
『ヘンな特許100連発』新刊超速レビュー
「ビニ本」漁りがとまらない。誤解しないで欲しいが、ビニールで包装されたポルノ雑誌ではない。そちらも嫌いなわけではないが、私が今、言及しているのはビニはビニでも「コンビニ本だ」。雑誌コーナー近くに売っている、見るからに粗悪な紙でつくられた簡易本である。宇宙人がどうとか山口組がどうとか、HONZ読者が引いてしまうタイトルも少なくないが、中には500円前後の価格以
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「ビニ本」漁りがとまらない。誤解しないで欲しいが、ビニールで包装されたポルノ雑誌ではない。そちらも嫌いなわけではないが、私が今、言及しているのはビニはビニでも「コンビニ本だ」。雑誌コーナー近くに売っている、見るからに粗悪な紙でつくられた簡易本である。宇宙人がどうとか山口組がどうとか、HONZ読者が引いてしまうタイトルも少なくないが、中には500円前後の価格以
統計データはためになる! ~棒グラフから世界と社会の実像に迫る~ 世の中には様々なデータがあふれているが、数字だけではピンとこないものだ。しかしグラフ化した途端にメッセージが浮き彫りとなり、直感的にこれに納得できたといった経験はないだろうか。 たとえば、 「老舗企業創業年次ランキング」 をご覧いただきたい。 イオン、高島屋、新日鐵、伊藤忠商事といった江戸・明

海外旅行に行くときに気になるのは、気候や気温、安全性やお国柄、もうひとつ重要なのが物価である。そこならではのお土産が買いたいし、できれば町の食堂でご飯も食べたい。屋台では何を売っているのだろう、とか、マクドナルドやケンタッキーなど、日本の味と比較もしたい。もちろん、ガイドブックをみれば大まかなところは分かるけれど、一目で比較が出来たらいいのに。 長年、そんな

文楽に嵌ってはや10年。年ごとに病膏肓に入り、今では大阪文楽劇場へも通うようになってしまった。せっかく大阪まで遠征するのだから、と舞台がはねたあとの食事や、何か美味しいものを買っていきたいと、いいガイドブックを探していた。5年ほど前、人から教えてもらったのが『大阪名物』。大阪在住の女性フリーライターふたりが、和菓子、洋菓子、乾物、食事、調味料、お酒、嗜好品、
わたしは菊人形バンザイ研究者 一冊もご本を読んだことはないのであるが、出久根達郎さんが好きである。どうして好きなのかというと、『 世にも奇妙な人体実験の歴史 』 の 朝日新聞・書評 の最後に「軽妙な訳文が読みやすく、仲野徹の解説も要領よく秀逸である。」とお誉めいただいたからである。ご本を何冊か読んでからお礼状をと思いつつほったらかしになっているので、ここにお

酒とつまみチャンポン―創刊10周年記念なんちゃって傑作選 (別冊酒とつまみ 1) 一部のオジサンに熱狂的な支持を受ける雑誌「酒とつまみ」。というよりも世間一般には知られていない雑誌「酒とつまみ」。 創刊10周年を記念しての傑作企画をまとめたのが本書だ。雑誌不況の荒波の中で10年とはすごいの一語だが、季刊誌を名乗りながら一度も季刊できていない脱力ぶりがその秘訣
ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書) 犬のケンカの科学のことではない。ドッグファイトとは戦闘機同士による格闘戦だ。第1次世界大戦のごく初期には自分の下を飛ぶ敵機にレンガを落としていたこともある。そのあとは瞬く間のあいだにピストルから機関銃、機関銃から機関砲、さらに空対空ミサイルの装備と変化していった。現在では72km先

仲野徹による岡田斗司夫氏へのインタビューの後編です(前編は こちら )。まず、 『オタクの息子に悩んでます』 を読み、また仲野徹による このレビュー に目を通してからこのインタビューを読むと、何倍も楽しめますよ。 今回の後編では、徐々に本の内容を離れて、雑談の様相に。そんな雑談を掲載できてしまうのもウェブのいいところ、雑談のなかに面白い言葉が散りばめられてい
京のわる口 (平凡社ライブラリー) ゆっくりと、余韻に浸りながら読み進めたい一冊だ。本書では、京都出身で太宰治賞の受賞作家でもある著者によって、題名にもある「京のわる口」が一つずつエッセイに綴られている。陰陽で言えば陰、「批判語」というネガティブなテーマであるにもかかわらず、全編、懐かしくも雅な雰囲気が漂う。何とも不思議な一冊だ。 私の感覚では「ちょっと羽目

仲野徹が「古典的名著、デール・カーネギーの『道は開ける』 に匹敵すると言っても過言ではない」と絶賛し、HONZでも大きな反響があったのが このレビュー 。本の売れ行きも好調で、何度も重版がかかっているという。 レビュアーの仲野は、かねてから朝日新聞連載の人生相談「悩みのるつぼ」における岡田斗司夫氏の回答の大ファンで、本書の元になった、大阪のNHK文化センター
世界珍本読本―キテレツ洋書ブックガイド めったにないだろうが、ある本に出会ったがために、それまでの人生がガラガラと音をたてて崩れてしまうようなことがあるはずだ。時と場合と人によって、そのような本はさまざまであり、マルクスの『資本論』であるかもしれないし、デヴィ夫人や野村沙知代の写真集であるかもしれない。『世界珍本読本』、不用意に読んでしまうと、あまりの内容に
小学校で習った言葉 さか上がりを英語で言えますか? 常々、日本人の9割に英語はいらないと言ってきた。9割の国民は数年に1回行くかどうかの海外旅行以外で英語を使う機会はない。自分自身、12年前にマイクロソフトを退職したあとは、海外への観光旅行以外で英語を使ったことはない。英語が必要なのは都心のホテルマン、外資系社員の一部、商社マンやメーカーの海外担当者などじつ

世の中には真の意味で、役に立たない本というものがある。あらゆる本は役に立たない、という議論もあるが、そんな深遠なことじゃなく、見た瞬間に役に立たないとわかる本、ばかばかしさやくだらなさを乗り越え、「役立たずな方向」に、全力で、一生懸命、真剣に突き進む本たちのことだ。最近なら 『醤油鯛』 もすばらしいが、ここにまた一冊、そんな愛すべき本が誕生した。 試験に出な

クリスマスシーズンのスーパーマーケット。聖なる日を祝うための、きらびやかな飾りつけ。そんな店内のなかで、ひとりの女性が怒り狂い、チキンのパックを、つれの女性に投げつける。『アイリーンといっしょに』は空を飛ぶチキンで幕開けする。 著者テレル・ハリス・ドゥーガンはユタ州ソルトレーク市に住む初老の女性だ。チキンを投げつけたのは彼女の妹でアイリーン。彼女が生まれると

人生に困った時、この本をひもとけば必ず何らかの打開策を得ることができる。なんとも画期的な本である。おもろい人生相談だけでなく、その回答にいたる思考回路を惜しげもなく披瀝し、その方法論を一般化したこの本は、かの古典的名著、デール・カーネギーの『 道は開ける 』 に匹敵すると言っても過言ではない。 朝日新聞の土曜版に掲載されている『悩みのるつぼ』の回答陣の一人、

HONZのレビューの書き手は日付の下一桁で決まっていて、さながらプロ野球の先発ローテーションのようだ。先発1番手は投稿回数73の鉄腕内藤順、2番手は豪腕ならぬ豪筆村上浩、3番手の神様仏様土屋様は昨日HONZ史上最高のアクセス数を記録、サーバーをダウンさせた。 強力3本柱の後、4の付く日はそれなりにプレッシャーがかかる。だとしても、怖じ気づいてもボールを投げな

これは、エストニア出身の大関・把瑠都が初優勝のインタビューで、国技館まで駆けつけた母親に捧げた言葉である。この台詞は、母親への感謝を表す感動的なものではあるが、何だか違和感がある。あなたが日本人なら、日本語を母語として操るなら、違和感の正体は明らかだろう。そう、こういうとき私たちは、「生んで くれて 、ありがとう」と言うのだ。実際に、このインタビューを伝える

世界中で愛飲されているシャンパン。パーティーや祝いの席には欠かせないワイン。この美しく輝く琥珀色で泡立つワインの歴史は、それほど古いものではない。そもそもワインに泡が立つということはワインの腐敗を意味し、歓迎されることのない現象なのだ。スパークリングワインの発祥や商品化については、どこで始まり誰が行ったのか諸説あり、いまひとつはっきりとしていないようだ。 シ
ゼロからトースターを作ってみた 最初に壊したのは、多分おもちゃだ。 人形遊びが嫌いで、虫を捕ったりパズルをしたり、図鑑を見るのが好きな子供だった。動いているものを見ると、どうして動くのかが知りたくて、バネ仕掛けのびっくり箱やオルゴールを分解したことを覚えている。目覚まし時計をバラしたときは、誰もがそうだろうけれど、最後にネジが1本余った。普通に動いたので問題

ホームに入ってくる新幹線に一礼している集団を見たことあるだろうか。フランスの国鉄総裁に「これをフランスに輸出してほしい」と言わしめた日本が誇る「おもてなし集団」である。前米国カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルェネッガー氏や米国運輸長官ラフード氏も、日本を訪れた際にわざわざこの集団を視察している。国内では『日経ビジネス』誌がこの集団を「最強のチーム」と

線量計と機関銃。ふたつは戦時と現在をまたいで同じ役割を果たしている。戦時中、機関銃は科学の発達により「誰でも簡単に大量殺戮が可能な」兵器として発明された。機関銃を背負った人々は誰でも簡単に、躊躇せず、敵を打ち負かす。専門的な技術を必要としない武器は、当時の人々に衝撃を与えた。 そして3.11後の現在。人は線量計を片手に取り、原発と向き合う。かつて、エネルギー

本一冊で人が死ぬこともある。嘘だと思うかもしれないが、本当の話だ。 『 悪魔の詩 』の翻訳者が筑波大学の構内で殺された事件は鮮烈に記憶に残っているし、ジョン・レノンを殺害した犯人が事件直後に『 ライ麦畑でつかまえて 』を読んでいた話もあまりにも有名である。しかし「事件・災いを引き起こした本」は、この他にもまだまだ沢山あるのだ。 例えば『ピーター・パンとウェン

映画「ALWAYS三丁目の夕日」が公開されて以降、昔を懐かしむ声をよく聞くようになった。社会学者の宮台真司などは「当時ってあんなに町並み綺麗じゃないだろ。ドブくさくてたまらないだろ」と突っ込みをひたすら入れ続けているが、ノスタルジーに浸りたい人びとは意外と多いのだろう。05年に一作目が公開されて以降、人気は根強く今年初頭には第三作目が封切られた。高齢者の方が

俳句と言えば何を思い浮かべるだろうか。年寄り趣味の代表格、自分のメッセージや感動の自己表現、五七五や季語を入れるなどルールが多そう……。そういった先入観をいったんチャラにして、俳句を「自分の外に出るためのゲーム」として捉えなおそう、というのが著者の提言だ。 その第一歩は「俳句は自己表現の手段」という考え方を否定すること。そもそも人間の「言いたいこと」なんて高

サブカルライターであり書評家であり、「プロインタビュアー」を名乗る吉田豪がサブカル業界人10人に迫ったインタビュー集だ。雑誌「クイック・ジャパン」の連載をまとめたもので、インタビュー対象はリリー・フランキー、大槻ケンヂ、松尾スズキ、みうらじゅん、菊池成孔など一定の知名度があると思われる人から杉作J太郎など一部のマニアには熱狂的に受けそうな人まで。狭いのか広い

人生相談が好きである。どれくらい好きかというと、伝記を読むのと同じくらい好きである。他人の人生を覗いてみたいというお下品な趣味ねと人は嗤うかもしれない。が、ちょいと言い訳をさせてもらうと、私にとっては、伝記と同じように、人生相談も、ある意味で人生のテストパターンなのである。 悩みというのは、もちろん、フィリピンと台湾とポーランドに愛人がいて、それぞれに7人ず

『宗教とツーリズム』という題を見て、抜き差しならない何かがありそうな気がしたのだ。喩えて言うなら、ボランティアと偽善、とか、お金と愛、とか、処女より娼婦のほうが心は清純とか、そんな感じで、宗教なの?ツーリズムなの?どっち!という話ではないかと勝手に想像、よっしゃ、いってこい!とひっそりネット購入した。この本ベースにいろいろ無責任な事を考えたら、きっと楽しいに

真面目な本の紹介ばかりをしていると、たまにシュールな図版ものを挟みたくなってしまう。前書は2011年に発売された『図解!! やりかた大百科』。この本はさまざまな「やりかた」をイラスト付きで紹介している。たとえばテーブルの下で足でいちゃつくには、やぎの乳の搾り方など私にとってシュールな内容たっぷりの本であった。今回紹介するスピンオフ版は、生き残る事に特化した『

「食堂車」――この言葉に私はそそられた。 動く乗り物でなにかしら食べるのが好きなのだ。乗車が2時間以上となれば、必ずなにか食べねばと思う程である。なにしろ列車で駅弁を食べたりビールを飲んだりすると、なぜなのか得をした気持ちになる。 九州新幹線のデザイナー水戸岡鋭治の「気」と「志」——サブタイトルはこの通り。水戸岡さんってNHKの「プロフェッショナル」に出てた

たいして映画の分野に明るいわけでもない僕が、なぜこの本を手にすることになったのか?まず、その話から始めさせていただきたい。 8月8日、 記念すべき初めてのHONZ公開朝会 。あの日、何もかもが順調だった。いつも通りオーストラリアへのSkypeはつながりづらかったし、麻木 久仁子の本は大量の付箋でふっさふさだったし、鈴木 葉月も大きな袋に風呂敷と万全の重装備で

日本語の語源を解説する書籍は書店でもよく見かけるが、本書は悪態・罵倒語に絞ってとりあげ、使用法の変遷を振り返っている。なぜその言葉が使われるようになり、使いつづけられるのか。新聞や、各種文学作品、古事記や日本書紀などの古典、国会会議録などから用例を地味に拾っている。その地味な作業と対照的に目次は過激な文言が並ぶ。罵倒語の本だから当然といえば当然だが。 目次を

マイクロソフトのOBにはいろいろな人がいる。初代研究所長だったネイサン・ミアボルドの場合はシェフになり、史上最大の料理本を出版した。この史上最大の料理本の重量は19.3kg、インクの重量だけで1,9kgもある。マッド・サイエンティストならぬ、マッド・シェフだ。この人は2000年の時点で少なくとも5つの学位を持っていた。ビルゲイツが提唱する次世代原子炉テラパワ
小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない 現在、日本に「職業は小説家である」と胸を張って言える人は何人ぐらいいるのだろう。あなたの身内や友だち、知り合いに小説家はいるだろうか?私のような特殊な事情(小説家の秘書だった)とか、文芸編集経験者ならともかく、出版社に勤めていても小説家の知り合いなどほとんどいない場合が多い。 では「小説家にな
作家はどんな家に住んでいる? 本棚や書斎には何が並んでいる? こんなことを知りたい人に捧げられた本が、世の中には数多くある。 たとえば今回あげるこの一冊。タイトルのままに素直に作られているのだが、取り上げている顔ぶれの豪華さには驚いてしまう。ジェフリー・アーチャー、トム・クランシー、パトリシア・コーンウェル、マイクル・クライトン、ロアルド・ダール、ジェームス

30年以上前の大阪の料亭、「君」はパナソニック創業者松下幸之助、一喝したのは立花大亀、名経営者に遅れること5年、商人の街である堺に生まれた。大徳寺の住職として1899年から2005年まで3つの世紀にまたがって生きた、数少ない人物である。大徳寺は一休さんのモデル一休宗純が応仁の乱の後、寺の再興のため住職を務めたことでも有名で、利休の自刃する原因となった事件が起

たしかに”言ったもの勝ち”の世界ではあると思う。これまでにもHONZの朝会では、 こんな本 や こんな本 だって話題になってきた。しかし、そこで競い合うように示されてきた数字とは、桁が一つ違うのである。 誰だって長生きはしたいと思うのが、世の常であるだろう。そんな我々の寿命を2倍にも3倍にも、あるいは好きなだけ延ばせると確信している男 ― それが本書の主人公

著者は酒飲みの間では有名なあの大竹聡氏である。「ああ~」という声が聞こえてきそうなのは私だけだろうか。そんなことはない。居酒屋のオヤジたちは今の文部科学大臣を知らなくても大竹氏は知っているはずだ。JR中央線の各駅のホッピーを提供する店をマラソンと称して巡った名著『中央線で行く東京横断ホッピーマラソン』で酒飲み達の注目を集めたあの大竹氏である。酒飲みなら誰もが

住居空間は生きる上でかなりの時間を費やす非常に重要なスペースだ。普段の生活も環境さえ整えば、住んでいる当人はとても豊かになっていく。デザインも日々進化しているのと同様に、住居もそれに伴い住んでいる人の用途に合わせて生き物のように変化していいはずだ。 2012年現在では単純に新しい空間がよいと思える時代は終わったのではないだろうか。これからは、すでにある空間や

「あれ?同じ本が立て続けにHONZに紹介されてる。なにかのミスか、はたまたHONZメンバーの共食いか。」と、思われた方もおられるやもしれませぬ。しかし、じつはどちらでもないのでございます。不肖、巻末に解説を書かせていただいたご縁から、文藝春秋(平成24年8月号)の『本の話』に、この面白本の紹介をさせていただくこととなりました。せっかくのことでもあり、その紹介

本書によれば、誘拐事件は世界で毎年2万件以上報告されている。発生件数は過去12ヵ月で倍増した。今この時間にも、監禁されている人質が世界中に何百人もいる。そのうち当局に通報があるものは10分の1に満たない。70%は身代金の支払いによって解決する。力ずくで救出される割合は、わずか10%だ。身代金の要求額は5000ドルから1億ドルまで(1ドル80円換算で、40万円