
『日米開戦と情報戦』目的の不明確さが招いた悲劇
日米戦争(太平洋戦争)とは何だったのか?なぜ今日に至っても歴史的評価が定まらないのか?そもそも日本は何のためにアメリカと戦争したのだろうか? 著者が指摘しているように、過去の出来事を知っている我々は、歴史に対して神の立場に立っている。全ての結末を知っている現在から、過去の人々の判断や行動を後講釈で説明しても意味がない。 「ルーズベルト大統領は真珠湾攻撃を知っ
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日米戦争(太平洋戦争)とは何だったのか?なぜ今日に至っても歴史的評価が定まらないのか?そもそも日本は何のためにアメリカと戦争したのだろうか? 著者が指摘しているように、過去の出来事を知っている我々は、歴史に対して神の立場に立っている。全ての結末を知っている現在から、過去の人々の判断や行動を後講釈で説明しても意味がない。 「ルーズベルト大統領は真珠湾攻撃を知っ

自然科学分野で多くのノーベル賞受賞者を輩出し、 公立中学校に通う生徒の7割以上が学習塾に通う 日本を、著者は教育劣位社会と呼ぶ。それは、日本のGDPに占める公財政教育支出の割合がOECD諸国の中で最低水準にあり(一般政府総支出に対する割合でも同様)、国民の世論も限りある財源を教育に配分すべきだとは考えていないからだ。 本書は、教育学と経済学の狭間に埋もれてし

本書のタイトルを見て、「これはまさに自分のための本ではないか!」と思い手に取られた読者の方も多いことだろう。なかなか減らない労働時間、息つく暇もない育児や介護、なくならないサービス残業、改善しないワーク・ライフ・バランス……。メディアなどでしばしば取り上げられるこれらの問題が明示しているように、日本ほど「時間がない」と感じる人々がたくさん暮らしている国は、他

今年も年末年始は書籍の売上げが好調! 幸先良いスタートを切ることができました。 2014年~2015年の年末年始はピケティの『21世紀の資本』が大ブレイク 、それを読んでいた人が 2015年~2016年の年末年始で読んだのは『ギリシア人の物語[I]』 …と年末年始は重厚な本の読書が進む季節です。 それでは、昨年の年末年始に『ギリシア人の物語』を読んでいた方は

私たち当事者は、人として破綻しているわけではなく、ただ「見えない病気になっているだけ」なのです。私は、当事者がこれほどまで無理解な状況におかれている現状に強い憤りを覚えます。 自分のことを言われているような気がして胸がチクチクする。いや、まさに自分のことだ。正直に書いておくが、統合失調症をもっと理解しようと思う自分 vs ちょっと遠慮したいと思う自分のせめぎ

昔から、休み明けは学校に行きたくないもの、と相場は決まっていた。大人だって、きっと大して変わらないだろう。読みさしの本があれば最後まで読みたいし、クライマックスのゲームはさっさとクリアしてしまいたいものだ。でも「不登校」ときくと、途端にドキドキしてしまう。それが、悪いことだと教えこまされてきたからだ。 ここ数年、不登校は増加傾向にあると報道されている。議論百

記憶がえてして頼りないものであることは、いまではよく知られている。その象徴的かつ重大な例としてすぐに思い浮かぶのは、記憶違いにもとづく冤罪事件だろう。国際的な非営利団体の報告によると、2015年にDNA鑑定によって受刑者の無実が証明された事件は325件あった。そしてそのうち、じつに235件もの事件で目撃者の誤認が関わっていたというのである。 記憶違いの問題は

あけましておめでとうございます。年明けからもう7日も経ったことが信じられません。 さて、本日は 人日 の節句、お正月最後の日です。七草粥を食べて1年の豊作と無病息災を願います。七草粥といえば、セリ・ナズナ・ハコベラ・ホトケノザ・ゴギョウ・スズナ・スズシロ…と、思っていたのですが地域によって異なるのですね。雪が積もっていて七草が摘めない東北では根菜を入れたり、

英仏100年戦争の後半期、1405年からパリの住人(名前不詳)が日記を書き始め、それが写本の形で残った。15世紀初頭のパリの実相を伝える貴重な資料としてホイジンガの「中世の秋」にも度々引用されている。本書はその名訳で(Ⅰ巻は2013年刊行)年代的には1419年~29年をカバーする。この時期は100年戦争のまさに白眉の時代であった。 1419年、パリを制したフ

本書『Heirs to Forgotten Kingdoms』は、アラビア語とペルシア語を流暢に操り、イギリスおよび国連の外交官を務めた経験をもつ著者ジェラード・ラッセルが、中東の宗教的少数派のコミュニティを訪ねて旅し、現地の言葉で丁寧に話を聞きとって、現代に生きるその姿をまとめあげたものである。 1997年、駆け出しの外交官だった著者は、エジプトに配属され

大きな声では言えないけれど、誰もがみんな疵を持つ。ああ、こんなエピソード、こんな記憶。 もしこの体験が無い人は幸いである。できればこの先、一生、味わうことの無からんことを。 だが、人間の尊厳をかけた戦いに敗れた時、人はまた一つ大きくなるのか。いや、一皮むけて違う人生に踏み出すきっかけになるかもしれない。 私の場合、更年期障害のひとつだったのではないか、と推測

すべての人間が一カ所に集まってジャンプしたり 、 光速に近いボールを投げたらどうなるか? といった現実的にはありえない質問に対して、ユーモアたっぷりのイラストと科学的に正確な解説を添え、愉快に物理や数学のおもしろさを体験させてくれた前作『ホワット・イフ』。 その著者ランドール・マンローによる最新作が、本書『ホワット・イズ・ディス?』である。こちらもまた、一冊

著者は京舞井上流のお家元、五世 井上八千代さんだ。一昨年、歌舞伎俳優の十五代目 片岡仁左衛門さんらとともに、58歳の若さで人間国宝に認定された。 井上流とは上方舞の一流派なのだが、京都五花街の筆頭、祇園甲部の「御留流」である。祇園甲部では他流派の舞踊は許されず、また祇園甲部より外では井上流の教授は行われない。女性のみで男子禁制である。 花柳流が全国2万名を超

近年イーロン・マスク率いるスペースX社を筆頭に、民間企業による宇宙開発が加速している背景がある。本書は「宇宙倫理学」と書名に(聞き慣れない言葉だ)入っているように、そうやって人間が宇宙に出ていく際に不可避的に発生する倫理/哲学的な問いかけについての一冊だ。 そうした説明だけをきいてなるほど! 宇宙での倫理を問うのねわかるわかる! とはならないだろうから(僕も

テクノロジーが進化し、世界中の人たちは密接につながりだした。人類には、太古からのナレッジだって十分に溜まっている。それでも世界情勢は安定せず、中東をめぐる問題は予断を許さない状況が続いている。 とりわけ深刻なのが、大量の難民が雪崩をうったようにヨーロッパへ流入し、深刻な社会問題を引き起こす可能性が高いということだ。驚くべきことに、このヨーロッパへ流入した難民