ノンフィクションはこれを読め!

おすすめ本レビュー

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あざやかに逝ったひと 『僕の死に方』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

あざやかに逝ったひと 『僕の死に方』

闘病記というジャンルがある。もちろんノンフィクションである。そんなの読んだことがないという人が多いかもしれないが、大きな本屋さんでは、そのための棚まであるくらいだから、けっこう人気のある分野なのだ。たいへんな病気を明るく描いた大野更紗さんの『 困ってる人 』がベストセラーになったのも記憶に新しい。 かつて、医学生の時代から医師として働いていた3年の間、何かの

父と息子の葛藤『お父さん、フランス外人部隊に入隊します。』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

父と息子の葛藤『お父さん、フランス外人部隊に入隊します。』

フランス外人部隊。フランスの戦争で常に最前線に立ち、多くの犠牲を払ってきたフランス最強の部隊のひとつ。意外にも傭兵部隊ではなく、正規軍として位置づけられている。世界中から脛に傷を持つ、ひと癖もふた癖もある男達が集う部隊。なぜ、愛媛の山里出身の国立愛媛大学の学生だった22歳の若者が自ら進んで、荒くれ者の集う、他国の兵士になったのであろう。 雄一郎の父、森本喬(

『ずる―嘘とごまかしの行動経済学』 脱税はサイン1つで減らせる? 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『ずる―嘘とごまかしの行動経済学』 脱税はサイン1つで減らせる?

ずるをしたことがない、と断言できる人はどれ程いるだろう。私は一度もしていない、と思った人は自分がずるをしていることに気が付いていないだけかもしれない。自分をごまかすことは、想像以上に簡単なのだ。 『 予想どおりに不合理 』で人の不合理性を、『 不合理だからすべてがうまくいく 』でその不合理性がもたらすポジティブな影響を明らかにした行動経済学者ダン・アリエリー

大正時代のおしゃれ女子『モダンガール大図鑑』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

大正時代のおしゃれ女子『モダンガール大図鑑』

大正という時代にはとても浪漫を感じる。日本の古き良き時代といったときに想像するのがこの時代だ。エロ・グロ・ナンセンスといった大衆文化が花開き、ファッションは和洋折衷で独自のスタイルが形成されていた。なかでも 『はいからさんが通る』 に出てきたような袴にブーツというスタイルはいま見ても魅力的である。また大正時代のキモノは柄が大胆で斬新なものが多い。アール・デコ

『和僑』2ちゃんねらーは日本ではなく中国の農村を選んだ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『和僑』2ちゃんねらーは日本ではなく中国の農村を選んだ

インターネット上の巨大掲示板『2ちゃんねる』に投稿されたスレッドの転載記事を著者が目にしたのは2011年夏。タイトルは「中国の田舎に住んでるけど質問ある?」。投稿者は雲南省の少数民族の女性と結婚して相手の実家に同居して農業を手がける日本人。虚実が入り交じるネット掲示板であることを知りつつも、著者は書き込みの生々しい情報に惹かれる。村では人さらいが出没したり、

『イノベーション・オブ・ライフ』  幸せのモノサシ 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『イノベーション・オブ・ライフ』 幸せのモノサシ

本書の著者は、経営論で大変に有名なハーバードの先生だ。もちろん会ったことはないけれど、私にとっては、偉大な人である。著書『イノベーションのジレンマ』は、何十回、いやたぶん何百回も手に取った。卒業論文の題名にも入れてしまった。私だけではない。先輩は「英語の原著で読んだら、またちょっと趣が違った」と言った。ハリーポッターではない、経営学の本である。どれだけ情熱を

勝負を制する「反撃」のセオリー 『カウンターアタック』 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

勝負を制する「反撃」のセオリー 『カウンターアタック』

大相撲の白鵬関が真の横綱相撲の理想を示すものとして語った「後の先」(ごのせん)が、ひと頃メディアでも話題になった。一見、相手の攻撃を許しているかのように見えて、実はその攻撃を受ける中で巧みに相手を制する形に持っていくという、高度な技の体系だ。 相手にどんな仕掛けを打たれてもいつの間にか自分の型に持ち込み、当たり前のように勝つ。常勝の秘訣はカウンターアタックに

『書店員あるある』本屋はネタと愛の宝庫 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『書店員あるある』本屋はネタと愛の宝庫

表紙のイラストは、ゴルフ本を読んでいる男性が“ スイングを我慢してはいるが、身体が微妙に揺れている ”図である。 本屋が好きな人なら、この一冊は終始笑えて楽しめる。あるあるネタとは、日常生活で身の回りの些細なことを挙げ、読む人に共感を得て笑いを誘う技術である。古くは枕草子もこの形式を採用し原稿を書いていた。書店員からすればゴルフ姿のおじさんは話のネタであり、

『移民の宴』 外国系日本人たちの知られざる食生活 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『移民の宴』 外国系日本人たちの知られざる食生活

高野秀行の魅力は高い親和力だと思っている。ノンフィクション作家は好奇心が強いのは当たり前。しかし相手のことを無視して、自分の取材のためだけに突き進み、相手に嫌われるまでになるのは、作品としてすごいと思っても、ちょっと嫌だ。 大学時代に怪獣さがしに行ったデビュー作『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)からその態度は全く変わっていない。好奇心はいっぱいで、何か異質

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サイエンス / おすすめ本レビュー

でかいぞ! 偉いぞ! 立派だぞ! 『ダムの科学』

ダムの科学 -知られざる超巨大建造物の秘密に迫る- (サイエンス・アイ新書) 高度成長時代、安定した電力を供給するため、たくさんのダムが造られた。そのころ、ダムといえば未来に羽ばたくまばゆい存在であった。ところが最近は、不要な公共事業の代表にされ、環境破壊の悪玉にされ、どうも評判がよろしくない。これはいささか理不尽ではないか。ダムはどっしりと大きくかまえ、じ

心の動きに興味のある全ての方へ『ファスト&スロー』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

心の動きに興味のある全ての方へ『ファスト&スロー』

私たちの意思は自分たちの気がつかないところで、周りの環境に大きく影響されている。例えば、本書でも幾度か登場する、選挙の場面ではどうだろうか。 投票所がどこにあるか、そんな些細なことにも大いに影響されている。アリゾナ州での学校補助金の増額への賛成票は、投票所が学校の場合、そうでない場合よりも有意に多かった。これは先行する刺激(この場合は学校)に判断や選択が影響

純潔にまつわるエトセトラ。『エキストラバージンの嘘と真実』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

純潔にまつわるエトセトラ。『エキストラバージンの嘘と真実』

スーパーで売られているエキストラバージン・オリーブオイルの大半は偽物であるーーそんな衝撃的な事実を明かし、全米でベストセラーとなった本だ。 もちろん私も、まさにそこに惹かれて本書を購入したわけだが、実は本書は、歴史、政治、経済、ビジネスなど多様な「オリーブオイルをめぐる真実」に触れられていて、それをネタに何冊もの飛び切り面白い本が書けそうなぐらいなのだ。 例

『吉原夜話』ありし日の残り香 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『吉原夜話』ありし日の残り香

この作品は大正14年に都新聞なる新聞の演芸欄に連載されていたものを、昭和39年に一度単行本化、その後復刊されたものだ。インタビュー方式といえば言いうだろうか。都新聞の記者である宮内好太郎が喜熨斗古登子(きのし ことこ)に江戸末期から明治初めにかけての吉原について質問し、古登子が語るという形式で書かれている。この喜熨斗古登子なる人物は、歌舞伎役者の初代市川猿之

『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』 なぜ、ルネサンスが起きたのか? 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』 なぜ、ルネサンスが起きたのか?

本書の主役である「すべてを変えた一冊」とは、地球が世界の中心ではないことを明らかにしたガリレオの『 天文対話 』でも、生命に進化という概念をもたらしたダーウィンの『 種の起源 』でもない。暗黒の中世に別れを告げ、大航海時代を迎えようとしていた1417年のヨーロッパで、その一冊は1人のブックハンターの手によって発見された。 その一冊とは、紀元前1世紀頃に著され

その有能さは、万能か? - 『ニュートンと贋金づくり』 書影

サイエンス / 人物

その有能さは、万能か? - 『ニュートンと贋金づくり』

いつの時代だってスーパースターは大変だ。一つの分野で傑出した能力を発揮すると、他の領域でも通用するものかと普遍性を問われる。 もしもイチローがピッチャーだったなら。もしもファインマンがマイクロソフトに入社していたら。もしもマイケル・ジョーダンが大リーガーだったなら... その中にはジョークで終わったものもあれば、果敢に挑戦したケースもある。 ならば、これはど

『怒る!日本文化論』 昔は良かったというけれど 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『怒る!日本文化論』 昔は良かったというけれど

父は国際スパイ、母はナポリの花売り娘。自称イタリア生まれの謎の論客として著者がデビューしたのは2004年の『反社会学講座』。軽い文体ながら、統計資料を使って、世間の常識に物を申すスタイルは当時は斬新で、世間のひねくれ者の喝采を浴びた。あれから8年。いまだに正体を明かさず、イタリア語をしゃべれないイタリア出身の千葉県民というキャラ設定を貫き通す姿勢には敬服する

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人物 / ビジネス

『ビジョナリーであるということ』 「ドクターV」の伝説

ビジョナリーであるということ 「ドクターV」ことゴヴィンダッパ・ヴェンカタスワミー博士が「アラヴィンド眼科医院」を開いたのは58歳の時だった。 インド南部のマドゥライ大学を定年退職したドクターは、自宅を抵当に入れ、父の代わりに世話をしてきた5人のきょうだいを集めた。彼らも、11床の小さな病院のために貯金をはたいた。それでも足りなくなると、代々受け継いできた宝

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ビジネス / おすすめ本レビュー

『IKEAモデル』 - それはモデル演繹型の経営。

IKEAモデル―なぜ世界に進出できたのか 低価格の北欧風デザイン家具販売店として、グローバルで成功を続けるIKEA。本書『IKEAモデル』は、2009年までCEOを務めた著者が、その経営モデルを網羅的に綴ったものだが、読んでみて非常によく分かった。「IKEAモデル」とは、要するにコスト削減の王道を極めることなのだと。 王道は、極論すればつまらない。でも、王道

”ただ遊べ 帰らぬ道は誰も同じ” 『赦す人』 団鬼六を知っていますか? 書影

人物 / おすすめ本レビュー

”ただ遊べ 帰らぬ道は誰も同じ” 『赦す人』 団鬼六を知っていますか?

子どもの頃、家の近くに映画館がたくさんあった。そのひとつ、エロ映画ばかりを上映していた「千林劇場」の看板が駅のガードにあって、いけないと思いながらいつも見ていた。なかでも鮮烈な破壊力のあったのが谷ナオミ主演のSM映画の宣伝であった。縄で縛られた裸体とともに、なんともおそろしい原作者の名前「団鬼六」が私の脳裏に深く刻み込まれた。 結局のところ、解禁の18才にな

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日本史 / おすすめ本レビュー

もう、辞めたい・・・。心優しき『戦国の貧乏天皇』

戦国の貧乏天皇 なかなか刺激的なタイトルだ。 わずか7文字の中に、知的好奇心を刺激してやまない「違和感」が内包されている。 まず「戦国」と「天皇」がうまく結びつかない。日本史で習った天皇を思いつくままに挙げてみても、古代であれば神武、推古、聖武、桓武といった有名ドコロがすぐに浮かぶし、中世になると、後に院政を敷いたことで知られる白河、鳥羽といったあたりが思い

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ビジネス / おすすめ本レビュー

居酒屋トークを乗り越えて『世界の経営学者はいま何を考えているのか』

著者 : 入山 章栄 出版社 : 英治出版 発行日 : 2012/11/13 世界のビジネススクールの最前線で活躍する「経営学者」が取り組む研究をわかりやすく紹介した本だ。下世話な話で恐縮だが、居酒屋で繰り広げられる自社の経営談義に、鋭くもの申すための知恵の実になる。 早速、1つの研究を紹介しよう。 「ソーシャル」。 ソーシャルゲーム、 ソーシャル・キャピタ

引用するとしたら、全部。『洟をたらした神』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

引用するとしたら、全部。『洟をたらした神』

頁を開いた瞬間にひきこまれる―― そこに広がる異空間とは。 東京、千駄木の往来堂書店は、本好きには有名な「町の本屋さん」だ。偶然出かけた先週のこと、なにやら大きく展開している本がある。なんだろう。 吉野せい? 洟って、読み方は「はな」でよかったよね。 そんなことを思いながら手に取り、本の面構えを眺めてみる。本にはどうも「面構え」とでも呼びたくなるものがそれぞ

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事件・事故 / おすすめ本レビュー

『三重スパイ』 裏の裏の裏をつかれたCIA

三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」 2009年12月30日、アフガニスタン北東部にあるホースト基地のCIA局員達は、ある男の到着を心待ちにしていた。その男とは、フアム・アル‐バラウィ。このヨルダン人医師は、CIAから大きな注目を集めていた。それは彼が、最強国家アメリカをもってしても長年近づくことのできなかったアル・カイダの中枢に入り込み、

ウイルスたちのノマド・ライフ - 『パンデミック新時代』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

ウイルスたちのノマド・ライフ - 『パンデミック新時代』

しかし、人類に先駆けること何百年も前に、同じような環境を手にしている生命体がいた。それがウイルスである。彼らは人間同士が相互に接続された世界を、まるでクラウド・コンピューティングのように利用し、自分自身をビットのように複製してきたのだ。 かつてパンデミックを引き起こしたスペイン風邪ウイルスや、HIV(ヒト免疫不全ウイルス=エイズウイルス)のような悪性のウイル

『新しい市場のつくりかた』 サヨナラ技術神話 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『新しい市場のつくりかた』 サヨナラ技術神話

「三宅本を推す」。 実は著者のことは全く知らなかったが、ものづくり研究の大家である東京大学の藤本隆宏教授が帯に寄せた、このコメントに釣られて買ってしまったことは内緒だ。自分の権威主義的な一面に辟易してしまうが、良い意味で期待を裏切られた一冊である。 本書の主旨は明快だ。エレクトロニクス業界を中心に不振が続く日本の製造業が凋落したのは、技術神話を未だに信奉して

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サイエンス / おすすめ本レビュー

『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』 ワインの海は牛の色

言語が違えば、世界も違って見えるわけ 話は、古代ギリシャの叙事詩から始まる。1858年のロンドン、ダーウィンの『種の起源』が発表される4カ月前、後に英国の首相となるウィリアム・グラッドストンが、叙事詩『イリアス』『オデュッセイア』についての研究結果を出版した。『ホメロスおよびホメロスの時代研究』は、全3巻1700ページの大著であったが、その終わりの3巻の最後

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教養・雑学 / おすすめ本レビュー

素朴な棒グラフの意外な底力 『統計データはためになる!』

統計データはためになる! ~棒グラフから世界と社会の実像に迫る~ 世の中には様々なデータがあふれているが、数字だけではピンとこないものだ。しかしグラフ化した途端にメッセージが浮き彫りとなり、直感的にこれに納得できたといった経験はないだろうか。 たとえば、 「老舗企業創業年次ランキング」 をご覧いただきたい。 イオン、高島屋、新日鐵、伊藤忠商事といった江戸・明

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民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

魅力度ランキング最下位『続 群馬の逆襲』

続・群馬の逆襲 (笑う地域活性化本) HONZメンバーが最近熱く注目している大阪などは、名産名所が山ほどあるので御当地ランキングなんか気にもしないだろう。 しかし私の出身である群馬県は、2008年度47都道府県「地域ブランド力」調査で、なんと最下位だった。地元話をしても群馬については「えと…東北?だっけ?」みたいな反応も少なくない。地方出身が多いHONZメン

全力疾走!『新版 大阪名物  なにわみやげ』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

全力疾走!『新版 大阪名物 なにわみやげ』

文楽に嵌ってはや10年。年ごとに病膏肓に入り、今では大阪文楽劇場へも通うようになってしまった。せっかく大阪まで遠征するのだから、と舞台がはねたあとの食事や、何か美味しいものを買っていきたいと、いいガイドブックを探していた。5年ほど前、人から教えてもらったのが『大阪名物』。大阪在住の女性フリーライターふたりが、和菓子、洋菓子、乾物、食事、調味料、お酒、嗜好品、

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教養・雑学 / 民俗・風俗

なにわのおばはんおそるべし 『わたしは菊人形バンザイ研究者』

わたしは菊人形バンザイ研究者 一冊もご本を読んだことはないのであるが、出久根達郎さんが好きである。どうして好きなのかというと、『 世にも奇妙な人体実験の歴史 』 の 朝日新聞・書評 の最後に「軽妙な訳文が読みやすく、仲野徹の解説も要領よく秀逸である。」とお誉めいただいたからである。ご本を何冊か読んでからお礼状をと思いつつほったらかしになっているので、ここにお

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ビジネス / おすすめ本レビュー

きちんと悲しんで、そして忘れてもらうために。 - 『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』

エンジェルフライト 国際霊柩送還士 誰もがいつかは、死を迎える。 あなた自身も、そしてあなたの愛する人も。 もちろん私も、そして辛いことだけれど、私の愛する人もいつか。 死とは何だろうか。 死に行く人にとってそれは、命の終わり。現世という旅路のいちばん奥にそっと置かれたベッド。 ならば、残された人にとって、死とは何だろうか。 愛する人の命は、もうそこにない。

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ビジネス / おすすめ本レビュー

いちばん泣き言をいいたい人が、明るい。 - 『督促OL修行日記』

督促OL 修行日記 督促という言葉を聞いて、良い印象を持つ人はいないだろう。 督促って、要するに借金の取り立てだ。借金をしている人は督促なんてされたくもないだろうけれど、督促する方だって、しなくて済むなら本当はしたくない。貸したお金を返してもらうために、仕方なくやっているだけ。返さない方が悪いわけで、何も悪いことはしていない。それなのに、むしろ逆切れされて文

『「黄金のバンタム」を破った男 』 ファイティング原田のいた時代 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『「黄金のバンタム」を破った男 』 ファイティング原田のいた時代

63.7%。この数字は1966年に打ち立てられてから、今でも塗り替えられることのない、ボクシングのテレビ放映における歴代最高視聴率である。日本最長の13連続防衛を達成した“カンムリワシ”具志堅用高も、日本最速(当時)の8戦目で世界王者となった“浪速のジョー”辰吉丈一郎も、本書の主人公ほどには日本全土を熱狂させることはできなかった。 その日本史上最も注目を集め

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社会 / おすすめ本レビュー

『アグルーカの行方』交錯する生死の狭間で

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 1845年、ジョン・フランクリン率いる北西航路探検隊は129人の隊員と3年分の食料を二隻の軍艦に乗せ、悠然とイギリスから出発する。フランクリンは以前の北極圏探検のときに食料不足におちいり、苔やブーツの皮を食べて飢えを凌ぎながら生還した経歴がある。そのため「ブーツを食べた男」と呼ばれ、当時のイギリス

『昭和天皇のゴルフ』 - 芝生に刻まれた昭和の歴史 書影

アート・スポーツ / 人物

『昭和天皇のゴルフ』 - 芝生に刻まれた昭和の歴史

球史に残る昭和天皇のエピソードといえば、1959年に天覧試合として行われた巨人ー阪神戦を思い出される方も多いだろう。9回裏、先頭バッター長嶋のサヨナラホームランで幕を閉じたこの試合は、プロ野球人気を決定づけた出来事として、あまりにも有名である。 だが同じ球技でも、ゴルフと昭和天皇の関わりについてご存知の方は、あまり多くないだろう。しかも若かりし頃の趣味であっ

『酒とつまみ チャンポン』 朝っぱらからスミマセン 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『酒とつまみ チャンポン』 朝っぱらからスミマセン

酒とつまみチャンポン―創刊10周年記念なんちゃって傑作選 (別冊酒とつまみ 1) 一部のオジサンに熱狂的な支持を受ける雑誌「酒とつまみ」。というよりも世間一般には知られていない雑誌「酒とつまみ」。 創刊10周年を記念しての傑作企画をまとめたのが本書だ。雑誌不況の荒波の中で10年とはすごいの一語だが、季刊誌を名乗りながら一度も季刊できていない脱力ぶりがその秘訣

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生物・自然 / おすすめ本レビュー

『コケの自然誌』 植物を「聴く」人

コケの自然誌 アメリカには「ネイチャー・ライティング」というノンフィクションのジャンルがあるそうだ。 その特徴は「自然科学系の客観的な観察とは異なり、個人的な思索や哲学的思考を含むということ」にあり、内容には ・博物誌に関する情報(natural history information) ・自然に対する作者のリアクション(personal reaction)

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事件・事故 / おすすめ本レビュー

『韓国窃盗ビジネスを追え』古美術の世界と闇

韓国窃盗ビジネスを追え: 狙われる日本の「国宝」 日本の重要文化財が各地の寺院から盗まれ、その一部が韓国で流通している。そんな話を聞いたことがある人もいると思う。本書は主に兵庫県、鶴林寺の「絹本著色弥陀三尊像」(以下、阿弥陀三尊像)と長崎県壱岐島、安国寺の「高麗版大般若経」の行方を主に追っている。 阿弥陀三尊像を盗んだ主犯は金国鎮という男。彼は2004年に韓

『闘う物理学者!』破天荒な天才たち 書影

サイエンス / 人物

『闘う物理学者!』破天荒な天才たち

自由奔放・奇想天外な人生が好きな人には本書がオススメだ。 様々な著名物理学者の人生を紹介するのが本書。物理学者というと頭が固くて気難しい人をイメージする人もいるかと思うが、実は風変わりで冒険的な人が多い(もちろん本書で紹介されるような人たちはみな頭脳明晰)。 例えば旧ソビエトの異端児、レフ・ダヴィドヴィッチ・ランダウ。幼い頃から数学的才能を発揮し、わずか13

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ビジネス / おすすめ本レビュー

地味だけど不可欠『ロジスティクス入門』

著者 : 中田 信哉 出版社 : 日本経済新聞出版社; 第2版 発行日 : 2012/10/26 ロジスティクスというのはまだまだ聞き慣れない言葉、なんとなく意味がわかっているという人が大半だろう、私もその一人。仕事で「ロジの確保、よろしく」と言われたのが最初のロジスティクスとの出会い。もちろん意味はわからなかった。 本書はロジスティクスの語源から物流との違