
『オートメーション・バカ』快適さの代償は、どれくらい?
クラウド、ウェラブルデバイス、M2M、IoT、ドローン... 年を追うごとに世の中はどんどん便利になり、快適になっていく。今から30年後の2045年には、コンピュータが人間の知能を越えるという予測もあり、そのような技術的特異点の先には、今とはまったく違う世界が広がっているかもしれない。 タイトルからも一目瞭然であるように、本書はそんなオートメーション化してい
3,647記事

クラウド、ウェラブルデバイス、M2M、IoT、ドローン... 年を追うごとに世の中はどんどん便利になり、快適になっていく。今から30年後の2045年には、コンピュータが人間の知能を越えるという予測もあり、そのような技術的特異点の先には、今とはまったく違う世界が広がっているかもしれない。 タイトルからも一目瞭然であるように、本書はそんなオートメーション化してい

本や雑誌づくりにおいて扇の要のような役割を担っている、編集者という職業。その中でも編集長の座に就く人物は、作品の良し悪しを左右するキーマンといっても差し支えないだろう。 しかし、読者の目の前にその姿がクローズアップされることは少ない。ましてや本書のように『昭和の』という条件がつけば、その神秘性はさらに高まってくる。 本書は戦後出版史において一時代を築いた、昭

マイ茶室を持っているという方は挙手願います。 手、上がりませんよね?普通は持ってないですよね?例えお茶を習っていても茶室を持とうと思うことはまれではないかと思う。それが普通だ。スタンダードだ。多数派だ。招かれることはあるかもしれない、しかし所有するものではない、そうでしょう皆さん。しかし、ここにその希少な例がある。茶室作っちゃった人いたー!!しかもその茶室へ

来年の大河ドラマは『花燃ゆ』。吉田松陰の妹・文を主人公に、松蔭はもちろん、久坂玄瑞や高杉晋作など長州の志士たちが、その生き様をたっぷりと魅せてくれるであろう。大河ドラマで幕末物は当たらないなどというジンクスはいつのことやら、『篤姫』『龍馬伝』『八重の桜』、そして今回の『花燃ゆ』とつづくのも、近代日本の立ち上がりを振り返り、このところの閉塞感を打破するヒントを

2005年、著者は経産省から外務省に出向し、在ブルネイ日本大使館の二等書記官となる。ブルネイは石油と天然ガスにめぐまれ、東アジアでもっとも裕福な国だ。ブルネイ王室は、世界一裕福な王族であり、その資産は4兆円といわれる。「ポルシェ、フェラーリなど5000台の高級車を所有し、毎日乗り換えている」「11億円のギャラでマイケル・ジャクソンを招待した」「王子がマライア

企業秘密として、立ち入りを禁じられた場所。 軍事上のセキュリティによる観点から、非公開とされてきた場所。 都合が悪いからと、見て見ぬふりをされてきた場所。 都市伝説として知られており、本当にあるのかどうか分からない場所。 これだけ交通手段も発達し、情報化が進んだとはいえ、まだまだ世界は広い。宗教、科学、歴史、戦争、様々な分野において、限られた人間しか立ち入れ

この本の編者ジョン・ブロックマンは、科学サロンである Edge.org の主宰者であり、そのサイト上で 毎年1つの質問 を知のトップランナーたちに投げかけている。本書は、2012年の質問に対する149人分の回答をまとめたものだ。 あなたのお気に入りの、深遠で、エレガントで、美しい説明は何ですか? スティーブン・ピンカーが考えたこの質問に対する回答は、物理学、

地図に思いを馳せるーー残念ながら私はそんなロマンチストではなく、地図も全く当てにできない方向音痴だ。しかし、宝の地図や、新大陸と聞けば、やはりワクワクせずにはいられない。古代の人々にとって、地図とはそのようなものであった。南北アメリカが初めて地図に登場した時代、アフリカ大陸の内陸部の状態が分からず空白だった時代、それぞれの時代を生きた人間が持つ世界観や野望が

年末恒例、「今年の漢字」が発表になった。2014年(平成26年)を表わす一文字は「税」。ずいぶん直接的な文字である。 個人的には今年の漢字は「欺」にして欲しかった。美談から地に落ち、汚名まみれになった人の多かったこと。STAP細胞騒動、歌手のASKAの麻薬、30年前の従軍慰安婦報道の過失を認めた朝日新聞、号泣県議、福岡と京都で発覚した連続夫殺しの二人の女など

「下町の工場が海底探査ロボットを開発して、世間をアッと言わせたい。」 2013年末、東京下町の町工場が「江戸っ子1号」という深海探査機を開発し、世界初の深度8000mでの三次元ハイビジョン映像に成功した。これまで、大企業の下請けというイメージの強かった町工場だったが、自ら開発力をもつことで息を吹き返しつつあることを世に証明している。今回の成功は2009年に東

どんな研究がいい研究か?いろいろな考えがあるだろうけれど、わかりやすい研究がいちばんだ。気の利いた小学生高学年の子にわかるように説明できる研究、というのがひとつの条件だと常々思っている。この本の著者である吉崎さんの研究目的はほんとうにわかりやすい。小学生どころか幼稚園児でもわかるかもしれない。サバにマグロを産ませようというのだ。ほ乳類ではないのだから、より正

実際の殺人事件を捜査する刑事たちに密着・撮影した、実録写真集。時代は、戦後まもない昭和33年、モノクロの陰影がバラバラ殺人の謎を深めていく――神保町でイギリス人に「発見」され、フランスの出版社を経て、日本でも刊行された評判の写真集をもう見ましたか? 評判の写真集なので、すでにご存じの方も多いのではないか。 と思いきや、意外に周囲に知らない人がいたので、紹介し

サバがマグロを産むとはなんとも信じがたいが、東京海洋大学の著者らは既に、ヤマメにニジマスを産ませることに成功している。結論から言ってしまえば、まだサバからマグロは生まれていない。それでも著者は、サバにマグロを産ませる研究は頂上までの道程の9合目に達しているという。この研究が発展すれば、人類と環境の関わり方はガラリと変わってしまうかもしれない。 本書はわずか1

自慰行為は体に悪いのか。馬鹿になるのか。思春期の男子ならば一度は頭をよぎったはずだ。インターネットが普及した現代では、「自慰 毎日 馬鹿」などと検索すればたちまち良くも悪くも多くの情報に接することができるが、残念ながら、近年までそのような利器はなかった。明治時代以来、欧米から流れ込んだ言説に惑わされ、悶々と時を過ごした若者は私を含めてどれくらいいただろうか。

DEVGRU(デブグル) という組織が存在する。一般的にはSEALチーム6と呼ばれることが多い。この組織の正式名称は、United Naval Special Warfare Development Groupだ。アメリカ海軍の特殊部隊「 Navey SEALs 」という精鋭部隊の中から、さらにトップクラスの男たちを選抜し、SEALsよりさらに高度な戦闘技術

学術的な選書シリーズでパンがテーマ。となればパンの歴史や社会との関わりを論じたような本だと思うかもしれないが、実はまったく違う。めちゃくちゃおいしそうなパンの写真がたくさん載ったカラー口絵を眺めてから「まえがき」を読み始めると、いきなり目に入ってくるのは「シニフィアン・シニフィエ」という言葉。たしか私が社会人になった年に創刊された、この講談社選書メチエシリー

天候不順によって延期が続いているものの、H-IIAロケット26号機による「 はやぶさ2 」の打ち上げが間近に迫っている(本書著者による打ち上げ延期 レポート )。東京オリンピックの興奮冷めやらぬ2020年末の日本に、「はやぶさ2」はどんな成果を持ち帰ってくれるだろうか。本書は、「はやぶさ」の大冒険から得られた成果を振り返るところからスタートし、「はやぶさ2」

今年も残すところあと1ヶ月となり、年忘れという言葉も聞こえてきた。皆さんにとって2014年はどのような年であっただろうか?そして来たる2015年のことを考えた時に、どのような感情が沸き上がってくるだろうか? 年の瀬ともなると、私たちは過去の出来事を頭の中で再現し、その情動を元に未来へ思いを馳せる。年を忘れるというくらいだから、辛かったことや不安な出来事を思い

「世界で最も時間に正確」と言われる東京の鉄道網。「遅刻の基準」を比べると、他国との差は歴然だ。少し古い本ではあるが、 『定刻発車』 (三戸祐子著 交通新聞社)によれば、定時運転率の統計において、日本は1分オーバーから遅刻に数えるのに対し、海外では欧米であっても10分~15分過ぎて初めて遅刻とカウントされるところが多いらしい。日本だったらちょっとした騒ぎになる

小学生の息子と家に遊びに来ていたその友人たちに、青色LEDを知っているか、と聞いてみた。口々に知ってる!ノーベル賞!信号機!などと声が上がる。青色LEDに関する研究がノーベル物理学賞を受賞したことは、子どもたちの間でも周知なのだ。彼らはそれがどのような研究者によって、どのような経緯で開発されたのかは知らなくても、ライトや信号に使われている技術であることは知っ

発展途上国に学校を創る、というありきたりの青春話である。日本でも現役の医大生が、150万円で学校を建てられるというポスターを見て、その偶然の出会いから学校を建てたストーリーが話題になった。チャリティーイベントを開き、寄付を集め、カンボジアに学校を建てた。そして、それは向井理が主演した『 僕たちは世界を変えることはできない 』という映画にもなった。 本書の主人

5000万円の借入金問題を追及される猪瀬さんの姿をテレビで見たとき、見る影もなく打ち萎れた姿に愕然とした。札束に見立てた発泡スチロールを鞄に押し込もうとするとき、目は虚ろで汗が噴き出していた。400万票もの支持を得て東京都知事となり、五輪誘致も見事に成し遂げ、歴史に大きく名を残す知事になるはずだった。が、猪瀬さんの挑戦は、あっけなく終わりを告げたのである。

部数は1000部に満たないほど。月2回の発行で、購買料は法人120,000円、個人36,000円(年額)。一般の人にはほとんど知られていない情報誌を発行しているだけなのだが、マスコミ人の誰もに知られ、一流企業の重役たちがその元へと足繁く通う男がいた。 それが最後の情報屋ーー石原俊介。「兜町の石原」とも呼ばれた男は、情報を生業とする人間にとって必ず挨拶すべき人

なにかにつけて管理・監督されている面が多いと思います。(中略)宿題も全部提出しないといけませんでした。もっとも、自分の頭で考えたり判断したりする必要のある課題はありませんでしたが。 これは、自由の国アメリカでの留学体験を振り返ったフィンランド人学生の言葉である。ある調査によると、世界各国からアメリカへの交換留学生の6割がアメリカの親のほうが自国の親たちよりも

陰謀論というものは、虚妄でありまともに取り合うべきではない。普通はそう考えると思います。しかし、本書の著者で、平凡社の名物雑誌「太陽」の編集長でもあった海野弘氏は次のように書きます。「世界は謎である。世界は秘密と陰謀に満ちている。そのような世界を解読したい、はっきりと見たいと思う時」、陰謀論が必要となる、と。逆を言えば、陰謀論とは、世界をはっきりと見たい、解

これからも日は沈み続けるのだろうか。それとも、いったん没しかけた太陽は自らを大きく変革し再び昇るのだろうか。あるいは成熟国家として、ある程度の富を保ちながら退屈ではあるが緩やかで穏やかな社会を、長期間にわたり維持し続けるのだろうか。その答えは誰にもわからない。なぜなら歴史とは常に一つの方向にのみ流れ続ける川ではないからだ。それに、私たちがどのような社会を建設

周りは固いビジネス書。誰もが経営の神様や成功への秘訣を手にするための情報を求めて足を運ぶ書棚の平台に、一冊の本が異彩を放っていた。 茶色の帽子をかぶった白いクマと正体不明のヘンテコなぬいぐるみが2匹並んだ表紙には『お客さまはぬいぐるみ』というタイトルがある。児童書が紛れ込んでしまったのかと手に取って読みだせば、なんと実在の旅行会社の話でないか! ぬいぐるみ専

文房具フェチである。ちょっとした文房具屋さんがあると、かならず覗きたくなる。ついムダな文具も買ってしまう。しかし、万年筆などに手を出さないかぎり、文房具の値段などしれたものである。文房具関係の本も好きである。いりもしないカタログ系のムックなんぞもしょっちゅう買っている。 この本も、出張前に駅の書店でつい買ってしまった。駄文具、なんじゃそら。著者は『きだてたく

坂口安吾が、ちらかった部屋で原稿用紙を前にこちらを睨む。バーのカウンターで明るい表情の太宰治が談笑している。めったにないクローズアップの川端康成の瞳が何かを見据えている……記憶にある、印象的な日本の大作家の顔は、この人の手によるものがほんとうに多い。その人物こそ、「文壇の篠山紀信」こと(と勝手に命名してみたが)、写真家の林忠彦だ。 この林さん自身が、大正7(

前東京都知事で作家の猪瀬直樹さんが執筆した、亡き妻ゆり子さんへ捧げる一冊。 徳洲会事件に絡み徳洲会側からの借入金5000万円を収支報告書に記載しなかったということで公職選挙法違反に問われ、罰金50万円と公民権停止5年をくらい都知事を辞任してから初めての著書である。 石原慎太郎知事の副知事を長く務め、それ以前は小泉純一郎総理大臣の依頼で長く道路公団民営化委員と

時代、地域や人種の壁を超えて共通する「人間の本性」とは、どのようなものなのか。そして、その本性はどのようにもたらされたのか。性の進化を理解することが、これらの謎を解く鍵であると著者は説く。 いくらでも多くの子孫を残せる男と、出産に多大なコストのかかる女。異なる戦略を持つ2つの性の軍拡競争にも似た競い合いは、人類の誕生から数百万年間休まず続いている。なにしろ、

「わたしもカブトムシの幼虫になりたい!」 ある展覧会でその絵を見たとき、心からそう思った。気の遠くなるような無数の点描で描き込まれた、ふかふかの土のベッド。そこにくるまって休む、小さな生き物たち。こんな場所で冬を越せたら、どんなに幸せだろう。 描いた画家の名は、熊田千佳慕(本名・熊田五郎)。明治44年(1911年)、横浜に生まれた。2009年に98歳で亡くな

ハンチング帽を被ったおじさんが「吉田類」ですと名乗っても液晶画面越しに「誰だよ」と突っ込まなくなったのはいつからだろうか。「吉田類、下戸」の週刊誌報道に好きだったアイドルが結婚した時以上の衝撃を受けたのは私だけだろうか。 もはや新橋界隈で働くサラリーマンではゲック(月曜午後九時)といえばBS-TBSともいわれている人気テレビ番組「吉田類の酒場放浪記」でおなじ

日本人の受賞は今年で8年連続と、実は本家よりハイペースな受賞頻度を誇るこの賞。その栄誉(?)に2度も輝いたのが、粘菌の生態に関する研究である。著者は粘菌をはじめとする単細胞生物の研究を続けて25年になる研究者で、2度の受賞の中心人物だ。 粘菌。日常生活ではなかなか口にしない名前だが、実はちょっとした藪や都会の植え込みにも潜んでいる身近な生物だ。湿気を好み、特

日銀の黒田東彦総裁がデフレマインドからの脱却を試み、異次元緩和の2弾目を唱えたせいで日経平均は17,000円代となった。2009年のリーマンショックから、再び驚くべき上昇を見せている。黒田氏は為替を意識したものではなく、国内経済のことだけを考えて緩和をした、と主張した。 日本の未来は非常に不透明と言われ続けたが、その結果、世の中にはファイナンスに関する本が無

なんと興味深く、胡散臭い感じがするデータだろう。 本書は、顔かたちや体の大きさ、しぐさ、全体から感じる雰囲気などから他人が感じとる性格や性的魅力、性癖やら繁殖力、果ては未来を占うことはどれほどできるのか、その結果がどれほど正しいかを、膨大なデータを収集して裏付けた本である。 「卒アル写真」という怪しげな言葉はもちろん卒業アルバムに載っている写真のこと。著者の

人類がまだ火星に行っていないのは、 科学の敗北ではなくマーケティングの失敗なのだ。 ここ数週間、本書のオビに書かれていた言葉が頭から離れない。だが、こう言われて気を悪くするマーケティング関係者などいないだろう。叱咤されているようでもあり、持ち上げられているようでもあり... 1969年7月20日午後10時56分20秒。その時代に生きていた人なら誰もが、その時

本書は、「第二の地球」を探し、宇宙に生命を求める研究の最前線が紹介されている本である。 ほんの20年ほど前には、木星のような大きな惑星ですら太陽系外では発見されていなかった。太陽以外の恒星のまわりを周回する惑星が初めて実際に観測されたのは1995年。ガリレオ・ガリレイによる天体の観測から400年後の2009年には、太陽系の外の惑星が満ち欠けしていることを示す

台湾南端の 鵝鑾鼻 (がらんび)岬からフィリピン領バタン(バシー)諸島との間にある海峡を バシー海峡 という。黒潮が流れるこの海峡は、かつて輸送船の墓場と呼ばれていた。太平洋戦争後半には、この海峡にアメリカ軍の潜水艦が多数配備されており、南方の戦線に送られる日本軍の輸送船団に忍び寄り、その牙をむいた。この海峡で10万人以上の日本人が犠牲になったという。このこ

この本は、一見すると科学書の読書案内である。「ドミトリーともきんす」という下宿屋に寄宿しているという設定で、著名な科学者たちが寮母のとも子、娘のきん子と語りあう。彼らの言葉をたどるストーリーの中で、彼らがどのように考えて研究していたのか、何が彼らを魅了していたのかが描かれる。登場する科学者は、朝永振一郎(物理学)、牧野富太郎(植物学)、中谷宇吉郎(物理学)、