
『コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと』 本質にいたる思考
コンテンツとはそもそも何なのか、クリエイターはどのようにコンテンツを生み出しているのか、1億総クリエイター時代にコンテンツはいかにして差別化されるのか、そして天才クリエイターは通常のクリエイターと何が違うのか。スタジオジブリで「プロデューサー見習い」として過ごした著者が、「コンテンツとは何か」と問い続けた体験をもとに、これらの疑問に答えを出していく。 ジブリ
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コンテンツとはそもそも何なのか、クリエイターはどのようにコンテンツを生み出しているのか、1億総クリエイター時代にコンテンツはいかにして差別化されるのか、そして天才クリエイターは通常のクリエイターと何が違うのか。スタジオジブリで「プロデューサー見習い」として過ごした著者が、「コンテンツとは何か」と問い続けた体験をもとに、これらの疑問に答えを出していく。 ジブリ

2020年以降の日本が、どのような世の中になっていくのか、気になっている方も多いことだろう。市場全体がシュリンクし、指標となる様々な数値が低下していくことに間違いはないのだが、ピークを迎えるものも少なからず存在する。その一つが死者数だ。 2013年の死者数、約126万人。これが2027年以降には、団塊の世代が80歳代になるため「大量死」の時代が到来すると言わ

383人。 2014年の所在が分からない小学生と中学生の数だ。文部科学省では「居所不明児童」と呼び、居場所もわからず、就学の確認もできない子どもを指す。 昨年厚木市で男児の白骨化遺体が発見された事件で「居所不明児童」が突如、メディアをにぎわすようになったが、文部科学省が「居所不明児童」の調査を始めたのは1961年。50年以上たつのだ。 著者が文部科学省の学校

ずばりタイトルの通り、本書は視覚障害者が世界をどのように認識しているのかについて迫っていく本だ。目が見えない人とその関係者数名に対して行ったインタビュー、ともに行ったワークショップ、日々の何気ないおしゃべりなどを通して、晴眼者である著者が彼らをとりまく「見えない世界」について考えていく。 盲人の生活について書かれた本はこれまでにも色々出ている。パッと見それほ

本書は国家や民族、宗教という枠組みを越えた1人の女性の話だ。彼女の生き様には心がぱっと晴れるような力強さがある。そして、彼女の人生を追うことは、日中韓の複雑な政治背景と、日本が忘れかけている負の歴史、また中国で弾圧されているキリスト教信者の見えざる困難を知るきっかけとなった。 著者は『絶対音感』や『セラピスト』を以前出版された最相葉月さんだ。駅のホームで中国

鎖国が解かれた明治以降、日本人は小さな船を操り数々の危険を乗り越えて、海の彼方の無人島を目指した。最初は八丈島近く、やがて大海原を越えて太平洋のど真ん中まで進出していく。断崖絶壁の鳥島、岩だらけの尖閣諸島、ハワイ諸島西端のミッドウェー島まで、なぜ日本人は命がけで絶海の孤島を目指したのか。 彼らが求めたもの。それはアホウドリの羽であった。 横浜が開港した明治初

ニューヨークの観光名所アメリカ自然史博物館の一角に、生物誕生後の35億年の間に起きた5度の大絶滅を紹介する展示物がある。その展示物の銘版には、過去5度の絶滅は、隕石衝突含む地球規模の気候変動によっておきたものと解説され、そしてそれに続いて驚くべき一文が続く。「現在、6度目の大絶滅が進行中であり、今回の原因はひとえに人類が生態系の景観を変えたことにある」と。

If politics is the art of the possible, research is surely the art of the soluble. 政治を可能性追求のアートとするならば、 研究は間違いなく問題解決を追求するアートである。 免疫学でノーベル賞を受賞した ピーター・メダワー卿 の言葉だ。この本は、原子爆弾の開発において、この言葉

バブルの渦中にいると、自分を取り巻くものがバブルであると理解することは難しい。ハジけて初めて、それはバブルとして広く知覚される。本当の悲劇は、取り返しの付かない段階にならなければ気づくことができないからこそ、悲劇となりうるのかもしれない。それでも、リーマン・ショックが起こる前からサブプライムローンの 危険性にいち早く気づいて大儲けした人々 がいたように、人類

長らく営業の仕事をしていることもあって、売上や原価といった数字管理はお手のものなのだが、我が家の家計のこととなると話は別である。自分が月々いくら本代に使っているのか知らない。エンゲル係数も知らない。家計簿をつけようとも思わない。自分でもよくぞ、おめおめと生きているものだなと思うが、自らの欲望の痕跡を直視することが恐いのだ。 このままではヤバいことくらい、分か

主夫になりたいと思ったことがある。思ったものの、主夫はあまりにも謎めいた存在であり、踏ん切りがつかなかった。あまりにも母数が少なく、ロールモデルが少ない。 炊事、洗濯、掃除。こなさなければならない家事があることはわかるが、想像力が乏しいからか生活者としての主夫像はなかなか見えてこない。 主婦の男版と考えればよいのだろうか。井戸端会議している主夫など見たことが

自称「独立国家」、飛び地、消滅した国々、廃墟、立ち入り禁止区域……。世界の珍スポットを集めた本には、なんとも言えない面白さがある。マイナーな場所にまつわるマイナーな知識の数々に、知的好奇心がジワジワと刺激されるのだ。適当に開いた箇所からつまみ食いできるのも良いところ。 本書『オフ・ザ・マップ』もそうした本の1つである。「失われた」「地図にない」「誰もいない」

コカインという白い薬物をめぐる本書は凄惨な事件から始まる。それはキキの物語だ。 キキの物語を語るには、まずこの男のことを知らなければならない。ミゲル・アンヘル・フェリックス・ガジャルド、通称〈エル・バドリーノ〉はメキシコで「コカインの帝王」と崇められた男だ。今も〈エル・バドリーノ〉の時代もコカインの一大生産地はコロンビアだ。しかし、コカインの大量消費国アメリ

西部開拓時代のアメリカの酒場には、ケンカ騒ぎの殺し合いからピアニストを守るために、「ピアニストを撃たないでください」と貼り紙がしてあったという。経済戦争などという言葉がある現代にも、同じことが言えると私は感じている。経済優先の社会から、芸術やスポーツなど、祝祭の能力をもった人を守らなければならない。本書は、長らく銀行員として働いたあと、現在は武蔵野音楽大学の

昨年からライブやフェスへよく行くようになり、そこで知り合った一回りくらい下の世代(20代前半)の人たちと接する機会が増えている。いまどきの若者たちは……などとおじさんじみたことを言いはじめる気はないけれど、彼らは自分たちの世代とはまったく違った価値観を持っているなと会話をしていて感じることが多々あった。 そんな中でみつけた『つくし世代』という本には、若者たち

HONZ読者の方々は、読みたい本がどんどん積み上がっていく毎日を送られているかもしれない。だが、それをさらに推し進めてくれるのが書評集である『サイエンス・ブック・トラベル』だ。もちろん、書評集なんてわざわざ読まなくたってこの世には読みたい本・読むべき本はたくさんある。油断をすると、ヤツラはいくらでも積み上がっていく。 『神話の力』という神話をめぐる本の中で、

第二次世界大戦が終わってから70年近くが経つにもかかわらず、いまだナチスというのは悪のレベルを推し量る一つの「ものさし」である。狂信的な集団による凄惨な事件の話を見聞きする度に、ナチスと比べてどちらが非道なのか、そして双方に共通するものは何なのかという問いが頭をよぎる。しかし語り尽くされたであろうナチスにも、まだまだ掘り起こされていない歴史が存在した。 19

地球上で最も危険な生物は? サメ?ヘビ?それとも人間? 2014年4月末にビル・ゲイツが 自身のブログ で投げかけたこの質問が大きな話題を呼び、多くの ニュースサイトでも報じられた のは、その答えがあまりにも意外だったからだろう。危険の尺度を「1年間に何人の人間が殺されているか」とすれば、最も危険な生物はサメでもヘビでも人間でもなく、蚊なのだという。ある推計

園芸家は(花の芳香を)すでにあの厩肥の、湯気を立てる藁の山の中に感じている。その香りに酔いながらも注意して、この神の贈り物を庭一面にばらまく。それはまるで、ひと切れのパンにマーマレードを塗って自分の子供たちに与えているようだ。(中略)カツミレよ、なにも言わずに、この馬糞のごちそうを受け取ってくれ。 本書は熱に浮かされたようなその「病気」ぶりを、自身も園芸マニ


私はきっと孤独死する。 書店に行って、経済や社会問題の棚へ向かう途中に、ふと目についた本があった。『遺品整理士という仕事』、と題された新書だ。その題名を見て、あ、そうだ、私はきっと孤独死する、そのことについて考えておかなくてはいけないではないか、と思った。 子どもたちが大学に行き、就職し、結婚するとしたら、子どもが生まれるとしたら、ないかもしれないけど、ある

副題にある「団塊シニアと子育てママ」は、ご存知の通り、消費の大票田である。その実態を見誤ってしまったら、ビジネスの成功などおぼつかない。定量的マーケティングで一般的にいわれている「若い母親(ヤンママ)の料理は手抜きだらけ」とか、「シニア層の散歩は健康目的」という情報を鵜呑みにしていないだろうか。本書は、その嘘を明らかにしながら、たった一人のサンプル調査で絶大

私たちの価値観はマクロな世論や制度設計、人々の具体的な実践や意識から影響を受け、知ってか知らずでか変化している。ひときわ新しい技術の導入は、私たちの価値観に不可逆な影響を与える。2つの異なる身体間での臓器の取引を可能にした臓器移植医療もその一つである。 著者は臓器移植医療における一番の当事者であるドナーとその家族、レシピエントから生の声を得ると同時に、歴史、

ディープラーニング、機械学習、人工知能……正確な未来予測は無理でも、だいたいの方向性において人類は「技術的な進歩」を重ねてきたし、これからも重ねていくだろうということは予測できる。そしてその技術的な進歩が今後必ず起こるのがAI分野だ。本書はそのAI分野の「過去」から「現在」そして「未来」までを見通してみせるきっちりとした仕上がりの良書だ。 特に昨今ではディー

1972年5月15日の沖縄返還に先立つ、1971年8月15日。アメリカ合衆国大統領ニクソンは、ドルと金の交換停止を発表する。ニクソン・ショックである。 敗戦から急速に立ち直り未来へと時計の針を進めていく本土をよそに、なおも四半世紀にわたるアメリカの支配に耐え、ようやく返還の日を迎えようとしていた沖縄の人々の生活は、危機に瀕する。沖縄返還にともないドルから円へ

著者の岩田先生は、不思議な本を書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根本的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な本」を書く人と言えるのだが、その思いが非常に強く、とにかく伝えたいことがいっぱいあるので、「啓蒙的

天才とは何たるかがよく分かる一冊。が、それゆえに自分が天才でないことにも気付いてしまうという残酷な一面を持つ。 本書に登場するのは、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、トーマス・エジソン、夏目漱石、アルベルト・アインシュタイン、そしてスティーブ・ジョブズ。時代も分野も異なる、これらの天才たちには、ある共通点があった。 それは、いずれも孤独な少年

65歳以上の高齢者の万引きの増加が話題になったのは20年ほど前だったか。当時は全体に占める割合が1割に達したことで注目を集めていた。 本書によると警察庁発表の犯罪統計では高齢者による万引きは2011年には未成年者の検挙数を追い抜き、直近の公表値である13年は32.7%を占め過去最高を記録したという。万引き犯の3人にひとりが65歳以上という状況だ。人口全体が高

木造二階建てアパートの二階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべて本で埋まってしまった。 この一文から本書は始まる。移した蔵書の数は「少なくとも1000冊以上、2000冊以下」とのこと。ちなみに築年数は50年で、下見の段階で押し入れの床からはメリメリと板が裂ける音が。引っ越し終了後、自宅へ帰るバンの中で「もっと慎重に物件を選べば良かった」と後悔す

私とサイバーエージェントの藤田社長でスタートした 755 という公開トークライブアプリ・サービス。まさか幻冬舎の社長である見城さんが始めてくれるとは思いもよらなかった。実はそれには伏線があった。 LINE社長の森川さんが見城さんに自ら3時間かけてLINEの使用方法をレクチャーしてくれたおかげで、未だにガラケーユーザーだと思い込んでいた見城さんはLINEのヘビ

切り裂きジャック という シリアルキラー が存在した。127年前のイギリスに。この殺人犯の呼び名は映画や文学作品といった大衆娯楽の中にたびたび登場する。世界的に最も有名な殺人犯と言っても過言ではないだろう。しかし、自らの記憶を手繰り寄せてみると、この殺人犯が127年前にどのような殺人事件を起こしたか、明確に説明できるような知識が何一つ無いことに気づく。私に限

―(生島ヒロシさん)おはようございます。今日のオススメ書籍コーナーは一日に2万アクセスそ誇るインターネット書評サイトHONZ副代表の東えりかさんに紹介していただきます。今日の本は何ですか? 卒業式のシーズンですね。華やかな袴姿の女子学生を見ると、自分が卒業した当時のことを思い出します。もう遠い昔になりました。卒業して新たに社会に羽ばたく人たちへはなむけの言葉

医学の歴史は、数多くの物語で彩られている。この本は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染を「完治」した二人の『ベルリン患者』に始まる物語だ。偶然にもたらされたといっていいような伝説的な「完治」をヒントに、新しい治療法の開発がおこなわれた。そしてその結末は… HIV感染症といってもピンとこない人が多いかもしれない。HIVとはAIDS(後天性免疫不全症候群)の原因

失敗は絶対に許されない。1943年のノルウェーで行われたガンナーサイド作戦は、そういう作戦だった。だからこそ、クヌート・ハリケードは命に替えてもこの作戦を成功させると決意し、その口中に青酸カリ入りのカプセルを仕込んでいた。ハリケードはこの作戦の成否が世界の行末を左右すると信じていたのだ。 ノルウェーにあるヴェルモク水力発電所の破壊を目的としたガンナーサイド作

今、世界のルールは動揺している。ここ数ヶ月だけを見ても、フランスの同化主義に相容れない移民二世によるシャルリー・エブド襲撃テロ事件が起き、「イスラム国」は国民国家体制をあざ笑うかのようにイラクからシリアにまたがって台頭してきている。昨年にまで遡れば、スコットランドでイギリスからの独立の是非が問われたり、ウクライナで内戦が勃発したのも記憶に新しいことだろう。

「やさしそう」 この5文字がどれだけの男女を傷つけてきただろうか。 初対面なのに、値踏みされ、コメントに窮した相手に、ひねりだされるこの5文字。 私自身の人生を振り返っても、小さい頃は親の知人、最近になっても彼女や妻の知人に言われ続けてきた。 そもそも、やさしくないしと言う言葉を飲み込み、愛想笑いでかわし続け、愛想笑いがこびり付いて35年。そんな非イケメン、

HONZが送り出す期待の新メンバー・冬木 糸一。若干26歳にして恐るべき読書量を誇り、彼の個人ブログ「 基本読書 」では注目のノンフィクションが続々と、HONZに先んじる形で取り上げられていった。こんな危険な輩を外で野放しにしておくわけにもいかないので秘密裏に交渉し、メンバー入りへと至った次第。今後の彼の活躍に、どうぞご期待ください!(HONZ編集部) 日本


今回ご紹介するのは、新進の宗教学者による「聖地巡礼」についての新書です。聖地巡礼と言われて、読者の皆さんは何を想像されるでしょうか。本書で扱っているのは、ある種の自分探しやパワースポット巡り、そしてサブタイトルにも触れられているアニメ作品に触発された「聖地巡礼」ムーブメントなどを含む、とても広い範囲の現象です。 著者は本書の中で、「宗教が変質してきている」と

最近、戦争を身近に感じる出来事が続いている。本書は、国家が“国民を戦争にかりたてるために”どんな嘘をついてきたかを、歴史上の事実を列挙してつまびらかにした本だ。ベースにあるのは、1928年にロンドンで出版された名著『戦時の嘘』。この比較的薄い文庫本は、私たち日本人が今まさに見つめ直すべきテーマについて、考えを深める契機をたくさん与えてくれる。ぜひ、ともに過ご