ノンフィクションはこれを読め!

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741記事

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サイエンス / おすすめ本レビュー

『ひとの目、驚異の進化』 エイリアンは黒人と白人を見分けられない

ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ 本書で進化理論神経科学者マーク・チャンギージーの論理展開を堪能し終える頃には、あなたの世界の見方は一変しているだろう。難解な科学的事実に対する分かりやすい解説と直観に反するファクト。大胆な仮説とその仮説を支える緻密なデータ。サイエンス本が持つべき美点の全てを兼ね備えているかのような本書を、『 錯覚の科学

究極のチンポロジー 『チンパンジーはなぜヒトにならなかったのか』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

究極のチンポロジー 『チンパンジーはなぜヒトにならなかったのか』

なんとかオロジー=~ology というのは、「学問」を示す接尾辞である。したがって、タイトルにあげた「チンポロジー」は「ち◎ぽ」の学問。 という訳ではなくて、「チンプ」すなわちチンパンジーについての学問である。 われわれ人類と700万年前に枝分かれしたチンパンジーをめぐり、その生態、知能、進化、病気、言語能力、などなど、研究の歴史から最新の知見までをこれでも

すべらない授業 - 『これが物理学だ!』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

すべらない授業 - 『これが物理学だ!』

大量のアクセスとともに「Webスター」の称号も手に入れた、あの名物教授の講義がついに書籍化された。 MITの物理学者ウォルター・ルーウィン。彼の講義は、まるでロックスターのように教壇上をところ狭しと駆け回り、大教室をまるでサーカスのような興奮のるつぼと化してしまう。決め台詞は「その目で見ただろう?これが物理学だ!」。 その熱狂は、学内のみに留まるわけもない。

『ヒトはなぜ眠るのか』 24時間、戦エマセン。 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ヒトはなぜ眠るのか』 24時間、戦エマセン。

眠るという行為にはどうしてもサボる・不謹慎といったマイナスイメージが付きまとうようだが、はたしてそれは正しいのだろうか。眠りとは、自分が生産的であり続けるための創造的行為なのだと、今こそ声高らかに叫びたい。そんな私の心境に科学的見地から応えてくれる一冊が見つかった。 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があることは広く知られている。レム睡眠というのは、閉じ

『橋の形を読み解く』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『橋の形を読み解く』新刊超速レビュー

橋マニアにとっては必携書である。判型は縦165mmX横133mm、文庫本をすこし大きくしたような本だ。ほぼ全ページフルカラーで、左ページに橋の写真、右ページにその構造などを示すイラストが配置されている。 第1章は導入部で「橋を理解する」。材料、様式、用途、技術者の順に橋の全体像を説明する章だ。第2章が本体で「ケーススタディ」である。桁橋の例として現代米国の

『重金属のはなし』 生命誕生からハイテクまで 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『重金属のはなし』 生命誕生からハイテクまで

てっきり書名からレアメタルの産業利用や資源開発がメインテーマかと思っていたが、本書で主に扱うのは生命科学の分野である。身内の第一人者を出し抜くようなテーマで僭越ではあるが、これは神秘的かつ深刻な内容に富んだ相当な力作。新刊本ウォッチャーの端くれとして、この一冊を見逃すわけにはいかない。 意外と知られていない事実ではあるが、重金属は人類の生活や科学技術に必須で

遺伝子、命令やめるってよ - 『天才を考察する』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

遺伝子、命令やめるってよ - 『天才を考察する』

日本語には相反する意味を持つことわざが、非常に多い。 「好きこそ物の上手なれ」と「下手の横好き」 「君子危うきに近寄らず」と「虎穴に入らずんば虎子を得ず」 「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」などなど… 「蛙の子は蛙」と「鳶が鷹を生む」の関係も、その典型的な例と言えるだろう。前者は子の性質や能力は親に似るものだということであり、後者は突然変異のように

『最新型ウイルスでがんを滅ぼす』 -スーパーペス君のGood Job 書影

サイエンス / 医学・心理学

『最新型ウイルスでがんを滅ぼす』 -スーパーペス君のGood Job

「単純ヘルペスⅠ型」 ウイルス。 日本人の8割が既に持っているウイルスと言われており、風邪の時や、夏のレジャーで紫外線を浴びた時など、抵抗力が落ちた時に、唇の隅に小さな発疹ができるのが主な症状である。と、他人事のように書いてみたが、かく言う私も「持っている」一人だ。いやー、かゆいんです、これが。そうなった後には、病院で飲み薬や塗り薬が処方されて、友人から「ペ

『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』を双六のように読む 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』を双六のように読む

あらためて言うようなことでもないのだが、拙宅の本棚が大変なことになっている。毎月ハイペースで本を購入し続けているわけだから当然と言えば当然なのだが、スペースの確保以上に頭を悩ましているのが本の並べ方である。 いつもジャンル毎に分けるべく整理を始めるのだが、いかんせん買う本のカテゴリーに偏りがあるため、やがてそのルールも破綻。いつの間にか買った順番に置いてい

『脳には妙なクセがある』をきっかけにサイエンス本の世界にどっぷり浸かる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『脳には妙なクセがある』をきっかけにサイエンス本の世界にどっぷり浸かる

『 記憶力を強くする 』、『 進化しすぎた脳 』などのヒット作で知られる脳研究者の 著者 による、脳科学の最新知見がこれでもかと盛り込まれたエッセイ集である。349Pの本書の巻末に参考文献として挙げられている論文の数は207にも上り、著者自ら“情報の洪水”と言っているのも頷ける。一見バラバラなトピックの寄せ集めだが、その中核にはきっちり、“脳と身体の因果関係

『スパコンとは何か』1位か2位か、それが問題か? 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『スパコンとは何か』1位か2位か、それが問題か?

ブラジルのサッカーW杯代表選手、あるいは日本の柔道オリンピック代表に対し、「2番じゃダメなんでしょうか?」と面と向かって問うこと自体、ナンセンスではある。が、ことスーパーコンピューターに関しては、”発言者”の意図はさておき、この質問が一般人のみならず、専門家、国策を担う政治家・官僚にとっても大きな一石を投じることになった。 本書の著者・ 金田康正 氏は、計算

『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』で頭を鍛える 書影

サイエンス / ビジネス

『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』で頭を鍛える

著者の定義によると、アルゴリズムとは「問題を解決するために必要な手順を正確に規定したレシピ」である。コンピュータ・サイエンスを専門とする大学教授の手による本書は、現在当たり前のように使われている偉大なコンピュータ・アルゴリズムがなぜ必要とされたのか、どのように考え出されたか、そして、それが実際にどのような仕組みで動いているのかを教えてくれる。 このように紹介

『水危機 ほんとうの話』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『水危機 ほんとうの話』新刊超速レビュー

本書は水文学の第一人者である著者による、何とも意外な水のほんとうの姿を教えてくれる、水文学の入門書である。水文学の研究対象は水にまつわる森羅万象であり、本書の範囲も経済、気候、災害等と多岐に渡る。これほど身近な水にこれほど知らないことが多いとは知らなかった。どうやら世の中には、水に関する“ほんとうではない話”が溢れているようだ。 石油、天然ガスやレアメタルは

『素晴らしき数学世界』 - プラットフォームとしての数学 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『素晴らしき数学世界』 - プラットフォームとしての数学

2012年7月1日、じつに3年半ぶりに”うるう秒”が挿入された。朝8時59分59秒と9時00分00秒、この間に「8時59分60秒」という1秒が差し込まれたのである。 これは海流や季節風の影響で、世界の標準時として使われている原子時計の時間と、地球の自転に基づいて決められる天文時との間に生じるズレを調整するために行われているそうだ。 ズレると言っても、この53

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サイエンス / 新刊超速レビュー

『冥王星を殺したのは私です』新刊超速レビュー

冥王星を殺したのは私です (飛鳥新社ポピュラーサイエンス) カルフォルニア工科大学に、冥王星キラーの異名を持つ、マイケル(マイク)・ブラウンという天文学教授がいる。世界で初めて冥王星よりも大きな海王星以遠天体を発見し、「冥王星は惑星ではない」と天文学界で大論争を生んだ男である。2006年8月24日、遂に国際天文学連盟は、マイク・ブラウンの主張を受け入れ、冥王

『「地球のからくり」に挑む』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『「地球のからくり」に挑む』 新刊超速レビュー

本書は月刊誌「新潮45」に連載されていた4本の記事を改稿したものだ。元記事のタイトルは「石油はどこから来たのか」「石炭が輝いていた昭和」などで、本書はそれらを改編して11章建ての科学エッセイ集のような趣に仕上がっている。章が独立しているため読みやすく、トリビアにも満ちていて、期待通りおおいに楽しめる一冊だ。 第1章ではエネルギーと生物界を概観する。エネルギー

『ウイルスと地球生命』知られざるウイルスの役割 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ウイルスと地球生命』知られざるウイルスの役割

ウイルスといえば、インフルエンザや口蹄疫ウイルスのように人や動物に関連する病原体というイメージが強い。しかし、細菌に善玉があるように、実はウイルスにも、哺乳動物・昆虫・植物などの生存を助けるものや、地球環境を維持する海洋ウイルスなど、いい奴がたくさんいるのである。そんなあまり人に知られていないウイルスの役割について、アカデミックかつトリビア的に紹介するのが本

『進化論の何が問題か』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『進化論の何が問題か』 新刊超速レビュー

本書の主役は、『 利己的な遺伝子 』のリチャード・ドーキンスと『 ワンダフル・ライフ 』のスティーブン・J・グールド。言わずと知れたサイエンス界における大ベストセラー作家であり、研究者でもある2人は互いの著作を巡って激しく議論を闘わせていた。そのものズバリのタイトル、『 ドーキンスVSグールド 』という本も出版されている程に白熱した論争である。本書はこの2人

予言者に惑わされずにいかに不確実な未来と向き合うか 『専門家の予測はサルにも劣る』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

予言者に惑わされずにいかに不確実な未来と向き合うか 『専門家の予測はサルにも劣る』

専門家の予測はサルにも劣る 地震の復興問題、エネルギー問題、少子化問題、金融危機などなど今の日本及び世界はたくさんの問題を抱えており、現代は先がまったく読めない時代だとよくいわれる。先が読めないのは不安だしなんとかして未来がどうなるか知りたいと思うのは人として当然の感情だろう、私だって知りたい。 未来がわからないとはいえせめてヒントだけでも得られないものだろ

『機械より人間らしくなれるか?』 -人間らしさの測り方 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『機械より人間らしくなれるか?』 -人間らしさの測り方

チューリングテストというものをご存じだろうか?「機械には思考が可能か」という問いに答えを出すために、数学者のアラン・チューリングが1950年に提案した試験のことである。 審判がコンピュータ端末を使って、姿の見えない「2人」の相手と5分間づつチャットする。一方は本物の人間(サクラ)、一方はAI(人工知能)。チューリングは、2000年までにコンピュータが5分間の

『トウガラシの戦略-ノスティモおいしさの科学シリーズvol.3』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『トウガラシの戦略-ノスティモおいしさの科学シリーズvol.3』 新刊超速レビュー

奥付では4月13日初版第1刷発行となっている本書が、Amazonから届いたのは金環食の5月21日だった。5月22日朝にはすでにAmazonで売り切れており、たった1冊の出品されている中古品は8106円という値付けになっている。判型はB5版。いわゆる週刊誌サイズだが、美しいカラー写真や紙質にもこだわって作られた平綴じの立派な本だ。価格も2500円とお高いのだが

『宇宙就職案内』と『宇宙女子』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙就職案内』と『宇宙女子』

じつは2004年から2年間ほどJAXAの宇宙オープンラボ・アドバイザ委員を務めていたことがある。当時JAXAは「見上げる宇宙から使う宇宙へ」をスローガンに、宇宙オープンラボの民間利用を促進していたのだ。ホリエモンにはじめて会ったのも、このアドバイザ会議の場だった。JAXAはアメリカではIT経営者たちが次々と宇宙ビジネスに旅立つのをみて、日本でも宇宙に興味をも

『科学予測は8割はずれる』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『科学予測は8割はずれる』 新刊超速レビュー

「科学」という言葉は明治初期の啓蒙家である西周(にしあまね)によって発明されそうだ。発明されたと言っても何も無いところから西がその概念まで含めて考え付いたわけではなく、scienceの訳語として発明されたのだ( Wikipediaによると 、「哲学」「技術」「芸術」なども西の手による訳語のようだ)。この「科学」という訳語こそが、“日本の科学”と“欧米のsci

生き方はサルに訊け! 『サルたちの遺言 -宮崎県幸島・サルと私の六十五年-』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

生き方はサルに訊け! 『サルたちの遺言 -宮崎県幸島・サルと私の六十五年-』

徒然草ではないが「すこしの事にも先達はあらまほしきこと」なのである。日々の生活、最後は自分で納得して決断していかなければならないけれど、迷ったり悩んだりした時は、つい誰かに教えてもらいたくなる。誰にたずねることができるか、で、その人の人生は大きくかわっていくだろう。かつて、開高健は『風に訊け』という連載で、多くの若者の人生に見事な指南を与えていた。三戸サツヱ

ヒストリーはミステリー!? -『宇宙と時間のすべて』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

ヒストリーはミステリー!? -『宇宙と時間のすべて』

かつて、「月曜夜9時は街からOLが消える」と言われる時代があった。トレンディドラマと呼ばれるものが全盛であった、つい20年ほど前のことである。 しかし、もっと時代を遡れば、街頭テレビに民衆が群がり、プロレスラーに声援を送っていた時代もあった。この時代は逆に、放映時間に家から人が消えたという時代であったことだろう。 今を起点に過去数十年を振り返るだけで、私たち

『海から生まれた毒と薬』 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『海から生まれた毒と薬』

「毒にも薬にもならないやつ」とは目立った短所も長所もない退屈な人を揶揄した言葉だ。ときに毒は薬にもなり、短所は長所にもなる。 薬剤開発において毒が薬になるためはLD50とED50が大きく離れている必要がある。LD50とは毒を与えた動物が50%死亡してしまう量(letan dose)のことだ。いっぽうED50とは薬を与えた動物の50%に薬効があった量(effe

『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』 ロボットのカンブリア紀がやってくる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』 ロボットのカンブリア紀がやってくる

2012年3月末、アマゾン・ドット・コムがある会社の買収を 発表した 。アマゾンにとってはザッポス以来の大型買収となる650億円が、 キバ・システムズ という聞き慣れない会社のために使われたのだ。キバ・システムズは物流ロボットメーカーであり、 リンク先の動画 のようなサービスを提供している。こんなところまでロボットによる自動化が進んでいることに驚かされる。今

『2050年の世界地図』 -北緯45°の時代 書影

サイエンス / 教養・雑学

『2050年の世界地図』 -北緯45°の時代

本書は、2050年における地球の状態を予測する本だ。現在のデータから将来の状態をシミュレーションする、ということで、ドライブにたとえて言うなら、「前方を見る」とか「地図を調べる」ことに相当するだろう。そして、本書に書かれているのは「ここから先の道は大いに曲がっています」という内容だった。今までまっすぐだったから、これからもまっすぐだ、という話ではない。「具体

『生命と機械をつなぐ知』新刊ちょい読み 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『生命と機械をつなぐ知』新刊ちょい読み

現代の子ども達、いや幼児はiPadやiPhoneを言語を活用する前から器用に利用している。Appleがつくり込んだ直感的に理解できるユーザーインターフェースの賜物だ。そんなデジタルネイティブ幼児たちが小学生になり、思春期を迎え、高校生となったときに、コンピュータの向こう側の世界で子どもが何を行い、誰とコミュニケーションを取っているのか、それは親の想像を遥かに

『理系の子』 2012年No.1の第1候補登場!by 成毛眞 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『理系の子』 2012年No.1の第1候補登場!by 成毛眞

早くも2012年のNo.1候補が登場した。サイエンス系のノンフィクションなのだが、読んでいる途中なんども目を拭ってしまった。サイエンスで泣けるとは夢にも思わなかった。登場人物は12人の高校生。彼らの純粋さと熱中して研究に打ち込む姿に胸を打たれる。子供扱いすることなく支えつづける周囲の大人たちに共感する。人間の持つ前に進むという力と、善意に感動してしまうのだ。

『科学嫌いが日本を滅ぼす』 柔らかに訴える科学技術の重要性 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『科学嫌いが日本を滅ぼす』 柔らかに訴える科学技術の重要性

日本で長期低落傾向にあるものといえば物価、政治家の質など、政治経済に関するものがすぐに思いつくのだが、より長期的で深刻な悪影響があるのは国民の科学技術への関心度の低さであろう。本書『科学嫌いが日本を滅ぼす』の冒頭でも、30年ほど前には高校での物理学の履修率は7割を超えていたのだが、いまでは3割以下に落ち込んでいると著者は嘆いている。まさにそのとおりで、福島原

『新・脳と心の地形図』 -脳の地図には竜の家? 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『新・脳と心の地形図』 -脳の地図には竜の家?

本書は12年前に刊行された本のリニューアル版だが、いろいろな意味でおすすめだ。まず、当然ながら内容が良い。前回出版時には予想外に教科書として採用されたらしいが、実際、入門本として適している。というか私には「入門本として適していることしかわからない」のだけれど、専門用語を使わずに、大変広い範囲をカバーしていると思う。また、フルカラーのCG画像がとても多く、見て

46億年の奇跡―ド迫力の写真でたどる『地球全史』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

46億年の奇跡―ド迫力の写真でたどる『地球全史』

この本には力がある。写真家・白尾氏の仕事はすばらしく、大判ページを繰ると世界の露頭が眼前に立ち現れる。そこに広がるのは生(=き)の地球の姿だ。厳然と切り立つ崖に荒々しい岩肌―元来の地球は「自然」すら超越した存在であり、本来は「惑星」なのだということに気付かされる。九州大の清川准教授による巻末の解説も充実し、感銘は一層深いものとなる。 微惑星は理論的に導かれた

『建築には数学がいっぱい! ?』 アナタの脳は幾何学型? 解析型? 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『建築には数学がいっぱい! ?』 アナタの脳は幾何学型? 解析型?

夜更かしと言えば深夜番組と相場が決まっている。中でも「 たけしのコマ大数学科 」はお気に入りの深夜番組の一つだ。 番組では、ビートたけし・東大生(女子大生)・コマ大(芸人軍団)の3チームが数学の問題に取り組む。そのアプローチは三者三様だ。本書の対談者の一人で同番組の講師を務める竹内氏に言わせれば、コマ大チームは体育会系の実験型。体を張って問題を解いてゆく。コ

『偶然の科学』 -世界はフクザツなのだ。 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『偶然の科学』 -世界はフクザツなのだ。

「なにかを判断するとき、人はどのように考えがちなのか」ということが書かれている本だ。「HONZのケースにたとえるなら」と考えていったら、私自身が、ともすればこの本に書かれているような考え方をしがちだ、ということがよくわかった。原題は“Everything is Obvious - Once You Know the Answer”、適当に意訳するなら、「それ

『山はどうしてできるのか』 新刊ちょい読み 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『山はどうしてできるのか』 新刊ちょい読み

文字通り「山はどうしてできるのか」を説明した本だ。副題の「ダイナミックな地球科学入門」もまさにそのとおり。事象はダイナミックであり、本書はあくまでも入門書である。プレートテクトニクス、プルーム、溶岩ドーム、大地溝帯などの用語を自力で説明できる人にとっては物足りない内容であろう。しかし、そうでない人にとっては格好の入門書だ。とりわけ、中高生にとってはワクワクす

幼児教育からリハビリまで - 『ピアニストの脳を科学する』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

幼児教育からリハビリまで - 『ピアニストの脳を科学する』

一流アスリートのパフォーマンスかと見紛うばかりの ピアノ超絶技巧 。あるピアニストは、最速度の演奏でリズムの正確さを保ちながら1秒間に平均で10.5回打鍵するという。またピアノを毎日4時間弾いたとすると、その手は1年間で490キロメートルほどの距離を移動する。東京と大阪を「手で」移動し、年間10回以上フルマラソンに出場しているようなものだ。 本書は、ピアニス

『ヒューマン』 -なぜヒトは人間になれたのか 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ヒューマン』 -なぜヒトは人間になれたのか

NHKスペシャル 『ヒューマン』 が始まった。本書は、このシリーズと連動して発売された書籍だ。番組を担当した4人のプロデューサー・ディレクターが、それぞれの回の内容を書きおろしている。テレビのほうは、先週の日曜に第1回が放映された。本書における第一章の内容にあたるが、見事に互いに補完し合っている。テレビでは、本では表現しきれないインタビューやシミュレーション

ファクトからはじめよう 『放射線医が語る被ばくと発がんの真実 』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

ファクトからはじめよう 『放射線医が語る被ばくと発がんの真実 』

この本に書かれているのはファクトである。人間の主観を逃れた完全に客観的なファクトなど存在しないが、著者は可能な限り、様々な利害から離れて中立的、客観的であろうとしている。客観的といっても「 東大話法 」のように自分を神の視座に置いて他者批判に終始するのではなく、自らの手で広く認められているファクトから“真実”を紡ぎだそうとしている。広島、長崎、そしてチェルノ

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サイエンス / 新刊超速レビュー

「月刊 基礎工」新年号 新刊ちょい読み

さすがにこの雑誌を買ったのは今月号が始めてだ。目次を転記するので、その理由がお判りになるであろう。これで1890円。ちなみにデジタル版も1890円。 巻頭言 世界一のタワーに使われた基礎 桑原 文夫 総 説 業平橋押上地区開発事業「ライジングイーストプロジェクト」の概要 各 論 世界一の観光・電波塔としての設計ポテンシャル 〃 「東京スカイツリータウン」にお