ノンフィクションはこれを読め!

おすすめ本レビュー

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3,647記事

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ビジネス / おすすめ本レビュー

佐々木俊尚『キュレーションの時代―「つながり」の情報革命が始まる』(ちくま新書)

22年勤めた事務所を辞めて独立し、二足の草鞋の替えのほうだった書評が本職となって3年が経った。最初の年、依頼された仕事はできるだけ引き受けることにした。専門学校の講師をしたり、通信講座の添削や小説のプロットを考えたり、個人史をまとめるのを手伝ったりもした。書評もメインのノンフィクションだけでなく、いろいろなものを紹介した。自信をもって言えるのは、全部間違いな

『ビジネス英語 類語使い分け辞典』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ビジネス英語 類語使い分け辞典』

日本人の90%に英語は不要である。極論だと思われるかもしれない。しかし、逆に言うと日本人の10%は英語が必要なのだという意味である。10%とは1270万人であり、東京都の人口とほぼ同数だ。 外務省の海外在留邦人統計によれば、3か月以上外国に滞在している長期滞在者数は2009年時点で76万人だ。ちなみに非英語圏の代表である中国には12万7000人、ブラジル6万

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おすすめ本レビュー

『閃け!棋士に挑むコンピュータ』

将棋指しは人生の時間の大半を棋盤に向かい頭脳の鍛錬に費やす。日本将棋連盟会長の米長邦夫はかつて3人の兄に対し「兄たちは頭が悪いから東大に入った。自分は将棋指しになった」と矜持の言葉を残している。また柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』ではプロ棋士である鈴木大介八段が監修しているせいか、将棋の世界に魅了され没頭している棋士そのままを疑似体験できる。 本書では将棋フ

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サイエンス / おすすめ本レビュー

『天才が語る』

本書、原題は「Embracing the Wide Sky」という。こちらのほうがしっくりくる。 天才が語るなどと言うような作者ではない。脳に青空が入るように書かれた本である。 できたら、前作 『ぼくには数字が風景に見える』 から読んだら良いのではないかと思う。こちらの原題は「Born on a Blue Day」だ。 ダニエル・タメットはサヴァン症候群・ア

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生物・自然 / おすすめ本レビュー

冒険者たちのいるところ 『巨大翼竜は飛べたのか』 佐藤 克文

★★★★★ 恐竜好きはもちろん、科学的仮説検証的思考方法に興味のある人にもおススメ 「雛を育てている鳥はどれくらいの餌を巣に持ち帰っているのか」を知るためには、何を調べればよいだろうか。餌を取りに行く前と後で体重を計ることができればよいが、体重を量った鳥が都合よく餌を採りに行ってくれるとは限らないし、そもそも同じ個体を2度捕まえるのは大変だ。 最も確実な方法

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医学・心理学 / おすすめ本レビュー

上岡陽江 大嶋栄子『その後の不自由 「嵐」のあとを生きる人たち』(医学書院)

毎週土曜日の朝のお楽しみに 週刊ブックレビュー があります。 私も毎年出演させていただくが、意外な人が意外な本読みでとても面白い。 ときどき大議論や徹底批判が行われたりして、ちょっとはらはらさせられるととてもお得な気分が味わえます。 次回の放送、2月12日は、松田哲夫(編集者)信田さよ子(臨床心理士)明川哲也(作家)の3人が合評ゲスト。 松田さんはともかく、

『ジョークで読むロシア』 週刊朝日2月11日号 「ビジネス成毛塾」掲載 書影

おすすめ本レビュー

『ジョークで読むロシア』 週刊朝日2月11日号 「ビジネス成毛塾」掲載

もっとも好きだったエッセイスト、米原万里さんが亡くなってから、もう5年になる。同時通訳者にして作家であり、駄洒落やジョークでロシアを身近に感じさせてくれたものだった。『ジョークで読むロシア』はその米原万里さんが経済の専門家になったような錯覚を覚えるような本だ。本書から、プーチンが大統領に就任した2000年に流行ったジョークを引用してみよう。 プーチンが首相に

『青年・渋沢栄一の欧州体験』泉三郎 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『青年・渋沢栄一の欧州体験』泉三郎

日本の大企業の大半は数名の偉人によって起業されている。三菱の岩崎弥太郎、三井の益田孝、金融界の安田善次郎、そして日本資本主義の父と言われる渋沢栄一などである。例えば渋沢栄一が関係した主な会社は、みずほ銀行、東京ガス、東京海上、JR東日本、日本郵船、帝国ホテル、アサヒビール、日経新聞など誰もが知っている日本の大企業だ。ちなみに渋沢の活動は実業界にとどまらない。

『クジラは海の資源か神獣か』石川創 書影

サイエンス / 教養・雑学

『クジラは海の資源か神獣か』石川創

著者はクジラの調査捕鯨船団長(シーシェパードから攻撃を受けているあの捕鯨船である)で小中学生向けの総合学習企画「クジラについて学ぼう クジラ博士の出張授業」のクジラ博士だ。本書を通して最新の知見や学説を分かりやすく紹介している。これ一冊を読むだけでクジラ博士になれて、まわりの子どもたちに自慢できる。ちなみに一番最初のページはクジラの口の中の写真。ついジーっと

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おすすめ本レビュー

『弓と禅 改版』

弓道場は心がすずやかになれる場所だ。花や茶の道と同じく幽玄の世界を垣間見る事ができ、その間は普段の仕事や日常生活を切り離すことができる。 著者は大正時代の終わりに大学教授として日本に滞在していたドイツ哲学者である。映画『ベスト・キッド』ではないが、師範の元で鍛錬を通じ禅を学ぶ記録となっている。ここで登場する弓矢の名人とは、剣聖ならぬ弓聖と称された阿波研造。彼

『錯覚の科学』 解説 書影

おすすめ本レビュー

『錯覚の科学』 解説

文藝春秋編集部の了解を得て、本書の付録である「解説」を全文掲載します。解説というよりは要約のようになってしまうのは、ボクの書評の味です。しかし、本体はこの要約をはるかに超えていますからご安心を。 -------------------------------- 心理学や脳科学という学問は、物理学や数学などに比べると、どこか胡散臭く感じてしまう。理論が数学で表

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サイエンス / おすすめ本レビュー

奪われない書評 『コンピュータが仕事を奪う』 新井紀子

★★★☆☆ コンピュータの限界に興味がある人はもちろん、「人間らしさ」に興味がある人にもおススメ パナソニックやファーストリテイリングが新卒採用の大半を外国人にすることが話題になったが、工場やオフィスの海外移転はどんどん進み、国内の失業率も下がる気配を見せない(他の先進諸国と比べればまだまだ低水準だが)。 本日(2011年2月4日)の日経 にも製造・建設業に

『大日本行程大絵図』 書影

おすすめ本レビュー

『大日本行程大絵図』

第2回「本のキュレーター勉強会」で紹介した復刻地図である。37㎝x2m54㎝もの巨大なものだ。これでなんと2000円。初版は天保14年5月、安政4年5月に改版が行われ、この版は慶應元年5月とある。天保14年は168年前、慶應元年は146年前だから、22年間のロングセラーだった。 人文社からはこれ以外にも面白そうな復刻古地図が、意外な価格で販売されている。サイ

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世界史 / おすすめ本レビュー

『警察の誕生』

警察で尋問を受けたことがある。 大学4年生のころ、当時、就職で内定先も決まっており一瞬にして、人生が台無しになるのではないか?と思いを巡らせたことを今でも鮮明に覚えている。 実家(石川県)にいた頃は、よく祖母から、「神様に怒られる」だとか、「仏さんが見とるよ」と言われ、よくもわからずに悪いことをしようとしたとき、したあとは、罰(バチ)があたると恐れていた。そ

『「大発見」の思考法』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『「大発見」の思考法』

iPS細胞のネーミングのアイディアは実はiPodからインスパイアを受けたとiPS細胞の第一人者の山中さんは言っている。そんな身近なことから、いざノーベル賞級の大発見まで、いったい科学者という人たちは何を考えているのか?2009年にノーベル物理賞を受賞した益川敏英さんとiPS細胞の第一人者である山中伸弥さんが等身大で対談している一冊。 対談で最初から最後まで終

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サイエンス / おすすめ本レビュー

『物理学はこんなこともわからない』

文部省などの統計によれば、高校で物理を学ぶ生徒は極端に減っているそう。日本全国にはおよそ5050校近くの高校がある。それらの高校に在学する高校生の内、物理を学んでいる生徒は、多くて3割ほど(実態はもっと少ないはず)。そんな僕も高校一年生のときに、物理では赤点以外をたたき出した記憶がない。そして、当時、建築学科と農学・生物系で進路を迷っていた僕は、迷うことなく

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おすすめ本レビュー

「本のキュレーター勉強会」第2回

2月2日、第2回目「本のキュレーター勉強会」が行われました。栗下さんはインフエンザの為お休み。お身体ご慈愛下さい。 さて今回も赤坂インスパイアに朝7:00に集合し、たっぷり濃い2時間となりました。まず課題図書である『警察の誕生 (集英社新書)』の書評感想シェア。そして、各自選定した書評とオススメ本を紹介する流れとなります。そしてこの時間、どっぷり濃ゆいのなん

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教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『デカルトの骨』

ラッセル・ショート(著) 松田和也(訳) デカルトが生まれたのは1596年、関ヶ原の戦いの4年前、江姫23歳の時だ。 ヨーロッパは宗教改革、日本ではルイス・フロイスが布教している。自分の理性を重んじよう、と言ったのはそのような時期であった。本人は敬虔なカトリックであったが、世間では異端扱いである。本は禁書目録入りした。 なにしろ、世の中では本気で魔女や悪魔の

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ビジネス / おすすめ本レビュー

『なぜ「美少女図鑑」は7日で街から消えるのか』

本書を読むまで、「美少女図鑑」を知らなかった自分自身は「東京人」となってしまった疎外感すら味わった。某R社をはじめとし、フリーペーパーの質の悪さや景観を崩すラック配置には常々嫌悪感を抱いていた。どれも東京で成功したモデルを地域に展開していき、圧倒的な営業力で広告枠を埋めていく。どれも、お金とビジネスの匂いしかしない冊子。たくさん印刷するだけ、多くの人の目に触

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民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

宮田珠己『だいたい四国八十八ヶ所』(本の雑誌社)

友人からブログの名前がなんで 『本読みの理不尽』 なの?と聞かれた。 いままでブログの ブ の字も考えてなかったのだけど、タイトルはかっこよくしたい。 おお、そうだ、ワタシは仕事に行き詰るとこの本を開いて笑い、心を和ませていたのだ。 昨年 『旅の理不尽』 が復刊されたのだった。 宮田珠己のエッセイはワタシの心のカンフル剤だ。 ここからタイトルをお借りしよう。

『津山三十人殺し最後の真相』 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『津山三十人殺し最後の真相』

昭和13年5月21日未明、岡山県の寒村で一人の若者による大量殺人事件が起きた。死者数は、わずか1時間あまりで30人。横溝正史の小説『八つ墓村』のモデルになった事件としても知られるこの事件が、世に言う「津山三十人殺し(津山事件)」である。本書は発生から70年以上経つ今、同事件を再考し、新たな事件像を提示している。 単独犯としては最多の被害者を生んだ「津山三十人

『中原昌也 作業日誌2004→2007』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『中原昌也 作業日誌2004→2007』

学がある人は永井荷風あたりの日記を読むんだろうが、私はこれ。著者は暴力温泉芸者のユニット名で活動するミュージシャンであり、作家で(一応、三島賞作家。芥川賞も候補になったことがあるが選考委員に完全に無視されるという放置プレイを喰らう)、映画評論も手がける。 作業日誌とあるが、音楽や小説の創作活動に対する前向きな姿勢は一切出てこない。ひたすら、聞いたこともないよ

『森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります!』 (講談社文庫) 解説 書影

おすすめ本レビュー

『森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります!』 (講談社文庫) 解説

2008年12月に出版された単行本の文庫化にあたって、著者から出版社経由で解説を仰せつかった。大好きな作家なので二つ返事で請け負った。二つ返事だから「はいはい」と、じつに軽やかである。 ----------------------------------------- 森博嗣は理系の頭脳と柔らかな言葉のセンスをあわせ持つ稀有な作家である。もちろん、理系といっ

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おすすめ本レビュー

1月の新刊書評

1月も今日が最終日。 1月は行く、2月は逃げる、3月は去るとよく言われるけど、今年もあっという間に過ぎそうだ。 覚え書き程度に今月の掲載された新刊書評仕事を一覧にしてみると、あれま、少ない。 やはり年末年始で10日あまり、仕事をしていないから仕方がないか。 これ以外に新人賞の下読みとかインタビューのまとめなど、他の仕事もありますけど。 新刊書評 幼いころから

『警察の誕生』 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『警察の誕生』

警察関係者を身内に持つ方には申し訳ないが、私は警察が怖い。町で警察官を見ると思わずうつむいてしまう。何も悪いことをしたわけでもないのだが、何かされるのではと感じてしまう。私はおかしいのだろうか。本書を読めばわかる。私はおかしくない。古今東西、警察はきらわれ、おそれられる存在であったのだ。 本書は古代ギリシャから中世ヨーロッパ、そして近代を通じて警察がどういう

『パチンコがアニメだらけになった理由』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『パチンコがアニメだらけになった理由』

著者の安藤健二氏はノンフィクション作家である。パチンコにアニメとは、一見大衆誌のサブ・カルチャー特集のようなテーマではある。しかし侮ることなかれ、この本ナカナカ良くできている。パチンコ・宝くじ未経験はおろか、ラスベガスですら一度もギャンブルに手をつけなかった私が一気呵成に読破してしまった。 テレビではアニメのものと見紛うパチンコのCMを目にし、街ではアニメ・

『川跡からたどる江戸・東京案内』、『江戸艶本への招待』 書影

アート・スポーツ / 日本史

『川跡からたどる江戸・東京案内』、『江戸艶本への招待』

短い書評なら気合を入れなくても、気軽に書けそうだ。 東京のことについてあまり詳しくないので、ちょっと勉強してみようと思って買ってみたのが本書。渋谷センター街は40年前まで川底だったという事実にはビックリした。それも江戸時代はホタル鑑賞の名所だったそうだ。全然知らなかった。そう言われてみれば渋谷駅からどの方面へ歩いても坂を登らなくてはならない。渋谷駅周辺は確か

『日記逍遥 昭和を行く』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『日記逍遥 昭和を行く』

現代は老いも若きも日記が大好きである。市井の人間が、ブログなどで、日記をつづり、頼まれもしないのに家族写真まで公開したりする。「誰がそんなもん、読むんだ」という指摘もあるだろうが、私は嫌いじゃない。どこの誰とも知らぬ人の日記を夜な夜な読んでいた時期もある。暇人を自称する私の密かな楽しみだったのだ。 ただ、密かな楽しみは時として奪われた。ひとたび、過剰なねたみ

『戦艦武蔵ノート』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『戦艦武蔵ノート』

日記と言えば、、、これも 吉村昭の名著『戦艦武蔵』の執筆に際しての取材過程をつづった日記である。本書を読んだのは、大学院を出て、現在、勤務している業界紙に就職したばかりのころだったと思う。実は『戦艦武蔵』は未読だった。取材というものがよくわからず、いろいろな人の取材談を読みあさっていた時期だ。 吉村昭と言えば、徹底的に対象に迫ることで有名だ。江戸時代の話を書

『純減団体』書評 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『純減団体』書評

年明け早々、極めて印象深い、奇妙な本に出会ってしまった。 本の題名にもなっている「純減団体」とは、死亡数が出生数を上回り、同時に転出数が転入数を上回っている地方自治体のこと。少し大げさな言い方をすれば、住民が続々と死に、子どもは生まれず、人々が次々に出てゆき、また新たに引っ越してくる人が少ない町、という感じ。まさに廃れ寂れ、希望の見えない市町村のことだ。 日

『警察の誕生』 書評 本のキュレータ 勉強会 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『警察の誕生』 書評 本のキュレータ 勉強会

近代以前、国家運営のコストは極めて抑えられていた。もちろん警察も例外ではなく、末端警察官は薄給にあえぎ、膨大な仕事に翻弄されていたという。 本書は、和洋を問わず、まずはそんな警察官たちの実態が語られる。江戸時代、薄給の下級官吏たる同心は、膨大な業務をこなすため、時代劇でおなじみの「目明し」や「岡っ引き」を雇う。薄給の同心が払える額はたかが知れているので、「目

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教養・雑学 / ビジネス

今野浩『工学部ヒラノ教授』(新潮社)  《2011.1.25刊》

ヒラノ教授、本名は今野博。金融工学の専門家である。 ヒラノ教授は「平教授」と書く。平社員ならぬ平教授になった著者は、筒井康隆『文学部唯野教授』(岩波現代文庫)に影響され、工学部の実態を人に知らしめんがために立ち上がった。権力闘争や誹謗中傷、セクハラ、アカハラオンパレードの新設文系大学と工学部は一味も二味も違うと鼻息荒く書き出したのだ。 著者は東大工学部を卒業

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おすすめ本レビュー

『警察の誕生 (集英社新書)』

警察という言葉を聞くと、ドラマや映画などで活躍する捜査追跡のイメージであったり、実際の生活では派出所のお巡りさん(巡査)であろうか。今でこそ印象は安心や憧れの対象となっているが、ここにたどり着くまでにはドロドロした歴史を歩んでいる。警察組織は王権や教会、都市といった様々な権力機構と密接な関係で誕生しており、本書では国家が繁栄する過程の過酷な中で誕生した警察の

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教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『切りとれ、あの祈る手を』

シュノーケリングするように読む人もいれば、深海ダイバーのように読む人もいる。私はシュノーケラーだが、著者は、断然後者である。読むという事は命を懸ける事だ。 思想系の本で感動するとは思わなかった。最後の10ページくらいまでは普通だった。なので、今更ながら、本書である。本書はきっと、市井に暮らす人も勇気づける。 以前、仕事が異様に暇だった頃、図書館で小林秀雄全集

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人物 / ビジネス

21世紀のロックスター 『フェイスブック 若き天才の野望』 デビッド・カークパトリック著 滑川海彦、高橋信夫翻訳

★★★★★ フェイスブックユーザーや起業家だけでなく、ウェブを使う人皆におススメ 「中国、インド、フェイスブック」 日本ではあまり浸透していないが、ユーザー数が5億人を越えた頃からフェイスブックは「国」と比べられる存在にまで成長している。昨年の8月にはYahoo!やGoogle(Youtube等も含む関連サイトの合計)の滞在時間を追い抜き( ソース )、最近

『寄生虫のはなし』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『寄生虫のはなし』

久々に大当たりの本だ。今年のMY BEST 10におそらく入るだろう。夢中になってワクワクしながら読める本は少ないが本書はその一つだ。とあるアメリカの大学の寄生虫学の講義内容を本にしたのが本書である。ただし、その辺の生物理論や生物の特徴を羅列する教科書的な本とは全然違う。まず目次を見てみよう。「第6章 肛門をのぞき見る―わが子の」「第10章 反ユダヤ主義のサ

『警察の誕生』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『警察の誕生』

著者の菊池氏(明治大学理工学部教授)はオーストリア文学が専門である。「ヨーロッパ研究者がなぜ警察モノ?」と思われるかもしれないが、本書のねらいはヨーロッパで近代警察が誕生するまでの背景、さらには警察史を通じて見えてくる「新しいヨーロッパ史」を描き出すことにある。日欧の歴史モノやサブカルチャー好きの方にもおススメの一冊である。 本文は序章・江戸の警察組織から話

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サイエンス / おすすめ本レビュー

気がつけばウィルス研究者 『闘う! ウイルス・バスターズ』 河岡義裕 渡辺登喜子

★★★★☆ 豚インフルエンザ、口蹄疫に興味のある人はもちろん、研究職への道を考えている人にもおススメ 鳥の糞を追いかけてインドネシアの山奥まで行くこともあれば、徹夜で電子顕微鏡を見続け目をはらすこともあり、CIAにつきまとわれることもある。ウイルス・バスターズの闘う場所は研究室に限定されない。本書はそんなウイルス・バスターズと政治の関わり、彼らの生態と熱意、

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おすすめ本レビュー

『装丁問答 (朝日新書)』

装丁問答 (朝日新書) 装丁問答 (朝日新書)の他のレビューをみる» 長友啓典 朝日新聞出版 先日、成毛眞さん(元マイクロソフト社長)が主催する本の勉強会に参加してきました。 朝7:00の開催で早起きという意味でも貴重な時間になったので、熱い想いがさめないうちに記述。 著者はグラフィックデザイナーであり、本の装丁家だ。また東京造形大学客員教授であり、講談社出

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教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『飽きる力』

河本 英夫 全国一千万の飽きっぽい皆様、こんにちは。高村です。 書評も二回目ともなると疲れてきますね。フー。 私の飽きっぽさは折り紙つきだ。どれくらい飽きっぽいかを説明するのは、めんどくさいからやめておく。 会社の先輩は、あっちこっちフラフラしやがって、と言った。実に言い得て妙である。 母親に至っては「この子はくせ者なのよ」と言った。誰の教育の賜物だ。最近は