
『レジリエンス』 立ち直る人やモノたち
物事は、なぜ立ち直るのか。 ハイチ地震の発生後、数千人規模の「ミッション4636」を数日で立ち上げた若い学生達は何をしたか。ホロコーストで残酷な光景を目にした孤児たちは、なぜ、その後の人生を幸せにコントロールできたのか。アルカイダや米軍が研究する「ネットウォー」とは何か。それは、どのように「結核菌」に似ているのか。都市を活性化させているものは何か。人が人を信
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物事は、なぜ立ち直るのか。 ハイチ地震の発生後、数千人規模の「ミッション4636」を数日で立ち上げた若い学生達は何をしたか。ホロコーストで残酷な光景を目にした孤児たちは、なぜ、その後の人生を幸せにコントロールできたのか。アルカイダや米軍が研究する「ネットウォー」とは何か。それは、どのように「結核菌」に似ているのか。都市を活性化させているものは何か。人が人を信

健康のために気をつけたい食生活。毎日手作りでバランスのよい食事が食べられれば理想的だが、忙しさのあまりついついコンビニ食が続いてしまう、もしくは、バラエティに富んだ外食の誘惑には勝てないという方も多いだろう。 しかし、もう罪悪感を感じることはない。コンビニ食や外食だって、ちょっとしたコツやノウハウがあればカラダを健康に保つことはできる。本書は栄養士による「一

「センスがいいね」と言われたら、私はとても嬉しい気分になる。「センスがいい」というのは、生き方そのものを肯定されているような気がするし、最高の褒め言葉だと思うのだ。でも「センスがいい」ってどういうこと?と聞かれても、その定義を明確に答えることができない。 なんとなくイメージはできても、センスというものはうまく言語化ができないものだ。私は大のファッション好きな

この言葉の由来は諸説あるようだが、昔は男性が家庭の台所に立つのはよくないことだと思われていた。しかし月日は流れ、昨今では 弁当男子 がもてはやされる時代。フェイスブックやブログでも男性のお手製ディナーの写真が並んでいる。男性料理研究家もたくさんいて、かくなるHONZメンバーにも、Allaboutで大人気、5冊も著作を持つ 土屋敦 がいる。その本職の腕を生かし

本書によると、将来地球上から海が消え、人類が絶滅してしまう可能性があるそうだ。 地球の内部では、ウラン・トリウム・カリウムなどの放射性元素が崩壊を繰り返し、熱を放出し続けている。それによって地球は内部から温められ、地球が凍りつかない仕組みになっているのだ。しかし、地球誕生からおよそ約46億年経った今、地球内部にあるウランの量は半減しており地球を暖める熱源は徐

ゴルフ場と持続可能性、この意外な組み合わせにそそられて、本書を手にすることになった。アリにも、野球にも、これっぽっちも興味を示さない成毛眞が、3月の朝会で、がっつり食いついた。 そして、本を読み漁っているHONZメンバーの、誰も聞いたことがないビジネスモデルを話し始めたのだ。その折に、ゴルフ場の墓地への転用という、これまたそそられる組み合わせが話題にあがった

本書は、アリの巣に住み、アリと共生する昆虫(好蟻性昆虫)やその他の節足動物(クモやダニなど)に関する図鑑である。なんというか、読者対象狭すぎな本だが、好蟻性昆虫マニアやヘンな虫好きにとっては、よくぞ出してくれた! と狂喜乱舞するような、奇跡的な一冊なのだ。 著者は、HONZでも話題になった 『ツノゼミ ありえない虫』 や、好蟻性昆虫の魅力とその研究の苦労を活

本書の副題にもその名前が使われているように、著者であるプリンストン大学コンピュータサイエンス学科教授のブライアン・カーニハンは、ディジタル界隈では大変有名な先生だ。デニス・リッチーとの共著『 プログラミング言語C 』は、長い間多くのプログラマーに参照され続けているという。しかし本書は、「カーニハンって誰?」と思った人のために書かれている。これは、非技術系であ

自由に働くノマドと、奴隷のように働く社畜。これだけを聞くと、社畜よりもノマドのほうが魅力的に見えるのは間違いない。しかしノマドは収入面や福利厚生といったことで社畜に劣る。こういったことを考えずに安易にノマドになろうという人が増えている。本著では安直にノマドになろうとする人に警鐘を促し、ノマドの実態を紹介している。 ノマドは2011年の後半からブームの兆しをみ

期せずして、同じ時、同じ場所に、同じレベルの才を持つ者が集まると、想像を絶する出来事が起こることもある。 1953年、3つの技術革命が始まった。熱核兵器、プログラム内蔵型コンピュータ、そして、生命体が自らの命令をDNAの鎖にどのように保存するかの解明である。これら3つの革命は相互に絡み合い、その後の世界を大きく変えることとなった。 とりわけそれ以前から密接に

シリーズが進むにつれ、当初は日陰者であったはずの自衛隊がまるで硝煙に導かれるがごとく、より先鋭化していくようすがわかる。シリーズ第4弾『兵士に告ぐ』では数度の海外派遣などを経験し、さらに米軍と協力し高い戦闘力を身につけながら実戦的な軍事組織へと、本格的に舵を切り始めた自衛隊の姿がをうかがうことができる。 この「兵士シリーズ」は5作目の『「兵士」になれなかった

私たちはどう付き合ってゆけばいいのか? オビに書かれた言葉と、毛沢東が掲げられている天安門広場の写真。これらが、本の内容を端的に表している。 本書は、2012年の新書大賞に輝いた『ふしぎなキリスト教』で大いに議論を巻き起こした橋爪さん・大澤さんコンビに大学時代からの友人の宮台さんが加わり、中国に関して対談した本だ。橋爪教授は中国研究のスペシャリストであり、ま

資源、食糧問題、企業の成長戦略、いずれもグローバルの政治経済を語る上での最重要課題である。アフリカは、そうした21世紀の国際政治経済の縮図そのものである。 本書のアプローチは特徴的だ。アフリカを語るのにアフリカ自体から説き起こすのではなく、外から視線を注いでその輪郭を描いていく。読者は現在のグローバルイッシューである資源、食糧問題、国際開発といった多角的な切

著者の息子オスカーの質問だ。子供は本物の哲学者だとよくいわれる。こんなことを実際に聞かれたら思考が一瞬、停止してしまうかもしれない。 本書は魅力的な哲学の本だ。哲学といっても、まったく固くならずに読める内容である。著者はドイツ人作家で哲学者のリヒャルト・ダーフィト・プレヒト。 原書 はドイツ語版『Warum gibt es alles und nicht n

高橋秀実ははいくつもの意味で天才だと思う。 ん? だれも気づかないかとは思うが、高野秀行の 『謎ソマ』レビュー と同じような書き出しである。まず、天才エンタメノンフ作家と推定される高野秀行と名前が二文字しか違わないところが天才的である。かな? そして学歴がすごい。モンゴル語学科なのである。モンゴル語学科といえば、誰がなんと言おうと、司馬遼太郎なのである。これ

ソムリエという存在を、私は完全に誤解していた。 グラスに注がれた高級ワインに、ポエティックな表現と薀蓄を添えてサーブしてくれる少々気障な存在。恥ずかしながら、そんな先入観を持っていた。 でも、本書を読んで心の底から理解した。 己の知性と感性の全てを賭けてワインと対峙する本物のスペシャリスト。経験に裏打ちされた華麗な技術を次々と繰り出す究極のサービサー。そして

正確性、安全性、快適さ、速さ、そして美しさ。日本のモノ作りが大切にするコンセプトである。そんなコンセプトを一つの乗り物というカタチにしたとき、世界に誇る日本の新幹線が出来上がる。正確無比に、安全に、故障することなく、しかも驚くべき速さで走り続けている新幹線。まさしく、わが国が世界に誇るべき「メイド・イン・ジャパン」の技術力の結集である。本書はそんな「メイド・

これは、町工場のおじさんたちの青春物語のほんのはじまりの一部である。 製造業の経営者集団「心技隊」の隊長・緑川賢司は神奈川圏内最大の工業技術・製品に関する見本市「テクニカルショウヨコハマ」で、とりわけ目立つアイディアを考えていた。そして、静岡で開催された製造業仲間11人の飲み会で、由紀精密の小さなコマを目にした。閃いた緑川は、コマ大会を帰りの新幹線の中で軽く

この本は、2012年1月に発売された『 Coming Apart 』の邦訳である。本書は、発売直後から ニューヨーク・タイムズ 、 ウォール・ストリートジャーナル などの高級紙に軒並み書評が掲載され、全米で大きな反響を集めた。ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンが ブログ で批判的コメントをする一方、『 マネーの進化史 』のニーアル・ファーガソンは肯定的意

ウイルスをテーマとしたサイエンス・エッセイだ。取り上げられているのはタバコモザイクウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、バクテリオファージ、ヒト免疫不全ウイルス、天然痘ウイルスなど13種のウイルスである。それぞれのウイルスのカラー電子顕微鏡写真が付いていて1500円。1ウイルスあたり115円ちょっとだ。考えようによってはじつに安い買い物なのだ。

いかなる分野の議論においても、データを集めて分析することで最速で最善の答えを出すことができる。それが、統計学が最強の武器たりうる所以である。 本書では、医療や企業経営などの分野でデータ分析・活用の経験を有する著者による領域横断的な解説を通じ、統計学の世界を俯瞰できるようになっている。統計リテラシーを身につけたい方の入門書としてもおススメの一冊だ。 「疫学」と

H&Mなどのファストファッションを使えば、1万円でフルコーディネートができる時代に、1着の服に数十万をかけるような物好きな人が世の中には存在する。私もそんな物好きの一人だ。洋服にとりつかれた者の多くは、一般の人からすれば金銭感覚が狂っている。なぜそんな高いものを買うのか?ファッションに興味がない人には理解不能だろう。なぜかと聞かれたら、こう答えるしかない。そ

東条健一は子供のころ、守銭奴の父に苦労させられたが、大学卒業後はマスメディアでの金融情報の営業や大手報道機関の社会部記者を経てPRやブランディングの専門家となり、ビシネスの成功者となった。キャビン・アテンダントの妻との間に娘を授かり、子育てにも一所懸命。将来は順風満帆だと信じていたのだ。 しかし、その娘「リカ」に異変が見えたのは2歳を過ぎたころからだ。生まれ

旅行好きにはたまらない本だ。本書を通して南北はスコットランドからエジプトまで、東西はポルトガルからアルメニアまでの広大な土地を旅した気分になれる。それも時代は今から遡ること2000年、古代ローマ帝国時代である。 ああ、こういう本に巡りあえるから読書はやめられない。読了後は数ヶ月に亘る世界旅行をして帰ってきたような気分なのに掛かった費用は書籍代たった3,200

子供の頃から料理に夢中になることが多かった市川知志は、その興味の赴くまま東京都内の洋食店に就職する。さらにフレンチに魅せられついに単身、渡仏してしまう。著者にとっては初めての海外だ。人見知りの性格でひとりでは、ラーメン店に入ることすら気後れてしまう25歳の青年が、ただフランス料理をもっと知りたいという思いのみに駆られ、単身で修行の旅に出る。しかも労働許可証は

これは、2013年度の私立麻布中学校の入試問題である。東大合格者を多数輩出する名門校が用意したこのユニークな、そして、科学の本質に迫る問いは ネットでも大きな話題 となった。実際の問題には答えを導きやすくするための補助が添えられているが、小学生のみならず、大人の知的好奇心もくすぐる良問だ。あなたなら、この問いにどう答えるだろう。 生物ではない理由を考えるため

"ここに一枚の写真がある。" そんな静かな書き出しに誘われてこの写真を目にした時には、この構図、この画角、太陽の位置、山の稜線、銃の角度、兵士の影に、ここまで深い意味が含まれているとは想像できなかった。ましてや一人の男の生きた軌跡が、陰影まで刻みこまれているとは… 「崩れ落ちる兵士」 ー それは写真機というものが発明されて以来、最も有名になった写真の一枚であ
仕事を抜け出し、日が高いうちからグイっと飲む。平日の昼酒。私のような小心者の会社員にとっては南米の秘境を訪れるよりも、南の島で美女と戯れるよりも実現が難しく感じる。近くて遠い昼間の居酒屋。本書にはそんな羨ましくてたまらない、散歩がてらの昼酒のエピソードが満載なのである。 著者は大竹聡氏。酒や酒場についての著述を手がけるフリーランサーでサラリーマンではないのだ

高野秀行はいくつもの意味で天才だと思う。 アマゾンで 高野の作品 をみると、31商品ヒットし、そのほとんどが☆四つ以上、中には☆五つもある。そう、どの作品もおもしろいのである。親戚や親しい友人が20名くらいいて、星稼ぎしているという可能性は否定しきれないところではあるが、それはないということにしておこう。しかし、ご本人がおっしゃるところ、あまり売れてないらし

2013年のベスト装丁賞はこの本で決まり!表紙やデザインも美しいけれど、この本は写真で見るよりも、実際に手にとってもらったほうが、より素晴らしさがわかるだろう。写真ではわからないと思うが、カバーと本体の両方に凹凸があるのだ。カバーの一部に凹凸がある本はよくみかける。しかしカバーを外したとき、本体にまで凹凸がある本はあまりみたことがない。 この本にいたっては、

いったい自分はどうすればモテるようになるのだろうか。世の中には、そんな人類の究極命題とも言える恋愛のメカニズムを科学的に解き明かすことを使命とした「恋愛学」という学問が存在する。本書では、そんな恋愛学の専門家が恋愛のメカニズムを人間の五感から解き明かす。恋愛にまつわるタブーや迷信にも容赦なしで切り込む語り口は小気味よく、新感覚の恋愛論としても楽しめる。 そも

ロッカールームには、本当にあらゆるものがある。 夢。希望。挫折。苦悩。汗。涙。友情。信頼。時に怒号。そして感謝。 青春を彩るものたちは、いつだってそこに。 本書は、全国高校サッカー選手権で惜しくも敗れ去っていったチームの監督が、試合終了後のロッカールームで選手たちに語りかけたメッセージを集めたものだ。1971年(第41回大会)から中継を行っている日本テレビの

すべからく、天才は類まれなる努力の結果、生まれるものだと思っている。天才が天才であるのは、あることが好きで好きでたまらず、その好きなことだったらどれだけ練習しても、勉強しても飽き足らずに、身体の一部になるまで反復しなければ気が済まない、そういう精神力を持っていることだろう。天才の伝記は、凡人にとっては神話のようだ。どれだけ奇矯な人間であっても、どこか神々しい

フェリックス・ロハティン。投資銀行家で、1970年代後半のニューヨーク市財政破綻の危機を救ったことで有名な人物である。幼少時にナチスから逃れてアメリカに移民、その後、ウォールストリートの投資銀行家としての名声を勝ち取り、ニューヨーク市の財政援助公社総裁としてニューヨークを財政危機から救い出した。後々、幼少時に住んでいたフランスで米国大使を務め、故郷に錦を飾る

本書はHONZで紹介され、ついついポチってしまったマニアックなサイエンス本が家に積まれている被害者におすすめの一冊、生物と環境の関係性をマクロで捉えており、全体感をつかめる。意外な事実や新発見が登場する本ではないが、生物進化、生物地理学、個体群生態学、群集生態学、生物多様性、行動生物学などを章ごとに体系的に理解できる。 また、HONZで御馴染みの 新刊 が待

突然、「この本めちゃくちゃ面白かったです。ジャケ買いして一気読みしました」というメールがHONZ宛てに届いた。送付元は、以前にもメールのやりとりをしたことのある、大変な読書家でHONZを応援して下さっている心臓血管外科医の望月先生である。確かにソソるカバー。面白い本ならではの「匂い」が、表紙からすでに漂っている。しかも望月先生のご推薦とあらば、読まねばなるま

音楽ソフト(CD、DVDなど)の売り上げ低下、アイドルたちに独占されるヒットチャート、若者の音楽離れ。音楽業界には悲観的なニュースが飛び交っている。日本ではもう新たな音楽は生まれていないのか、ぶつける先のない思いを音に託す若者はいなくなったのか。もちろん、そんなはずはない。 著者である都築響一は、今いちばん刺激的な音楽は地方から発信されているという。大手レコ

HONZは原則として新刊発行後3ヶ月以内にレビューするという掟がある。早く読まないとだめなのであるが、書こうと思って買ったのに、ぐずぐずと読まずにいてしまうことがある。この本がそうだった。”ミシュランの星みたいな、店を記号化するようなことしてる奴はアホやんけ” と、『飲み食い世界一の大阪 そして神戸。なのにあなたは京都へゆくの』というやたら長いタイトルの本で

日本が最後に経験した戦争は第二次世界大戦だ。召集兵が大規模に集結し、いく度かの大会戦を経て雌雄を決する。日本人が経験し、あるていど皮膚感でわかることのできる戦争は、この当時のままで止まっているように思う。むろんそれは素晴らしいことだ。しかし、時代は移り現代では非対称戦争の時代といわれて久しい。ゲリラ、テロなど目に見えない敵と、何時どこで戦闘になるのかわからな

日々の食生活から近未来の新エネルギー問題まで、我々の暮らしと熱量とは切っても切れない関係にある。それでは試みに、思いつく限りのエネルギーにまつわる問題をカロリー数値に置き換えて見てしまおうというのが本書だ。 まずは人間の体をカロリー計算してみよう。様々な実験によれば人間の仕事率は100ワット程度。直感的に言えば、われわれが朝起きて職場や学校へ行き、仕事をし、