
アブラゼミはナッツ味?『昆虫食入門』
「昆虫を食べる」と聞くと眉をひそめる人も少なくないだろう。だが、世界では90カ国で1400種以上の昆虫が日常的に食べられている。タイなど現在進行形で昆虫をわんさか食べている国もあるし、日本でもついこないだまでは羽音が聞こえるくらいバリバリと昆虫を食べていたのだ。1986年に生態人類学者の野中健一氏が食用昆虫の都道府県別の在否を調査したところ、イナゴやハチの子
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「昆虫を食べる」と聞くと眉をひそめる人も少なくないだろう。だが、世界では90カ国で1400種以上の昆虫が日常的に食べられている。タイなど現在進行形で昆虫をわんさか食べている国もあるし、日本でもついこないだまでは羽音が聞こえるくらいバリバリと昆虫を食べていたのだ。1986年に生態人類学者の野中健一氏が食用昆虫の都道府県別の在否を調査したところ、イナゴやハチの子

本書の執筆を手伝ったスティーブン・ファーは、教え子だったフアンのことをよく思い出す。1993年にティーチ・フォー・アメリカのメンバーとしてメキシコ国境近くに赴任したスティーブンは、「コロニア」に住む移民のフアンの担任になった。賢くて才能がある生徒だったが、進学するにはかなり遅れをとっていた。なにしろ、最も初歩的な読解能力テストに合格するだけで皆が一苦労、とい

今月号の「芸術新潮」は大友克洋特集だ。ボクはほとんどマンガを読まないのだが、大友作品だけは美術書として、本として買っている。大友と同様、非常に緻密に人物や建築物などを描き込む画風で人気の高い山口晃が画家と呼ばれるのに対して、その山口に大きな影響を与えた大友は漫画家と呼ばれる。まあ、ご本人はどっちでも良いと思っているのだろうが、この違いを不思議に思っていた。「

野球についての客観的・統計的な研究。ビル・ジェイムズという一人の野球ファンによって提唱され、アメリカ野球学会の略称であるSABRと測定を意味するmetricsからその名がつけられている。当初は好事家の間の趣味として広まったが現在ではMLBの多くの球団が専門家を雇い入れ、チームの運営に活用している。 ところ変わって日本プロ野球。本書はセイバーメトリクスを日本プ

タイトルの如く武術に特化した本だ。武器甲冑系の図説本はストライクすぎて購入するとキリがないのだが、本書は必読に値する。ロングソードやダガー、スピアなど武器毎の戦闘方法を豊富なイラストつき(師匠と弟子が戦闘する設定)で解説されている。それも甲冑同士の格闘戦、転倒した場合の床技からトーナメントでの効果的なランス突撃法まで紹介しており、日本語で西洋武術をここまで網

ビジネスの世界では、時として組織や専門性の壁が邪魔になる時がある。世の中全体が垂直統合から水平分散へと大きく構造を変えていく中で、既存の受け皿では解決できない課題というものが増えてきているのだ。 医療の世界も、また然りのようである。本書に登場する12人。大学病院の運営に経営的な視点を持ち込み黒字化を果たした男、Aiという死亡時の画像診断で死因究明の仕組みを変

知る人ぞ知る「文人」シリーズ第三作である。『文人悪食』、『文人暴食』で、多くの文人を「食」の観点から描き出すという斬新なアイデアですさまじいまでの能力を見せたあの嵐山光三郎氏、こんどはどうくるかと思ったら、なんと『文人悪妻』である。そして嵐山氏、期待通りに、まえがきの冒頭から早くも全開で暴走してくれる。 “人妻という言葉ほど男心をコトコトと煮込み、ムラムラと

著者は1980年生まれのアメリカ人。リベラル系市民団体 MoveOn.org の理事会長だ。オバマの選挙に 積極的に関与 するなど、政治的な立場ははっきりしている。本書も第3者の視点で書かれたノンフィクションというよりも、市民の立場から巨大ネット企業に物申すという内容になっている。しかし、そのことを割り引いても本書が指摘するネットの現状は驚くべきものだ。 2

甘鯛洋酒蒸 車海老湯煮 マッシュポテト牛酪焼 ソースシャンパン 羊腿肉蒸焼 クレソン 温野菜添 人参・パールオニョン 芽甘藍・占地茸・エリンギ ソースジュードムトン サラダ トマト レタス デトロイト 花椰菜 フレンチドレッシング 凍菓 富士山型アイスクリーム フィンガービスケット 果物 メロン 苺 シャブリ グラン・クリュ ヴォデジール97年 シャトー・ラ

バレリー・グライフェルは国営テレビから流れてくるニュースに目を奪われた。ミハイル・ゴルバチョフが超大国ソ連の消滅を宣言したのだ。45万人の部下を率い、西シベリア油田の生産量をサウジアラビア全体に匹敵するまでに拡大させたグライフェルが呆然としていた時間はどれ程の長さだったろう。途方も無い数の部下とこれまでの苦労、どれ程の思いがグライフェルの脳裏をよぎったかは分

先日、家でテレビを付けていたら、東大童貞男とAV女優が一日限定でルームシェアをするという番組がOAされており、思わず見入ってしまった。偏差値の世界では天下無敵の東大生が、AV女優に手玉に取られていくプロセスは、なかなか見応えがあり、放送後もずいぶんと話題になっていた。 番組名が「ミズトアブラハイム」という名前であることを後から知ったのだが、水と油のように対極

ともかく「ぞわぞわ」しているのである。足が無数に生えていて、ぞわぞわしているのである。ほぼ全ページにそのぞわぞわした生き物のイラストが掲載されているのである。そのすべてがすでに絶滅しているとはいえ、本当に気持ち悪い。 人間は人種や民族を超えて、2つの種族に分類できると言っていたひとがいた。すなわち「ヘビ嫌い」か「ムカデ嫌い」かである。自分たちが4本の手足を持

「居酒屋で、じゃこと大根サラダのじゃこだけを閉店まで食べたい。ただ、大根はいらないが、チキンハートの俺にはじゃこだけ大盛りでくださいとは言えない」(32歳男性) 「クルトン入れ放題の店で『入れ放題』って書いてあるからといっても控えめな自分がいたりする。クルトン入りのスープでなく、スープがついた大量のクルトンをビールで喰らいたいのに」(32歳男性) 子供じみた

本書は、2050年における地球の状態を予測する本だ。現在のデータから将来の状態をシミュレーションする、ということで、ドライブにたとえて言うなら、「前方を見る」とか「地図を調べる」ことに相当するだろう。そして、本書に書かれているのは「ここから先の道は大いに曲がっています」という内容だった。今までまっすぐだったから、これからもまっすぐだ、という話ではない。「具体

そういえば、ツイッターのつぶやきに「ホンズル係数が高くなって困る」というのを読んでウケた。エンゲル係数ならぬ、ホンズル係数。被害者多数。声高に叫んでも、すぐに加害者に鞍替えする御仁もいるし。ワタシなんか、とっくの昔に本代のほうが高い。今年の流行語大賞に選ばれないかしら? そして朝会は続く。 1周目が終わったところで、学生諸君の持ってきた本を紹介してもらった。


あれからもう1年たってしまった。日本各所で犠牲者に対する鎮魂とともに、政府や東電の責任、原発の再稼働問題、復興の実態などについての議論が延々とつづいている。しかし、その多くの議論は賛否それぞれの立場に分かれ、議論することを目的としてしまっているような印象だ。いまこそそれぞれの現場で何が起こっていたのかをあらためて掘り起し、そこから議論を始めるべきなのである。

30年ほど前だろうか、「母源病」という言葉が大流行した事があった。母親の愛情過多、あるいは不足によって子供が影響を受け、あとの人生に大きな影響を与えるという、精神科医の一つの推論であったと記憶している。当時はまだ、幼児虐待やアダルトチルドレンなど概念はなく、母親だけが原因になるのはおかしいのではないかということで、かなり反論も強かったらしい。 最近ではその母

まずは成毛代表のお許しをちょうだいいたしまして、ここにご挨拶申し上げたく存じます。HONZファンの皆々様から「新刊ちょい読み」という名でかわいがっていただいてまいりましたが、「ちょい読み」と申しますと、一字違いの「ちょい飲み」みたいな腰掛け感があるのではないか、というようなことが議論されるにいたりました。つとにお知りおきのこととは存じますが、HONZのメンバ

「遅い、高い、でも上手い」と言われるクリーニング屋が東京・麻布十番の二の橋付近にある。入り口はホテルのようであり、普通のクリーニング屋らしからぬ店構えだ。お店の名前は『レジュイール』、本書の著者である古田武 氏が創業したお店であり、別名「服のお医者さん」である。 『レジュイール』でのクリーニングの手の凝り様は半端ない。まずこのお店で預かった服は、点数・素材・

爆弾低気圧が日本中を大騒動にした翌日は、HONZ4月の定例朝会。 いつにも増して眠そうな 山本尚毅 とエレベーターが一緒になった。「昨日、大阪から帰れなかったんっすよ」それじゃなくてもミャンマー行ったり巌流島行ったりして忙しそうなのに、大変だよなあ、と思ったら、きっちり レビュー をそれも 2本 も上げていた。いやはや、頭が下がる。 今日はオブザーバーは成毛

検索エンジンを普及させ、Webの世界を便利に快適にし、よりつながる生活を提供してきたグーグル、その会長のエリック・シュミットはかく語りき。 続いてこちらにも目を通してほしい、サイバーエージェント社長の 藤田氏のブログ より携帯中毒だった堀江氏(ホリエモン)入所前の一言。 情報化社会の曲がり角、通信スピードの向上とエリアの拡大を要求し続けてきたユーザーは便利さ

現代の子ども達、いや幼児はiPadやiPhoneを言語を活用する前から器用に利用している。Appleがつくり込んだ直感的に理解できるユーザーインターフェースの賜物だ。そんなデジタルネイティブ幼児たちが小学生になり、思春期を迎え、高校生となったときに、コンピュータの向こう側の世界で子どもが何を行い、誰とコミュニケーションを取っているのか、それは親の想像を遥かに

これまでにも ダムマニア だとか 団地団 だとか、いろいろ見てきたのだが、「 ガード下学会 」なるものまで存在するとは、知らなかった。 本書の著者が、その「ガード下学会」の一員。普段からさまざまなガード下を訪ね歩き、「あの現し(あらわし)、いいね〜」などと熱く語り合っているそうだ。ちなみに「現し」とは、本来化粧仕上げするところを、あえて化粧仕上げせずに、下地

1939年に始まったソ連との冬戦争で活躍したフィンランド軍の狙撃手シモ・ヘイヘは、一部ネット上では有名だ。しかし、これまで日本では、ヘイへその人をテーマとした本は、これまで一冊も出ていなかった。本書は、1998年に60年間にわたって沈黙を続けてきたヘイへのインタビューを成功させた著者によるノンフィクションであり、一部マニアにとっては待望の書と言える。 ここで

“1万年”をひとつの区切りとしたノンフィクションは数多い。『 1万年の進化爆発 』や『 パンドラの種 』、『 加速する肥満 』などはこの1万年間における人類の変化をエキサイティングに教えてくれる。この“1万年”には、数字としての区切りが良いと言う以上の意味がある。およそ1万年前に農耕が始まり、その農耕は人類を根本から変えてしまうほどのものだったのだ。 本書は

早いもので、もう4月。新しい年度を迎えて、新社会人、新入生など、新しい生活へと身を転じることになる方も多いのではないだろうか。 新しい環境に入ると、えてして慣れるまでに時間を要するものであるが、この要因の一つに文脈の把握に時間が掛かるということが挙げられる。話している言葉そのものは理解できても、本当の意味で理解できるようになるには、その組織体の文化を含めた背
ハマザキカクの著者の実に9割以上の方々が、私が編集者として処女作を世に送り出しています。類書、先行書がない前代未聞の究極本を作ることに編集者として、最大のやりがいを感じている私は、まだ無名の方がライフワークとして人知れず、陰でひっそりと勤しんでいる珍研究・珍コレクションを探し当てては、それを本にしています。 本を書く事となるとは思ってもみなかった人にお願いす

著者からの献本である。小林祥一郎氏。1928年生まれ。海軍兵学校をへて名古屋大学卒業。1952年新日本文学会事務局に入る。1954年花田清輝編集長解任に抗議して辞職。同年平凡社入社。『世界大百科事典』編集部に配属。1959年『日本残酷物語』編集部。1964年雑誌『太陽』編集長。1966年『新文学』編集長。1980年平凡社取締役編集局長。1985年平凡社を退社

サッカー日本代表で「海外組」という言葉がある。普段はJリーグではなく「海外」のチームでプレーしている選手たちだ。この場合の海外とはドイツやイタリアなどサッカー先進国を指す。つまり、国内よりも確実にレベルが高いリーグで戦う彼らに対する敬意がこめられているのだろう。この本もある意味「海外組」に焦点を当てた本だ。ただ、本書の「海外」はベトナムやマレーシア、アルバニ

1997年1月、成田空港。ここに1人の28歳の男がいる。彼の名前は濃野 平(のうの たいら)。出発前の混み合うロビーで、大勢の行き交う旅行者を眺めている。彼も日本を発つ目的があったが、他人に話せる自信がなかった。誰一人として、まじめに受けとってくれるとは思えなかった。家族や友人たちにさえ、数ヵ月ほどヨーロッパ旅行に行って来ると告げていた。要は、笑われるのが怖

書名にある利己的遺伝子とは、リチャード・ドーキンスの『 利己的な遺伝子 』のことである。500ページを超えるこの大著を通読した人がどのくらいいるかは分からないが、このタイトルは一度は耳にしたことがあるだろう。30年以上も前に出版された本だが、この本が与えた影響の大きさは計り知れない。 高村のレビューした『文明はなぜ崩壊するのか』 もドーキンスの提唱したミーム

著者からの献本である。著者とはマネックス証券の松本大氏と3人で『トーキョー金融道』という本を出版したこともある。『トーキョー金融道』は東洋経済新報社の月刊「金融ビジネス」に連載されていたものを2003年に一冊にまとめたものだった。本書も2003年に刊行されており、こちらは版を重ねついに改定新版の登場となった。友人からの献本を手放しで褒めるわけにはいかないが、

変化の激しい今の世の中。なればこそ、転ばぬ先の定点観測。将来を先読みするには特定の指標を定期的にチェックし、その変化やトレンドを追ってみるべし。すると社会や経済の今後が浮き彫りになってくる。 数字はウソをつかない。しかし、どの数字を選んで、どう読み解いていったらよいのか、そこにはちょっとしたコツが必要だ。本書は、初心者でも楽しみながら、マーケットのプロは知識

最近HONZでは、紹介する本が3,000円を超えていると「ブルジョア本!」の掛け声がかかり、俄然、みんなのチェックが厳しくなる。要は「3,000円超える本なんだから、さぞかし良い本なんでしょうねぇ。」というわけだ。 そんな中、本書はブルジョア基準比200%を達成する6,000円(税抜き)のお値段だ。ダブル・ブルジョア本、略してダ・ブルジョア。厚さ:32ミリ、

図版のある本が大好きなので、本屋ではいつもチェックしているのだが、HONZに参加する事でさらに輪をかけて調べるようになった。今回はその中でも上位に属する「鳥系の本」だ。 私は都内の大学に入学する迄は田舎で育ったので、周りは田んぼと山ばかりだった。子供の頃、そんな景色の中で大きな鳥を見れば「あれは鷹だ!」とか言い張っていたが、実際はトンビだった。同じように高い

早くも2012年のNo.1候補が登場した。サイエンス系のノンフィクションなのだが、読んでいる途中なんども目を拭ってしまった。サイエンスで泣けるとは夢にも思わなかった。登場人物は12人の高校生。彼らの純粋さと熱中して研究に打ち込む姿に胸を打たれる。子供扱いすることなく支えつづける周囲の大人たちに共感する。人間の持つ前に進むという力と、善意に感動してしまうのだ。

「おはようございます。今日はこれから久里洋二さんの『ボクのつぶやき自伝: @yojikuri 』について連ツイします。あっ、連ツイと聞いて、すっとばそうとしないでください。だって、リアルツイッターじゃないんですから。正しくは、バーチャル連ツイ+連リツイになりますけど、よろしく。」 「『ボクのつぶやき自伝: @yojikuri 』は、世界初の本でしょう。だって

アニメに出てくる架空の建造物を、プロの建設会社が真剣に作ろうとしたら一体どうなるのか?そんな、とてつもなく壮大なスケールの企画が実現した。 担当したのは、大手ゼネコン・前田建設のファンタジー営業部。過去にも『マジンガーZ』の地下格納庫や『銀河鉄道999」の高架橋など、各種の建造物を積算をしたことでもおなじみのプロジェクト。本書は、Webで連載していたその模様

実に全591ページ、しかも二段組である。重さは865ℊ。手で持って読もうとするとやがて本(とその内容)の重さに手が震えてくる。それでも本書は短縮版なのだ。日本版は14章だが、原書は24章まであるという。 この膨大なボリュームで書かれた本のテーマは、中国の「大躍進」である。昨年大いに話題になり、成毛眞もレビューを書いている、フランク・ディケーター著 『毛沢東の