクドナルドでハンバーガーを食べることもよくあるという。 100歳のおじいさんがマックを食べる? シンジラレナイ。つい片言

『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん』 書影

アート・スポーツ / 人物

『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん』

修復家という職業がある。58億円で落札されたゴッホの「ひまわり」は、今も鮮明な色彩を放っており、モネの「睡蓮の池」も、完成当時の風合いを留めている。それは全て修復家のおかげなのだ。 これらゴッホやモネの絵は、著者の修復家である岩井希久子さんの仕事によるものだ。本書では世界でも有数の腕を持つ岩井さんが、見事な医術により名画を再生し、真摯に仕事に向き合う姿を開示

ただ名誉のために 『“ローマの休日”を仕掛けた男』 書影

アート・スポーツ / 人物

ただ名誉のために 『“ローマの休日”を仕掛けた男』

浜村淳には感謝している。いまこうしてHONZでレビューを書けるのも彼のおかげかもしれない。もう40年も前のことになるが、ノンフィクションの本がこんなに面白いものだということを最初に教えてくれたのだから。柳田邦夫の『 マッハの恐怖 』を紹介することによって。 もうひとつ、 浜村淳 は映画を見ることの楽しみを教えてくれた。『おいおい、浜村淳っていったい誰なんだよ

無私が人を救う。『命のビザを繋いだ男』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

無私が人を救う。『命のビザを繋いだ男』

その男は今、エルサレムの墓地に眠っている。 日本人として初めて審問を受けて正統派ユダヤ教に改宗し、74歳で永眠すると、彼を慕う多くのユダヤ人たちの手によって、その遺体はイスラエルに埋葬された。 彼こそが「命のビザを繋いだ男」、小辻節三だ。 「命のビザ」といえば、杉原千畝だ。1940年、ナチスの迫害に追われてリトアニア日本領事館に逃げ込んだ多くのユダヤ難民たち

『なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか?』新刊超速レビュー 書影

人物 / 新刊超速レビュー

『なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか?』新刊超速レビュー

湘南の鵠沼(くげぬま)海岸に1年中営業しているかき氷専門店がある。その店の名を埜庵(のあん)という。かき氷屋が1年中営業してどうするんだ?だとか、冬にかき氷なんて食べる人はいないだろう!とほとんどの人は思うかもしれない。しかしこの埜庵、真冬でも行列ができるお店なのである。 そう、冬のかき氷も意外とイケるのだ。私もはじめはわざわざ寒い冬にかき氷を食べるなんて、

『チャーチル』有事といえる日本に送るリーダー論 書影

人物 / 世界史

『チャーチル』有事といえる日本に送るリーダー論

ずんぐりとした体型に山高帽を目深にかぶり、葉巻をくわえながら鋭い眼光を投げかけている彼の写真を眺めていると、まるでピットブルのような闘争心旺盛な性格を連想させる。あるいは、往年のギャングを連想する人もいるかもしれない。そうかと思えば、Vサインを高らかに掲げ、満面の笑顔を見せている写真を見ると、キラキラと輝く瞳に自然と目が行く。それは大物政治家というより、どこ

『ランドセル俳人の五・七・五』いじめと才能 書影

人物 / 社会

『ランドセル俳人の五・七・五』いじめと才能

この本は俳句集であり、いじめを受けている子どもを持つ家族の手記である。まさしく文芸書だ。HONZが得意とするノンフィクションではない。しかし、この本がより多くの人に読まれるよう、僅かばかりでも役に立たなければ、書評を書くものとしての矜持が保てないのだ。すこしだけお付き合い願いたい。いや、無理やりにでももう少しだけ読んでもらいたいのだ。 著者の凛くんはこの6月

『そのとき、本が生まれた』本の都、ヴェネツィア 書影

教養・雑学 / 人物

『そのとき、本が生まれた』本の都、ヴェネツィア

アルド・マヌーツィオ。出版界が生んだ天才で、革命家、そして本の歴史を変えた男である。彼の存在なくして、出版界は今日ほど大きな発展を遂げることはなかっただろう。 いつも鞄に本を一冊忍ばせている人は多いはず。私もそんな一人で、電車やトイレの中など少しでも時間が出来れば、鞄から文庫本を取り出す。私にとってはとても日常的な動作であるが、こんなことができるのも500年

『羽生善治論』という名の加藤一二三論 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『羽生善治論』という名の加藤一二三論

インターネットを検索していたら、驚くべき事実を知ってしまった。と言っても、たいした話ではないのだが、昨年末あたりから、本書の著者で将棋棋士の加藤一二三九段がテレビによく出ているらしいのである。将棋番組かと思えば、マツコデラックスやビートたけしと共演しているというから腰を抜かした。70歳を超えたけど大丈夫かと思いながらも、youtubeで「加藤一二三 マツコ」

『シンディ・ローパー自伝』  And you will find you 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『シンディ・ローパー自伝』 And you will find you

シンディー・ローパーは、家族や、一緒にプレイするミュージシャンが、みんな魔法を持っていると言う。 そんな本人の魔法は、日本に渡って来て中学生の私にかかった。というか、みんなかかった。ヒットチャート1位だ。1980年代を代表するミュージシャンだ。夜中のMTVを見たり、ラジオを聞いたり、テープにとったりした。 本書の原題は "A Memoir"、シンプルに、「自

『すごい人のすごい話』をすごい人が聴く 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『すごい人のすごい話』をすごい人が聴く

古書を購入するために1億円以上の借金を背負った。 出版社社屋で寝泊りしながら『 世界大博物図鑑 』を1人で書き上げた。 本の購入資金捻出のために、1日に1回しか食事せず、10年間同じスーツを着続けた。 愛書家 として上記のような 伝説 を多く持ち、「中学生のころから、読んで感激した本の著者に手紙を書いて、勝手に弟子入りを決め込」んでいたというアラマタさんが、

『野心のすすめ』新刊超速レビュー 書影

医学・心理学 / 人物

『野心のすすめ』新刊超速レビュー

大変失礼なことだが、デビュー当時、林真理子はキワモノだと思っていた。『ルンルンを買っておうちに帰ろう』は面白かったけれど、地方の大学を出て、東京で働き始めたばかりのねーちゃんである私には、なんだか空恐ろしい世界であった。本書を読むと「等身大の20代を赤裸々に語った」エッセイは、野心と気合の結果であったことを知る。 本書の太い帯には30年前の著者が読者を睨みつ

『起業家』新刊超速レビュー 書影

人物 / ビジネス

『起業家』新刊超速レビュー

若い世代に絶大な人気を誇るサイバーエージェントの藤田晋社長が、サイバーエージェントの成長と苦難を赤裸々に告白した本である。もしかしたら、この本は若い世代にとってバイブルとなるような本になるんじゃないか?そんな予感がしている。そう思うくらい30代の私には心に響くものがあった。 ネットバブル崩壊後、買収危機にあったサイバーエージェント。そのことは前著 『渋谷で働

『科学史人物事典』喜怒哀楽のエピソードを入り口に 書影

サイエンス / 人物

『科学史人物事典』喜怒哀楽のエピソードを入り口に

18番目に登場するアイザック・ニュートンは「なぜ、あなたはそれほどの先見性があるのですか?」と尋ねられた際の答えである。この一言に本書を読むべき理由が、凝縮されている。 とは言っても、登場する150人の科学者の小難しい業績が並んでいる事典ではない。イメージからは想像しがたいエピソードをフックに、科学者の人柄や恋愛関係、どういった経緯から社会から賞賛される研究

歴史をかえた魔法の弾丸 『サルファ剤、忘れられた奇跡』 書影

サイエンス / 人物

歴史をかえた魔法の弾丸 『サルファ剤、忘れられた奇跡』

生命科学や医学の領域では、物理学や数学のように天才は多くない。しかし、遺伝の法則を見つけ出したグレゴール・ヨハン・メンデルや、進化論を唱えたチャールズ・ロバート・ダーウィンは、まぎれもない天才だ。メンデルとダーウィンは、19世紀の中盤から終盤にかけて、その天才的な洞察力を発揮した。 この二人とほぼ同時代に活躍したルイ・パスツール、それに少し遅れたロベルト・コ

疎外と孤独。『少女の私を愛したあなた』 書影

人物 / 社会

疎外と孤独。『少女の私を愛したあなた』

ペドファイル(児童性愛者)という言葉で私の頭の中で真っ先に思い浮ぶのは宮崎勤だ。しかし、Wikipediaによると彼は本質的な児童性愛者ではなく、成人女性と上手く関係を結べない為に、少女たちを代替物としていた。という精神鑑定が出ているそうだ。では、本来的な児童性愛者とはどのような人たちなのだろうか?本書の著者でもあるマーゴに性的な行為を行っていたピーターが本

『アルプスを越えろ! 激走100マイル』新刊超速レビュー 書影

アート・スポーツ / 人物

『アルプスを越えろ! 激走100マイル』新刊超速レビュー

ツール・ド・モンブランという、山好きにはよく知られたトレッキングルートがある。シャモニーからシャモニーまで、約100マイル(168キロ)、累積標高差9400メートルという、いささか厳しいが、すばらしい景色のコースである。通常なら一週間ほどかけて一周するルートであるが、なんと、それを一気に駆け抜ける『 ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB) 』という、

『ロベルト・デュラン "石の拳" 一代記』 Born to Fight 書影

アート・スポーツ / 人物

『ロベルト・デュラン "石の拳" 一代記』 Born to Fight

この男ほど、長く闘い続けたボクサーは他にはいない。 この男ほど、多くの国民に愛されたボクサーは他にはいない。 そして、この男ほど、罵声を浴びせられたボクサーは他にはいない。 WBCウェルター級王座を賭けた シュガー・レイ・レナード との闘いを終え、祖国に帰ってきたロベルト・デュランに向けられた感情は、ねぎらいや感謝ではなく、怒りと憎しみだった。人々は彼を「弱

人は人、われはわれなり 『エプロンおじさん』 書影

教養・雑学 / 人物

人は人、われはわれなり 『エプロンおじさん』

この言葉の由来は諸説あるようだが、昔は男性が家庭の台所に立つのはよくないことだと思われていた。しかし月日は流れ、昨今では 弁当男子 がもてはやされる時代。フェイスブックやブログでも男性のお手製ディナーの写真が並んでいる。男性料理研究家もたくさんいて、かくなるHONZメンバーにも、Allaboutで大人気、5冊も著作を持つ 土屋敦 がいる。その本職の腕を生かし

『敗者』新刊超速レビュー 書影

人物 / 新刊超速レビュー

『敗者』新刊超速レビュー

日本人ほど日記を書くのが好きな民族はいないという。確かな情報ではないが、ネット上のブログで使われている一番多い言語は日本語だとか。また私たちは、日記を読むことも好きだ。人の秘密を除いているような、その人の本性を暴くような、そんな興味を持って読んでいく。 松山ケンイチという俳優がいる。3月5日で28歳になった。昨年のNHK大河ドラマ『平清盛』の主演である。この

『新幹線をつくる』世界に誇るメイド・イン・ジャパンの舞台裏 書影

教養・雑学 / 人物

『新幹線をつくる』世界に誇るメイド・イン・ジャパンの舞台裏

正確性、安全性、快適さ、速さ、そして美しさ。日本のモノ作りが大切にするコンセプトである。そんなコンセプトを一つの乗り物というカタチにしたとき、世界に誇る日本の新幹線が出来上がる。正確無比に、安全に、故障することなく、しかも驚くべき速さで走り続けている新幹線。まさしく、わが国が世界に誇るべき「メイド・イン・ジャパン」の技術力の結集である。本書はそんな「メイド・

情熱と行動『フレンチの侍』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

情熱と行動『フレンチの侍』

子供の頃から料理に夢中になることが多かった市川知志は、その興味の赴くまま東京都内の洋食店に就職する。さらにフレンチに魅せられついに単身、渡仏してしまう。著者にとっては初めての海外だ。人見知りの性格でひとりでは、ラーメン店に入ることすら気後れてしまう25歳の青年が、ただフランス料理をもっと知りたいという思いのみに駆られ、単身で修行の旅に出る。しかも労働許可証は

『キャパの十字架』 - 沈黙のミステリー 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『キャパの十字架』 - 沈黙のミステリー

"ここに一枚の写真がある。" そんな静かな書き出しに誘われてこの写真を目にした時には、この構図、この画角、太陽の位置、山の稜線、銃の角度、兵士の影に、ここまで深い意味が含まれているとは想像できなかった。ましてや一人の男の生きた軌跡が、陰影まで刻みこまれているとは… 「崩れ落ちる兵士」 ー それは写真機というものが発明されて以来、最も有名になった写真の一枚であ

『完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯』 クイーンを犠牲にした世界チャンピオン 書影

アート・スポーツ / 人物

『完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯』 クイーンを犠牲にした世界チャンピオン

すべからく、天才は類まれなる努力の結果、生まれるものだと思っている。天才が天才であるのは、あることが好きで好きでたまらず、その好きなことだったらどれだけ練習しても、勉強しても飽き足らずに、身体の一部になるまで反復しなければ気が済まない、そういう精神力を持っていることだろう。天才の伝記は、凡人にとっては神話のようだ。どれだけ奇矯な人間であっても、どこか神々しい

『勇気ある決断』大胆な投資を決断するリーダーたち 書影

人物 / 世界史

『勇気ある決断』大胆な投資を決断するリーダーたち

フェリックス・ロハティン。投資銀行家で、1970年代後半のニューヨーク市財政破綻の危機を救ったことで有名な人物である。幼少時にナチスから逃れてアメリカに移民、その後、ウォールストリートの投資銀行家としての名声を勝ち取り、ニューヨーク市の財政援助公社総裁としてニューヨークを財政危機から救い出した。後々、幼少時に住んでいたフランスで米国大使を務め、故郷に錦を飾る

夢見て行い 考えて祈る 『三つ星レストランの作り方』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

夢見て行い 考えて祈る 『三つ星レストランの作り方』

HONZは原則として新刊発行後3ヶ月以内にレビューするという掟がある。早く読まないとだめなのであるが、書こうと思って買ったのに、ぐずぐずと読まずにいてしまうことがある。この本がそうだった。”ミシュランの星みたいな、店を記号化するようなことしてる奴はアホやんけ” と、『飲み食い世界一の大阪 そして神戸。なのにあなたは京都へゆくの』というやたら長いタイトルの本で

『チャイナ・ジャッジ』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『チャイナ・ジャッジ』

習近平が中国共産党の総書記に就任した。第5世代の最高指導者の誕生である。その陰でおなじく世襲王族の代表格だった薄煕来が失脚した。表向きは部下がアメリカ領事館に逃げ込んだことの責任をとらされた形になっているが、実際は共産党指導部が薄煕来の目指していた毛沢東時代への逆行に恐れをなしたからである。 本書はその薄煕来と中国共産党の凄(すさ)まじい権謀術数、腐敗構造や

『寄り添う 銀座「クラブ麻衣子」四十年の証』八百比丘尼は存在する。 書影

教養・雑学 / 人物

『寄り添う 銀座「クラブ麻衣子」四十年の証』八百比丘尼は存在する。

27歳のとき、人生の転機がきた。それまでは大学の専攻を生かした、動物医療機器の開発をしていたのだが、結婚とともに見事に仕事を干された。まあ、その当時、結婚したら会社を辞めるのは当たり前だったから、いま思えば仕方のないことだったのかもしれない。違う仕事に就きたいと探している時に、まるで天から降ってきたように舞い込んだのが作家の秘書という仕事だった。 私が奉職し

いがらしみきお自伝 『ものみな過去にありて』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

いがらしみきお自伝 『ものみな過去にありて』

いま、私は困っている。 この本、どうやって紹介すればいいのだ? HONZの成毛代表も言っていた―― 「世の中には、レビューしやすい本と、しにくい本がある」。 そして、この本はレビューしにくい。なにしろ、こんな具合だ。 (映画 『ノー・カントリー』 について、ハビエル・バルデム演じる殺し屋が酸素ボンベの圧縮エアガンを武器として一瞬にして人殺しをすることや、この