
今週のいただきもの:2019年9月1日週
9月に入った途端に涼しくなったと思ったら、昨日はまた夏のような日差しでしたね。これだけ気温の差が激しいと、体調を崩しがちです。もし風邪気味かなと思ったら、おすすめのスープがあります。スペインのにんにくたっぷりの「アホスープ」は簡単に作れますが、飲み終わったあとは力がみなぎってきますよ。ちなみに「アホ ajo」とはスペイン語でにんにくのことです。 スライスした
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9月に入った途端に涼しくなったと思ったら、昨日はまた夏のような日差しでしたね。これだけ気温の差が激しいと、体調を崩しがちです。もし風邪気味かなと思ったら、おすすめのスープがあります。スペインのにんにくたっぷりの「アホスープ」は簡単に作れますが、飲み終わったあとは力がみなぎってきますよ。ちなみに「アホ ajo」とはスペイン語でにんにくのことです。 スライスした

かつてノーベル賞物理学者のリチャード・ファインマンはこう言った。「自分で作れないものを、私は理解していない」。 このようなDIY精神こそが、世の中のイノベーションを加速させてきたことは言うまでもないだろう。情報科学しかり、ゲノム科学しかり。しかしこの潮流が、宇宙科学の領域にまで及んでいるとは知らなかった。 実験室で宇宙を作る。そんなことが、理論的には実現可能

歴史が未来を映し出す鏡であるなら、20世紀は私たちに何を見せてくれるだろう? 本書はとくに人類の意識・精神が、この激動の世紀にどのように変容したのかを描き出す。 かつてない破壊と解放をもたらした20世紀ーー科学・アート・文化などを横断しつつ、知られざる歴史の分岐や小径も見逃さない旅。ロックミュージックやビデオゲーム、SFや魔術思想などが、経済や政治の大きな転

時間は存在しない、といきなり言われても、いやそうは言ったってこうやって呼吸をしている間にもカチッカチッカチッと時計の針は動いているんだから──とつい否定したくなるが、これを言っているのは、一般相対性理論と量子力学を統合する、量子重力理論の専門家である、本職のちゃんとした(念押し)理論物理学者なのである。 名をカルロ・ロヴェッリ。彼が提唱者の一人である「ループ

パイオニアはすべからく苦悶するのだろう、「明日にならねば、開かぬ扉がある」と。『 緋の河 』は、ニューハーフの新時代を切り開いたカルーセル麻紀をモデルにした、直木賞作家・桜木紫乃による小説だ。 釧路に生まれた主人公・秀男は、女の子よりもずっと可愛いといわれる色白の子どもだった。だが、小学校でつけられたあだ名は「なりかけ」、女になりかけ、という意味である。 そ

発売前のゲラを読んだ読み手がこぞって絶賛し、話題になった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(長いタイトルなので、『ぼくイエ』なんて愛称で呼ばれています)。この『ぼくイエ』は6月の発売以降、毎週毎週「1週間の売上記録過去最高!」を塗り替え続けており、勢いの衰える気配がありません。 ノンフィクションが、それもエッセイに近い内容のノンフィクションが、こ

具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」。 実際問題、日々の生活でそんな思いを抱いてしまう場面は少なくないだろう。失敗例がすでにいくつもあるのに、それでもまだ無理筋を通そうとする社内のプレゼンター。子育てのあり方をめぐって、何を言っても聞く耳

だいぶ暑さが和らいできましたね。個人的にこの夏は、冷汁にずいぶん助けられました。冷汁の歴史は長く、鎌倉時代の『鎌倉管領家記録』に登場します。冷汁は僧侶によって全国に広められましたが、冷たい料理が温かい気候の宮崎県に適し、名物となりました。 作り置きも可能なので、少し多めに作るのも良いでしょう。作り方は簡単です。まず、濃いめの出汁をとって冷ましておきます。その

TBS系テレビ番組「クレイジージャーニー」に出演しているジャーナリスト、丸山ゴンザレスの著書だ。番組をご覧になった方ならばご存じかもしれないが、著者はさまざまな国の裏社会を取材してきた人物だ。 本書は著者が取材した殺し屋や売春婦、ドラッグディーラーやジャンキーなどといった裏社会に生きる人々が、何を考えて犯罪という道を選び、行動するのかを考察した1冊である。著

小中学生のころの愛読書は百科事典だった。『世界原色百科事典』(小学館)を「あ」から「わ」まで項目順に読み通した記憶がある。毎日寝床の中で昨晩の続きを読むのだが、今晩何が飛び出してくるのかが楽しみで、まさにこどもにとって知的大冒険だった。 百科事典の素晴らしさは無作為性だ。いまではネット検索で森羅万象を一瞬で調べられる。知りたい物事のキーワードを入力すればいい

夏の風物詩であるセミファイナル。虫嫌いの私にとっては恐怖でしかない現象のひとつである。セミファイナルといっても一般的に使われるsemifinal「準決勝」の意ではない。ネット上で使われている下記の意味の言葉である。 昆虫であるセミ(蝉)が人生の最期を迎える(セミの死骸など)のを指して「セミファイナル」と呼ぶブラックジョークも見られる。仰向けで転がっていたセミ

経済も政治も社会もいろいろ停滞して、明るい展望が見えない時代に、おじさん、おばさんが若者に向かって、つい繰り出してしまうのが、「バブルの時はこうだった話」です。 日本中がカネあまりの熱に浮かれ、調子に乗った企業がNYのロックフェラー・センタービルを買ったり、客を入り口で選別するディスコが六本木にできたり、夜に出社して早朝にタクシーで帰る、というワークライフバ

私が中学生だった頃、数学の先生が1と0だけで数を表現する二進法を教えてくれた。この1と0を電流が流れている状態、または切れた状態に対応させると、全ての数を電流のオンオフ組み合わせで表せるという。これを利用したのがコンピュータだと聞いて、私はいたく感動した。 その考え方を世界で初めて提示したのが、本書の主人公シャノンである。現代社会に不可欠のパソコン、携帯電話

重慶大厦=チョンキンマンションをご存じだろうか?知る人ぞ知る香港の九龍・尖沙咀地区にある個人住宅がメインの複合ビルで、香港の魔窟と呼ばれることもある。 ウィキペディア によると、そこには、南アジア・中東・アフリカなど、さまざまな国の出身者によるコミュニティーがあるらしい。そして、香港在住のタンザニア人たちも、夜な夜な何をするともなく集まってくる。 チョンキン

「なんとかしてこの体験を書かねば、吐き出さなければ、今後自分は文章を書いていくことができなくなってしまう。」 本書『ストーカーとの七〇〇日戦争』あとがきで、著者の内澤旬子氏が綴っている言葉。 本書はすでに発売直後に 東えりか と 栗下直也 がHONZで紹介している。それでも、著者の命を削るような文章に駆り立てられるものがあり、私もここで書かずにはいられなくな

賞味期限は48時間(ベストコンディションは24時間以内)という、ブッラータチーズをご存知ですか?見た目はモッツアレラチーズのようですが、中には生クリームが入っています。ナイフを入れると、とろりと溢れる姿が堪りません。ちなみに「ブッラータ(burrata)」とは、イタリア語で「バターを入れた(buttered)」と言う意味で、濃厚な味は一度食べたら忘れられませ

医師にとって自らの名が診断名に冠されるのは名誉なことに違いない。だが「アスペルガー症候群」に名を冠した医師ハンス・アスペルガーにとって、それは胸を張って誇れた名誉だろうか。 アスペルガーは、ナチス統治下のオーストリア・ウィーンで小児科医として活躍した。敬虔なカトリック教徒でナチスにも入党しなかった彼は戦後、ナチスに抵抗した人物として評価された。また戦中に障害

ライフネット生命保険のファウンダーで、現在は立命館アジア太平洋大学(APU)の学長を務めている出口治明氏の著作には、いつも感心させられる。本書を読んで改めて、こうした幅広い視野で世界の哲学と宗教を語れるビジネスパーソンというのは、日本では極めて稀だと思った。 出口氏によれば、遥か昔から人間が抱いてきた根源的な問い掛けは、次の2つに集約されるという。 ①「世界

先日、トマトが1箱(25個入り)500円で売られていたので、思わず買ってしまいました。さすがにすべて使い切る自信が無かったので、ヘタを取り、半分は冷凍してあります。冷凍させたトマトは、流水にさらしながらなでると、簡単に皮むきができるのでおすすめです。 たくさんのトマトを使った、プッタネスカのレシピをご紹介しましょう。プッタネスカとは、ナポリ名物の「娼婦風パス

夏の定番番組といえば怪談。今でこそ少なくなったが、昔は終戦記念日前後には、ドキュメンタリーだけでなく怪談話も戦争に関わる番組は欠かせなかった。特に空襲で死んだ人が、当時の姿で現れるという物語は定型のように語られた。今でも心霊スポットなどをめぐる番組で、兵士や防空頭巾姿の霊を見た、という話は残っている。 本書は64年前に起こった海難事故を、原因や責任、後に起こ

経営者や政治家といった方のインタビューを読むと、しばしば“尊敬する人”“目標にする人”として稲盛和夫という名を挙げるのを目にします。様々な著作のある著者ですが、『生き方』はビジネスパーソンだけでなく、様々な人に手に取られ、大ベストセラーとなりました。今回発売された『心。』は『生き方』の続編。発売直後から話題になり、多くの人の手に取られています。今回はこの『心

杉山隆男が自衛隊と職業人としての自衛官の取材を始めたのは1992年11月、40歳になる直前であった。それは、自衛隊初の海外活動であるペルシャ湾掃海の翌年、あいまいきわまりない「正当防衛」基準に悩みながら陸自施設部隊がカンボジアPKOに赴いたその年であった。自衛隊取材の当初、「さわり」だけと本人は謙遜するものの、過酷きわまりないレンジャー訓練にも参加したのだか

そこに描かれている恐竜の姿に圧倒されつつ、胸をワクワクさせてページを繰った子どもの頃。そのワクワク感を思い起こさせてくれるような快著である。 2010年代に描かれる恐竜は、かつてわたしたちが見聞きした恐竜とはまるで異なっている。というのも、恐竜にまつわる研究がこの20年ほどで著しく進展し、恐竜のイメージが大きく書き換えられたからだ。驚くなかれ、たとえば新種の

先日、ある人のフェイスブック投稿をきっかけに森美術館で開催されている〈塩田千春展:魂がふるえる〉を鑑賞した。 作家の作品は、2019年3月の香港アートバーゼルでいちど観ていた。そこからSNSを通じて東京展があることを知り、その日に足を運んだ。森美術館でのレイアウトは代表的な糸のインスタレーション作品に加え、作家自身が作品の一部となるパフォーマンスや、手がけた

暑いですね。こうも暑いと食欲を無くしがちですが、それでも東南アジアの料理は食べられるので不思議です。たっぷりのハーブやスパイス、ピリ辛かつ甘酸っぱい味付けのおかげで箸が止まらなくなります。東南アジア料理といえばパクチーですが、原産地は地中海沿岸です。シャンツァイ、コリアンダーなどとも呼ばれることから、様々な地域で馴染みがあることが分かります。種子は甘くオレン

本書は、NHKの『欲望の資本主義』シリーズを書籍化した第3弾である。 本シリーズはこれまで、資本主義とは何なのかという大きな問題に取り組んできた。今回は、国家の枠組みを超えて巨大化する「GAFA」と呼ばれるプラットフォーマーによる人類支配の懸念や、ブロックチェーン、仮想通貨への期待と不安が高まる中、今一度、資本主義の原点に立ち返り、われわれがこの巨大システム

『仲野教授のそろそろ大阪の話をしよう』は、仲野徹が身の回り5m以内の近さの人と大阪について語り尽くした一冊です。そんな訳でレビューについても、仲野徹の5m以内の人を探してみました。すると、さすがは大阪大学。オートファジーの世界的な研究者でありながら変人でもあられる、吉森 保教授の投稿が見つかりましたので、早速公開させていただきます。本人曰く「仲野先生には内緒

パソコンから顔をあげて、遠くをみつめてみる。そこにある景色は、2年後にはもうない。新しい社屋に移転するからだ。その頃は、働き方や価値観も変わっているのだろうか。でも…。その時、私の脳裏をシモーヌ・ヴェイユの言葉がよぎった。 「未来は、現在と同じ材料でできている」。だとしたら私は、「移転」というイベントを頼りにするのではなく、今この瞬間の小さな変化こそ大切にす

本書は、宇宙の始まりについての本である。宇宙の始まりといっても、意味は二つある。 一つは、無論我々が住むこの宇宙の始まりについて。基本的な同意が得られている部分としては、この宇宙はビッグバンによって始まったとされる。高温で高密度の閃光とともに極小の宇宙がまず産まれ、そこに時間と空間が生まれ、次いで物質が生じた。 生まれるのはいいが、なぜ宇宙は突然、指数関数的

タベアルキストとして食の世界で絶大な人気を誇り、日本ガストロノミー協会の副会長でもあるマッキー牧元さんが企画・構成した、精肉業界のカリスマ・新保吉伸(にいほよしのぶ)さんの新刊書『どんな肉でも旨くする サカエヤ新保吉伸の全仕事』を早速読んでみました。 新保さんは、1980年に19歳で精肉業界に入り、27歳で独立して滋賀県に「近江牛専門店さかえや」を開店し、そ

京セラ、KDDIという二つの世界的大企業を設立し、経営破綻したJAL(日本航空)を奇跡の再生に導いた稲盛和夫氏。不朽の名著である『生き方』は2004年8月に発売されてから15年間売れ続け、現在では130万部を突破している大ベストセラーである。私が書店で働いていた間は常に平積みで展開されていた。おそらく私が辞めた後も同様の展開は続いていたはずなので、15年間常

HONZ代表の成毛眞は間違いなくある種の天才である。マイクロソフトジャパン社長時代の数々の伝説は言うにおよばず、このノンフィクションレビューサイトHONZにしたってそうだ。思いつきがやたらとおもしろい。 そのひとつに『表参道パルプンテの会』というのがあった。2017年の9月から1年間の期間限定で開催された秘密のパーティー(?)である。その目的は、「研究者、一

酒の上での失敗。私も含め身に覚えのある人が多いだろう。思い出すたび情けないが、そんな気持ちも栗下直也の『人生で大切なことは泥酔に学んだ』を読めば、自分はまだましなほうだと、間違いなくやわらいでくる。 各界有名人総勢27名のとんでもない泥酔エピソードが紹介されている。どれもすごいが、酒乱スケールの大きさでは、第二代内閣総理大臣・ 黒田清隆 の右に出る者はおるま

つらい話は聞きたくない。陰惨なニュースなどもっと見たくない。気持ちが沈んでしまうから。しかしながらその一方で、我々はついついネガティヴな情報に耳をそばだてたり、詳報を集めたりしてしまう。つまるところ悲観とは、自分と関係がない事象であれば、中毒性のある一種の娯楽なのかもしれない。 そんな中でも、ひときわ暗い好奇心を呼び覚ましてくれるのが、凶悪犯罪だ。事件のあら

本書の3年前に出版された同じ作家の『翻訳できない世界のことば』は本当にステキな大人の絵本でした。世界中の言語から、その言語にしかない言葉を選び、その意味とイメージに合わせた絵が添えられているのです。たとえば 「PORONKUSEMA」 フィンランド語で「トナカイが休憩なしで、疲れずに移動できる距離」 「IKTSUARPOK」 イヌイット語で「だれか来ているの

著者はボクがこれまでにお目にかかった経営者のなかで3本指に入る無茶な人だ。ある意味でビル・ゲイツや孫さんを超える。戦国時代から続く伊勢の超老舗当主が約束されていた人だ。創業は天正3年。この年、伊勢から直線距離で50km北東では織田信長と徳川家康が武田勝頼と戦っていた。長篠の戦いである。 東北大学では血尿がでるまで空手に打込み、社会人になってからは盛大な失敗つ

単行本「なかのとおるの生命科学者の伝記を読む」を出版してから早くも八年。思いがけず文庫化のお話をいただきました。あちこちに講演や講義でお呼びいただいた時に、けっこう「先生の伝記の本、面白かったです」と声をかけてもらえたり、サインをお願いしますと頼まれることがあって、ほんとうにありがたいことだと思っています。 何を書いたか忘れてしまっていることが多いことには、

所帯染みたことばかり書いていて恐縮ですが、近所のスーパーでとうもろこしが2本40円で売られていた時は、つい買ってしまいました。とうもろこしは紀元前5000年頃までには大規模に栽培されており、じつは野生のとうもろこしは見つかっておりません。なので、原産地はメキシコ、グアテマラなどの中南米付近「らしい」と言われています。 夏になったら絶対に作るべきは、とうもろこ

1956年生まれの著者が思い入れのある雑誌や書籍の誕生秘話を探る旅だ。『冒険王』『少年画報』『平凡パンチ』から『古文研究法』『ノストラダムスの大予言』まで。緻密なマーケティングよりも、個人の熱意や勢いが世の中を動かしていた時代の出版物が並ぶ。 1942年に発売され、累計1700万部を超える「豆単」こと『英語基本単語熟語集』。編者で旺文社の創業者である赤尾好夫

本書が2019年ベスト新書になると思う。第二次世界大戦は複数の戦争の集合体だった。日米の太平洋戦争はいうまでもなく、おおまかに分けるとドイツのヨーロッパ侵攻戦争、イタリアからはじまる北アフリカ戦争、そして本書のドイツ・ソ連戦争だ。 本書によればこの戦争でのソ連の死亡者(軍人+市民)は2700万人。ドイツは独ソ戦以外の戦争も含めて最大800万人。日本は最大31