ノンフィクションはこれを読め!

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531記事

『中国と 茶碗と 日本と』 文系的センス・オブ・ワンダー 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『中国と 茶碗と 日本と』 文系的センス・オブ・ワンダー

四川省に生まれ、四川大学で日本文学を勉強した著者は、さらなる日本文化の研究のために来日し、日本の大学で修士号、博士号を取得した。異国の地で、異国の言葉で、異国の文化についての本を上梓するほどにまで、この中国人女性研究者を駆り立てたのは、日本の生活を通して感じ続けた感嘆と疑問である。 来日して初めての正月、彼女を驚かせたのは友人に振舞われた 屠蘇酒 (とそしゅ

『ワケありな本』 新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『ワケありな本』 新刊超速レビュー

本一冊で人が死ぬこともある。嘘だと思うかもしれないが、本当の話だ。 『 悪魔の詩 』の翻訳者が筑波大学の構内で殺された事件は鮮烈に記憶に残っているし、ジョン・レノンを殺害した犯人が事件直後に『 ライ麦畑でつかまえて 』を読んでいた話もあまりにも有名である。しかし「事件・災いを引き起こした本」は、この他にもまだまだ沢山あるのだ。 例えば『ピーター・パンとウェン

遺伝子、命令やめるってよ - 『天才を考察する』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

遺伝子、命令やめるってよ - 『天才を考察する』

日本語には相反する意味を持つことわざが、非常に多い。 「好きこそ物の上手なれ」と「下手の横好き」 「君子危うきに近寄らず」と「虎穴に入らずんば虎子を得ず」 「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」などなど… 「蛙の子は蛙」と「鳶が鷹を生む」の関係も、その典型的な例と言えるだろう。前者は子の性質や能力は親に似るものだということであり、後者は突然変異のように

『女子とニューヨーク』新刊超速レビュー 書影

民俗・風俗 / 新刊超速レビュー

『女子とニューヨーク』新刊超速レビュー

B&Bで開催した 公開朝会の2週目 で副代表の東えりかが紹介していた『女子とニューヨーク』を紹介する。なぜ東ではなく新人のお前がレビューしているのだ!と東のレビューを心待ちにしていた人から非難の嵐が予想されるので、先に謝罪をしておこうと思う。もうしわけない。東えりかのレビューはきっとどこかで見られると思うのでそちらをぜひご覧頂きたい。 ただ 「 HONZには

『空洞化のウソ』というホント 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『空洞化のウソ』というホント

企業取材を仕事とするため、経営者に会うことは多い。国内の雇用に対する考え方を聞くことも少なくない。自分でも陳腐な質問だなと思うが、企業の生産拠点の海外移転に伴って国内の雇用縮小などを指す「空洞化」という言葉を一ヶ月に一回は使っているかもしれない。 「空洞化」について個人的に強い関心を持っているわけではない。本音を言えば、相手の答え方次第では記事の見出しが立ち

『本当は怖い昭和30年代』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『本当は怖い昭和30年代』新刊超速レビュー

映画「ALWAYS三丁目の夕日」が公開されて以降、昔を懐かしむ声をよく聞くようになった。社会学者の宮台真司などは「当時ってあんなに町並み綺麗じゃないだろ。ドブくさくてたまらないだろ」と突っ込みをひたすら入れ続けているが、ノスタルジーに浸りたい人びとは意外と多いのだろう。05年に一作目が公開されて以降、人気は根強く今年初頭には第三作目が封切られた。高齢者の方が

マチを考える2冊。『都市と消費とディズニーの夢』、そして『町の忘れもの』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

マチを考える2冊。『都市と消費とディズニーの夢』、そして『町の忘れもの』

街と町は、違う。 私とあたしも、違う。 そして空地と空き地も、きっとどこか違う。 最初の1冊が取り扱うのは、「(公ではない)私が変えていく街」だ。 そこでは、空地は地価と収益性でシビアに評価され、市場の論理に翻弄される。 2冊目は「あたしがぶらつき、シャッターを切った町」の物語だ。 そこには、そもそも空き地がほとんど残っていないけれど、残された数少ない空き地

『最新型ウイルスでがんを滅ぼす』 -スーパーペス君のGood Job 書影

サイエンス / 医学・心理学

『最新型ウイルスでがんを滅ぼす』 -スーパーペス君のGood Job

「単純ヘルペスⅠ型」 ウイルス。 日本人の8割が既に持っているウイルスと言われており、風邪の時や、夏のレジャーで紫外線を浴びた時など、抵抗力が落ちた時に、唇の隅に小さな発疹ができるのが主な症状である。と、他人事のように書いてみたが、かく言う私も「持っている」一人だ。いやー、かゆいんです、これが。そうなった後には、病院で飲み薬や塗り薬が処方されて、友人から「ペ

『俳句いきなり入門』で、個性について考えてみる 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『俳句いきなり入門』で、個性について考えてみる

俳句と言えば何を思い浮かべるだろうか。年寄り趣味の代表格、自分のメッセージや感動の自己表現、五七五や季語を入れるなどルールが多そう……。そういった先入観をいったんチャラにして、俳句を「自分の外に出るためのゲーム」として捉えなおそう、というのが著者の提言だ。 その第一歩は「俳句は自己表現の手段」という考え方を否定すること。そもそも人間の「言いたいこと」なんて高

時空を超えた旅への招待状 『岩倉使節団 誇り高き男たちの物語』 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

時空を超えた旅への招待状 『岩倉使節団 誇り高き男たちの物語』

西洋列強の帝国主義が猛威を振るうなか、なぜ日本だけが近代化に成功したのか? という問いはいまだに歴史の大きなテーマの一つである。同じ時期に清朝で洋務運動、オスマン帝国でもタンジマートといった西欧文明を導入しようとする改革運動が行われたが、いずれも失敗に終わっていることを考えると確かに興味深い。列強諸国から遠く離れた日本の位置、天皇の存在など、今まで多くの理由

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今月読む本

9月の今月読む本 その2

なんて思いつつ、1周目の紹介が終わった。人数が多いから2周目は1冊ずつに抑えることにして、反対周りに開始。 民主主義のあとに生き残るものは 注目のインド人作家による政治エッセイ集 女子とニューヨーク 「セックス アンド ザ シティ」に至るまでのニューヨーク女性文化の歴史を、まるで編みこむように紹介している傑作。女子力の極端に低い私には驚きの連続だった。 8・

『SAVILE ROW』 紳士服の聖地と不思議の国イギリス 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『SAVILE ROW』 紳士服の聖地と不思議の国イギリス

ロンドンのメイフェア地区に位置する僅か500mに満たない通りには紳士服のテーラーが30前後も軒を連ねている。紳士服の聖地として200年以上の歴史を持ち、テーラード・スーツの日本での呼称である「背広(せびろ)」の語源とも言われている。その通りの名をサヴィル・ロウという。人々は敬意と憧憬を込めてこの通りを「ゴールデンマイル」(黄金の道)と呼ぶ。 この本はサヴィル

ノリと勢いで旅立つ前に『旅を生きる人びと―バックパッカーの人類学』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

ノリと勢いで旅立つ前に『旅を生きる人びと―バックパッカーの人類学』

自分の体験を手がかりに、雑食的に本を貪り読むと、自分の体験と本の登場人物が積んだ経験の境界線がわからなくなる。この本は読み終わった瞬間にその錯覚に囚われ、この本を読んだ前の世界に戻れなくなってしまった。 バックパッカー、古くは沢木耕太郎や藤原新也が有名だ。旅先でも彼らの本が伝説のバイブルとなり、バックパッカーの間で古本が交換され流通している。90年代は電波少

『こんな僕でも社長になれた』新刊超速レビュー 書影

人物 / ビジネス

『こんな僕でも社長になれた』新刊超速レビュー

家入一真をご存知だろうか?レンタルサーバーのロリポップ!などを手がけるpaperboy&co.(以下ペパボ)の創業者であり、JASDAQの史上最年少上場社長である。 その彼が高校中退、ひきこもりといった過去を赤裸々に告白し、『こんな僕でも社長になれた』と宣言する本著作は、暗い過去を持つたくさんの人に勇気と希望を与えるに違いない。 彼を救ったのは山田かまちの絵

ウルフマンはなぜそこまでするのか? 『狼の群れと暮らした男』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

ウルフマンはなぜそこまでするのか? 『狼の群れと暮らした男』

ディスカバリー・チャンネル、ナショナルジオグラフィック・チャンネルなど、海外のドキュメンタリー好きなら、オオカミの群れと一緒に暮らすこの男のこと知っているかも知れない。日本のテレビでも何度も取り上げられているので、彼の顔に見覚えのある人も多いだろう。 オオカミの群れとともに暮らし、服を何ヵ月も着替えず、羊の死体から直接生肉をむさぼり食い、唸り、遠吠えをする。

『明治の企業家』 新刊超速レビュー 書影

日本史 / 新刊超速レビュー

『明治の企業家』 新刊超速レビュー

ご存じ三菱グループを創った岩崎弥太郎にはじまり、知る人ぞ知る優れた建築家であり、メンソレータムの近江兄弟社を興したヴォーリズまで、明治時代に活躍した48人の企業家についての図説集である。いいかえると、ふんだんな写真がちりばめられた48人の簡略な伝記集でもある。そう、伝記読みには何ともそそられる本なのである。 こういうオムニバス形式の本というのは、拾い読みには

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今月読む本

9月の今月読む本 その1

今日は2回目の公開朝会。先月やったばかりなのに、とも思っていたが、オーストラリアから単身赴任していた 久保洋介 が帰国し、会議で 仲野徹 が上京し、その上3人の新人も加わる、ということで「じゃ、やりましょ」ということにあいなった。前回は20人ほどだったギャラリーだが、なんと今回は30人オーバーでびっくり。もともとのメンバーが驚いているんだから新人さんの緊張は

『「調べる」論―しつこさで壁を破った20人』新刊超速レビュー 書影

人物 / ビジネス

『「調べる」論―しつこさで壁を破った20人』新刊超速レビュー

インタビュアーの肩書きを持つ著者による、『文藝春秋』や『週刊文春』でのインタビュー連載をまとめたのが本書である。20人へのインタビューは5つの章から成っており、終章では著者本人が考える、「インタビュー」論が展開されている。 本書の目次にある20人のインタビューイーの名前を見ると、ノンフィクション好きは本書を購入しないわけにはいかなくなる。なにしろ、1人目から

『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』 地獄を見た司令官 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』 地獄を見た司令官

地獄というものがこの世に存在するのなら、著者が1994年にルワンダで見た光景こそ、そう呼ぶに相応しい。徹底的に破壊された都市、拷問の限りの果てに殺された人の山、その死体を食べて犬の大きさにまで成長したネズミ。そこには、正気を保っているほうが異常であると思われるような、圧倒的な現実が広がっていた。 本書の著者であるカナダ出身の軍人ロメオ・ダレールは、1993年

『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』を双六のように読む 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』を双六のように読む

あらためて言うようなことでもないのだが、拙宅の本棚が大変なことになっている。毎月ハイペースで本を購入し続けているわけだから当然と言えば当然なのだが、スペースの確保以上に頭を悩ましているのが本の並べ方である。 いつもジャンル毎に分けるべく整理を始めるのだが、いかんせん買う本のカテゴリーに偏りがあるため、やがてそのルールも破綻。いつの間にか買った順番に置いてい

『朽ちる鉄の美』 書影

アート・スポーツ / 新刊超速レビュー

『朽ちる鉄の美』

鉄は朽ちる。特に日本のように湿度の高い土地では少し油断するとたちまち錆が生じ朽ち果てる。本書は朽ち果て行く鉄の道具を集めた写真集である。 鉄の美を語る上でよく引き合いに出されるのは日本刀である。本書には日本刀は登場しないが、日本刀にも錆を鑑賞する部分がある。それは茎である。日本刀の刀身は木製の柄にはめ込まれており、目釘という竹の釘で固定されている。目釘を抜き

『サブカル・スーパースター鬱伝』サブカル男は40歳で鬱になる 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『サブカル・スーパースター鬱伝』サブカル男は40歳で鬱になる

サブカルライターであり書評家であり、「プロインタビュアー」を名乗る吉田豪がサブカル業界人10人に迫ったインタビュー集だ。雑誌「クイック・ジャパン」の連載をまとめたもので、インタビュー対象はリリー・フランキー、大槻ケンヂ、松尾スズキ、みうらじゅん、菊池成孔など一定の知名度があると思われる人から杉作J太郎など一部のマニアには熱狂的に受けそうな人まで。狭いのか広い

『「銀行マン」のいない銀行が4年連続顧客満足度1位になる理由』 - 新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『「銀行マン」のいない銀行が4年連続顧客満足度1位になる理由』 - 新刊超速レビュー

本書の表題を一目見て、ふと思わなかっただろうか。 そういえば、最後に銀行マンと会ったのはいつのことだったろうか、と。 そしてそれは、おそらく極めて普通の感覚だ。 事業家でもなければ企業で財務部門に勤務している訳でもなく、個人として住宅の購入も特に考えていないとすると、日常生活において銀行マンと会うことなどまずないだろう。特別な事情がないのに銀行マンと頻繁に会

『人はお金だけでは動かない』 - 人間へと立ち返る経済学の現在 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『人はお金だけでは動かない』 - 人間へと立ち返る経済学の現在

「ところで―」 男が問いかけてくる。「君は1日に、どのくらいテレビを見るのかね。」 そして、諭すような口調で続ける。「30分未満がいい。長いことテレビを見ていると不幸になる。2時間半も見ようものなら、もはや両脚をどっぷりと不幸に埋めているようなものだ。」 すると、別の男が横から口を挟む。 「それでも、仮に君が左利きだったとするならば、運命は変わってくるかもし

歴史とリンク『二十世紀美術1900‐2010 (ワードマップ)』 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

歴史とリンク『二十世紀美術1900‐2010 (ワードマップ)』

本書は美の歴史100年を俯瞰したものだが、冒頭のワードマップに驚いた。その年表は世界の出来事と、アーティストの登場/主義と歴史がディケイド(十年)ごとに分けて整理している。ありそうで見た事がなかった。すでに〈ワードマップ〉シリーズではロングセラー『現代美術─アール・ヌーヴォーからポストモダンまで』(1988年)があるが、半世紀経過した今のタイミングで改良し本

『誰も知らなかったココ・シャネル』 書影

人物 / 新刊超速レビュー

『誰も知らなかったココ・シャネル』

シャネルNo.5。1921年に売り出されて以来90年以上、香水の代名詞である。現在でも「30秒に1本」売れ続けているのだそうだ。 貧しい行商人の子として生まれ孤児院で育ちながら、その美貌と才気で上流階級の男たちの心をつかみ、「フランスのエレガンス真髄」にまでのし上がったココ・シャネル。「自分で稼ぎ、自由に愛し、男の指図を受けずに望むままに生きたい、という女性

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医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『弱いロボット』 だから僕が助けてあげる。

弱いロボット (シリーズ ケアをひらく) この夏、東京新宿歌舞伎町に新名所となる ロボットレストラン が誕生した。行ってきた人の話によると、バブルのころに大流行したショーパブのようなものだが、本当にドでかいセクシー女性ロボットが登場し、ダンサーたちと絡むのだそうだ。一日3回ある公演は、ほぼ満席で、女性が見ても嫌悪感なく面白いとか。これはぜひ行ってみたい。 こ

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NEWS

9月12日(水) 第2回HONZ公開朝会を行います

HONZ公開朝会 8月8日、下北沢の書店 B&B で行われた第1回のHONZ朝会は早朝にもかかわらず、多くの人に来て頂き、非常に盛り上がりました。われわれも非常に充実感があり、またやりたいね、と互いに話していたのですが、なんと2回連続、9月12日の朝会も公開することになりました。 前回の公開朝会では、朝6時からB&Bのスタッフの方々がもろもろの会場準備をして

『トヨタがF1から学んだこれだけのこと』プロジェクトマネージャー必読書 書影

アート・スポーツ / ビジネス

『トヨタがF1から学んだこれだけのこと』プロジェクトマネージャー必読書

2009年末、トヨタ自動車は苦渋の決断を下した。10年以上手塩に育て、優勝まであと一歩のところまで成長したトヨタF1チームを解体することを決めたのだ。F1撤退の記者会見にて見せた豊田社長の険しい顔、隣で悔し涙を流す山科専務の姿は記憶に新しい。 トヨタがF1に参戦したそもそもの発端は、1997年6月11日に奥田碩社長(当時)が発した「F1はどうだ?」という一言

『HOUSE VISION』21名+12社の描いたちょっと先の家 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『HOUSE VISION』21名+12社の描いたちょっと先の家

都市の暮らし方の新しい常識を構想している研究会がある。その名は「 HOUSE VISION 」、長野オリンピック開会式のプログラム、愛地球博の公式ポスターなど日本の文化に根ざした仕事を行ってきたデザイナー原研哉が発案した。HOUSE VISIONは多様な技術産業の交差点に「家」がある考え、「家」から新しい日本の産業ビジョンを構想する壮大なプロジェクトである。

『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント』 新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント』 新刊超速レビュー

人生相談が好きである。どれくらい好きかというと、伝記を読むのと同じくらい好きである。他人の人生を覗いてみたいというお下品な趣味ねと人は嗤うかもしれない。が、ちょいと言い訳をさせてもらうと、私にとっては、伝記と同じように、人生相談も、ある意味で人生のテストパターンなのである。 悩みというのは、もちろん、フィリピンと台湾とポーランドに愛人がいて、それぞれに7人ず

『日本林業を立て直す 速水林業の挑戦』持続可能な林業とは 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『日本林業を立て直す 速水林業の挑戦』持続可能な林業とは

書店でこの本を見かけたとき、特に興味を持つこともなく一瞥してその場を離れた。しばらく店内をブラブラとしているとき、頭の中に山と森のイメージがわいてきた。その森は針葉樹で覆われた森。よく考えてみると行楽などで山に行くと車窓から見える森の多くは針葉樹の森ではないか? 自然林でこんなにも針葉樹の森が形成されるわけがない。そうだ日本の森の多くは人工林なのだ。そのよう

『リブセンス<生きる意味>』新しい時代の起業家像 書影

人物 / ビジネス

『リブセンス<生きる意味>』新しい時代の起業家像

「リブセンス」という会社をご存知だろうか? 私は全く知らなかった。どうやらジョブセンスというアルバイト情報サイトなどを手がけているITベンチャーらしい。早稲田大学在学中にベンチャーコンテストで優勝。ベンチャー企業を立ち上げ、2011年12月には社長の村上太一が史上最年少の25歳1ヶ月で東証マザーズに上場している。現在では時価総額でSNSの雄mixiをも上回っ

メディアな”ものづくり” - 『MITメディアラボ 魔法のイノベーション・パワー』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

メディアな”ものづくり” - 『MITメディアラボ 魔法のイノベーション・パワー』

最近、月曜の夜11時が待ち遠しくて仕方がない。NHKで「 スーパープレゼンテーション 」が放映されているからだ。世界が注目するイベント「TEDカンファレンス」を題材に、そのプレゼン手法を学ぶという番組であり、ナビゲーターをMITメディアラボ所長の伊藤 穣一氏が務めている。 そもそも「TEDカンファレンス」自体が面白いのだから、つまらないはずもない。学術、エン

『OPEN』 - 悲痛で、そして甘美な英雄アガシの半生 書影

アート・スポーツ / 人物

『OPEN』 - 悲痛で、そして甘美な英雄アガシの半生

想像してみてほしい。 産まれて間もない息子が眠るベビーベッドの上からテニスボールのモビールを吊るし、息子の右手に卓球のラケットをくくりつけて「ボールを打ってごらん」と語りかけたというテニス狂の父親に育てられ、テニスをしたいかと誰からも問われることのないままに、テニスが人生そのものとなっていった少年のことを。 わずか7歳にして、「ドラゴン」と名づけられた改造ボ

僕ら若者は本当にカワイソウなのか?『決着版 雇用の常識 本当に見えるウソ』 書影

社会 / ビジネス

僕ら若者は本当にカワイソウなのか?『決着版 雇用の常識 本当に見えるウソ』

「就職氷河期」という言葉が定着するようになって久しい。一時は回復の兆しが見えそうな時期もあったがリーマンショックですべてが吹き飛んでしまった。雇用に関して僕ら若者は入口に立つことすら困難な時代になったと言っていい。「非正規雇用の増加」なんて言葉もしばし声高に叫ばれている。 それでは会社に入った後はどうだろう。すると「終身雇用の崩壊」「成果主義の徹底」なんて言

『歌に私は泣くだらう』天才歌人との壮絶な十年 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『歌に私は泣くだらう』天才歌人との壮絶な十年

現代を代表する歌人の河野裕子が亡くなったのは2010年の夏だ。河野の死後、夫の永田和宏が妻の遺品の整理をしていて、ティッシュ箱を捨てようとしたときに目に入ってきたのが箱の上面の文字だった。横や裏にも文字は並んでいた。薄い文字で書かれていたが間違いなく歌の断片だった。ティッシュの箱だけでなく、薬袋や封筒にも文字は残されていた。死後、細胞学者であり歌人でもある永

『宗教とツーリズム』 -聖地・巡礼・研究会 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『宗教とツーリズム』 -聖地・巡礼・研究会

『宗教とツーリズム』という題を見て、抜き差しならない何かがありそうな気がしたのだ。喩えて言うなら、ボランティアと偽善、とか、お金と愛、とか、処女より娼婦のほうが心は清純とか、そんな感じで、宗教なの?ツーリズムなの?どっち!という話ではないかと勝手に想像、よっしゃ、いってこい!とひっそりネット購入した。この本ベースにいろいろ無責任な事を考えたら、きっと楽しいに

『師』 メダリストに一流の恩師あり。 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『師』 メダリストに一流の恩師あり。

ロンドン五輪の熱狂覚めやらぬ中、銀座で行われたメダリストのパレードには50万の観衆が駆けつけた。史上最多の38個のメダルを獲得した五輪のヒーロー・ヒロインたち、真剣勝負の険しい表情も凛々しいが、晴れやかな笑顔も見ていて気持ちが良いものだ。 栄光の勝利、そして歓喜の渦の中にあっても、天才アスリートは自分を支えてくれた人々への感謝の言葉を欠かさず口にする。彼らは