ノンフィクションはこれを読め!

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380記事

『京料理人、四百四十年の手間「山ばな 平八茶屋」の仕事』料理とは手間の文化、修業とは手間を学ぶこと。 書影

教養・雑学 / ビジネス

『京料理人、四百四十年の手間「山ばな 平八茶屋」の仕事』料理とは手間の文化、修業とは手間を学ぶこと。

四条河原町から京都バスに延々と乗って20番目の停留所。そこが平八前になる。若狭街道、通称、鯖街道は交通量が多く、バスから降りたらすぐに道のわきに寄らないと危ない。 「平八茶屋」の暖簾がはためく大きな家があるのだけど、最初は入り口に戸惑う。向かって左側の鬱蒼とした木の下を通ると、そこから広く「山ばな平八茶屋」のお庭が見通せる。お部屋に通されると、外には高野川が

進化の方向性を支配してきた「移動運動」というテーマ──『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

進化の方向性を支配してきた「移動運動」というテーマ──『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年』

今年読んだノンフィクションの中で最高の一冊だ。人間は、鳥は、魚は、なぜ今のような形をしているのか? 偶発的な進化の賜物であって、非機能的で意味をなさない機能の集積が大多数を占めているのか? スティーヴン・ジェイ・グールドは、仮に進化の過程を再現したならば、今とは異なる生物界が現れるだろうと断言したが、本当にそうなのか? 今の生物世界は、進化の偶然性に支配され

『宇宙の果てまで離れていても、つながっている 量子の非局所性から「空間のない最新宇宙像」へ』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『宇宙の果てまで離れていても、つながっている 量子の非局所性から「空間のない最新宇宙像」へ』

想像してみよう。「もし、この世界から<空間>が消えてしまったら?」・・・。空間がなければ、距離もない。こちらもあちらもない世界ーーあらゆるものは宇宙の果てまで離れていても、つながっているだろう。当然、あなたとわたしもなく、モノ固有の境界も性質もなくなる。光速の壁は超えられて、時間すら反転可能かも知れない。ごった煮の超高エネルギーの闇鍋のような世界だ。 こんな

今週のいただきもの:2019年2月24日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年2月24日週

「2月にクレープを食べるとその年はお金に困らない」という言い伝えがフランスにあると聞いて、一昨日駆け込みで食べました。(少し調べてみたら、「一年の幸運と繁栄を願い、2月2日にクレープを食べる」でした) ホットケーキミックスを使った、もちもち食感のクレープを紹介しましょう。ホットケーキミックス150g、卵1個、牛乳300ml、溶かしバター15gを混ぜ(ダマにな

『西洋の自死 移民・アイデンティティ・イスラム』欧州社会を覆いつくす「欧州疲労」とは何か 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『西洋の自死 移民・アイデンティティ・イスラム』欧州社会を覆いつくす「欧州疲労」とは何か

本書は、西洋社会の行く末を悲観的に予測してベストセラーとなった『The Strange Death of Europe』の邦訳である。 ここには、いま西洋社会が直面する「奇妙な死」について書かれている。 ここでいう「死」には、2つの意味が込められている。 1つは、欧州が大量の移民を受け入れたことにより、各地で西洋固有の文化的・歴史的な風景が失われ、いくつかの

ビジネスと恋愛って似てる?『ブスのマーケティング戦略』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

ビジネスと恋愛って似てる?『ブスのマーケティング戦略』

この本はブスの自虐エッセイではない。れっきとした実用書である。 という前書きから始まるこの本を私はビジネス書コーナーでみつけた。『ブスのマーケティング戦略』完全にタイトル買いだ。帯には入山章栄氏推薦との文字もあり興味を引いた。入山氏は2016年に『 ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学 』でベスト経営書を受賞している。ブスのマーケティングとはいっ

完璧なるガイドブック『ニッポン47都道府県 正直観光案内』を片手に旅に出よう! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

完璧なるガイドブック『ニッポン47都道府県 正直観光案内』を片手に旅に出よう!

これまで隠していたが、ガイドブックを読むのがうまいと自負している。多くの人は、旅行に出かける前と旅行中に読むだけだろう。わたしの場合は違う。旅行から帰ってきて、再度、必ずガイドプックを熟読する。 そうすることによって、ガイドブックに書かれていた怪しげな情報がわかる。それ以上に、自分が発見した、ガイドブックに載っていなかったことが浮き彫りになる。この経験を繰り

『妻のトリセツ』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

教養・雑学 / 併せて読まれたこの一冊

『妻のトリセツ』を買ったのは、どういう人たちなのか?

今年に入って、新書売り場の調子が絶好調です。理由はなんといっても樹木希林の『一切なりゆき』の大ブレイク。樹木希林関連は新刊の発売も続々予定されており、さらにブームは盛り上がっていきそう。 今回注目したいのが同じく新書としてとても売れている、『妻のトリセツ』。妻の~と、あるので夫の方の購入率が高いとは思いますが、どういった年代の方が購入しているのか気になります

齢90を超えてなお新しい作品を生み出し続けた芸術家の人生──『スタン・リー: マーベル・ヒーローを創った男』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

齢90を超えてなお新しい作品を生み出し続けた芸術家の人生──『スタン・リー: マーベル・ヒーローを創った男』

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の後編『アベンジャーズ/エンドゲーム』公開が間近に迫り、今か今かと待ちわびている昨今。そんな現在も活躍するマーベル・ヒーローの多くの生みの親であり、基盤を作り上げてきたスタン・リーの伝記が本書『スタン・リー: マーベル・ヒーローを創った男』である。昨年11月に95歳で亡くなったスタンリーだが、その年齢が示すとおり

今週のいただきもの:2019年2月17日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年2月17日週

スーパーで新玉ネギが並び始めましたね。通常、玉ネギは日持ちをよくするため、収穫後に1ヶ月ほど風にあて、乾燥させます。しかし、新玉ネギは乾燥させないため、皮が薄く、柔らかいんです。また、水分が多く、辛みが少ないので、サラダなどで生食にするのがオススメです。 さて、玉ネギを使った、簡単なサラダをご紹介しましょう。まず、玉ネギをスライスorみじん切りにします(お好

『天才を殺す凡人』会社を舞台装置にした物語論としての面白さ 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『天才を殺す凡人』会社を舞台装置にした物語論としての面白さ

天才について書かれた本を読むことにはもどかしさが伴う。天才とは何かがわかるという理解と引き換えに、自分が天才ではないという事実も受け入れなければならないからだ。 しかし本書はセンセーショナルなタイトルとはうらはらに、このセンシティブな部分のさばき方が非常にうまい。 この世界は天才と秀才と凡人で出来ているという語り口から始まるのだが、その3つの「人格」を、「創

『最後の頭取 北海道拓殖銀行破綻20年後の真実』銀行の本分 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『最後の頭取 北海道拓殖銀行破綻20年後の真実』銀行の本分

2008年の世界的な金融危機、いわゆるリーマンショックから10年が過ぎ、その記憶も風化し始めている中、今から20年前の1997年から1998年にかけて我が国で起きた未曾有の金融危機を覚えている人はどれだけいるだろうか。 今や、大蔵省銀行局・証券局、長期信用銀行(興銀、長銀、日債銀)、北海道拓殖銀行(拓銀)という組織があったことさえ知らない若者も多い。 199

『お金の流れで読む日本と世界の未来』歴史は少しずつ形を変えながら、似たような形で反復する 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『お金の流れで読む日本と世界の未来』歴史は少しずつ形を変えながら、似たような形で反復する

ジム・ロジャーズは言う。 私は常に、歴史の流れを踏まえながら、数年先を見るようにしている。歴史の流れは、先を読む力、とりわけお金がどう動くかという未来を教えてくれる。 成功したければ、将来を予測しなければならい。 ロジャーズは、「イングランド銀行を潰した男」の異名を持つ、かの有名なジョージ・ソロスのかつてのビジネスパートナーであり、ソロスと共にクォンタム・フ

楽しくてためになる『胎児のはなし』 書影

サイエンス / 医学・心理学

楽しくてためになる『胎児のはなし』

胎児の神秘。人類誕生過程の最先端であり、生物学的にも面白いトピックであるにも関わらず、いまだ多くがベールに包まれています。女性の体の中で受精卵がどのように胎児に発育していくのか、羊水はどのような役割を果たしているのか、多くの謎が残されたままです。 そんな胎児を知る上で、我々人類が編み出したのが、「子宮の中を見る」ことと「遺伝子を分析する」という手段でした。た

原爆投下の決断者は『まさかの大統領』だった 書影

人物 / 世界史

原爆投下の決断者は『まさかの大統領』だった

誰一人として、こんな普通の男が大統領になるなどとは思っていなかった。妻はおろか、本人さえも。しかし、それが現実になった。1945年4月12日、フランクリン・ルーズベルトの急逝に伴い、副大統領から大統領に昇任した『まさかの大統領』ハリー・トルーマンがその人だ。 貧しい農家に生まれ育ったトルーマン、若い頃は失敗の連続だった。しかし、40歳を前にして、地元のボスの

『シドロモドロ工作所のはじめてのお彫刻教室』豆腐とちくわとそうめんを彫ってみよう! 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『シドロモドロ工作所のはじめてのお彫刻教室』豆腐とちくわとそうめんを彫ってみよう!

昨年秋、仕事に飽きてネットをあちこち見ていた時に変なものを見つけた。イカらしきものがぐったりとしたパンダを抱いている木像だ。「 イカピエタ 」とタイトルされている。 ピエタ?ピエタ?あれ、知ってるぞ。以前、 大島真寿美『ピエタ』 を読んだときに調べたっけ。 ピエタ (イタリア語:Pietà、哀れみ・慈悲などの意)とは、聖母子像のうち、死んで十字架から降ろされ

『めんそーれ!化学 おばあと学んだ理科授業』本当の学びとは何か? 書影

サイエンス / 生物・自然

『めんそーれ!化学 おばあと学んだ理科授業』本当の学びとは何か?

2018年12月17日、文科省は夜間中学を、全都道府県に少なくとも1カ所ずつ開設するとの目標に向け、関係者による検討会議の初会合を開いた。今後、外国人労働者の受け入れ拡大が見込まれる。現在でも公立夜間中学校の生徒の約8割が外国籍だ。不慣れな日本で暮らすために夜間中学校がかけがえのない学びの場であり、居場所となっているようだ。 本書『めんそーれ!化学 おばあと

今週のいただきもの:2019年2月10日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年2月10日週

立春が過ぎたのに、都内では昨日雪がちらつきましたね。立春といえば、節分にいわしを食べる習慣があることを、初めて知りました。鰯を焼き、激しい臭いと煙で邪気を追い払うのだそうです。数年後には、恵方巻きのようにメジャーな存在となっているのでしょうか。 それでは、オススメの鰯レシピをご紹介しましょう。鰯を手開きにして、パルミジャーノを挟みます。塩胡椒、オレガノ、オリ

『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』歴史を加速させる男たちの熱いストーリー 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』歴史を加速させる男たちの熱いストーリー

アポロ計画から50年ほどたった今、宇宙開発は明らかに停滞している。 アポロ11号の月面着陸ミッション当時のNASA管制室スタッフの平均年齢は26歳。恐れ知らずの若者たちが活躍する活気ある組織であった。しかし、今の平均年齢は50歳ほどで、リスクを避けようとする傾向が強く、官僚気質の組織へと変貌している。 加えて、ロッキード・マーティンとボーイングの2社が政府か

『吃音 伝えられないもどかしさ』誰にでも居場所がある社会をつくるために 書影

医学・心理学 / 社会

『吃音 伝えられないもどかしさ』誰にでも居場所がある社会をつくるために

自分が体験したことがないことを想像するのは難しい。 かつて我が身に降りかかってきたことや、常日頃から感じていることなどをもとに他者に共感することはできるが、体験したことがなく、ましてや関心すら持ったことがないことについては、なかなかイメージすることができない。 だが本書はあなたに驚くべき体験をもたらすだろう。 この本を読み終えたあとは、世界の見え方が変わるは

予測精度の向上が、ビジネス戦略に破壊的な転換をもたらす──『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

予測精度の向上が、ビジネス戦略に破壊的な転換をもたらす──『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』

人工知能の発展・普及のすさまじい昨今だが、すっかりバズワード化してしまって「ここでいう人工知能って何を指しているわけ??」がわかりづらいケースも増えてきてしまっている。そんな中にあって本書は、人工知能とはいっても実際にはそれらは「知能」そのものではない点。また、現在の人工知能と呼ばれているものの多くが提供しているのが、知能の重要な構成要素のうちのひとつ、「予

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人物 / おすすめ本レビュー

ちばてつやの見た中国 『ひねもすのたり日記』

ちばてつや。そう、あの『あしたのジョー』などの傑作を描いた、漫画家だ。最近はどうされているのかと思いきや、「18年ぶりの最新作」とうたっての自伝が刊行されていた。文字が多めの漫画、という風で、往時が生き生きと蘇る。描かれているのは、少年時代の中国での出来事だ。今では想像することができない、たった70年前の、中国での体験。 漫画としては18年ぶりの最新作という

『堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?』いよいよ新時代に突入か! 寿司の世界と世界の寿司 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?』いよいよ新時代に突入か! 寿司の世界と世界の寿司

ホリエモンこと堀江貴文氏が、ツイッターで、寿司職人になるために何年も修業するのはバカだと発言して炎上したのが、今から3年前のことである。 ホリエモンは、2014年12月の「ホリエモンチャンネル」の中で、寿司職人になるには10年くらいかかると言われてきたが、今や半年でプロを育成する専門学校もあり、長い修業が必要なのは「1年間ずっと皿洗いをしていろ」などと言って

『NHKラジオ深夜便 絶望名言』明けない夜もある 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『NHKラジオ深夜便 絶望名言』明けない夜もある

本書は、NHKの『ラジオ深夜便』の人気コーナーである、『絶望名言』を書籍化したものである。 著者の頭木弘樹氏は、大学3年の時に難病にかかり、その後13年間の入退院生活を余儀なくされ、宮古島に住むようになった今でも完治はしていない。ベッドに寝ているだけの状態になり、完璧に無能な存在になった時に出会った、「ぼくは人生に必要な能力を、なにひとつ備えておらず、ただ人

『BL古典セレクション2古事記』八百一万(やおいよろず)のボーイズラブ! 書影

人物 / 小説

『BL古典セレクション2古事記』八百一万(やおいよろず)のボーイズラブ!

「ならぬ……兄弟でこのようなこと―高天原から見ている者がいるかも知れぬ」 そう言って身を引きはがそうとすると、弟は接吻で兄の唇を塞いで、 「兄上。我々は神。神に許されぬことはございませぬ。それにこれは国生みに必要な儀式でございます」――『BL古典セレクション②古事記』より 「BL古典セレクションの編集者です」と言うと、「腐女子なんですか?」と訊かれることが多

今週のいただきもの:2019年2月3日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年2月3日週

少し前にいちょう団地の記事を読み、ベトナム料理欲が止まりません。いちょう団地とは、横浜市と大和市にまたがる、神奈川県最大の公営住宅です。10カ国以上の国の人々が住み、東南アジアの食材店が並びます。中でもベトナム料理のレベルが高く、団地外からも食べにくる人がいるそうです。 そんなベトナム料理熱を抑えるべく、レモンナンプラースープをよく作っています。このレシピの

『誰も農業を知らない』 プロ農家の声に耳をすませば 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『誰も農業を知らない』 プロ農家の声に耳をすませば

書名を見て、私はドキッとしました。著者は農家の方なのですが、その著者に「誰も農業を知らない」と言わしめていることに恐怖を感じたからです。なにせ、人は食べないと生きていけません。農業は、まさに生命線です。私たちの将来は、大丈夫なのでしょうか。おっと!冒頭から、小学生の作文のようになってしまいました。 ところで皆さまは、三重県松阪市にある エスカルゴ牧場 をご存

『スーパーカブは、なぜ売れる』世界で1億台! 超ロングセラーの秘密 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『スーパーカブは、なぜ売れる』世界で1億台! 超ロングセラーの秘密

一昨年の夏、ベトナムを旅した評者は、空港から車に乗った途端、おびただしい数のオートバイに圧倒された。 まるで魚の大群のようにオートバイの集団が交差点を横切っていく。気がつけば、こちらの車も前後左右を密集するオートバイに囲まれていた。あの迫力は忘れられない。 ベトナムは2輪車大国だ。年間販売台数およそ330万台(2017年)、このうち75%ほどのシェアを占める

『東海道ふたり旅 道の文化史』エッセイの名手が読み解く知的でビジュアルな東海道五十三次 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『東海道ふたり旅 道の文化史』エッセイの名手が読み解く知的でビジュアルな東海道五十三次

久しぶりに出会った、上品にして趣深いエッセイとして読んでいる最中だ。読み終えるのがもったいないのだ。 全35章。3章ほどをゆっくりと読むために、わざと場所と時間を変えている。早朝のカフェでクロックムッシュと、午後はおにぎりをほおばりながら公園のベンチ、夜はウイスキー片手にベッドの中という具合だ。 広重の「東海道五十三次」をモチーフにしながら、おもに江戸の諸制

『ビジネスの限界はアートで超えろ!』右脳と左脳が融合 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『ビジネスの限界はアートで超えろ!』右脳と左脳が融合

絵を描くことで、新たな知覚と気づきが手に入る。 眠っている自分の才能が目覚め、開花する。 はたして本当だろうか。この疑問に対し、本書は一つ一つ実例をあげて答えていく。 「絵が描けることは、0から1を生み出せることにつながります」 アートアンドロジックを主催する著者の増村岳史はそう説く。デッサンを書くことで、右脳と左脳のバランスを生かした思考能力を高める講座だ

『ぼくと数学の旅に出よう 真理を追い求めた1万年の物語』「数」に秘められた歴史と驚異、そして情熱 書影

サイエンス / 世界史

『ぼくと数学の旅に出よう 真理を追い求めた1万年の物語』「数」に秘められた歴史と驚異、そして情熱

告白するが、筆者は数学が嫌いだ。大がつくほどに。中学時代は試験で平均点付近と、なんとかついて行けていたが、高校入学以後は赤点・追試続き。もううんざりだと、大学の進路ははやばやと私立文系で気持ちをかため、授業選択が可能となると数学・化学・物理は一切取らず、尻尾を巻いて逃げてしまった。そのコンプレックスと敗北感を引きずってか、今でも数式を見るとなにやら怖気立って

『情熱でたどるスペイン史』めまいがするほど複雑な歴史を、「情熱」という養分で解き明かす 書影

世界史 / 著者自画自賛

『情熱でたどるスペイン史』めまいがするほど複雑な歴史を、「情熱」という養分で解き明かす

「静かな情熱を湛えている」というとかっこいいけれど、食卓をはさんで目の前にいても「あら、あなたまだそこにいたの」と妻から言われるくらい普段存在感が薄くて、激しい情熱とは無縁の私。そんな私が『情熱でたどるスペイン史』という、ちょっと恥ずかしい表題の書物を公にしてしまったのはなんでかなあ、と思わないでもありませんでした。 しかしその恥ずかしさを打ち消すように文献

『新天皇 若き日の肖像』 書影

人物 / 「解説」から読む本

『新天皇 若き日の肖像』

縁あって私は今、札幌でテレビの仕事に就いている。札幌に赴任したのは、「明仁天皇が生前退位の意向を示した」というニュースが全国を駆け巡る少し前のことだった。 札幌は日本有数の美しい街だ。この地に居を構え、生まれ育った東京と、そこから遥か800キロ離れた札幌との「二都物語」が私の中で始まった。その物語のエピソードのひとつとして私は札幌の中に「皇室」を見つけた。北

今週のいただきもの:2019年1月27日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年1月27日週

まだまだ寒いですが、日中の日差しや空気の匂いなどに少しずつ春を感じますね。スーパーへ行くと、新じゃが、新玉ねぎ、春キャベツなど春野菜が並んでいます。春キャベツは、巻きがゆるやかで葉が柔らかく、甘みが強いものが多いです。生で食べても美味しいですが、サラダは冷えるという方には、蒸しサラダをおすすめします。 和食にしようと思っていたのに、美味しいバケットが届いたの

『NEW POWER』ニューパワーで世界を変革する指南書 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『NEW POWER』ニューパワーで世界を変革する指南書

ここ数年、IT(情報技術)とSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の急速な発展により、人々があらゆる境界を越えてつながり、世界は激変したと実感している人は多いだろう。 ツイッターを活用して膨大な支持者層を手に入れたトランプ米大統領の誕生は、その象徴的なできごとである。 フェイスブックのような巨大IT企業が誕生し、社会の基盤となる一方で、セクシャルハ

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NEWS

HONZ×新潮文庫のフェアが始まります。

2月1日頃から全国約900の書店において、新潮文庫の中でも特にHONZがプッシュする最強のノンフィクション作品たちが店頭を飾ります。 対象書目は以下の通り。HONZにレビューが掲載されたもの、解説記事が掲載されたもの、それ以外のものと、幅広くセレクションしました。 HONZ厳選のBEST OF BESTノンフィクションたち。特製帯付の一冊を、ぜひ全国の書店で

『原節子の真実』 書影

人物 / 「解説」から読む本

『原節子の真実』

原節子が出演する映画を初めて見たのは、17歳でイタリアに移り住んだ時のことだった。映画好きの大学生の友人に、ある日「君は日本人なのに小津安二郎も知らないで、画家という表現者になるつもりなのか。どうかしている」と呆れられ、フィレンツェの下町にある学生向けの汚い映画館で見せられたのが、『東京物語』だった。今でもなお、小津安二郎は欧州の映画好きが年齢問わず強く支持

『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』”でっちあげ”を超える悪夢 書影

事件・事故 / 「解説」から読む本

『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』”でっちあげ”を超える悪夢

世間にモンスターが跋扈している。患者が、消費者が、視聴者が、そして親が、モンスターとなって理不尽な要求を言い募る。今では社会現象の一つとして、対応方法のマニュアルまで製作されるほどだ。困った人の扱いには注意しろ、社会人の心得の一つである。 子供を預けている学校は、そのモンスターが発生しやすい。無理難題を吹きかける教師もいれば、授業妨害を繰り返す生徒もいる。我

『肉声 宮崎勤30年目の取調室』初めて明かされた「肉声」が語る真実 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『肉声 宮崎勤30年目の取調室』初めて明かされた「肉声」が語る真実

「声」は多くのことを教えてくれる。 その人が信頼できる人間か、それとも嘘をついているか。 心から楽しんでいるか、あるいは不安を感じているか。 どんなに表面を取り繕ったとしても、「声」だけはごまかすことができない。 長くラジオの仕事に携わっているとそのことが経験的にわかる。 「声」にはその人の本当の姿が現れるのだ。 1988年8月から翌年の6月にかけて、埼玉と