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741記事

人工言語とジョン・キハーダ 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

人工言語とジョン・キハーダ

青木薫さんによる連載の第二弾です。 読んでいただければわかると思いますが、執筆時期は今年始め。実は青木さんのFacebookにアップされたものです。とはいっても、このエントリー、ちょっと興奮してしまうほど、ものすごく面白いです。 今回まではFacebook上で公開された記事ですが、次回からはいよいよ、HONZが初出の書き下ろし連載となります。ということで、ど

『科学史人物事典』喜怒哀楽のエピソードを入り口に 書影

サイエンス / 人物

『科学史人物事典』喜怒哀楽のエピソードを入り口に

18番目に登場するアイザック・ニュートンは「なぜ、あなたはそれほどの先見性があるのですか?」と尋ねられた際の答えである。この一言に本書を読むべき理由が、凝縮されている。 とは言っても、登場する150人の科学者の小難しい業績が並んでいる事典ではない。イメージからは想像しがたいエピソードをフックに、科学者の人柄や恋愛関係、どういった経緯から社会から賞賛される研究

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 - うん、たしかに面白い! 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 - うん、たしかに面白い!

しつこいのは分かっているのだが、どうにもこうにも止められない。既にHONZで3度目の登場ともなる本書は、紹介されるや否や、たちまちAmazonでも在庫切れ。おかげで買うタイミングを逸した方も多かったのではないかと思い、忘れられないうちにトドメをさしておきたい。 代表・成毛眞、編集長・土屋敦。この二人が 揃い も 揃って はしゃぐ姿を眺めるのも、それはそれで

言語の戦士たち - 『亡びゆく言語を話す最後の人々』 書影

サイエンス / 民俗・風俗

言語の戦士たち - 『亡びゆく言語を話す最後の人々』

地球上には数多の動植物が存在しているが、およそ80%を超える種類が、西洋科学の範疇において未だ存在を知られていない。それらの種は特定の地域に集中しており、その多様性から生態学のホットスポットと呼ばれているが、同時に深刻な衰退にも陥っているという。 一方で、言語に関しても同じような事態が起きている。少なくとも80%が未だ記録に残されておらず、今現在、何が失われ

『サルファ剤、忘れられた奇跡』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『サルファ剤、忘れられた奇跡』 新刊超速レビュー

知的興奮と驚きの事実に満ちた素晴らしい本である。一度読み始めたら、読了するまで眠ることができなかった。こんな本を読みたくて、こんな本を紹介したくてHONZをやっている。「よし、誰よりも早くレビューを書こう」と思ったところで仲野徹がみっちりとレビューしているところに気がついてがっくりきたが、どうしても自分でも紹介したい本なのだ。 本書の主役であるサルファ剤は、

歴史をかえた魔法の弾丸 『サルファ剤、忘れられた奇跡』 書影

サイエンス / 人物

歴史をかえた魔法の弾丸 『サルファ剤、忘れられた奇跡』

生命科学や医学の領域では、物理学や数学のように天才は多くない。しかし、遺伝の法則を見つけ出したグレゴール・ヨハン・メンデルや、進化論を唱えたチャールズ・ロバート・ダーウィンは、まぎれもない天才だ。メンデルとダーウィンは、19世紀の中盤から終盤にかけて、その天才的な洞察力を発揮した。 この二人とほぼ同時代に活躍したルイ・パスツール、それに少し遅れたロベルト・コ

『正直シグナル』 空気はみんな読んでいる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『正直シグナル』 空気はみんな読んでいる

「正直シグナル」なんて、どこかの歌の題名のようだ。自分がどれくらい正直なのかをアピールする方法かと思ったが、違うらしい。まあ、そういう人は正直ではない。実際の意味は、全く逆だ。どんなに隠そうとしても無意識に表に出てしまう言語以外の表現を、「正直シグナル」というらしいのだ。もともとは、進化生物学の分野で使用されている用語とのことだ。本書の研究は、それを人間にあ

HONZの特別な一冊!『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 書影

サイエンス / 教養・雑学

HONZの特別な一冊!『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』

最近の小学生向け恐竜図鑑を読むと、カラフルな羽毛に包まれた、ニワトリやダチョウみたいな恐竜がいっぱい載っていることに驚く。 羽毛恐竜。1990年代に羽毛の痕跡の残っている恐竜(獣脚類)が次々と発見されたことで、鳥と恐竜の距離はぐっと近くなった。一方で、かつて「鳥の先祖」だと言われた始祖鳥と現生鳥類の距離は遠くなる(本書の帯には、始祖鳥の骨格標本が「オレ、鳥の

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ! 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ!

早くも2013年成毛眞のおすすめ本NO.1が登場してしまった。今年はこれ以上面白い本に巡りあうこともないであろうから、2013年の本読みは3月吉日にて終了である。あとは惰性でつまらん仕事をするなり、散歩代わりのゴルフに出かけるなりして、ヒマをつぶすしかないであろう。じつに残念なことである。ともかく本書はめったにお目にかかれない傑作なので買うべきです。以上です

ヒト・マイクロバイオム・プロジェクト 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

ヒト・マイクロバイオム・プロジェクト

『完全なる証明』 『フェルマーの最終定理』 『バースト!』 『宇宙創成』『暗号解読』『ビッグバン宇宙論』『世界でもっとも美しい10の科学実験』『代替医療のトリック』「不思議宇宙のトムキンス』『悪霊にさいなまれる世界』『DNA』……。挙げればきりがないほどの名著の翻訳を手がけている、サイエンス・ノンフィクションにおける日本一の翻訳者、あの青木薫さんの連載が、い

『海はどうしてできたのか』海が消滅して人類滅亡!? 書影

サイエンス / 生物・自然

『海はどうしてできたのか』海が消滅して人類滅亡!?

本書によると、将来地球上から海が消え、人類が絶滅してしまう可能性があるそうだ。 地球の内部では、ウラン・トリウム・カリウムなどの放射性元素が崩壊を繰り返し、熱を放出し続けている。それによって地球は内部から温められ、地球が凍りつかない仕組みになっているのだ。しかし、地球誕生からおよそ約46億年経った今、地球内部にあるウランの量は半減しており地球を暖める熱源は徐

『ディジタル作法 カーニハン先生の「情報」教室』 21世紀の教養 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ディジタル作法 カーニハン先生の「情報」教室』 21世紀の教養

本書の副題にもその名前が使われているように、著者であるプリンストン大学コンピュータサイエンス学科教授のブライアン・カーニハンは、ディジタル界隈では大変有名な先生だ。デニス・リッチーとの共著『 プログラミング言語C 』は、長い間多くのプログラマーに参照され続けているという。しかし本書は、「カーニハンって誰?」と思った人のために書かれている。これは、非技術系であ

核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 書影

サイエンス / 社会

核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』

期せずして、同じ時、同じ場所に、同じレベルの才を持つ者が集まると、想像を絶する出来事が起こることもある。 1953年、3つの技術革命が始まった。熱核兵器、プログラム内蔵型コンピュータ、そして、生命体が自らの命令をDNAの鎖にどのように保存するかの解明である。これら3つの革命は相互に絡み合い、その後の世界を大きく変えることとなった。 とりわけそれ以前から密接に

『なめらかな社会とその敵』生命の起源から、300年後の未来を構想する 書影

サイエンス / 社会

『なめらかな社会とその敵』生命の起源から、300年後の未来を構想する

夢を語ればその動機を問われ、信念を論ずればその根拠を訊ねられる。病があれば病因を探りはじめ、事故があれば責任の所在が追及される。とかくに人の世は、結果と原因の究明に忙しい。 しかし世界は、原因と結果の連なりに回収できるほど単純にはできていない。いかにもはっきりとした原因と結果の連鎖も、それは辿っていくうちに、複雑に絡みあう世界のネットワークの中に消散してしま

『ウイルス・プラネット』生物界のイノベーター 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ウイルス・プラネット』生物界のイノベーター

ウイルスをテーマとしたサイエンス・エッセイだ。取り上げられているのはタバコモザイクウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、バクテリオファージ、ヒト免疫不全ウイルス、天然痘ウイルスなど13種のウイルスである。それぞれのウイルスのカラー電子顕微鏡写真が付いていて1500円。1ウイルスあたり115円ちょっとだ。考えようによってはじつに安い買い物なのだ。

『統計学が最強の学問である』 統計リテラシー、あると何かと便利です。 書影

サイエンス / 教養・雑学

『統計学が最強の学問である』 統計リテラシー、あると何かと便利です。

いかなる分野の議論においても、データを集めて分析することで最速で最善の答えを出すことができる。それが、統計学が最強の武器たりうる所以である。 本書では、医療や企業経営などの分野でデータ分析・活用の経験を有する著者による領域横断的な解説を通じ、統計学の世界を俯瞰できるようになっている。統計リテラシーを身につけたい方の入門書としてもおススメの一冊だ。 「疫学」と

『ヒッグス粒子とはなにか』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『ヒッグス粒子とはなにか』新刊超速レビュー

正直に言おう。ヒッグス粒子をまったく理解できないのだ。子供のころからブルーバックスなどで素粒子論や宇宙論を読んできたから、クオークやビッグバンまではなんとか判ったような気でいたのだが、ヒッグス粒子については読んでも読んでもまったく理解できない。つまり、クオークもビッグバンもちゃんとは理解していなかったというわけだ。 それでは本書でヒッグス粒子を判ったかといえ

『オリオン座はすでに消えている?』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『オリオン座はすでに消えている?』新刊超速レビュー

新刊超速レビューは発売から1ヶ月以内の本を対象としているのだが、本書の発売日は2012年12月8日だ。すっかりレビューを書くのを忘れていたのだ。いやあ、スマヌスマヌ。なにしろ本書が扱っている事件は640年前に起こっていたかもしれないのだ。2ヶ月の遅れなどまあいいではないか。しかも、この事件についてはどこかで書いたのだが、どの媒体だったかも忘れているのだ。これ

『太陽に何が起きているか』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『太陽に何が起きているか』 新刊超速レビュー

著者常田佐久氏の経歴は東大天文学科卒、東大天文学専門過程博士課程修了、東大東京天文台助手、東大天文学教育研究センター助手、東大天文学科助教授を経て、国立天文台教授だ。まさに天文学一筋の人だ。毎日天空を見て暮らしている人なのだ。しかし、のんきに望遠鏡を覗いているだけだと思ったら大間違いである。 望遠鏡は「大坂夏の陣」の7年前にあたる1608年にオランダの眼鏡師

『一目惚れの科学』 「モテ」のメカニズム、ついに解明か?! 書影

サイエンス / 教養・雑学

『一目惚れの科学』 「モテ」のメカニズム、ついに解明か?!

いったい自分はどうすればモテるようになるのだろうか。世の中には、そんな人類の究極命題とも言える恋愛のメカニズムを科学的に解き明かすことを使命とした「恋愛学」という学問が存在する。本書では、そんな恋愛学の専門家が恋愛のメカニズムを人間の五感から解き明かす。恋愛にまつわるタブーや迷信にも容赦なしで切り込む語り口は小気味よく、新感覚の恋愛論としても楽しめる。 そも

中学レベルの数学で理解する『学んでみると生態学はおもしろい』 書影

サイエンス / 生物・自然

中学レベルの数学で理解する『学んでみると生態学はおもしろい』

本書はHONZで紹介され、ついついポチってしまったマニアックなサイエンス本が家に積まれている被害者におすすめの一冊、生物と環境の関係性をマクロで捉えており、全体感をつかめる。意外な事実や新発見が登場する本ではないが、生物進化、生物地理学、個体群生態学、群集生態学、生物多様性、行動生物学などを章ごとに体系的に理解できる。 また、HONZで御馴染みの 新刊 が待

『なんでもカロリー換算』 ボルトの世界記録からブラックホール発電まで 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『なんでもカロリー換算』 ボルトの世界記録からブラックホール発電まで

日々の食生活から近未来の新エネルギー問題まで、我々の暮らしと熱量とは切っても切れない関係にある。それでは試みに、思いつく限りのエネルギーにまつわる問題をカロリー数値に置き換えて見てしまおうというのが本書だ。 まずは人間の体をカロリー計算してみよう。様々な実験によれば人間の仕事率は100ワット程度。直感的に言えば、われわれが朝起きて職場や学校へ行き、仕事をし、

『皮膚感覚と人間のこころ』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『皮膚感覚と人間のこころ』 新刊超速レビュー

これは、本書で紹介されているトーマス・マンの『魔の山』(1924年発表)の中で医師が主人公に語りかける台詞の一部である。80年以上も前の作品が指摘した表皮と脳の類似性は、最新の研究成果によって、科学的に立証され始めているという。皮膚は、熱さ寒さや痛さを脳に伝える以上の働きをしているのだ。 本書で著者は、皮膚や知覚、感覚にまつわる多くの研究を引きながら、皮膚の

『インフォメーション: 情報技術の人類史』 すべては情報から生まれる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『インフォメーション: 情報技術の人類史』 すべては情報から生まれる

1845年元日の早朝、ロンドンに向かう列車の中に息を押し殺す男がいた。その男の名は、ジョン・タウェル。列車に飛び乗る直前、彼は愛人のセアラ・ハートを毒殺していた。今ごろ警察が殺人に気がついたとしても、大都会ロンドンの雑踏に身を潜めれば逃げ切れる、この殺人犯はそう考えていた。しかし、彼はあっけないほど簡単に捕まってしまう。ロンドンの警官たちが、駅でタウェルの到

『「つながり」の進化生物学』 進化するのがコミュニケーション 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『「つながり」の進化生物学』 進化するのがコミュニケーション

本書の著者の岡ノ谷先生は、鳥の研究から始まり、現在は感情や心の研究を行っている東大の先生だ。また、「岡ノ谷情動情報プロジェクト」の研究総括であり、理化学研究所のチームリーダーでもある。そして、HONZ的には、あの『ハダカデバネズミ』や、ジュウシマツの歌についての『さえずり言語起源論』の著者である。であるからして、読む前から既におもしろいことが確定しているのだ

あやつられたのは人間?『欲望の植物誌』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

あやつられたのは人間?『欲望の植物誌』

人間の欲望をあやつる植物。気がついたら植物の虜となり、子孫繁栄のための奴隷となる。なんて怪しい。一体どんな色、形なのだろう……。 なんてことはない。本書の主役である4つの植物とは、リンゴ、チューリップ、マリファナ、そして、ジャガイモである。これらは人間が思うがままあやつりたくなるほど魅力的である。リンゴは甘ければ甘いほど良く、季節問わず食べられるなら最高に嬉

『「においオブジェクト」を学ぶ』 においは記憶でつくられる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『「においオブジェクト」を学ぶ』 においは記憶でつくられる

なぜ、「におい」に名前をつけることは困難なのだろうか? この問いに答えるためには、先ずその困難さを理解する必要がある。においを表す言語的表現を思い起こせば、必ずといっていいほど比喩が付いて回る。コーヒーのようなにおい、腐卵臭、バラの香り。これらは、においに名前をつけたというより、においをもたらす物質を表記したものと言えるだろう。 「刺すようなにおい」や「甘い

現場の研究者が語る 『ヒッグス粒子の見つけ方』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

現場の研究者が語る 『ヒッグス粒子の見つけ方』

ヒッグス粒子は、 『サイエンス』誌のブレークスルー・オブ・ザ・イヤーに選ばれる等 、昨年大いに話題となった、質量の起源となる素粒子だ。 ロマンだ。「宇宙が今の姿になるために、なくてはならない。」素敵に言えるだろうか。サイエンティストは、ロマンティストである。 ヒッグス粒子は、現在の素粒子論の「標準模型」において唯一発見されていない素粒子であったが、遂に昨年7

特殊撮影『ワンダー・フォトグラフィー』 書影

サイエンス / アート・スポーツ

特殊撮影『ワンダー・フォトグラフィー』

本書には2013年現在、最も高度な最新技術で撮影された画像が掲載されている。月刊 コマーシャル・フォト に連載された人気連載「特殊撮影見聞録」の4年間分をまとめて1冊に再編集したものだけあって、内容が濃密だ。 撮影ジャンルは最先端技術による宇宙撮影から限界ギリギリの深海、超望遠から超マクロ、X線や赤外線撮影に至るまで多岐にわたり紹介しており、超最先端画像のこ

『水力ドットコム』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『水力ドットコム』新刊超速レビュー

今日はなかのとおるが「ダム」をやっているので、対抗措置としてあわてて「水力」をやってみることにした。本書は水力ドットコムからの派生物だ。著者はそのサイトの管理人だが、同時に財団法人日本ダム協会の認定ダムマイスターでもある。ダムについてはいろいろな見地から賛否両論あるため、ダムマイスターなる軽めの言葉にカチンとくる人もいるかもしれない。しかし、ダムとトンネルは

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サイエンス / おすすめ本レビュー

でかいぞ! 偉いぞ! 立派だぞ! 『ダムの科学』

ダムの科学 -知られざる超巨大建造物の秘密に迫る- (サイエンス・アイ新書) 高度成長時代、安定した電力を供給するため、たくさんのダムが造られた。そのころ、ダムといえば未来に羽ばたくまばゆい存在であった。ところが最近は、不要な公共事業の代表にされ、環境破壊の悪玉にされ、どうも評判がよろしくない。これはいささか理不尽ではないか。ダムはどっしりと大きくかまえ、じ

その有能さは、万能か? - 『ニュートンと贋金づくり』 書影

サイエンス / 人物

その有能さは、万能か? - 『ニュートンと贋金づくり』

いつの時代だってスーパースターは大変だ。一つの分野で傑出した能力を発揮すると、他の領域でも通用するものかと普遍性を問われる。 もしもイチローがピッチャーだったなら。もしもファインマンがマイクロソフトに入社していたら。もしもマイケル・ジョーダンが大リーガーだったなら... その中にはジョークで終わったものもあれば、果敢に挑戦したケースもある。 ならば、これはど

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サイエンス / 著者インタビュー

著者インタビュー『ゼロからトースターを作ってみた』トーマス・トウェイツ

ゼロからトースターを作ってみた なんとも言い難い魅力を持った不思議な本だ。 東えりかのレビュー を参考にしてほしいが、要するに、イギリスの学生がトースターを自作した、という話だ。ただし、「ゼロから」と謳っているだけあって、その「自作深度」はおそろしく根源的に深い。例えば鉄の部品を作るため、著者は鉱山まで鉄鉱石を拾いに行き、自宅で精錬することから始める、という

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サイエンス / おすすめ本レビュー

『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』 ワインの海は牛の色

言語が違えば、世界も違って見えるわけ 話は、古代ギリシャの叙事詩から始まる。1858年のロンドン、ダーウィンの『種の起源』が発表される4カ月前、後に英国の首相となるウィリアム・グラッドストンが、叙事詩『イリアス』『オデュッセイア』についての研究結果を出版した。『ホメロスおよびホメロスの時代研究』は、全3巻1700ページの大著であったが、その終わりの3巻の最後

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サイエンス / 新刊超速レビュー

『系統樹曼荼羅』新刊超速レビュー

系統樹曼荼羅―チェイン・ツリー・ネットワーク なんとも魅力的なタイトルと装丁である。書店でつい手にとってしまうのは、こういう本だ。タイトルどおり、本書には500年以上前に描かれた系統樹から、ダーウィン手書きの進化論のアイデア走り書き、果ては最先端のコンピュータグラフィック技術を用いて作られたネットワーク図が、これでもかと盛り込まれている。異常な密度で書き込ま

『闘う物理学者!』破天荒な天才たち 書影

サイエンス / 人物

『闘う物理学者!』破天荒な天才たち

自由奔放・奇想天外な人生が好きな人には本書がオススメだ。 様々な著名物理学者の人生を紹介するのが本書。物理学者というと頭が固くて気難しい人をイメージする人もいるかと思うが、実は風変わりで冒険的な人が多い(もちろん本書で紹介されるような人たちはみな頭脳明晰)。 例えば旧ソビエトの異端児、レフ・ダヴィドヴィッチ・ランダウ。幼い頃から数学的才能を発揮し、わずか13

『ダイヤモンドは超音速で地底を移動する』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『ダイヤモンドは超音速で地底を移動する』新刊超速レビュー

本書のタイトルどおり、ダイヤモンドは地底を超高速で移動し、地上に噴出してきたのだという。ダイヤモンドを含んだマグマが、地下400kmのマントル層で生成され、6時間あまりで地上に到着するというのだ。最深部では時速60kmほどでマグマは上昇を開始するのだが、地下50kmあたりからスピードを上げはじめ、地下2kmでは時速1000km、つまり音速の8割に達する。さら

まっとうな未来を生きるための科学的思考 『進化を飛躍させる新しい主役』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

まっとうな未来を生きるための科学的思考 『進化を飛躍させる新しい主役』

地味な本である。しかし、ひとつのささやかな研究が、「進化を飛躍させる新しい主役」という、進化論を覆すような刺激的な仮説に至る過程には、科学的思考の基本が詰まっている。岩波ジュニア新書の一冊だが、はじめて科学に触れる少年少女はもちろん、私を含め、日々、科学的思考を身につけたい大人にぜひ読んでほしい。日常生活で思い込みや迷信から開放され、まっとうな問題解決への道

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サイエンス / おすすめ本レビュー

『食欲の科学』 どうしてお腹が減るのかな

食欲の科学 (ブルーバックス) 食欲を押さえ込むことだけではない、食べ続けることもまた難しい。この難しさは、ヴァーモント大のグループが行った、200日間ずっと通常の2倍の量の食事を摂り続けるという実験の結果からよくわかる。多くの被験者は、体重が増えるに連れて食べることを苦痛に感じ始め、望んで参加した実験を続々とリタイアしていったのだ。また、実験後に被験者達の

『2100年の科学ライフ』科学者による未来予想図 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『2100年の科学ライフ』科学者による未来予想図

1903年、『ニューヨーク・タイムズ』は未来を予測して、飛行機の開発は時間の無駄だと宣言した。ライト兄弟の初飛行のわずか1週間前だった。それに懲りずに同紙は1920年、ロケットの研究などナンセンスだと断じた。その49年後、アポロ11号が月に降り立ったとき、賢明にも同紙は予測が外れたことを認めて謝罪した。 かくも難しいテクノロジーの未来予測に挑戦してみたのが本