ノンフィクションはこれを読め!

「解説」から読む本

CATEGORY

393記事

『心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで』あなたの心を微生物たちはいかに操っているのか? 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで』あなたの心を微生物たちはいかに操っているのか?

あなたの性格や行動が知らないあいだに、腸内や脳などに住む寄生生物によって操られているとしたら? 「まさか、そんなことは!」と思うだろうか。近年、「神経寄生生物学」と呼ばれる分野の研究が明かしているのは、まさにそんなことが起こっている、しかもごく日常的に!である。 たとえば、世界中で3人に1人が感染していると言われるトキソプラズマ原虫。この微生物は主にネコから

『チャップリン自伝 若き日々』 書影

人物 / 「解説」から読む本

『チャップリン自伝 若き日々』

チャーリー・チャップリン――不世出のコメディアン、映画俳優、映画監督、脚本家、映画プロデューサー、作曲家。それだけの役をすべてひとりで、しかもそれぞれ完璧にこなした天才。その名を抜きに映画史を語ることはできない。それに、なんといっても、彼の映画は文句なしに面白い。 ところが今、チャップリンという名前はなんとなく知っていても、どんな人かよく知らないし、映画も見

『セガ vs. 任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争』 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『セガ vs. 任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争』

本書は映画化を視野に入れたストーリー性重視のノンフィクションで、ゲームの内容やテクノロジーよりも、企業の競争戦略や個性的な登場人物たちの葛藤や苦悩、生き様などに焦点を当てた点がユニークな作品となっている。著者はゲーム業界をビジネス的観点から描くことで、マーケティングや営業の現場が創造的プロセスにどんなインパクトを与えたかを、興味深

『地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録』 書影

人物 / 「解説」から読む本

『地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録』

ル・カレ作品のブームが続いている。新作が各紙誌の書評欄をにぎわすのはもちろん、映画も2011年から『裏切りのサーカス』(原作は『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』)、『誰よりも狙われた男』、『われらが背きし者』と立てつづけに公開され、昨年放送されたドラマ(日本ではアマゾンが配信)『ナイト・マネジャー』も、エミー賞とゴールデングローブ賞ドラマ部門で合計

『ささやかな知のロウソク ドーキンス自伝2 科学に捧げた半生』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『ささやかな知のロウソク ドーキンス自伝2 科学に捧げた半生』

このドーキンス自伝の第2巻は、精神の形成史を語った第1巻とはちがって、さまざまな活動を通 じて出会った人々との交友録が中心になっている。登場する絢爛豪華な顔ぶれとの交流を読みながら、 同世代の人間として、その住む世界のあまりの違いように圧倒される。 なによりも、英国を中心とした欧米には、現在でも「知的エリート社会」が厳然として存在するという

『クレイジー・ジーニアス 世界を変える天才は君の中にいる』 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『クレイジー・ジーニアス 世界を変える天才は君の中にいる』

ビジネスや起業で大成功をおさめるためには、「クレイジー・ジーニアス(クレイジーな天才)」でなければならない。 本書はそう説く。 起業は芸術であり、起業家は芸術家でなければならない。 本書はそうも説く。 ううむ、天才か。 でも、わたしは天才じゃないし、天才になろうとはしていない。そもそも、天才はなろうとしてなれるものではないのでは。 それにわたしは起業家ではな

『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』

著者のキャスリーン・フリンは36歳にしてパリに渡り、世界屈指の料理学校であるル・コルドン・ブルーを卒業した、本人曰く「遅咲き」の料理人であり、フードライターである。その体験を記した著作『36歳、名門料理学校に飛び込む! リストラされた彼女の決断』(柏書房)は好評を得て、ライターとしての生活はおおむね順調だった。しかし、その先にあるはずの進むべき道を模索してい

『なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか』私たちの心には、保守化の虫が巣くっている 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか』私たちの心には、保守化の虫が巣くっている

こんな心理学の実験がある。 ある女性が売春の罪で起訴され、留置所から保釈されるのを待っている(という架空の裁判事例の実験だ)。この実験に参加した実在の判事たちは、2つのグループに分かれていた。一方のグループは、売春婦に標準的な保釈金を課したが、もう一方のグループはその9倍以上にもなる高額な保釈金を求めた。 判事とは公正で理性的な判断を

『バッド・フェミニスト』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『バッド・フェミニスト』

なにげなく眺める英語圏のエンタテインメント情報サイトやファッション雑誌の見出しに、「フェミニスト」の文字がよく目につくようになったのは、いつ頃だったろう。日本と比較すれば昔からずっとそうだったとも言えるけれど、2010年代、特にここ数年は、若い世代の女性に向けたメディアで、それこそ「いけてる子は全員フェミニスト」ぐらいの勢いを感じる。 もちろんこれは日本在住

『発掘狂騒史 「岩宿」から「神の手」まで』 書影

事件・事故 / 「解説」から読む本

『発掘狂騒史 「岩宿」から「神の手」まで』

あと2月足らずで21世紀にならんとするまさに世紀末、2000年(平成12)に、日本中を驚かせた毎日新聞の大スクープがあった。旧石器捏造事件である。本書はこの事件にまで至る日本の考古学史を追ったノンフィクションだ。 題材を聞いたとき、私は嫌な気がした。あの事件に関わって人生を棒にふった人たちの傷口に塩を塗るような内容を予想したからである。歴史的事件で大失態をお

『三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から』三省堂国語辞典の行間 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から』三省堂国語辞典の行間

本を読んで気になることのひとつに、その著者がどんなパーソナリティの人なのか、ということがあると思います。 飯間浩明先生は、テレビやラジオに出演されることも多いので、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、ここでは私から見た飯間先生について述べたいと思います。 私は趣味で国語辞典を収集していることから、飯間浩明先生とは、国語辞典を扱ったテレビ番組やイベントを通

『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』

本書は、イギリスの湖水地方で農場を営むジェイムズ・リーバンクスの半生と、そこで生きる羊飼いの生き方や働き方をユーモアを交えて描いた手記The Shepherd’s Life: A Tale of the Lake District の全訳です。 2015年にイギリスで発売された本書は、英国内でたちまち話題となり、アマゾンのベストセラー・トップ 10入りを何度

『あなたの人生の意味 先人に学ぶ「惜しまれる生き方」 』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『あなたの人生の意味 先人に学ぶ「惜しまれる生き方」 』

夏目漱石に「私の個人主義」という作品がある。これは小説ではなく、大正3年(1914年)11月25日、学習院で行なわれた講演の記録である。代表作というわけでもなく、日頃あまり脚光を浴びることもないが、私は日本人全員が読むべき作品と思っている。少なくとも中学か高校の国語の教科書には載せるべきだ。『こころ』よりは絶対に教科書にふさわしい。個人主義というとすぐ、「自

『いつも時間がないあなたに』我々は欠乏の罠から抜け出せるか 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『いつも時間がないあなたに』我々は欠乏の罠から抜け出せるか

本書のタイトルを見て、「これはまさに自分のための本ではないか!」と思い手に取られた読者の方も多いことだろう。なかなか減らない労働時間、息つく暇もない育児や介護、なくならないサービス残業、改善しないワーク・ライフ・バランス……。メディアなどでしばしば取り上げられるこれらの問題が明示しているように、日本ほど「時間がない」と感じる人々がたくさん暮らしている国は、他

『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』

本書『Heirs to Forgotten Kingdoms』は、アラビア語とペルシア語を流暢に操り、イギリスおよび国連の外交官を務めた経験をもつ著者ジェラード・ラッセルが、中東の宗教的少数派のコミュニティを訪ねて旅し、現地の言葉で丁寧に話を聞きとって、現代に生きるその姿をまとめあげたものである。 1997年、駆け出しの外交官だった著者は、エジプトに配属され

『モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝』

本書は、2014年にRandom House Books より刊行されたSo, Anyway... の全訳である。 ご存じの読者も多いと思うが、著者のジョン・クリーズは世界的に有名なコメディアンであり、彼の属していた〈モンティ・パイソン〉というグループが登場したのは1969年、《モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス》という英BBCのコメディ番組でのこと

『進化とは何か? ドーキンス博士の特別講義』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『進化とは何か? ドーキンス博士の特別講義』

あなたはどうしてこの本を手にとったのだろうか。進化についての興味からだろうか。それとも、リチャード・ドーキンスというスター科学者にたいする関心からだろうか。あるいは、すでに熱心な愛読者であるために手にとるのも当然のことだったかもしれない。 どちらにせよ、あなたは最高の一冊を選びとった。本書は現在望みうる最良の進化論入門書であり、またサ

『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』

著者のマリー・カーペンターは米国でも環境や食の安全に対して住民意識が高い先進地域に在住するジャーナリストで、ダムを取り壊した川にサケが還ってきた事例など、環境問題に関する報道も多く手掛けている。 本書ではまず、もともとは呪術者や王侯貴族専用の「魔法の薬物」だったチョコレートやコーヒー、お茶など、カフェインの入った飲食物が一般大衆にも嗜好品として普及するように

『浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 』この一冊がボブ・ディランの魂を揺さぶった(のかもしれない) 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 』この一冊がボブ・ディランの魂を揺さぶった(のかもしれない)

ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞とともに、ある一冊の文庫が突如脚光を浴びた。浅草一帯に勢力を張った伝説の博徒、伊地知 栄治の生涯を描いた『浅草博徒一代』である。授賞式を間近にひかえた11月、本書はついに緊急復刊。まるで予言めいた一文も記されている、2006年8月1日刊行時の文庫解説を特別に掲載いたします。(HONZ編集部) 本書は1906年に宇都宮に生まれ

『身体巡礼』解剖的なひとのまなざし 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『身体巡礼』解剖的なひとのまなざし

メメント・モリとは、ラテン語で「死を忘るるなかれ」という意味の言葉だが、時代によってとらえ方が異なるという。ローマ時代などは、「どうせ死ぬなら陽気に生きよう」といった意味合いで使われていたそうだ。それがやがてキリスト教の普及により――死後の世界である天国や地獄のイメージが詳細になるにつれ――「現世で手に入るものなど空しいものばかりである。それよりも神の御意志

『ブロックチェーン・レボリューション』夢のつづき 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『ブロックチェーン・レボリューション』夢のつづき

──こんな立派な本の解説って、大丈夫なんですか。 いや。だいぶ不安なんですけど。 ──そういうときは断りましょうよ。なんで引き受けちゃったんですか。ブロックチェーン、詳しいんですか。 いや、そうでもないです(苦笑)。 ──そもそも、なんで頼まれたんですか。 いや、ぼくが編集長を務めてる『WIRED』日本版というメディアで、ちょうどブロックチェーンの特集をやっ

『マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』

本書はWelcome to the Microbiome(Yale University Press, 2015)の全訳である。原書カバーの袖に記された紹介文によれば、アメリカ自然史博物館で2015年11月から2016年8月まで開催されていた、マイクロバイオームをテーマとした展示会に合わせて制作されたものらしい。展示会はその後、アメリカ国内のみならず国外へも

『シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問』

2015年夏、ヨーロッパに数十万人の難民がやってきました。最初はアフリカ系難民がイタリアに、次は主にシリア難民がギリシャに。いまにも沈みそうなボートで、運よく南ヨーロッパの海岸にたどり着いた人たちは、今度はドイツやスウェーデンを目指して、大移動を始めました。バルカン半島の田舎道に人があふれ、ターミナル駅では通勤客の横で難民が寝起きする姿が日常になりました。ヨ

『落葉樹林の進化史』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『落葉樹林の進化史』

著者は米国コネチカット州にあるコネチカット・カレッジという教養大学の生物学教授である。カレッジのある町は北海道の函館くらいの緯度にあたり、ニューヨーク市から東方に車で三時間くらいのところにある。 第1章にあるように、現地の落葉樹林を訪れてみると、太平洋を隔ててはるかかなたにあるのに、似たような緯度にある北海道南部の落葉樹林に実によく似ている。 また本

『たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND』

日本はもちろん世界各国でベストセラーとなった、マインドフルネスとEQのバイブル的書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』。そのベースとなった同名の研修プログラムはグーグル社内で最も人気となり、社外でも展開され15か国以上で1万人を超える人が受講し、その開発者で同書の著者であるチャディー・メン・タンはグーグルの重役からマイ

『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』

もし世界からニワトリが消えたなら? きっと各地でパニックが起きるに違いない。鶏肉は牛肉・豚肉などと比べて国際的な生産・消費量が急増しており、とりわけ新興国・途上国での需要がぐんと伸びている。安価で栄養価の高い肉や卵は、多くの庶民の健康を陰で支えてきた。 その膨大な加工食品も含めて、人類にとってますます不可欠な食材となり、成長する巨大都市のエネルギー源にもなっ

『土と内臓 微生物がつくる世界』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『土と内臓 微生物がつくる世界』

本書の原題 The Hidden Half of Nature は「隠された自然の半分」という意味だ。それが示すとおり本書は、肉眼で見えないため長いあいだ私たちの前から隠されていた、そして今も全貌が明らかにはなっていない微生物の世界を扱っている。 昨今、腸内フローラという言葉がちょっとした流行語となっている。腸内細菌の重要性は以前から言われてきたが、さらに一

『いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」』 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」』

2014年1月、《ニューヨーク・タイムズ》紙に「私にはあとどれくらいの時間が残されているのだろう」と題したエッセイが載った。執筆者はエッセイのなかで、自らの末期がんを告白しており、余命が不確かななかでどう生きたらいいかわからずに葛藤しながらも、やがて前を向き、仕事に復帰する決意をするまでの経緯が綴られていた。その執筆者とは、スタ

『日本の聖域 ザ・タブー 』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『日本の聖域 ザ・タブー 』

わが家でも、「選択」を定期購読しているが、シリーズ「日本のサンクチュアリ」を毎回読んでいるわけではない。そこでこの機会に、改めて聖域に足を踏み込んでみると、自らの経験と照らして、思い当たる節のある聖域がいくつか目についた。いずれもしばらく前に書かれた記事だが、最近になって、それらの聖域には新しい動きが出ている。それは、何年かたったくらいでは、賞味期限の切れな

『廓のおんな 金沢 名妓一代記』 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『廓のおんな 金沢 名妓一代記』

著者の井上雪さんは、地元・金沢を精緻に描くことで知られた作家だった。本書は金沢の「廓」という装置の中で精一杯がんばって生きた、1892(明治25)年生まれの山口きぬさんの生涯を描いたノンフィクションだ。 廓の脇を流れる浅野川の緩やかな流れ、瓦屋根の低い家並み、夏は打ち水され、冬は粉雪を掃いた箒目が見える置屋や料理屋の玄関先、三味線の音色、艶やかな着物の芸者た

『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』リアルな昭和ヤクザの「証言者」 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』リアルな昭和ヤクザの「証言者」

あの人は、ヤクザの組長の娘だ――そう言われた場合、読者の皆さんは、どのようなイメージを持たれるだろうか。 ヤクザといっても、地域性も組の規模もシノギもさまざまであり、子分が何千人でも、あるいは数人でも、「組長」は「組長」である。 だから、その「娘」の人生も、千差万別である。父親の属する組織とそこでのポジション、あるいは家族への態度などに左右されるからだ。 本

『超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条』

「見通しが甘かった......」。仕事でもプライベートでも、そう言ってほぞをかんだ経験のない人はおそらくいないだろう。もっと先を読む力があれば、他の人より早く正確に将来を見通す力があれば、人生の想定外が減り、成功や幸せをたぐりよせることができるのではないか。みなさんが本書を手に取られたのは、そんな期待からかもしれない。その

『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』

天才たちはどこからやってくるのか。一説によると、たとえば3歳でヴァイオリンを弾きこなしていたというモーツァルトのように、天才は「生まれつく」。別の説によると、少なくとも一万時間の努力の結果として、天才は「つくられる」。たとえばトーマス・エジソンのように。だがじつは、天才は「(時代や土地に)育てられる」と、本書の著者エリック・ワイナーは考える

『遺伝子の社会』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『遺伝子の社会』

本書は2人の生物学者、イタイ・ヤナイとマルティン・レルヒャーの共著です。ヤナイはニューヨーク大学医学部教授、レルヒャーはデュッセルドルフのハインリッヒ・ハイネ大学のバイオインフォマティクス教授です。20年ほど前、二人はそれぞれリチャード・ドーキンスの傑作『利己的な遺伝子』に触発されて、進化生物学の道を歩み始めます。「生物とは遺伝子と呼ばれる利己的な分子を保存

『身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法』

本書の著書、ヴァン・デア・コークはエピローグの冒頭で、次のように書く。 「私たちの社会は今、トラウマを強く意識する時代を迎えようとしている」 本書は、凡百のトラウマに関する啓発書とはちがう。本書は、自伝的な要素を有し、著者の精神科医としての、そしてトラウマに関する世界的な研究者としての歩みがそのまま記されている。オランダ系移民であるヴァン・デア・コークの父親

『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』

今年(2016年)のアカデミー賞授賞式で、レディー・ガガが「Til It Happens To You」という曲を歌った。「自分の身に起こるまで、この気持ちはわからない」。そう繰り返されるこの歌は、米国の大学で多発するレイプの問題を取り上げたドキュメンタリー映画『ハンティング・グラウンド』の主題歌として、自身もレイプ被害者であるレディー・ガガが書き下ろしたも

『不潔都市ロンドン ヴィクトリア朝の都市浄化大作戦』 書影

世界史 / 「解説」から読む本

『不潔都市ロンドン ヴィクトリア朝の都市浄化大作戦』

ロンドンといえば、おしゃれな大人の街。政治経済はもとより文化、芸術、ファッションにおいても世界をけん引する大都市のひとつでしょう。そのロンドンの19世紀の衛生環境を、こと細かに調べ上げて綴ったのが本書です。 19世紀というとはるか昔という印象を持ちますが、本書で取り上げているのは、およそ120~170年前のできごとが中心で、そう遠い過去の話ではありません。日