
『理系の子』 2012年No.1の第1候補登場!by 成毛眞
早くも2012年のNo.1候補が登場した。サイエンス系のノンフィクションなのだが、読んでいる途中なんども目を拭ってしまった。サイエンスで泣けるとは夢にも思わなかった。登場人物は12人の高校生。彼らの純粋さと熱中して研究に打ち込む姿に胸を打たれる。子供扱いすることなく支えつづける周囲の大人たちに共感する。人間の持つ前に進むという力と、善意に感動してしまうのだ。
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早くも2012年のNo.1候補が登場した。サイエンス系のノンフィクションなのだが、読んでいる途中なんども目を拭ってしまった。サイエンスで泣けるとは夢にも思わなかった。登場人物は12人の高校生。彼らの純粋さと熱中して研究に打ち込む姿に胸を打たれる。子供扱いすることなく支えつづける周囲の大人たちに共感する。人間の持つ前に進むという力と、善意に感動してしまうのだ。

「おはようございます。今日はこれから久里洋二さんの『ボクのつぶやき自伝: @yojikuri 』について連ツイします。あっ、連ツイと聞いて、すっとばそうとしないでください。だって、リアルツイッターじゃないんですから。正しくは、バーチャル連ツイ+連リツイになりますけど、よろしく。」 「『ボクのつぶやき自伝: @yojikuri 』は、世界初の本でしょう。だって

実に全591ページ、しかも二段組である。重さは865ℊ。手で持って読もうとするとやがて本(とその内容)の重さに手が震えてくる。それでも本書は短縮版なのだ。日本版は14章だが、原書は24章まであるという。 この膨大なボリュームで書かれた本のテーマは、中国の「大躍進」である。昨年大いに話題になり、成毛眞もレビューを書いている、フランク・ディケーター著 『毛沢東の

著者のポール・ミドラーはペンシルベニア大学のウォートンスクール出身のMBA保有者で中国広州在住のコンサルタントである。世界の工場と呼ばれるまでになった中国のものづくり現場の実態を赤裸々にあぶりだした本書は出版されるや否や大きな反響を呼び、英国 Economist誌の 2009年度Book of the Year に『 リーマン・ショック・コンフィデンシャル

約1年ぶりとなる佐々木 俊尚さんの新刊。事前に御本人から本書の執筆についてお話を聞かせていただく機会などもあり、非常に楽しみにしていた。新書で468ページはさすがに肩が凝ったのだが、歯を食いしばって一気読み。ただし歯を食いしばったのは、頁数の問題だけではなかったのだが・・・ これまでの佐々木さんの著書というのは、「今」もしくは「時代の先端」を的確に切り取りな

毎度のことだが、原題が気にかかる。本書は " The Watchman's Rattle " , 副題が " Thinking Our Ways Out of Extinction " だ。「夜警の警笛」 「絶滅からの脱出の道筋について」 といったところだろうか。 著者は東京に生まれ、父親がCIAの工作員をしていた関係で、ヴェトナム戦争中はラオスのヴィエンチ

はじめまして、『 なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』 で、ごく一部ではおなじみの、浪速大学・仲野です。ここしばらくHONZ被害者同盟の暫定代表を務めておりましたが、このたび訳あって、読み手から書き手へ、すなわち、被害者から加害者へ、あっさり転向することになりました。よろしくお願いいたします。って、よろしくないですね、すみません。ところで、すっかり忘れてい

日本で長期低落傾向にあるものといえば物価、政治家の質など、政治経済に関するものがすぐに思いつくのだが、より長期的で深刻な悪影響があるのは国民の科学技術への関心度の低さであろう。本書『科学嫌いが日本を滅ぼす』の冒頭でも、30年ほど前には高校での物理学の履修率は7割を超えていたのだが、いまでは3割以下に落ち込んでいると著者は嘆いている。まさにそのとおりで、福島原

HONZは概ね3つの世代で構成されている。代表・成毛や私、麻木久仁子、今後ちょくちょく登場するだろう阪大・仲野先生などの50代。サラリーマンメンバーはだいたい30代。そして20歳前後の学生メンバーたちである。定例会でも、それぞれの世代でしか通用しない本が紹介されることがある。先日のちょい読みで内藤順が紹介した 『ガリ版ものがたり』 がいい例だ。内藤がそのとき

本書は、邪馬台国や大和政権が活躍した弥生時代・古墳時代の歴史を貿易という視点からとらえなおす本だ。筆者は、古代にも日本の対外貿易や異文化の導入をリードした「総合商社」が存在したのでは、と仮説をたてる。 日本は昔から海外の技術・文化を吸収して、独自の文化・経済を育んできた。早くも弥生時代には、水稲稲作技術・青銅器・鉄器などが中国や朝鮮半島から日本列島に伝わって

本書の現場タイのお隣ミャンマーから更新。インターネットは劇的に遅いが、そんなことも気にしてられないくらい熱気に溢れるミャンマーでは、中国はパイプラインを、韓国は1年で在留者が500人から2500人に増え、ベトナム・ホーチミンはミャンマー最大都市ヤンゴンと姉妹都市提携を行い、70もの企業が訪緬。アジア各国はミャンマー投資に余念がない。詳しいミャンマーの状況は

「トイレにおいておく本」というジャンルがある。ある、というか、手前味噌になるが、おそらくHONZ代表・ 成毛眞が考案した 本のジャンルではないか。代表の言葉を引用すれば、「トリビア系や辞典系の本」、「場所柄『へーー、なるほどねぇ』とうなづける本」ということになる。実際に代表宅で、トイレに並んだ本たちを見たときはちょっと感動し、用もないの便座に座り込みたくなる

2008年10月、北大西洋の孤島国家、アイスランドは事実上国家破綻した。2003年から金融バブルが発生し、国民は4年間ほどのパラダイスを楽しんだあと、リーマンショックの余波を受けて国ごと破綻した。一夜にして国民一人あたり33万ドルもの負債を抱えることになったのだ。 このとき、アイスランドという国そのものがヘッジファンドであり、じつは漁師がファンドマネージャー

この本を読むつい一カ月ほど前、友人の留学生マイク(仮名)は得意げな表情で私にあることを教えてくれた。 「欧米と日本のアダルトビデオの違いを知ってるか? 本番中に尻を叩くか、叩かないかだ!」 この仮説が的を射ているかはさておき(なぜ私にそれを言ったのかという謎もさておき)、この本を読んでいると、尻に関するヨーロッパの人々の執念は凄い、というのはわかる。図説とい

2010年、ニューヨークのクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館は「なぜ今デザインなのか」展を開催した。本書はそこで展示された製品やプロジェクトをまとめたものである。この展覧会はデザインがいかにして環境保護や社会の平等などを後押しできるかを提示した。 たとえば、米国でデザインされた籐や竹で作られたリアカーがある。変形させて椅子になることも、鶏や水を運ぶため

本書は12年前に刊行された本のリニューアル版だが、いろいろな意味でおすすめだ。まず、当然ながら内容が良い。前回出版時には予想外に教科書として採用されたらしいが、実際、入門本として適している。というか私には「入門本として適していることしかわからない」のだけれど、専門用語を使わずに、大変広い範囲をカバーしていると思う。また、フルカラーのCG画像がとても多く、見て

この本には力がある。写真家・白尾氏の仕事はすばらしく、大判ページを繰ると世界の露頭が眼前に立ち現れる。そこに広がるのは生(=き)の地球の姿だ。厳然と切り立つ崖に荒々しい岩肌―元来の地球は「自然」すら超越した存在であり、本来は「惑星」なのだということに気付かされる。九州大の清川准教授による巻末の解説も充実し、感銘は一層深いものとなる。 微惑星は理論的に導かれた

今回紹介する本は、かなりロマンチックだ。 いつも本気でオススメ本を紹介しているが、HONZを閲覧していただいてる方(8割の男性)には、一見かなりのロマンチック風で違和感ある場合もあると思うので、あらかじめご了承願います。 著者の占いサイト「 筋トレ 」は口コミで広がり、今では3600万アクセス(2012年3月)を誇る超人気サイトとなった。サイト上ではホロスコ

最初にお断りしておく。このレビューを読んで多くの人が「自分のことか?」と怯えるだろう。まだ見世物的に報じられる日本のゴミ屋敷だが、「強迫性貯蔵症」(ホーディング)の実態は明らかにされていない。自分ひとりで悩んでいる人も多いかもしれない。事実、自分に置き換えると、少々悩ましいことでもある。 仕事柄、身の回りに本を置くことは多い。しかしふと気が付くと、仕事場のパ

「致死性家族性不眠症」という病気をご存知だろうか?眠りたいのに眠れなくなり死に至るという奇病だ。現在のところ治療法は見つかっていないため、想像を絶する苦しみの中で確実に訪れる死を待たなくてはならない。考えるだけで気分が悪くなってくる病である。ダニエル T.マックス著 『眠れない一族』 がこの病気にまつわるイタリア貴族の家系を紹介しているので、知っている人もい
物語 近現代ギリシャの歴史 - 独立戦争からユーロ危機まで (中公新書) 昨今世界を騒がせているユーロ危機が解決するか否かはPIIGS諸国が無事に財政を再建できるかどうかにかかっている。その結果次第では第二のリーマンショックが勃発するなんてことも十分ありうる話である。しかし! こんな危機的状況にもかかわらず激しい暴動によって国民が頑なに緊縮政策を拒否する国が

人類誕生以来の夢であり、誰でも一度はそう願ったことがあるはずだ。 「願ったことがあるはずだ」とは書いたものの、本当に“鳥のように”飛んでみたいと思ったことがある人などいるのだろうか。少なくとも私はそんなことを願ったことはない。 レビュー冒頭から何を自問自答しているんだと思われるかもしれないが、懐疑的であることは科学的であるためには必須の条件だと聞いたことがあ

かつてスティーブ・ジョブズは「文系と理系の交差点に建てる人にこそ大きな価値がある」という話を聞いて、その道を志すことを決心したそうだ。すなわち人文科学と自然科学の交差するところに、自身の活路を見出したということである。 その感覚の正しさは、現在の世の中の趨勢を見れば火を見るより明らかなのだが、スティーブ・ジョブズが決心したのは、もう何十年も前のことである。以

「世界を変えた発明」、と言うからにはそれまで世の中に無かったものを作り出したわけで、考えてみれば、それを発明した人は素人であるより他ない。「初恋ダイエットスリッパ」とか「めちゃかけラウンドハンガー」の話が書かれているのかと思ったけれど(それはそれで大変興味深い)、そうではなかった。本書が取りあげる人は、たとえば「グーテンベルグ」だ。確かに世界を変えた。まちが

夜更かしと言えば深夜番組と相場が決まっている。中でも「 たけしのコマ大数学科 」はお気に入りの深夜番組の一つだ。 番組では、ビートたけし・東大生(女子大生)・コマ大(芸人軍団)の3チームが数学の問題に取り組む。そのアプローチは三者三様だ。本書の対談者の一人で同番組の講師を務める竹内氏に言わせれば、コマ大チームは体育会系の実験型。体を張って問題を解いてゆく。コ

戦国武将は戦死や自刃などでの早死を除くと、意外にも長生きだったらしい。北条早雲88歳、島津義弘85歳、大久保彦左衛門80歳、徳川家康75歳、伊達正宗70歳など、『戦国の食術』には70歳以上で亡くなった60人あまりの武将がリストされている。 人工呼吸や輸液などの延命技術などなかった時代だから、長患いすることもなく、亡くなる直前まで元気であったことだろう。家康な

色の本については、HONZ朝会で頻繁に話題になっていたが、またまた面白い本を発見した。 本書は一見、図説系資料本と思いきや、脳生理学による科学的根拠に基づき、色の原理を解き明かしている。特定の色を見た時、それから引き出される生理現象、刺激部位、分泌物、効果を解説している。なので、例えば30代を過ぎて魅力をもっと出したい人には、ファッションに活用していくのはど

あれから1年が経った。3.11、あの日あなたはどこにいましたか?多分、この問いは何度も聞かれただろうし、尋ねもした。私は確定申告の帰り道、道路を歩いているときに激しい揺れに座り込んだ。電柱が撓み、電線が大縄跳びのようにぐるりぐるりと回っていた。 彩瀬まる『暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出』は、25歳の新人女性作家が一人旅の途中であの震災に遭遇し

著者の本に出会ったのはHONZで 『馬車が買いたい!』の書評 を見つけたときだ。成毛代表の言うとおり、純粋に本を読み、楽しみ、気がついたら私はフランスのまっただ中にいた。 『とは知らなんだ』は著者が「オール讀物」に連載したエッセイの2005年5月号から2008年4月号までの分をまとめたものである。今回は、フランスブームの代わりに「鹿島ブーム」が私に到来した。

高村による 『偶然の科学』 の書評はこのフレーズで終わっている。未来を予測することは難しいことはわかっていても、予測した未来が外れて痛い目にあうことがわかっていても、いつの時代でも、世界中の誰もが大好きな話題の一つだ。HONZの朝会後のお茶会でもそんな話題が中心である。だからこそ「偶然に心構えをする前」に未来は予測できないということを理解しなければいけない。

電車が好きである。どの乗り物が好きかと問われれば、迷わず電車と答える。 車を運転していては本が読めない。飛行機は酔ってしまうのでよほど体調が良い時でなければ本が読めない。船は体調が良かろうが悪かろうが酔ってしまうので本は読めない。タクシーの後部座席で本を読むなど考えるだけで恐ろしい。三半規管の発達が未熟な本読みの移動は電車と決まっているのだ。なので、電車が好

一口にビジネスマンと言っても、最近ではさまざまなワークスタイルを見ることができる。いわゆる会社勤めだけを見ても、フレックス勤務や在宅勤務というものがあるし、フリーランスや起業という働き方もすっかり定着してきた。 とりわけその中でも注目を集めているのが、都市ノマドというスタイルであるだろう。昨今のインフラの充実ぶりを背景に、MacBook AirやiPadでク
出版社/メーカー: 宝島社 ここ数年、日本の精神医学の遅れを指摘する本が以前よりも目に付くようになってきた。その中に必ず出てくるのが長期の入院患者の存在だ。入院期間が半世紀近くに及ぶ人もいるという。そして、彼らの中には、一見、入院の必要性を感じさせない普通の人々も少なくないという指摘もある。果たして彼らはどのような経緯で今に至ったのか。何を考えているのか。状

「なにかを判断するとき、人はどのように考えがちなのか」ということが書かれている本だ。「HONZのケースにたとえるなら」と考えていったら、私自身が、ともすればこの本に書かれているような考え方をしがちだ、ということがよくわかった。原題は“Everything is Obvious - Once You Know the Answer”、適当に意訳するなら、「それ

ロベール・クートラス(1930~1985)という画家は生前、現代のユトリロと評されていた。フランス存命中にも熱心なファンがいたものの、美術界で光があたる評価はあまりされなかった。しかしその作品達が没後四半世紀を経て、現在故郷パリから遠く離れた日本で注目をあびている。 舞台はフランスなので、物語にはパリの町並み、アルザス、ブルターニュのカテドラルなどが背景であ

歌舞伎と江戸と食を愛する人であれば、絶対に外せない本である。味付けはあっさりと「山の幸」と「海の幸」の2章のみだ。底本としているのは3代目中村仲蔵の『手前味噌』という自伝である。文化6年(1809)生まれ、明治19年(1886)没の仲蔵は「食乱」を自認した大芝居(幕府公認の劇場)の名優だった。本書はその江戸の大スターにレポーターとなってもらい、様々な江戸グル

本書は「グーグルの72時間」という巻頭ドキュメントから始まる。Googleは、3月11日、地震発生からわずか1時間46分という驚くべき早さで日本語使用の安否情報確認ツール「パーソンファインダー」を公開した。まだほとんどの人たちが避難していたり動揺していたりした中、六本木ヒルズ森タワー26階ではGoogle日本法人の川島優志氏(34歳)や三浦健氏(38歳)が、

本日、2月14日、バレンタインデー。この日にちなんだ女性のしたたかな作戦は多くのドラマや実際の体験談で語りつがれている。一方で男性は数多くのドッキリの被害にあってきたに違いない。勝手な妄想だがバレンタインデーはエイプリルフールに負けず劣らずドッキリが仕掛けられてきたはずだ。 話は変わって第二次世界大戦中のドイツ、そこで起こったとんでもない事件。ヒットラーの右

今日はもう一本アップしたいと思っているので、少し軽めに。 1月の朝会で、栗下直也がこの本を紹介していた。 この本を読んで「妻に気持ち悪がられた」という栗下は、「要するに『子どもは虫を採れ!』ということなんですけどね」と本の内容をあっさりまとめたが、果たして虫採りが本当に教育にいいのか、本書を読むと、非常に不安になる。 昆虫採集を一番の遊びとして育った著者は、

「腰痛いし、煙草臭い。終電で帰ろうと思ったのに、もう朝かよ。徹夜の麻雀はやらないって決めてたのに・・・」 お酒を飲む人、ギャンブルをする人であれば一度はこのような感想を持ったことがあるはずだ。お酒やギャンブルをやらない人でも、ついつい食べ過ぎてしまったり、夢中になってテレビを見ていて一日が終わってしまったりしたことがあるのではないだろうか。好きでやっているは