ノンフィクションはこれを読め!

2019年の記事

ARCHIVE

380記事

『SHIFT:イノベーションの作法』あたまが自然と動きだす論文集 書影

アート・スポーツ / ビジネス

『SHIFT:イノベーションの作法』あたまが自然と動きだす論文集

「不確実な状況で、意思決定するのが経営者の仕事だ」と言われるが、実際にそれを実践することは非常に難しい。確実に答えがわかっていれば、意思決定は必要でない。また、ロジカルに考えて、生み出された確実性の高い施策は、おおよそ先駆者がおり、競争が激しく、莫大な利益を生む可能性は低い。 いっぽう、現場の社員は、現状を打破しようと、不確実性は高いが、おもしろそうなアイデ

『今日われ生きてあり 知覧特別攻撃隊員たちの軌跡』 書影

日本史 / 「解説」から読む本

『今日われ生きてあり 知覧特別攻撃隊員たちの軌跡』

思い切って告白するのだが、私はこの本を泣きながら読んだ。はじめてこの本を読んだとき、書斎で嗚咽した。号泣しそうだったが家族をおどろかせるのをはばかって声を殺して泣いた。なみだが幾度も流れた。 8年後、この文庫の解説をひきうけて、再読した。たまたま九州の都井岬へ行く用があったので、バッグのなかに『今日われ生きてあり』を入れて出かけた。東京から小倉、宮崎を経て串

『少年ゲリラ兵の告白 ​陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』 書影

日本史 / 「解説」から読む本

『少年ゲリラ兵の告白 ​陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』

母は沖縄戦の体験者だった。このことが、ある意味ライフワークのように僕が沖縄にこだわる理由になったのだが、実のところ、母がその沖縄戦でどのような体験をしたのか、よくわからないままでいる。 沖縄戦について問うと、母は口を固く閉ざしてしまうからである。住人の4人に1人が亡くなった史上類例のない地上戦が展開された島には、その戦について語らない人たちが多い。「語らない

『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』現実の政治と軍事に即したロボット兵器の未来 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』現実の政治と軍事に即したロボット兵器の未来

あのビル・ゲイツが2018年の年間ベストブックに選出した本だ。読んでみるしかない。テーマは未来の兵器と戦争。未来といってもすぐそこにある未来だ。 爆発的に普及したスマホのおかげで高度な機能を持つ電子部品の価格が劇的に安くなった。その結果、爆弾を運搬するミサイルやドローンなどの飛行体、機関銃をもつ戦闘ロボットなども安価に大量生産することが可能になった。いわば無

今週のいただきもの:2019年7月21日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年7月21日週

先週末に引っ越しをし、スーパー事情が格段に良くなりました。1個150円ほどで買っていたパプリカが90円で売っていると、作るものも決めずについ買ってしまいます。ちなみにパプリカは、オランダ語でピーマンのこと。ナス科トウガラシ属の野菜です。原産地は南アメリカで、唐辛子が辛くならないように品種改良されました。 おいしいパプリカを選ぶには、肉厚で弾力があり、つややか

『自分で「始めた」女たち 「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション 』は、生きるヒントの玉手箱だ! 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『自分で「始めた」女たち 「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション 』は、生きるヒントの玉手箱だ!

まずは質問に答えてほしい。年齢や経歴によって答えられないものもあるかもしれない。それでも、ざっと眺めてほしい。 ・子どものころの夢は? ・駆け出しのころ役だった(または無視して正解だった) アドバイスは? ・仕事場のお気に入りポイントは? ・キャリアや仕事のために払った最大の犠牲は? ・あなたにとって成功とは? ・夜眠れなくなるような不安や悩みはある? ・1

『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』獰猛な集団がもくろむ「人間の嗜好」の数式化 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』獰猛な集団がもくろむ「人間の嗜好」の数式化

どんなに有名な大企業であっても、始まりはちっぽけなスタートアップにすぎない。今や世界中の人に知られる存在となったNETFLIXであっても、それは同様だった。 本書は世界を熱狂させる数々のエンターテインメント作品を手がけてきた同社における、創業当時の物語である。まだストリーミング配信というものが主流ではなく、宅配DVDレンタル業を営んでいた時代が舞台だ。 彼ら

自律型兵器に関する、一般読者向けの最良の道案内となるノンフィクション──『無人の兵団──AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

自律型兵器に関する、一般読者向けの最良の道案内となるノンフィクション──『無人の兵団──AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』

無人兵器についての一般向けのノンフィクションはこれまでも出ていたが、ようやく最新の政治、技術を踏まえた上で自律型兵器を網羅的に語ってくれる本が現れた! これから紹介する、ポール・シャーレ『無人の兵団──AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』がまさにそれで、「自律型兵器とはなんなのか、その定義」、「自律型兵器にどこまでの決定権をもたせるかについて、軍事的な意

『日本の異国』「共に生きる」とは、どんな社会なのか? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『日本の異国』「共に生きる」とは、どんな社会なのか?

現在日本に在留する外国人の数は約264万人。日本の総人口が約1億2659万人で、在留外国人数はその約2%ということになるそうだ。ちなみに統計の取り方や外国人の定義に若干の違いはあるが、フランスは約12%、イギリスが約13%、ドイツが約9%というから先進国の中では日本はやはりまだまだ外国人が少ない国だろう。 だが一方で入国管理法が改正され新たに外国人労働者の受

思わず二度見してしまう『おならのサイエンス』 書影

サイエンス / 教養・雑学

思わず二度見してしまう『おならのサイエンス』

誰もが少しは恥ずかしい経験あるであろう「おなら」。力を入れた時、油断した時、大事な時、突然とやってくる私たちの生理現象だ。まだ音が出るだけなら笑ってごまかせるが、クサい場合は本当に恥ずかしく、目も当てられない。 生理現象にもかかわらず、恥ずかしいものとしてある意味避けられている「おなら」。これまで、「おなら本」があったとしても、どちらかというと健康よりの本で

ヒョウ柄に金箔押しのド派手カバー『仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう』は”真の大阪”を知るためのバイブルだ! 書影

教養・雑学 / 社会

ヒョウ柄に金箔押しのド派手カバー『仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう』は”真の大阪”を知るためのバイブルだ!

大阪という町、世間ではどんなイメージで見られてるんでしょう?「お笑い」、「こなもん」、「ヒョウ柄のおばちゃん」、「えげつない」、「ガラ悪い」、とかでしょうか。 たしかにテレビでは吉本の芸人さん達が大阪弁で笑いをとりまくってます。それに、どうしてかわかりませんが、と~きょ~もんであっても、アホなことを言うたり、エロいことを言うたり、あるいは、ケチ臭いことを言う

今週のいただきもの:2019年7月14日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年7月14日週

子どもの頃、メロンが大好きでした。祖母の家に行くと、いつも私のために用意してくれたことを覚えています。温室メロンは通年栽培されていますが、露地物の旬は5〜7月です。おいしいマスクメロンの見分け方は、網目が緻密で盛り上がって成長しているもの選ぶことです。網目は最初からついているのではなく、皮と中身の成長速度の差によってできます。 そのまま食べるのが一番ですが、

『世界の覇権が一気に変わる サイバー完全兵器』水面下で激化する、国家間の新たな戦争 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『世界の覇権が一気に変わる サイバー完全兵器』水面下で激化する、国家間の新たな戦争

インターネット上で起こる国家間の「サイバー紛争」。その引き金を最初に引いたのは米国だ。ジョージ・W・ブッシュ大統領の許可の下、米国家安全保障局(NSA)とイスラエルのサイバー戦部隊により、「オリンピック・ゲームズ作戦」と呼ばれる作戦が実行された。その作戦では、イランの地下核施設に「スタックスネット」と呼ばれるコードを送り、ウラン濃縮に使う遠心分離機を制御不能

『習慣の力〔新版〕』変えるためのコツは、意外とシンプル 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『習慣の力〔新版〕』変えるためのコツは、意外とシンプル

自分でコントロールしていくものか。やむをえず染みついてしまうものか。 習慣ときいてまずイメージするのは後者だ。飲酒に喫煙、浪費癖。ちょっとした空き時間とか退屈を感じた時にまずスマホ、みたいなのもそのひとつだろう。後からいかんと思いつつも、ときにはほぼ無意識のうちにやってしまう習慣の数々。自分自身、いちいち思い返したくないくらい心当たりがある。 かといってただ

祝 直木賞受賞!!『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』書店で周りに並べてほしい文楽関係本 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

祝 直木賞受賞!!『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』書店で周りに並べてほしい文楽関係本

2019年7月17日、 第161回芥川・直木賞選考会が行われ、直木賞に文楽の浄瑠璃作家、近松半二を主人公に据えた『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』が選ばれた。(禁を破ってHONZに仲野徹が書いたレビューは こちら ちなみに仲野は浄瑠璃を習っており、著者の兄弟子に当たる) 私はこの15年ほど文楽に嵌りまくっている。関連本を読みあさっていたのだが、まさかこの知識が日

『ニュータイプの時代』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

ビジネス / 併せて読まれたこの一冊

『ニュータイプの時代』を買ったのは、どういう人たちなのか?

毎回、「これを買った人はこれを買っています」という原稿を書いていますが、定期的に「あのベストセラーを発売すぐに買った人は、今これを買っています」という見方をしています。今年のビジネス書ジャンルでの定点観測銘柄は『FACTFULNESS』。これを発売1ヶ月以内に購入した方の動向を見ていると、7月に入って急激に売上を伸ばしてきた銘柄があります。それが『ニュータイ

人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号 書影

社会 / おすすめ本レビュー

人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号

数年前まで、都市づくり・まちづくりに関わるThink&Doタンクに勤める友人とルームシェアをして暮らしていた。特定の地域を舞台に、ローカルからどうその地域の課題を解消し、そのまちを面白くするか…を彼女が考えている一方で、当時の私は、ドキュメンタリー映画の配給を通じて、戦争や移民、環境破壊など、国境をこえた世界規模の問題について考える日々だった。 ミクロから見

信じられないけれど奇跡ではない ”みんなの学校” 『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』 書影

人物 / 社会

信じられないけれど奇跡ではない ”みんなの学校” 『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』

『みんなの学校』をご存じだろうか?「ふつう」の公立小学校、 大阪市立大空小学校 のユニークな取り組みを紹介したドキュメンタリーのタイトルである。最初は2013年に 関西テレビのドキュメンタリー として放送され、2年後には 同名の映画 にもなった。 2006年に設立された大空小学校の初代校長・木村泰子は「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに全力

『サカナ・レッスン』魚を捌いて市場に出向いて、日本の魚文化を体験しよう 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『サカナ・レッスン』魚を捌いて市場に出向いて、日本の魚文化を体験しよう

キャスリーン・フリンさん、日本へようこそ!著者のキャスリーン・フリンさんは、前作『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』で日本で熱烈な支持を受け、テレビ番組『世界一受けたい授業』にも出演している。本書は、邦訳された2冊目の本であり、期待を裏切らず、彼女ならではの感性をキュートな言葉にのせ、読者を楽しませてくれる。 前作の原題は、『The Kitchen C

『僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から』 「佐世保小6殺害事件」被害者の兄ふたりの“その後” 書影

医学・心理学 / 事件・事故

『僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から』 「佐世保小6殺害事件」被害者の兄ふたりの“その後”

どんな重大事件でも時を経ると忘れられ、他人(ひと)の記憶は薄れていく。しかし事件の当事者は違う。何年経とうが胸の中に残る。ましてや、正気では受け止めきれないほどの凶悪事件の被害者ならばなおさらだ。 2004年6月、長崎県佐世保市の小学校で6年生の女子児童が同級生の女児にカッターナイフで喉を切られ死亡する事件が発生した。学校内で起こった前代未聞の事件に報道は過

『ハイエンドトラベル』 発想と創造を生む新しい旅の形 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ハイエンドトラベル』 発想と創造を生む新しい旅の形

コンサルティング会社キャップジェミニの「World Wealth Report」によると、投資資産を100万ドル以上保有する世界の個人富裕層の資産総額は、7年連続で増加して2017年に70兆ドルを上回った。 国際NGOオックスファムは、2016年の報告書「1%のための経済」で、2015年に世界の上位1%の富裕層が保有する資産が残りの99%の人々の資産を上回り

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』天才 その二面性 書影

アート・スポーツ / 人物

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』天才 その二面性

唇を制御する神経の考察。 友人に先を越され苦悩する姿。 天才の反対を凡才とするなら 、レオナルド・ダ・ヴィンチはその両面を持っていた。 本書は7200ページにわたる自筆ノートから、本人を検証した評伝だ。ノートには唇を制御する神経のスケッチから、友人たちに先を越され落ち込んだ気持ちまで記されている。天才で片付けられてきた彼も、わたしたちと同じ感情を持つ人間だと

「箱根本箱」へ、ブラHONZしてきました 書影

教養・雑学 / イベントレポート

「箱根本箱」へ、ブラHONZしてきました

はーい、こんにちは。ブラHONZ、はじめます~。 メンバーが“ブラブラ”と本世界を巡りながら、知られざる本の歴史や成り立ちに迫る「ブラHONZ」。迫る前に泥酔してしまうかもしれませんが、誰もやらないので、深い意味も展望もなくスタートしちゃうことにしました。今回は、地形もバラエティに富む箱根へ。なんと本がたくさん詰まったホテルが箱根にできたというのです。 さて

今週のいただきもの:2019年7月7日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年7月7日週

好きな夏野菜は?と聞かれたら、かなり悩みますが、ズッキーニが上位にきます。見た目も味もきゅうりに似ていますが(何ならきゅうりの代用としてソースに使うこともあります)、カボチャの仲間です。英語ではズッキーニのことをsummer squash(夏のカボチャ)と言います。原産地は明確ではありませんが、メキシコの巨大カボチャが祖先だそうです。 油との相性が良いのでグ

『真実の終わり』米国きっての書評家が警告する民主主義の危機 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『真実の終わり』米国きっての書評家が警告する民主主義の危機

ミチコ・カクタニをご存じだろうか。本を愛する者にとって彼女はまさに「雲の上の人」だ。1955年生まれの日系米国人2世で、ニューヨーク・タイムズ紙で34年間にわたり書評を担当した。辛口の書評で知られ、98年にはピューリッツァー賞(批評部門)も受賞している。英語圏で最も影響力のある書評家だ。 本書は、彼女が2017年に会社を退職して初めて世に問うた著作である。意

『資本主義はどこに向かうのか 資本主義と人間の未来』 書影

社会 / 著者自画自賛

『資本主義はどこに向かうのか 資本主義と人間の未来』

HONZで自画自賛本のコーナーが立ち上がったということで、この場を利用して『資本主義はどこに向かうのか―資本主義と人間の未来』を宣伝させて頂きたい。 今回は、資本主義研究会が公益財団法人生存科学研究所の自主研究事業として、過去約30回にわたって開催してきた「資本主義の教養学 公開講演会」シリーズの中から、人間という存在を自然科学的・社会科学的な見地から総合的

偉大な力にすっぽりと包まれる本 『友情2』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

偉大な力にすっぽりと包まれる本 『友情2』

機中で『友情』と『友情2』を読み終えると、私は窓から雲海を眺め、唇を噛んで涙した。本書は、故・平尾誠二氏と生前に深い親交があった15人が、彼への思いをまとめた本だ。そのなかには、ご家族(夫人・長女・長男)や山中伸弥氏も含まれている。 私はその死に大きな喪失感を覚えたが、同時に彼の生き様に「胸のすく」爽快感を感じた。ある時は泣かされ、ある時は笑わされる、感情を

郡司芽久の『キリン解剖記』は研究の真骨頂だ! 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

郡司芽久の『キリン解剖記』は研究の真骨頂だ!

どうしてもアマゾンで本を買うことが多いが、やはり本屋さんへもでかけねばならない。いきなりこの本が目に飛び込んできた。はぁ?『キリン解剖記』?? なんじゃそら。経験上、この手の本はあたりはずれが大きい。いったい誰が書いているのかと著者紹介を見ると、なんと女性の写真が… 郡司芽久、きっと「ぐんじナントカひさ」という名前だと思ったのに「ぐんじめぐ」らしい。キリンの

『アインシュタインの旅行日記: 日本・パレスチナ・スペイン』天才物理学者の日記にある日本の"今"と"昔" 書影

サイエンス / 教養・雑学

『アインシュタインの旅行日記: 日本・パレスチナ・スペイン』天才物理学者の日記にある日本の"今"と"昔"

1922年(大正11年)11月17日アインシュタインは神戸港に到着した。この日は京都の都ホテルに宿泊。日記には「下の町はまるで光の海。強烈な印象」「日本人は簡素で上品、とても好ましい」と綴っている。 アインシュタインが特殊相対性理論と光量子仮説を発表したのは1905年。26歳のときだった。自身のノーベル物理学賞受賞を知ったのは日本への船上だった。さぞかし楽し

「『こわいもの知らずの病理学講義』につまずいた人、必読!」ってどういう意味やねん!  『おしゃべりながんの図鑑 病理学から見たわかりやすいがんの話』 書影

医学・心理学 / 新刊超速レビュー

「『こわいもの知らずの病理学講義』につまずいた人、必読!」ってどういう意味やねん!  『おしゃべりながんの図鑑 病理学から見たわかりやすいがんの話』

『こわいもの知らずの病理学』(略称『こわ病』)で一発あてたので、調子をこいて病理学シリーズの本をだしました!という訳では決してない。だいたい、自分の本とちゃうし。 かといって関係がないかというとそうでもない。『なかのぐら対談』として、わたしと著者の小倉先生との対談が二ヶ所に載っている。念のために言っておくが、対談は印税制ではなくて謝金制である。だから、この本

今週のいただきもの:2019年6月30日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年6月30日週

桃がおいしい季節ですね。桃は中国原産で、3000年以上前から食用として栽培されていました。日本では、縄文時代末期〜弥生時代の遺跡から種が発掘され、その頃からすでに食べられていたようです。記録としては、古事記や万葉集などにも登場します。 おいしい桃の見分けかたは、ふっくらときれいな丸みをしていて、全体的に紅く色づいているもの選ぶことです。皮の色は濃いほうが甘味

『迷いを断つためのストア哲学』現代人が共感しやすい「普通」の感覚の哲学 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『迷いを断つためのストア哲学』現代人が共感しやすい「普通」の感覚の哲学

「ストア派」は、紀元前5世紀のソクラテスの思想から派生したヘレニズム哲学の一派で、紀元前3世紀初頭にキプロス島出身のゼノンが創始した。「ストア哲学」ともいう。 ストアという名は哲学者のゼノンが、古代ギリシャの都市アテナイの列柱廊(ストア・ポイキレ)で自らの思想を説いたことに因(ちな)んだもので、英語の「ストイック」はこれを語源としている。 ストア派はヘレニズ

人文文化と科学文化の融合──『なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

人文文化と科学文化の融合──『なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門』

なぜ脳はアートがわかるのか。そんなことをいうと、「いや、そもそも自分にゃさっぱりアートはわからねえ」という人がわらわら湧いて出そうだが、かくいう僕もそのタイプ。真四角の図形をぽこぽこ置いて、赤だの黄色だので適当に塗ったとしか思えない絵が抽象絵でありアートなのだと言われても素人が作ったものとの違いがよくわからないことが多い。 だが、ある意味ではそういう人たちに

『人生で大切なことは泥酔に学んだ』悲しいかな、酒を呑んでしくじったところで人生は終わらない 書影

人物 / 著者自画自賛

『人生で大切なことは泥酔に学んだ』悲しいかな、酒を呑んでしくじったところで人生は終わらない

タイトルにつられてクリックしたあなたは、きっと経験があるはずだ。気持ち悪くて起きられない。前の晩に二軒目、三軒目に行かなければ、いや、最後の一杯が余計だったか。そんなことを今更、寝床で悔いても問題は解決しない。 会社員は何もしなくても、会社にいることが重要と人生の諸先輩方が教えてくれたように、雨が降ろうが雪が降ろうが、はたまた槍が降ろうが会社を目指さなければ

『骸骨巡礼 イタリア・ポルトガル・フランス編』身も蓋もありません 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『骸骨巡礼 イタリア・ポルトガル・フランス編』身も蓋もありません

趣味は昆虫採集。長年、遺体に取り組んできた解剖学の権威、と思っているせいだろうか、養老孟司先生というとついハエを連想してしまう。 目がとても大きく複眼のようで、どこをどう見ているのかよくわからない。静かに佇んでおられるが、下手に近づくと一瞬で姿をくらましてしまいそう。部屋中を探しても見当たらず、「いない」と思っていたら、私の目元に止まっていたということもあり

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

アート・スポーツ / 併せて読まれたこの一冊

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』を買ったのは、どういう人たちなのか?

今年、2019年はレオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年に当たる年だそうです。天才と言われる数々の仕事、謎の多い姿。科学が進化すればするほど、彼の残した業績が再評価される機会は増えています。謎の多い天才の生涯を伝記として記したのが、ウォルター・アイザックソン。世界的ベストセラーとなった『スティーブ・ジョブズ』の著者としても有名です。 3月末に発売されて以降、

『流れといのち 万物の進化を支配するコンストラクタル法則』生命の知恵の結晶 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『流れといのち 万物の進化を支配するコンストラクタル法則』生命の知恵の結晶

空や川など自然界には美しい流れがあり、多数のいのちが宿っている。本書は自然や社会現象などを含む万物がどのように、なぜ進化するかを明らかにした、極めて意欲的な科学書である。 著者は米国デューク大学特別教授の機械工学者で、米国版ノーベル賞といわれるベンジャミン・フランクリン・メダルを2018年に受賞した。 副題にある「コンストラクタル法則」とは、物質と非物質を問

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ヒップでポップで、最高にかっこいいパンクなかあちゃんにインタビューしてきた!(その3) 書影

人物 / 社会

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ヒップでポップで、最高にかっこいいパンクなかあちゃんにインタビューしてきた!(その3)

ーもう一冊の新刊『女たちのテロル』も面白く拝読しました。100年前に自ら権利を勝ち取るために命を懸けて戦った女性たちがいたことを知ってなんかやらなくちゃいけない、と焦る気持ちちになりました。実は本を読んですぐ「文子と朴烈」を見に行ったんですよ。本から得た情報と映像が放つリアリティで息が詰まりそうになりました。 ブレイディ: それは作品にとって本望ですよ。主役

今週のいただきもの:2019年6月23日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年6月23日週

さくらんぼのおいしい季節です。さくらんぼは、漢字で書くと「桜ん坊」や「桜桃」と書きますね。「桜ん坊」の漢字の由来は、桜の実という意味の「桜の坊」の「の」が撥音便となり、語末が短母音化したもの。「桜桃」は、桃は古語で果実全般を指したので、桜の実=桜桃となりました。 そのまま食べてもおいしいさくらんぼですが、ちょっと手を加えるとワインのあてになります。用意するの

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ヒップでポップで、最高にかっこいいパンクなかあちゃんにインタビューしてきた!(その2) 書影

人物 / 社会

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ヒップでポップで、最高にかっこいいパンクなかあちゃんにインタビューしてきた!(その2)

ー私はブライトンという町について全く知らなかったので、地図から探してみたのですがロンドンの南なんですね。 ブレイディ :そう、繁華街は海の近くにありますが、うちは海からバスで2・30分くらい離れたところの高台です。海辺はもともとリゾートで、ゲイカルチャーがさかん。ヒップで、おしゃれな店がたくさんある場所です。芸能人が別荘を持っていたり、芸術家たちなどが移住し