ノンフィクションはこれを読め!

教養・雑学

CATEGORY

894記事

『エスプリ思考』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

『エスプリ思考』新刊超速レビュー

エルメスといえば女性の誰もが憧れるブランドのひとつだろう。バーキンやケリーといったバッグは100万をゆうに超える代物だが、人気がありすぎて、購入するのに何年待ちというのがザラだという。そんなことが実際にありうるのか?と思ったら、「職人の手仕事による限られた量の家業ビジネス」をいまだに貫いているとのことなので、さもありなんと思った次第である。 エルメスは創業以

『インターネットを探して』現代社会最重要インフラを巡る旅 書影

教養・雑学 / 社会

『インターネットを探して』現代社会最重要インフラを巡る旅

インターネット。とても身近な単語だが漠然としており、具体的に何を指しているのかはよく分からない。テクノロジー雑誌『Wired』の記者である著者でさえも、とある事件が起こる前まではその単語が何を差すのかを正確に把握できていなかったほどである。 「お宅のインターネットが接続できなくなったのは、リスが裏庭にあるケーブルをかじってしまったからです」、修理員にそう告げ

スペインであってスペインでない、かもしれない 『カタルーニャを知る事典』 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

スペインであってスペインでない、かもしれない 『カタルーニャを知る事典』

ガウディー、サグラダ・ファミリア教会、サッカーのバルサ……。「それってみんなスペインのものじゃないの」と思った人や、ヨーロッパ観光旅行でバルセロナを訪れただけなのに「スペインを旅行した」と思い込んでいる人は要注意。それは100パーセント正確な認識とは言えないようなのだ。 スペインであって、スペインでない(かもしれない)独自の文化が花開く「奇跡の土地」カタルー

HONZの特別な一冊!『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 書影

サイエンス / 教養・雑学

HONZの特別な一冊!『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』

最近の小学生向け恐竜図鑑を読むと、カラフルな羽毛に包まれた、ニワトリやダチョウみたいな恐竜がいっぱい載っていることに驚く。 羽毛恐竜。1990年代に羽毛の痕跡の残っている恐竜(獣脚類)が次々と発見されたことで、鳥と恐竜の距離はぐっと近くなった。一方で、かつて「鳥の先祖」だと言われた始祖鳥と現生鳥類の距離は遠くなる(本書の帯には、始祖鳥の骨格標本が「オレ、鳥の

『レジリエンス』 立ち直る人やモノたち 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『レジリエンス』 立ち直る人やモノたち

物事は、なぜ立ち直るのか。 ハイチ地震の発生後、数千人規模の「ミッション4636」を数日で立ち上げた若い学生達は何をしたか。ホロコーストで残酷な光景を目にした孤児たちは、なぜ、その後の人生を幸せにコントロールできたのか。アルカイダや米軍が研究する「ネットウォー」とは何か。それは、どのように「結核菌」に似ているのか。都市を活性化させているものは何か。人が人を信

『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』 いつでもどこでも、カラダマネジメント! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』 いつでもどこでも、カラダマネジメント!

健康のために気をつけたい食生活。毎日手作りでバランスのよい食事が食べられれば理想的だが、忙しさのあまりついついコンビニ食が続いてしまう、もしくは、バラエティに富んだ外食の誘惑には勝てないという方も多いだろう。 しかし、もう罪悪感を感じることはない。コンビニ食や外食だって、ちょっとしたコツやノウハウがあればカラダを健康に保つことはできる。本書は栄養士による「一

センスがいいってどういうこと?『センス入門』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

センスがいいってどういうこと?『センス入門』

「センスがいいね」と言われたら、私はとても嬉しい気分になる。「センスがいい」というのは、生き方そのものを肯定されているような気がするし、最高の褒め言葉だと思うのだ。でも「センスがいい」ってどういうこと?と聞かれても、その定義を明確に答えることができない。 なんとなくイメージはできても、センスというものはうまく言語化ができないものだ。私は大のファッション好きな

人は人、われはわれなり 『エプロンおじさん』 書影

教養・雑学 / 人物

人は人、われはわれなり 『エプロンおじさん』

この言葉の由来は諸説あるようだが、昔は男性が家庭の台所に立つのはよくないことだと思われていた。しかし月日は流れ、昨今では 弁当男子 がもてはやされる時代。フェイスブックやブログでも男性のお手製ディナーの写真が並んでいる。男性料理研究家もたくさんいて、かくなるHONZメンバーにも、Allaboutで大人気、5冊も著作を持つ 土屋敦 がいる。その本職の腕を生かし

『立花隆の本棚』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『立花隆の本棚』新刊超速レビュー

『ノンフォクションはこれを読め!−HONZが選んだ150冊』、『面白い本』と立て続けに「本の本」を出版してきたHONZだが、この「本の本」には驚いた。なんと本文650ページ、うちグラビア写真188ページ、厚さ5.2センチ、重さ875グラムで3000円なのである。1グラム3.43円。1ページ4.6円だ。これで「知の巨人」立花隆の本棚をじっくり見せて貰えるのだか

『東海・東南海・南海 巨大連動地震』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『東海・東南海・南海 巨大連動地震』新刊超速レビュー

あの日から2年が経過した。もう2年、まだ2年だ。毎年この時期になると東日本大震災を忘れまいとするように、多数の書籍が出版される。本書もその中の一冊である。著者は『イントゥルーダー』でサントリーミステリー大賞を受賞した小説家の高島哲夫だ。ふだんは小説を読まないのだが、高島哲夫のパニック小説だけは別格である。『M8』と『TSUNAMI津波』は繰り返し読んだ。 『

『どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話』 書影

教養・雑学 / 社会

『どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話』

著者の息子オスカーの質問だ。子供は本物の哲学者だとよくいわれる。こんなことを実際に聞かれたら思考が一瞬、停止してしまうかもしれない。 本書は魅力的な哲学の本だ。哲学といっても、まったく固くならずに読める内容である。著者はドイツ人作家で哲学者のリヒャルト・ダーフィト・プレヒト。 原書 はドイツ語版『Warum gibt es alles und nicht n

めざせ世界遺産! 『素晴らしきラジオ体操』 書影

教養・雑学 / 社会

めざせ世界遺産! 『素晴らしきラジオ体操』

高橋秀実ははいくつもの意味で天才だと思う。 ん? だれも気づかないかとは思うが、高野秀行の 『謎ソマ』レビュー と同じような書き出しである。まず、天才エンタメノンフ作家と推定される高野秀行と名前が二文字しか違わないところが天才的である。かな? そして学歴がすごい。モンゴル語学科なのである。モンゴル語学科といえば、誰がなんと言おうと、司馬遼太郎なのである。これ

グラスのなかには驚きの世界。『たたかうソムリエ』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

グラスのなかには驚きの世界。『たたかうソムリエ』

ソムリエという存在を、私は完全に誤解していた。 グラスに注がれた高級ワインに、ポエティックな表現と薀蓄を添えてサーブしてくれる少々気障な存在。恥ずかしながら、そんな先入観を持っていた。 でも、本書を読んで心の底から理解した。 己の知性と感性の全てを賭けてワインと対峙する本物のスペシャリスト。経験に裏打ちされた華麗な技術を次々と繰り出す究極のサービサー。そして

『新幹線をつくる』世界に誇るメイド・イン・ジャパンの舞台裏 書影

教養・雑学 / 人物

『新幹線をつくる』世界に誇るメイド・イン・ジャパンの舞台裏

正確性、安全性、快適さ、速さ、そして美しさ。日本のモノ作りが大切にするコンセプトである。そんなコンセプトを一つの乗り物というカタチにしたとき、世界に誇る日本の新幹線が出来上がる。正確無比に、安全に、故障することなく、しかも驚くべき速さで走り続けている新幹線。まさしく、わが国が世界に誇るべき「メイド・イン・ジャパン」の技術力の結集である。本書はそんな「メイド・

『直径2センチの激闘』町工場の努力が結晶化されたコマの戦い 書影

教養・雑学 / ビジネス

『直径2センチの激闘』町工場の努力が結晶化されたコマの戦い

これは、町工場のおじさんたちの青春物語のほんのはじまりの一部である。 製造業の経営者集団「心技隊」の隊長・緑川賢司は神奈川圏内最大の工業技術・製品に関する見本市「テクニカルショウヨコハマ」で、とりわけ目立つアイディアを考えていた。そして、静岡で開催された製造業仲間11人の飲み会で、由紀精密の小さなコマを目にした。閃いた緑川は、コマ大会を帰りの新幹線の中で軽く

『伝え方が9割』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / ビジネス

『伝え方が9割』新刊超速レビュー

ここだけの話、この本はめちゃくちゃいい本だ!めちゃくちゃいい本なんだな、これが! HONZ読者むきの本ではないけども、HONZの読者にもぜひ読んで欲しい!と思う素晴らしい本である。この技術を知ると知らないとでは、人生が大きく変わってしまうかもしれない。ちょっと大げさかもしれないが、それくらいの力を秘めた本だと私は思う。 この本は池上彰さんのベストセラー『伝え

『投資家が「お金」よりも大切にしていること』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / ビジネス

『投資家が「お金」よりも大切にしていること』新刊超速レビュー

日本人は世界一お金が好きな民族である。絶対に損はしたくないという思いが強く、投資には手を出さず、預貯金をしている人が圧倒的に多い。金融資産の割合でいうと55%が預貯金に回されている。これは他の先進国からみても圧倒的に高い数字だ。先進国の多くは預貯金よりも投資の割合のほうが高い。 また日本人は世界一ケチな民族である。日本人は寄付をしない。先進国では家計の2~3

『統計学が最強の学問である』 統計リテラシー、あると何かと便利です。 書影

サイエンス / 教養・雑学

『統計学が最強の学問である』 統計リテラシー、あると何かと便利です。

いかなる分野の議論においても、データを集めて分析することで最速で最善の答えを出すことができる。それが、統計学が最強の武器たりうる所以である。 本書では、医療や企業経営などの分野でデータ分析・活用の経験を有する著者による領域横断的な解説を通じ、統計学の世界を俯瞰できるようになっている。統計リテラシーを身につけたい方の入門書としてもおススメの一冊だ。 「疫学」と

『古代ローマ帝国 1万5000キロの旅』2000年前の世界旅行 書影

教養・雑学 / 世界史

『古代ローマ帝国 1万5000キロの旅』2000年前の世界旅行

旅行好きにはたまらない本だ。本書を通して南北はスコットランドからエジプトまで、東西はポルトガルからアルメニアまでの広大な土地を旅した気分になれる。それも時代は今から遡ること2000年、古代ローマ帝国時代である。 ああ、こういう本に巡りあえるから読書はやめられない。読了後は数ヶ月に亘る世界旅行をして帰ってきたような気分なのに掛かった費用は書籍代たった3,200

『一目惚れの科学』 「モテ」のメカニズム、ついに解明か?! 書影

サイエンス / 教養・雑学

『一目惚れの科学』 「モテ」のメカニズム、ついに解明か?!

いったい自分はどうすればモテるようになるのだろうか。世の中には、そんな人類の究極命題とも言える恋愛のメカニズムを科学的に解き明かすことを使命とした「恋愛学」という学問が存在する。本書では、そんな恋愛学の専門家が恋愛のメカニズムを人間の五感から解き明かす。恋愛にまつわるタブーや迷信にも容赦なしで切り込む語り口は小気味よく、新感覚の恋愛論としても楽しめる。 そも

『キミはヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか』   新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『キミはヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか』 新刊超速レビュー

『 裁判長!ここは懲役4年でどうすか 』など、一連の裁判傍聴本で有名な北尾トロであるが、なんといってもこれまでの最高傑作は『 キミは他人に鼻毛が出てますよといえるか 』だと思っている。タイトルにあるように、鼻毛が出てますよと注意する、とか、とんでもなくまずい蕎麦屋でまずいと叫ぶ、とか、まるで、みんなが本音を言いまくる恐ろしい町を描いた町田康の傑作小説『 本音

『世界基準で夢をかなえる私の勉強法』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『世界基準で夢をかなえる私の勉強法』新刊超速レビュー

彼女の経歴はとても不可思議でおもしろい。高校生のときにカナダへの短期語学留学したことがきっかけで、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に入学。このとき彼女はTOEFLの点数が全く足りなく、ホームステイ先で勉強をはじめたが、途中ですっぱりとそれをやめてしまう。代わりにホームステイ先で家族と会話をし、子供に絵本の読み聞かせをした。それが結果として英語の学習とな

『世界の特殊部隊作戦史1970-2011』エリート兵と非対称戦争 書影

教養・雑学 / 事件・事故

『世界の特殊部隊作戦史1970-2011』エリート兵と非対称戦争

日本が最後に経験した戦争は第二次世界大戦だ。召集兵が大規模に集結し、いく度かの大会戦を経て雌雄を決する。日本人が経験し、あるていど皮膚感でわかることのできる戦争は、この当時のままで止まっているように思う。むろんそれは素晴らしいことだ。しかし、時代は移り現代では非対称戦争の時代といわれて久しい。ゲリラ、テロなど目に見えない敵と、何時どこで戦闘になるのかわからな

『こんなにちがう中国各省気質』日中摩擦本に食傷気味のあなたへ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『こんなにちがう中国各省気質』日中摩擦本に食傷気味のあなたへ

いわゆる県民気質本だ。青森県人は口が重いのでいつも両手で支えているとか、大阪人にボケツッコミを禁止すると呼吸困難で死んでしまうとか、日本海側の府県では美人県がひとつおきに現れるとかいう、あれだ。当たらずとも遠からじ。たしかに秋田県と新潟県には美人が多いが、その2県に挟まれた山形県には・・・おっと、それはともかく本書は中国31地域の気質、簡単な歴史と経済、著名

『パッケージデザインの教科書』 ベトナムのエースコック即席めんに、こぶた君がいないワケ 書影

教養・雑学 / ビジネス

『パッケージデザインの教科書』 ベトナムのエースコック即席めんに、こぶた君がいないワケ

ヒット商品にはワケがある。息の長いおなじみ商品から最近の流行商品まで、本書では「パッケージ」という切り口からそのヒットの理由を説き明かす。「日経デザイン」編集だけあって紙面の構成も見やすく、カラー写真や図版も豊富で手にとってページを繰るだけでも楽しい一冊だ。 パッケージには、消費者に訴えたい商品イメージのみならず意外な機能も備えられている。例えば缶コーヒー。

『寄り添う 銀座「クラブ麻衣子」四十年の証』八百比丘尼は存在する。 書影

教養・雑学 / 人物

『寄り添う 銀座「クラブ麻衣子」四十年の証』八百比丘尼は存在する。

27歳のとき、人生の転機がきた。それまでは大学の専攻を生かした、動物医療機器の開発をしていたのだが、結婚とともに見事に仕事を干された。まあ、その当時、結婚したら会社を辞めるのは当たり前だったから、いま思えば仕方のないことだったのかもしれない。違う仕事に就きたいと探している時に、まるで天から降ってきたように舞い込んだのが作家の秘書という仕事だった。 私が奉職し

『何歳まで生きますか?』は聞かれてみたい質問かもしれない 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『何歳まで生きますか?』は聞かれてみたい質問かもしれない

タイトルは重いが、装丁は緩い。裏面は、牛乳1ℓの紙パックのイラスト。どんなに考えても、それに意味を見出せない。本の中身も外見の期待を裏切らない。 2009年にウェブメディアの連載企画として、スタートしたものの、連載とギリギリ言える回数の2回で終わってしまった。ユルい。その後、著者とその周囲の共有の友人が亡くなったことをきっかけに連載が再スタート。この本に至る

カッコよさにセンスは不要 『成功している男の服選びの秘訣40』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

カッコよさにセンスは不要 『成功している男の服選びの秘訣40』

デパートでは恒例の冬物バーゲンが真っ盛り。しかしよくよく考えてみると、毎年服を買い足しているはずなのに、今年着るものがないとはどういうわけだろう。昨年・一昨年に買ったシャツやセーターはどことなく古ぼけて見える。結局、衣類を毎シーズン買い続けてもタンスの肥やしが増えるばかり。 そんな悩める自分にぴったりの本が見つかった。コーディネートのレベルアップとタンスの”

『なぜゴルフ場は18ホールなのか』どうでもいい数の裏にある人間ドラマ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『なぜゴルフ場は18ホールなのか』どうでもいい数の裏にある人間ドラマ

年末年始はつい軽めの本を好んで読んでしまう。どうやらHONZ代表の成毛も同じ症状のようなので、世の中にはきっと同じ症状の本読みがたくさんいるのだろう。そんな人にオススメなのが本書である。タイトルでもある「なぜゴルフ場は18ホールなのか」など、世の中に溢れる数のいわれを解き明かす良書に仕上がっている。1項目1トリビアでそれぞれ2〜5ページなので通勤時間に読むの

ゆるり漫遊 万城目学『ぼくらの近代建築デラックス!』 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

ゆるり漫遊 万城目学『ぼくらの近代建築デラックス!』

いままで隠していたが、じつは建築ファンである。たぶんノンフィクションと同じくらい好きである。であるから、もちろん建築系ノンフィクションもよく読むのであるが、なぜかこれまで紹介する機会がなかった。今回、満を持して-というほどのことはないけれど-紹介するのは、『 鴨川ホルモー 』や『 プリンセストヨトミ 』でおなじみの万城目学が、作家・門井慶喜といっしょに近代建

『[図解] 電車通勤の作法』快適な通勤で幸せな生活を 書影

教養・雑学 / ビジネス

『[図解] 電車通勤の作法』快適な通勤で幸せな生活を

先日、 外国人が撮ったという日本の通勤電車の写真 をネット上で見かけた。そこにはドアに顔を押し付けられて、悲壮感の漂う日本人の姿が映し出されていた。そう、まるでゾンビのような日本人の姿が……。 毎朝こんな状態で通勤していたら、仕事へ行く前に疲れきってしまうのではないだろうか。私は満員電車が苦手なので、ある時期から通勤時間を早めて、座れないまでも立って本を読ん

『古代日本の超技術』を年の初めに 書影

教養・雑学 / 日本史

『古代日本の超技術』を年の初めに

毎年、初詣などで神社仏閣系の場所を訪れると、心なしかほっとした気分になる。めまぐるしい変化にさらされている昨今、何年も変わらぬ佇まいを見るということは落ち着くものだ。 世界最古の木造建築である法隆寺五重塔をはじめ、日本には古代からの木造建築が、今でもたくさん現存している。周辺の建物が様変わりしていく中、なぜこれほどもの長い間、これらの建築物は風雪に耐え抜くこ

『なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか』 産業革命と国の「仕事力」 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか』 産業革命と国の「仕事力」

そもそものきっかけは、大学受験を控えて専攻が決まらない息子と書店巡りをしていた著者のアレン教授が、ショーウィンドウ越しにオックスフォード大学出版の「入門」シリーズを見つけたことだった。 本書の原題は「Global Economic History : A Very Short Introduction」だ。最初は『豊かな国と貧しい国』という題名にしたかったが

『ハーバード流 宴会術』商社マンの宴会術ネタバレ本 書影

教養・雑学 / ビジネス

『ハーバード流 宴会術』商社マンの宴会術ネタバレ本

おいおい、こんなネタバレ本を出しちゃっていいのかよ? 本書を読み終わった後の正直な感想である。「ハーバード流」なんて枕言葉がついているが、なんてことはない、要は「総合商社マンの宴会術」である。これまで暗黙知として脈々と受け継がれてきた商社マンの伝統的な宴会術を体系的に整理し直したのが本書。若手商社マンが数年かけて学ぶことをまとめている貴重な一冊だ。 著者

『書店員あるある』本屋はネタと愛の宝庫 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『書店員あるある』本屋はネタと愛の宝庫

表紙のイラストは、ゴルフ本を読んでいる男性が“ スイングを我慢してはいるが、身体が微妙に揺れている ”図である。 本屋が好きな人なら、この一冊は終始笑えて楽しめる。あるあるネタとは、日常生活で身の回りの些細なことを挙げ、読む人に共感を得て笑いを誘う技術である。古くは枕草子もこの形式を採用し原稿を書いていた。書店員からすればゴルフ姿のおじさんは話のネタであり、

『移民の宴』 外国系日本人たちの知られざる食生活 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『移民の宴』 外国系日本人たちの知られざる食生活

高野秀行の魅力は高い親和力だと思っている。ノンフィクション作家は好奇心が強いのは当たり前。しかし相手のことを無視して、自分の取材のためだけに突き進み、相手に嫌われるまでになるのは、作品としてすごいと思っても、ちょっと嫌だ。 大学時代に怪獣さがしに行ったデビュー作『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)からその態度は全く変わっていない。好奇心はいっぱいで、何か異質

『知の逆転』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『知の逆転』新刊超速レビュー

豪華なインタビュー集である。何が豪華かというと、本書で取り上げられる6名のインタビュイー達の顔ぶれだ。その名前を見るだけでもわくわくしてくる。 ・『 銃・病原菌・鉄 』の進化生物学者、 ジャレド・ダイアモンド ・『 生成文法の企て 』の言語哲学者、 ノーム・チョムスキー ・『 妻を帽子とまちがえた男 』の神経学者、 オリバー・サックス ・『 心の社会 』のコ

『「忠臣蔵」の決算書』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『「忠臣蔵」の決算書』新刊超速レビュー

12月14日は赤穂浪士討ち入りの日だ。当日は江戸の冬らしく晴れだったらしい。旧暦は太陰暦だから毎月15日は満月だ。当然月明かりだけで仕事ができたであろう。しかも、吉良上野介はその日茶会を開いていて在宅であることが確定していた。大石内蔵助ならずとも「上野介、ぬかったな!」と声を掛けたくなる。それほどに赤穂浪士の欺瞞工作が上手かったということでもある。 ところで

純潔にまつわるエトセトラ。『エキストラバージンの嘘と真実』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

純潔にまつわるエトセトラ。『エキストラバージンの嘘と真実』

スーパーで売られているエキストラバージン・オリーブオイルの大半は偽物であるーーそんな衝撃的な事実を明かし、全米でベストセラーとなった本だ。 もちろん私も、まさにそこに惹かれて本書を購入したわけだが、実は本書は、歴史、政治、経済、ビジネスなど多様な「オリーブオイルをめぐる真実」に触れられていて、それをネタに何冊もの飛び切り面白い本が書けそうなぐらいなのだ。 例

『怒る!日本文化論』 昔は良かったというけれど 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『怒る!日本文化論』 昔は良かったというけれど

父は国際スパイ、母はナポリの花売り娘。自称イタリア生まれの謎の論客として著者がデビューしたのは2004年の『反社会学講座』。軽い文体ながら、統計資料を使って、世間の常識に物を申すスタイルは当時は斬新で、世間のひねくれ者の喝采を浴びた。あれから8年。いまだに正体を明かさず、イタリア語をしゃべれないイタリア出身の千葉県民というキャラ設定を貫き通す姿勢には敬服する